カオスなあなたにとっての画期的判例

平成23年7月21日最高裁第一小法廷にて裁判長裁判官 金築誠志 裁判官 宮川光治 裁判官 櫻井龍子 裁判官 横田尤孝 裁判官 白木勇 事件番号平成21(受)1019通称 別府マンション事件損害賠償請求訴訟の判決が言い渡された。

その内容を要約すると、
建物はそこに居住する者、そこで働く者、そこを訪問する者、その周辺の他の建物、隣人、通行人に対し、設計者施工者及び工事監理者はその建物の先に示した関係者に対し、建物の基本的安全性が欠けないよう配慮する注意義務を負い、設計者<、施工者等がこの義務を怠ったために建築された建物に、建物としての基本的安全性を損なう瑕疵があり、それにより居住者等の生命、身体または財産が侵害された場合には、設計・施工者等は、これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負う。具体的には、この瑕疵を放置した場合に、鉄筋の腐食,劣化,コンクリートの耐力低下等を引き起こし,ひいては建物の全部又は一部の倒壊等に至る建物の構造耐力に関わる瑕疵はもとより,建物の構造耐力に関わらない瑕疵であっても,これを放置した場合に,例えば,外壁が剥落して通行人の上に落下したり,開口部,ベランダ,階段等の瑕疵により建物の利用者が転落したりするなどして人身被害につながる危険があるときや,漏水,有害物質の発生等により建物の利用者の健康や財産が損なわれる危険があるときには,建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当する。民法709条

要約しても分かりづらいと思うので、もっとフランクな言い方にすると、震度5強程度の地震で倒壊若しくは一部分が壊れてしまうような建物や、地震時ではなくとも外壁のタイルが剥げ落ちて通行人にケガを負わせてしまうような建物(ただし、約20年以上経過した建物を除く)、もしくは通常の使い方や歩行で階段や手摺から転落してしまうような建物を作った人(施工者)、その建物の図面を監修した人(設計者)やその設計図に基づいて建物が作られていることを確認し、作っている人に注意や作り直しを指示した人(工事監理者)は、その建物に居住する者、そこで働く者、そこを訪問する者、その周辺の他の建物、隣人、通行人に対し先のような理由によって生命、身体または財産が害された場合には、その損害について法に違反する行為として(不法行為)その損害額を(賠償責任)支払わなければならない。

別府マンション事件判例全文を参照されたい方は下記よりアクセス下さい。

『別府マンション事件判例』

どうです。画期的判例でしょ!

私もこの建築業界の主に建築設計業を生業として46年生きてきましたが、何が画期的かといえば、私のような建築設計者、工事監理者や施工者消費者保護に対する感性を、上記の判例は軽くそれを5歩も10歩も超えてしまったと言うことです。

それほど想定外の判例なのです。たとえが悪いと叩かれるかもしれませんが、
建築業界にとってはフクイチのトリプルメルトスルー事故と同程度のインパクトなのです。

私の心の中のつぶやき『やっと、こんな時代が到来したか!!!!』
このつぶやきについては、またおいおいこのブログにて開陳させていただきます・・・・・

この判例の詳細の内容を知りたいという方は「別府マンション事件」でググってみて下さい、
法曹界からのこの判例に対する考察論文や、聡明な不動産業者のコメント等結構盛りだくさんの内容です。

なぜこんなことになるかと言えば、それだけこの判例が与える影響が大きいと言うことです。
建築技術に疎い法曹界も、金の亡者の不動産業界にとっても建築業界程ではないにしても、
この判例はとてつもない破壊力を持っていると言う事なのです・・・

文責 釈迦牟尼仏 建太

次回に続く(別府マンション事件以前

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