東京簡裁平成19年8月7日判決抜粋

東京簡裁平成19年8月7日判決より抜粋

(1)町内会は、自治会とも言われ、一定地域に居住する住民等を会員として、会員相互の親睦を図り、会員福祉の増進に努力し、関係官公署各種団体との協力推進等を行うことを目的として設立された任意の団体であり、会員の自発的意思による活動を通して、会員相互の交流、ゴミ等のリサイクル活動及び当該地域の活性化等に多くの成果をもたらしているところである。そして、町内会は、法律により法人格を取得する方法もあるが、多くの場合、権利能力なき社団としての実態を有している。
このような町内会の目的・実態からすると、一定地域に居住していない者は入会する資格がないと解すべきではなく、一定地域に不動産を所有する個人等(企業を含む)であれば、その居住の有無を問わず、入会することができると解すべきである。そして、前記目的・実態からすると、町内会へ入会するかどうかは個人等の任意によるべきであり、一旦入会した個人等も、町内会の規約等において退会の制限を定める等の特段の事由がない限り、自由に退会の意思表示をすることができるものと解すべきである。

(2)ところで、区分所有法第3条、第30条第1項によると、原告のようなマンション管理組合は、区分所有の対象となる建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うために設置されるのであるから、同組合における多数決による決議は、その目的内の事項に限って、その効力を認めることができるものと解すべきである。
しかし、町内会費の徴収は、共有財産の管理に関する事項ではなく、区分所有法第3条の目的外の事項であるから、マンション管理組合において多数決で決定したり、規約等で定めても、その拘束力はないものと解すべきである。
本件では、原告の規約や議事録によると、管理組合費は月額500円となっており、親和会当時からの経緯によると、そのうちの100円は実質的に町内会費相当分としての徴収の趣旨であり、この町内会費相当分の徴収をマンション管理組合の規約等で定めてもその拘束力はないものと解される。

(3)原告は、町内会の存在によって被告は一定の恩恵を受けるのであり、町内会費が月額100円という金額からすると、町内会への加入は不可欠であり、合理性もあることから、規約等に管理組合費の定めがあることを根拠として、町内会費の請求をすることができる旨の主張をするが、前述のとおり、管理組合費のうち100円については、実質的に町内会費相当分であって、その部分に関する原告の規約等の定めは拘束力がないのであり、また、区分所有法第3条の趣旨からすると、原告自身が町内会へ入会する形を取ることも、その目的外の事項として、その入会行為自体の効力を認めることはできないものと解されることからすると、これらを根拠に、原告が被告に対し、未払いの町内会費の請求をすることはできないと解すべきである。
その他、原告がその権利主体である旨(例えば、原告と被告との間の委託契約の成立等)の主張・立証もない。
そうすると、町内会費を請求する権利主体ではない原告が同会費の請求をすることは認めることができないと解される。

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