杭データ偽装事件151020

杭データ偽装事件151020

建設業法 行政処分、違反に応じ3種類
2015/10/19 2:00

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建設業法は業者に対する指導、監督を目的とした法律で、建設業の許可制度、工事の請負契約に関するルールなどを定めている。同法の規制に違反する行為があった場合、建設業許可を出している国土交通省や各都道府県知事による行政処分の対象になる。行政処分には、最も軽い「業務改善命令(指示処分)」から、1年以内の「営業停止処分」、最も重い「建設業許可の取り消し」まで、違反行為の内容や程度に応じて3種類がある。
処分の対象としては▽不適切な工事によって公衆に危害を及ぼしたとき、または危害を及ぼす恐れが大きいとき▽手抜き工事や入札時の虚偽申請など、工事の請負契約に関して不誠実な行為をしたとき▽刑法や建築基準法など、他の法令に違反したとき▽一括下請け(丸投げ)禁止に違反したとき――などが挙げられている。
建設業法では行政処分とは別に、無許可営業や不正な手段による許可取得などについて、個人や法人に対する罰則も設けられており、刑事処分を受けることもある。公共工事における指名停止措置は行政処分ではなく、各発注機関が定めている要綱などに基づいて行われる。
ここまでhttp://www.nikkei.com/article/DGXLZO92960650Z11C15A0NN1000/より引用

三井住友建など行政処分も マンション傾斜、国交省検討

2015/10/19 2:00 日本経済新聞 電子版
三井不動産グループが販売した横浜市都筑区の大型マンションが傾いている問題で、国土交通省は18日までに、建設工事を請け負った三井住友建設や、基礎の杭(くい)打ち工事を担当した2次下請けの旭化成建材について建設業法違反の疑いがあるとして、行政処分の検討を始めた。

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三井住友建設はマンションを販売した三井不動産レジデンシャルと19日から、問題のマンションで杭や地盤の状況を改めて調査する。傾いた1棟の調査結果は11月中旬にもまとめ、マンション住民に説明する。
建設業法に基づく行政処分には、業務改善命令や営業停止などがある。手抜き工事で建物に重大な欠陥が生じた場合、処分対象の「請負契約に関する不誠実な行為」に当たるとされる。
国交省の担当者は「元請けや1次下請けによる工事の管理の体制が適切だったかどうかも含めて調査し、処分を検討する」としている。
問題のマンションは2006年に販売が開始され、07年12月に完成した。建設工事では三井住友建設が元請けとなり、日立ハイテクノロジーズが1次下請けとして工事の進捗状況などを管理。杭打ち工事は2次下請けの旭化成建材が担当した。
杭打ちの際に土の抵抗値を計測したデータに転用や加筆などの改ざんがあり、一部の杭は固い地盤に届いていなかった。杭の先端を覆うセメント量のデータにも一部で改ざんが判明。杭打ちの現場責任者を務めた旭化成建材の社員が改ざんに関わったとみられている。
杭のデータ改ざんは4棟のうち3棟の計70本に上るが、三井住友建設などはデータ改ざんや施工不良に気づかず、そのまま建設は進んだ。
一部の杭が強固な地盤に届いていないことから、設計上の耐震強度を満たしていない可能性もあり、横浜市は建築基準法違反の疑いがあるとみて調査を進めている。
ここまでhttp://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H0Q_Y5A011C1MM8000/より引用

傾いたマンションで暮らす友人に緊急アドバイス
建築&住宅ジャーナリスト 細野透氏
2015年 10月19日
「君はあのマンションで暮らしているのか?」
前回の記事「マンションを傾斜させた旭化成建材の罪深い行為」を執筆した翌日、にわかに胸騒ぎがしてきました。私の友人が横浜市郊外の三井不動産レジデンシャルが分譲したマンションに住んでいるはずなのです。急いで住所録を調べると「横浜市都筑区池辺町4035」となっています。郵便ではマンション名を書かなくても届くので、今までは分からなかったのですが、これは杭の欠陥工事で建物が傾いた「パークシティLaLa横浜」の住所そのものです。
直ちに電話をしました。「君はあのマンションで暮らしているのか?」
彼は落ち着いた声で答えました。「その通りだ。しかも、傾いた西棟に暮らしている。
私「これまでに書いた記事を送るので参考にしてほしい」
友人「分かった。読ませてもらう」
私は『耐震偽装』(2006年、日本経済新聞社刊)の著者として、多くの欠陥マンションを取材してきましたが、親しい知人が巻き込まれたケースは初めてです。欠陥マンション問題に知識を持つ者として、当然のことですが、できる範囲でアドバイスをしなければなりません。ただ私はジャーナリストですので、友人を含むマンション管理組合の皆さんに、役に立つ記事を書くという形でアドバイスした方がいいと考えました。
まず、現状をまとめておきましょう。旭化成建材による杭の欠陥工事によって住棟が傾いてしまった「パークシティLaLa横浜」は、ウェストコート(西棟)、フォレストコート(森棟)、センターコート(中央棟)、サウスコート(南棟)の4棟に分かれています(配置図は三井不動産のプレスリリースから引用)。

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西棟──建物が傾いている。旭化成建材が施工した杭6本が支持層(固い地盤)に届いておらず、2本は支持層に届いていましたが深さが不十分でした。この8本を含む杭10本で深さデータを偽装、4本で杭の先端を支持層に固定するためのセメント量データを偽装しています。
中央棟──杭18本で深さを偽装、36本でセメント量を偽装。
南棟──杭10本で深さを偽装、5本でセメント量を偽装。
森棟──偽装は見つかっていません。

「呉越同舟」方式の連絡協議会
今回の問題に関して、新聞とテレビを中心とする各メディアは国土交通省、横浜市、三井不動産レジデンシャル、三井住友建設、旭化成建材の動向を連日のように伝えています。
まず国交省は三井不レジに傾いた原因を調査し報告するように指示。同社は4棟すべてについて調査を行い、第三者機関を入れて安全性を検証する予定です。さらに三井住友建設や旭化成建材に対し、行政処分も検討しているとされます。
また横浜市は施工者の三井住友建設に対して、地震などに対する安全性について、第三者機関による検証を受けたうえで結果を報告するよう求めています。同社は今月19日以降、4棟すべてについて杭の現況を調査して、来月中旬ころまでに報告書をまとめる見通しです。
次に三井不レジは、全4棟705戸を対象に、建て替えを基本的枠組みとして住民と協議を進める意向を示しました。工事中の仮住まいにかかる費用を負担するほか、精神的負担や風評被害による資産価値の目減りに対する補償も検討し、住戸の買い取りにも対応する方針です。
ほかに旭化成建材は「建物の補強、改修にかかる費用を全額補償する」と表明しています。
国交省と横浜市がきちんとした指示を出し、資金力がある三井不レジと旭化成建材が相応の責任を果たすと表明し、社会からの同情と関心も高い今、マンション管理組合として心がけるべきなのは、「禍いを転じて福となす」および「鉄は熱いうちに打て」ということわざです。具体的には、大きな原則を決めて、可能な限り迅速に行動することが大切かと思います。

【原則1】迅速に対応できるように、「呉越同舟」方式の連絡協議会を組織する。

マンション管理組合の核となる理事会のメンバーは、仕事を持っている人が多いため、今回の欠陥問題に全エネルギーを注ぐゆとりがないと思います。それでは問題を迅速に解決することはできません。
よって、管理組合と関係各社(三井不レジ、マンション管理会社、三井住友建設、旭化成建材)で「連絡協議会」を組織。協議会の下部組織として、関係各社の担当者を集めた「実務担当事務局」をおいて、問題の処理に必要な作業は彼らに依頼してはどうでしょうか。
現時点では管理組合と関係各社は対立関係にありますが、問題を解決するためにはいつまでも対立しているわけにはいきません。そのために「呉越同舟」方式に切り替えるのです。
なぜ「呉越同舟」方式なのか。それはもう少し先に進んで「実行課題3──先例の研究」を読めば理解いただけるはずです。
この方式を成功させる鍵は、徹底した情報の公開にあると思います。住民のプライバシーに触れる部分は別として、ウェブサイトを開設して重要な出来事を説明したり、場合によっては記者発表を行ってはどうでしょうか。そのように対応すれば、心配してくれている人たちへの報告になります。また将来、欠陥問題に巻き込まれるかもしれない他のマンションの住民にとっても、貴重な資料になるはずです
住民の要望は大きく5タイプに分かれる

【原則2】住民の多様な要望に応える。

建物がすでに傾いている西棟、施工偽装が発覚した中央棟と南棟、偽装が発覚していない森棟では、住民の要望が異なると思われます。また通園・通学する子供がいる世帯、高齢者夫婦が住む世帯、住民同士のコミュニティを築いた世帯でも、要望は異なるでしょう。それを考慮すると、住民の要望は大きく5タイプに分かれると予想されます。
一-構造的に安全なら、このまま住み続けたい。
二-補修・補強工事で安全になるのなら、それを選択したい。
三-構造的に建て替えなければならないのなら、それを受け入れる。
四-退去したいので、買い取ってもらいたい。
五-構造的に安全でなくても、このまま住み続けたい。
このうち一から四については、可能なら要望を叶えなくてはなりません。しかし五は建築基準法的に不可能ですので、その事実をきちんと説明して、納得してもらう必要があります。
原則が固まったら、次は何点かの課題を解決していかなければなりません。

【実行課題1──安全性確認】

これは、建築基準法第20条によって、構造の安全性を各棟ごとに確認する課題です。具体的には、実務担当事務局に次の作業を行ってもらいます。
一-現状ではどの程度安全か評価書を作成する。
これについては、すでに国交省から三井不レジに、また横浜市から三井住友建設に指示が出ていますので、その結果を待つことになります。
二-安全でない場合には具体的な対応策をまとめる。
とりあえず補強・補修工事が技術的に可能かどうかを、事前に検討しておいてもらいます。私は補強・補修工事は極めて困難と判断していますが、仮に可能であるとしたら、その工事内容、工事期間、入居者に与える影響(騒音、一時退去の必要性)などを調べてもらいます。
三-建て替える場合の具体的な対応策をまとめる。
補強・補修工事が不可能な場合には、残る手段は建て替えだけになりますので、事前の検討が必要です。この場合には、工事中の仮住居の確保が重要な課題になります。
将来どうなるかを予想するためには、このような準備作業が欠かせません。

【実行課題2──住民の希望調査】

調査は大きく2種類になります。まず、杭が傾いたため、住戸内がどのような状態になったのかを応急調査して、住民の不安に応える必要があります。
次に、住民(区分所有者)が、原則2「住民の多様な要望になるべく応える」で説明した5タイプのうち、何を希望しているのかをアンケート調査。4つの住棟ごとの傾向とマンション全体の傾向を把握する必要があります。
旭化成グループの旭化成不動産レジデンスは、古い団地やマンションを再開発してよみがえらせる、頼りになるマンションデベロッパーとして知られ、同社の「マンション建て替え研究所」はいろいろな実績を残していますので、その手助けを受けるのも一策です。

「先例の研究」と「建て替え決議の実施」

【実行課題3──先例の研究】

住友不動産が分譲した横浜市西区のマンション「パークスクエア三ツ沢公園」の住棟で、建物を支える杭の一部が固い支持層まで届かず、建物が傾斜している問題はその後、どうなったのでしょうか。
これについては、管理組合が2014年11月28日に、「違反建築物問題ボーリング調査結果報告及び瑕疵原因報告に関する管理組合見解」というプレスリリースを発行したことまでは分かっていますが、それ以降のことは報じられていません。
プレスリリースの中には気になる一文があります。「昨年6月29日に本問題を提起してから1年5カ月が経過しましたが、住友との協議は管理組合にとって本当にストレスがたまるものでした。住友側は仕事ですが、組合側は土日をつぶしてボランティアでやるしかないという基本構図があります」。この一文から「呉越同舟」方式の連絡協議会の必要性を痛感しました。
このプレスリリース全体に目を通すと、欠陥問題に巻き込まれると管理組合と住民が、悲惨な状況に追い込まれるのかが分かります。それを避けるには「呉越同舟」方式の連絡協議会をつくり、かつ情報を公開して社会の支援を得なければならないのです。
また三菱地所レジデンスが東京都港区南青山7丁目に建設中の高級マンション「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」が、工事の不具合により販売中止・契約解除の事態に追い込まれた問題はその後、どうなったのでしょうか。
これについては記事「三菱地所は円満解決に向けオプション権を付与──東京青山・億ション工事失敗事件の第5報」において、2014年3月15日の説明会で、建物を解体して再建築する方針を決定したことまでは報じましたが、それ以降の進行状態は押さえていません。
「実務担当事務局」に事情を調べてもらって、問題の解決に役立てるべきかと思います。

【実行課題4──建て替え決議の実施】

1つの敷地に1棟の建物がある「単棟型マンション」の場合と、1つの敷地に複数の建物がある「団地型マンション」の場合では、区分所有法に基づく建て替え決議の成立要件が異なるので注意が必要です。
「パークシティLaLa横浜」の場合には、住棟が4つに分かれているけれども、各住棟が一体につながれた「単棟型マンション」と思われますが、念のために確認してください。単棟型マンションの場合、建替え決議は区分所有者およびその議決権の「各5分の4以上」の賛成により成立します。
4つの住棟をすべて建て替えるのではなく、仮に傾いた西棟だけを建て替えるような場合には、まず西棟の区分所有者の意思を確認。南棟・北棟・森棟の区分所有者は、その意思を尊重して議決することが重要だと思います。
もう一つ大切なことは、建て替え決議を成立させるためには、最長で約4カ月かかる場合があるということです。一般社団法人・マンション再生ナビの「建替え決議の進め方」が分かりやすいので参考にしてください。
長ければ数年間続くかもしれない難局

【実行課題5──三井不レジとの条件交渉】

個々の実行課題を遂行するに際して、関係各社の担当者を集めた「実務担当事務局」には、管理組合の要望に従って諸々の作業を進めてもらわなければなりません。また管理組合や個々の区分所有者が売主の三井不レジと条件交渉を行う場合には、「実務担当事務局」に調整してもらった方が円滑に進むと思います。
「パークシティLaLa横浜」管理組合の皆さんは、三井不レジと旭化成建材の対応は十分でないように感じているかもしれません。5「良い」、4「どちらかというと良い」、3「普通」、2「どちらかというと悪い」、1「悪い」の5段階評価でいうと、皆さんは2「どちらかというと悪い」あるいは1「悪い」と判断しているのではないでしょうか。
確かに問題発覚時点では、両社の対応は、2「どちらかというと悪い」あるいは1「悪い」だったかもしれません。私は建築構造に強いジャーナリストとして、問題発覚後に三井不レジが、「調査したところでは震度7の地震に耐えます」という趣旨の発言をしたことが信じられません。
実際問題として、横浜市は施工者の三井住友建設に対して、建物の安全性調査を指示し、同社は4棟すべてについて杭の現況を調査して、来月中旬ころまでに報告書をまとめる見通しとされています。その報告書ができていないのに、三井不レジはなぜ軽率な発言をしたのでしょうか。まったく不可解です。
ただ、同社がその後、全4棟705戸を対象に、建て替えを基本的枠組みとして住民と協議を進める意向を示したことは、素直に評価しなければなりません。多くのマンショントラブルでは、デベロッパーからこの言葉を引き出すために、管理組合が裁判を通じて数年間も闘わなければならないケースが一般的です。また、仮に裁判に勝ったとしても、財力のないデベロッパーの場合には、結果として泣き寝入りをしなければなりません。
多くのマンショントラブルを取材してきた私から見ると、現時点では三井不レジおよび旭化成建材の対応は、4「どちらかというと良い」あるいは5「良い」へと変化したように感じています。この流れをとらえなければ、問題はなかなか解決しません。
管理組合の皆さん。「鉄は熱いうちに打て」「呉越同舟」のことわざに従って、長ければ数年間続くかもしれない難局を乗り切ってください。その先には「禍いを転じて福となす」という状態が待っているはずです。

建替え決議の進め方
目次
1-単棟型マンションの場合(建替え決議)
2-団地型マンションの場合(一括建替え決議)

区分所有法に基づく建替え決議は、区分所有者及びその議決権の各5分の4以上の多数の賛成により成立しますが、その手続きに不備があると、決議が無効になってしまうこともあります。建替え決議の実施にあたっては、法律に定められた手続きに従って適法に進める必要があります。

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建替え決議の進め方
単棟型マンションと団地型マンション
1つの敷地に1棟の建物がある単棟型マンションの場合と1つの敷地に複数の建物がある団地型マンションの場合では、建替え決議の決議事項や建替え決議の成立要件が異なるので注意が必要です。

単棟型マンションと団地型マンション
1-単棟型マンションの場合(建替え決議)
単棟型マンションは、区分所有法62条に基づいて建替え決議を行います。

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通知事項・説明事項
1-集会の目的
2-議案の要領(決議事項を要約したもの)
3-建替えを必要とする理由
4-建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持または回復をするのに要する費用の額及びその内訳
5-建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
6-建物につき修繕積立金として積み立てられている金額

決議事項
1-新たに建築する建物(以下「再建建物」という)の設計の概要
2-建物の取壊しおよび再建建物の建築に要する費用の概算額
3-上記の費用の分担に関する事項
4-再建建物の区分所有権の帰属に関する事項

建替え決議の成立要件

建替え決議は、区分所有者及びその議決権の各5分の4以上の多数の賛成により成立します。
2-団地型マンションの場合(一括建替え決議)

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団地型マンションは、区分所有法70条の一括建替え決議に基づいて、団地内建物の全ての建物ついて建替えの意思決定を行います。ただし、この制度は団地の構成や権利関係により適用できない場合があるので注意が必要です。
一括建替え決議の適用条件
1-団地内建物の全部が区分所有建物であること
2-当該団地内建物の敷地が当該団地内建物の区分所有者の共有にあること
3-団地管理組合の規約により、団地内の建物が管理の対象とされていること

通知事項・説明事項
1-集会の目的
2-議案の要領(決議事項を要約したもの)
3-建替えを必要とする理由
4-建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持または回復をするのに要する費用の額及びその内訳
5-建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
6-建物につき修繕積立金として積み立てられている金額

決議事項
1-再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要
2-新たに建築する建物(以下「再建団地内建物」という)の設計の概要
3-団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額
4-上記の費用の分担に関する事項
5-再建建団地内物の区分所有権の帰属に関する事項

一括建替え決議の成立要件
一括建替え決議は、区分所有者及びその議決権(土地持分)の各5分の4以上の多数の賛成、かつ団地内建物毎に区分所有者及びその議決権の各3分の2以上の多数の賛成により成立します。
団地管理規約を設定する
団地管理規約が定められていない場合は、新たに団地管理規約を設定する必要があります。その場合、団地全体の集会で区分所有者及びその議決権(土地持分)の各4分の3以上の多数の賛成を得るだけではなく、棟毎にも、集会で、同一内容の団地管理規約に対して、区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数の賛成を得る必要があります。
ここまでhttp://www.nikkeibp.co.jp/atcl/sj/15/150245/101900023/?rt=nocntより引用

三菱地所は円満解決に向けオプション権を付与――東京青山「億ション工事失敗事件」第5報
建築&住宅ジャーナリスト 細野透氏
2014年 4月1日

三菱地所グループの責任者にインタビュー
三菱地所レジデンスは、工事に不具合が生じていた高級マンション、「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町(TPHG南青山高樹町)」を解体して再建築する方針を決定。3月15日・16日に開催した説明会で、契約者に決定の内容を伝えて協力を要請した。
これにより、昨年12月に不具合が発覚して以降、ユーザーとプロ(不動産業界・建築業界)双方の関心を集めてきた問題に、ひとまず区切りがつく形になった。
そのタイミングをとらえて、「億ション工事失敗事件」第5報(最終報)として、三菱地所グループの責任者にインタビューした。
インタビューに応じたのは三菱地所レジデンス商品企画部の日野永部長、同商品企画業務室の森山健一室長、三菱地所広報部の渡辺昌之副長の三氏である。このうち日野氏は、4月1日に執行役員・品質管理部長に就任。同時に、商品企画部、発注統括部、アフターサービス部を管轄して、対応策の指揮を取る。

「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」概要
所在地─東京都港区南青山7丁目
構造─鉄筋コンクリート造
規模─地上7階、地下1階、塔屋1階
総戸数─86戸
平均専有面積─約102平方メートル
平均価格─約1億4000万円
平均坪単価─456万円
竣工予定─2014年1月下旬
引渡予定─2014年3月下旬
事業主─三菱地所レジデンス
設計監理─三菱地所設計
施工─鹿島建設
設備工事─関電工ほか

TPHG南青山高樹町は今後どうなるか

インタビューは大きく4つの内容に分かれる。第1のテーマは「TPHG南青山高樹町は今後どうなるか」。
問─3月15日・16日の説明会では、契約者に何を説明しましたか。
答─まず、建物を解体して再建築する方針を説明しました。建物の杭と基礎の一部だけを残し、それ以外は撤去して、再建築します。次に、現段階では建物の引き渡し時期を確約させていただく状況にないため、お客様に契約の解除をお願いしました。契約解除に伴って、当社が受領している手付金(価格の1割)を返却させていただいた上で、売買代金の2割の金額を迷惑料としてお支払いします。さらに、オプション権についても説明しました。
問─オプション権(選択権)とは何ですか?
答─主たるオプションは、これから再建築されるTPHG南青山高樹町を、同じ条件(住戸、価格)で優先的に購入いただける権利です。今回のような不祥事がありましたので、完成した住戸を実際に内覧していただいた後に、オプション権を行使できるようにしています。
ただ、再建築には時間がかかるため、当社が販売する都心物件の優先販売等のオプションも用意しました。
問─TPHG南青山高樹町に関して、何名くらいの方がオプション権を行使する見通しですか。
答─再建築後も入居したいという声は多数聞いていますが、実際に権利を行使する人の割合は現段階では分かりません。
問─解体と再建築について、契約者の方はどんな反応でしたか。
答─再建築に反対する意見は出ませんでした。
問─契約解除に関して契約者の方は納得しましたか。
答─当社の説明に対して、多数のご意見ご質問がありました。すでに契約解除に合意していただいた契約者もおられますが、多くの方はこれから本格的に検討、判断されることになります。

解体と再建築に39.5カ月
問─建物の解体と再建築にかかる工期を教えて下さい。
答─解体に19カ月、再建築に18カ月、検査や内覧会等に2.5カ月、合わせて39.5カ月になります。解体の工期は伸びたり縮んだりする可能性がありますが、再建築の工期には大きな変更はないと思います。
準備を整えて6月頃に着手したいと考えています。スケジュール通りにいけば、2017年9月頃に完成する予定です。
問─解体工事に19カ月ですか。ずいぶん長いですね。
答─街中の解体工事でご近隣の方々に迷惑がかかりますので、大きな騒音が出るような作業は極力避ける考えです。普通は重機で部材を圧砕し、その場で細かく砕いてガラにしてから搬出します。今回は機器を使って部材を切断し、かつ部材のまま敷地外に搬出する方法を検討しています。地下の躯体量が多い事情もあって、建物を撤去する作業だけで19カ月程度かかる見込みです。
問─再建築に際しては、まったく同じ建物を再現することになりますか。
答─はい。原設計と同じ建物を再建築します。そのために必要な行政協議や、ご近隣の方々への説明を行っていきます。
問─再建築工事の施工者は鹿島建設ですね。
答─基本的には同じメンバーでやります。ただし関電工には依頼しません。
問─施工不具合の責任について、鹿島建設との協議は進んでいますか。
答─取り壊しと再建築の費用については、鹿島建設の方で負担するということで基本合意をしています。けれども、まだ全体像が見えていないために、トータルの費用については協議中です。
問─三菱地所設計の工事監理責任はどうなりますか。
答─当社としてまだ方針を決めていません。

「ザ・パークハウスグラン」というブランドの将来
インタビューの第2のテーマは、「ザ・パークハウスグラン(TPHG)というブランドの将来」。これについては次の[マンションブランド解説図]を参照しながらインタビューを進めた。

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問─ユーザーがマンションを購入する場合、ブランドを手がかりにするケースが大部分かと思われます。一般のユーザーは土地の立地・環境までは理解できます。しかし、マンションの品質は理解しにくい面があるので、供給者の評判で判断することになります。さらに、耐震偽装事件や東日本大震災の経験から、建設会社の評判も考慮することになります。
私は住宅ジャーナリストとしてこのように認識していますが、御社はどのように認識されていますか。
答─基本的には同様の認識です。このブランド観をどれだけ高められるかを、デベロッパー各社が競っているのだと思います。
問─「TPHG南青山高樹町」では、購入者は、ブランド構成要素のうちどれを評価したかで、それぞれ失望の内容が違ってくると思われます。まず「高樹町」という土地自体を評価した方は、この土地に住めなくなったことに失望しているのではないですか。
答─立地と環境に対して、お客様が強い期待を持っていたことを改めて認識しています。実際に、「再建築に時間がかかってもいいので、この土地に住みたい」という強い要望をいただいています。
問─次に三菱地所レジデンスというデベロッパーを評価した人は、自分のマイホーム計画と生活設計が狂ったことに失望したと思います。
答─今回はお客様の信頼を裏切る結果になってしまい、たいへん申し訳なく、深く反省しています。お客様からは非常に厳しい意見をいただきました。また信頼回復への期待を込めた叱咤の声もございました。再建築に際してはお客様の信頼を回復できるように取り組んで参ります。
問─鹿島建設という施工者を評価した方は、安心・安全が脅かされる建物がつくられていた事実に失望したと思います。御社は鹿島建設をどう感じていますか。
答─レベル的に一定以上のマンションを作ってくれるパートナーとして、遜色のない会社だと認識しています。ただ今回の件については、非常に残念な思いです。

工事管理と工事監理にも踏み込む
問─御社の売りは、デベロッパーとして独自に品質管理とチェックを行う「チェックアイズシステム」を持つことでした。今回はこれが機能しなかった訳ですが、どのように建て直しますか。
答─チェックアイズシステムについては、問題発覚後に既に改定した部分と、拡充を検討している部分があります。
施工図の作成過程をチェックすることについては、既に現場で新しい体制が動いています。従来は、設計図から施工図に落とすプロセスは設計者と施工者で調整するという前提だったのを、施工図の作成過程に当社も加わるようにしました。
書類のやり取りだけでなく、打ち合わせという形で直接確認して、不具合の芽がないかどうかを早めに認識していくことが重要と考えています。
問─拡充を検討している部分とは何ですか。
答─抜き取り検査の頻度を増やすことを検討中です。これまでのチェックアイズシステムは、施工計画で手戻りがないように考慮していたのですが、今後は施工時の状況確認も含めたいと考えています。
問─施工者が行う工事管理、設計者が行う工事監理的な業務にも、踏み込むということですか。
答─施工者が行う工事管理、設計者が行う工事監理、売主が行う品質管理など、それぞれの立場で行う品質管理体制を再確認して、ある程度は踏み込まざるを得ないのかもしれません。
問─現在の人員でそれが可能ですか。
答─今は緊急事態であるため、既存の人員にプラスαの負荷がかかっています。今後はその状況を見極めて、人員体制について別途手当をしたいと考えています。
問─ほかに中長期的に取り組んでいきたい点はありますか。
答─大きく2点あります。1番目は設計図の取扱い。設計図は意匠・構造・設備という職能ごとに分かれて描かれています。それを現場で合体させてものを作っています。
設計図を合体させる過程で、どこに光を当ててチェックをすれば不具合が起きないのか。設計図に書かれている内容を、できあがるものの生産過程の初期段階で、チェックできるような体制を作っていきたいと思っています。
問─BIMを導入するということですか(BIM=ビルディング・インフォメーション・モデリング。コンピューターの中にバーチャルな建物を構築し、その情報を設計、施工、管理などの全プロセスで活用するシステム)。
答─いいえ、BIMではありません。例えBIMを使用したとしても、担当者間のすり合わせの問題は、課題として残ると思います。設計者、施工者、売り主が同じ価値観を持って、「間違いないものを作っている」と言えるような体制を作ることが重要だと考えています。
問─中長期的に取り組んでいく2点目の課題とは?
答─検査のあり方とエビデンス(証拠)の残し方というのが、建築の生産システムにおける永遠の課題です。現場にばかり押し付けても、売り主としての責任は果たせません。どのようなやり方が最適なのか、真剣に取り組んで行かなければなりません。
問─ザ・パークハウスグラン(TPHG)というブランドはどうなりますか。
答─当社のトップブランドとして維持していきます。

建設会社が施工不良をなくするための対策
インタビューの第3のテーマは「建設会社が施工不良をなくするための対策」。これについては次の[施工不良解説図]を参照しながらインタビューを進めた。

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問─この施工不良解説図は、建築設計事務所、建設会社、日本建築学会、日本マンション学会、国土交通省「低価格受注問題検討委員会」など、いわば建築界の議論を要約したものです。三菱地所の木村恵司会長は、不動産協会の理事長でもありますが、そういうお立場から、この解説図をどのように受け止めておられますか。
答─施工不良を防ぐためには現場要員を確保する必要がある、という指摘はその通りだと思います。さらに正確を期すなら、要員の数だけでなく質も大切です。質の中にはシステムや仕組み、ルールなども含まれます。
けれども現場要員の数と質に関しては、発注者が口を挟める問題ではないと考えます。私どもとしては、現場要員との丁寧なコミュニケーションが重要だと認識しています。
問─現場要員の数と質を確保するためには、施工不良を防ぐ2つの前提条件、つまり適正価格と適正工期の確保が欠かせません。そのためには発注者としての配慮も必要です。
答─たとえば2年前なら適正だと思ってゼネコンが受けていた仕事が、今は厳しいという評価になっています。それは価格と工期が社会情勢にリンクしている面が大きいからだと思います。
請負工事という契約形態を考えると、その時の社会情勢で「適正の基準」が変わってくることもあります。発注者としては、具体的には何とも言えないところがあります。
問─2013年11月に、日本建設業連合会の中村満義会長(鹿島建設社長)と不動産協会の木村恵司理事長(三菱地所会長)が、建設現場で働く作業員の労務費をめぐって意見交換されましたが、相互の理解は深まりましたか。
答─中村会長と木村理事長は会社単位での取引はありますが、協会として意見交換したことはなかったので、新たな進歩だったと考えています。
不動産協会としては、優良な住宅のストックを作り、魅力ある都市を作り、競争力のある都市作りを進めていくことが、社会的使命と考えています。それをサポートしてもらう、事業上の重要なパートナーとして日本建設業連合会の皆さんがいる。そうした立場を明らかにしました。日本建設業連合会からは、「そうしたことを言われたのはある意味新鮮だった」、という反応もあったようです。
問─作業員の確保、労務費の高騰についてはどうでしたか。
答─建設業界がその役割を果たす上で、技能労働者の確保のために労務費の問題を解決することが、中長期的に見ても重要な課題になっていることは、不動産協会としても重々理解しています。
不動産協会として述べたのは、建築費の高騰によって不動産業界が役割を果たすことができなくなるおそれがあり、不足している作業員の確保には、日本建設業連合会も自助努力で解決できる範囲がまだあるのではないかということです。急激なコストの変動は事業計画にも大きな影響を及ぼしますので、激変を緩和するように努めてもらいたいと考えています。
お互いの業界がそれぞれに期待される役割を果たすために、お互いにするべき努力をしていきましょう、という意味での理解は進んだと感じています。いわば事業パートナーともいうべき間柄にある両業界ですので、今後もあらゆるレベルで情報交換を進めていく方針です。
お互いの領分を、お互いに努力していく
問─TPHG南青山高樹町の問題を受けて、私は2月12日に掲載された本コラムで、「不動産協会は日本建設業連合会に塩を送れ」と提言したかったのですが、これでは一般の人には何のことか分からないので、表現を変えて「三菱地所は鹿島建設に塩を送れ」と提言させていただきました。「塩」とは、「とりあえず、ユーザーへの影響が大きいマンションに限って、施工不良をなくするための対策委員会を両者が協同で立ち上げてはどうか」、と呼びかけるような行動を意味しています。この提言を受け止めていただくことはできますか。
答─お互いの領分を、お互いに努力していくことが基本です。不動産業界としては、建設業界側の領分に立ち入っていくことはなかなか難しい。もちろん情報交換はしますが、施工不良を起こさないための取り組みは、基本的には建設業界もしくは各建設会社の課題として解決していただきたい問題です。
同種の施工不良がいくつも見受けられるようであれば、構造的な問題だということになります。しかし本件は特異な事例であると受け止めています。
問─話をマンションに限定します。マンションの建築コストが適切だと思いますか。
答─競争原理のなかでお互いに合意したコストであると考えています。また、そもそもコストと品質が「反比例」してはいけないと思います。建設工事にはゼネコンと複数のサブコンが関わっていますが、発注者としてはゼネコン1社と契約しているに過ぎません。その内訳の配分については一切口出しできませんし、するつもりもありません。
問─マンションの工期が適切だと思いますか。 
答─基本的にはゼネコンが作成した工期に基づいています。両者が合意したものですから、不具合の原因との関連性は薄いと考えています。
問─「マンション工事の竣工が年度末の2月から3月に集中するため、現場が多忙になって、品質が低下しているのではないか」という根強い指摘があります。
答─年度末の竣工集中については業界として認識していますし、それを緩和することに意味があるとも考えています。ただ一方で、お子様の新学年に合わせたいとするお客様側のニーズが強い点も理解していただきたいところです。

TPHG南青山高樹町とマンション評論者の立場
インタビューの最後は、「TPHG南青山高樹町とマンション評論者の立場」について。筆者の肩書は建築&住宅ジャーナリストとなっていて、いわば二刀流である。建築ジャーナリストとしては主にプロ向きに記事を書き、住宅ジャーナリストとしては主にユーザー向けに記事を書いていて、その中には日経産業新聞に定期寄稿しているマンション評論も含まれる。
今回のTPHG南青山高樹町に関しては、三菱地所レジデンスから2013年2月に記者発表会への案内をもらったが、所用のため出席できなかったので記事は書いていない。その上で、仮に筆者が評論記事を書いていたら、どのように責任を取ればよかったのかと想像すると、今度の問題は他人事では済まされない。
マンション評論は、マンションが販売される前に書かないと意味がないが、記者発表および第1期販売の段階では確か地下1階辺りを工事していた。要するに、設計の内容を評論することができても、現実問題として、施工されていない部分に関しては鹿島建設の実績を手がかりに推測するしかないのである。
実績があり補償能力もあるデベロッパーが手がけるマンションの場合には、筆者は「ブランド通りのマンションが建設される」という性善説に立って取材を続けてきた。その理由は、デベロッパーに補償能力があれば、耐震偽装の姉歯事件とは違って、購入者や契約者が経済的に大きな損害を被ることはないからである。
ある知人に、この姿勢を「性善説に傾きすぎるのではないか」と批判されたこともある。よって、筆者は性善説の立場からマンションを評論する代わりに、何か大きな問題が発生した場合には、今回の一連のコラムのように、ユーザーの立場に立って、自分にできる範囲で問題を解決するための記事を執筆するように努力する。拙著『耐震偽装―なぜ、誰も見抜けなかったのか』(日本経済新聞社)はその証しでもある。
問─今後、御社のマンションを取材する機会があったときには、私は性善説に戻りますが、信頼してよろしいですね?
答─二度とこういう問題を起こさないという気持ちでやっています。私どもとしては、お客様の期待やジャーナリスト各位の信頼を裏切ることのないように、一生懸命努力して参ります。
ここまでhttp://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20140401/390803/より引用

見抜けなかった「複合偽装」…「施工データ、すべて精査するのは無理」

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横浜市のマンション傾斜問題は、くいを打ち込む地盤の強度だけでなく、補強用のセメント量のデータまで改竄(かいざん)されていたことが判明するなど深刻の度を増している。データ改竄に手を染めたとみられる旭化成建材の男性管理者は、これまでの旭化成側の聞き取りに対して明確には不正行為を認めていないというが、建築不信の高まりは避けられそうにない。住民の生活を砕いた「複合偽装」は、なぜチェックできなかったのか。

上司は1人

「くい打ち施工のデータをすべて精査するのは無理。正直言って、仕事が回らなくなる」。全国でマンション建設を手がけるゼネコンの男性社員は、施工主の本音を打ち明ける。
問題のマンションでは、約3カ月間の工期で4棟に計473本のくいが打ち込まれた。施工主の三井住友建設の関係者は「多数のデータの中に“偽物”を紛れ込ませて提出されれば見破るのは難しく、性善説に頼るしかない」とこぼす。
今回のケースでは、現場でデータを確認して保管する責任者が改竄を行ったとみられるだけに、事態は深刻だ。旭化成建材によると、男性管理者はデータをまとめて施工主の三井住友建設に提出するのが仕事だったが、社内では目を通す立場の上司は1人だけだったという。
データ提出義務なし
一般的に、施工主は物件の耐震強度などが建築基準法をクリアしているかどうかの確認検査を受ける必要があるが、多くは民間の指定確認検査機関に持ち込まれる。横浜市によると、着工後に行ったくい打ち施工のデータの提出を業者に求めるかどうかは、検査機関が判断するという。
三井住友建設は問題のマンションについて検査機関に確認を申請。改竄されたデータを提出したかどうかについては「確認中」としている。いずれにしろ、くいは地中に埋まっており、データの「原本」が偽装されている以上、膨大な資料の中から改竄を発見するのは困難だったとみられる。
業者には自治体へのデータ提出の法的義務もなく、データの適正さは「検査機関にお願いするしかない」(横浜市)のが現状だ。

現場が置き去り
 
平成17年に発覚した耐震強度偽装事件を受け、建築基準法が18年に改正された。構造計算の二重チェックである「適合性判定」の義務付けや罰則強化により、住まいの安心は担保されたはずだった。
「改正で設計審査は厳しくなったが、現場監理が置き去りにされている」(建設業関係者)と指摘する声もある。現場重視の対策を提唱する1級建築士でNPO法人「建築Gメンの会」副理事長、田岡照良さんは「建築基準法では、建築士の工事監理者を置くことを義務付けているが、現場にほとんど来ない場合もある。構造など専門的な範疇では、専門の建築士を監理補助者として配置するよう法律で義務化すべきだ」と主張する。
一方、あくまでもデータのチェックを厳しくする方向性も残されている。国土交通省幹部は「今回の問題を受けて『性善説はやめよう』という世論が高まれば、データ原本の提出義務付けなどを検討しなければならない」と話している。
ここまでhttp://www.sankei.com/affairs/news/151018/afr1510180002-n1.htmlより引用

同じ管理者がデータ改竄か 地盤とセメント量 全国に波及も

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住民説明会に出席後、報道陣の取材に応じ謝罪する旭化成建材の前田富弘社長=16日、横浜市都筑区
三井不動産グループが販売した横浜市都筑区のマンションが施工不良で傾いている問題で、基礎工事のくい打ちを行った旭化成建材の男性管理者が、地盤強度とセメント量の両データの改竄(かいざん)を行った可能性が高いことが17日、関係者の話で分かった。この管理者のキャリアは約15年で、ほかに関わった建築物が各地にあるため問題が波及する可能性が出てきた。
旭化成は、旭化成建材がくい打ち施工した約3千棟のうち、管理者が関与した物件を優先的に調査。外部の専門家で構成する第三者機関に詳しい調査を委託することも検討する。
旭化成建材は施工主である三井住友建設の2次下請けとして、くい打ち施工を担当。関係者によると、旭化成建材の管理者と協力会社の作業員計5、6人のチームで作業を行ったが、現場では作業員が重機を操縦する一方、管理者が「電流計」のデータの記録を確認・保管し、くいごとに施工主の三井住友建設に渡していた。
この際、管理者は別の日のデータを転用したり、ドリルが強固な地盤である「支持層」に到達したとみせるために、波形が大きくなるよう加筆したデータを提出していたという。
こうした地盤データの改竄がくい38本分、くいの先端部を固める「根固め」のために注入するセメント液の量を確認する流量計データの改竄が45本分で、13本は不正が重複していた。これまで改竄が確認されたくいは計70本にのぼるが、いずれも同じ管理者が担当していた。
管理者は掘削に使う1本のドリルから電気を流し、セメント液も注入、いずれのデータも同じ機械で計測、記録していたという。
旭化成建材の前田富弘社長の説明などによると、管理者はスイッチの入れ忘れやデータの取り忘れがあったと説明。「記録紙が水でにじんで見られなくなった」とも話した。インフルエンザで休み、2日間データを取らなかったこともあったという。旭化成側は、管理者がデータの記録や保管のミスを隠そうとしたとみている。
ここまでhttp://www.sankei.com/affairs/news/151018/afr1510180003-n1.htmlより引用

傾き見つかったマンションで地盤調査開始
10月19日 17時27分

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横浜市のマンションで建物を支えるくいの一部のデータが偽装されていた問題で、傾きが見つかった建物では、くいが強固な地盤に届いているかどうか改めて確認するため、19日から地盤調査が始まりました。
この問題は、横浜市都筑区のマンションで、建物を支える70本のくいのデータが偽装され、一部は必要な深さまで達していなかったもので、敷地内にある4棟のうち、傾きが見つかった建物では、南側にある8本のくいが、強固な地盤に届いていないか、届いていても不十分な状態でした。ほかのくいは強固な地盤に届いているとされていますが、住民から安全性に対する不安の声が上がっています。
このため、工事の元請けの三井住友建設は19日から、傾きが見つかった建物のうち、確認が済んでいない北側の部分で地盤調査を始めました。調査は、くいの近くの地盤をドリルで掘って、強固な地盤までの深さを調べ、その深さと打ち込まれているくいの長さとを比較することで、くいが十分な深さまで達しているかどうか確認する方法で行われています。
会社側は、北側の部分にある24本のくいについて、強固な地盤に届いているかどうか確認することにしていて、来月中旬ごろまでに調査の結果をまとめる見通しです。
また、会社側は、同じ敷地にあるほかの3棟のマンションについても、来月以降、くいが強固な地盤まで届いているかどうか、同様の調査を行うことにしています。
地盤調査が始まったことについて、傾きが見つかった建物に住む60代の男性は、「何が正しい情報なのかも信用できなくなってきているので、しっかり調査してほしい」と話していました。
三井不動産が初めてコメント
マンションを販売した三井不動産レジデンシャルは、19日、問題の発覚後、初めてコメントを発表しました。
この中で三井不動産レジデンシャルは、マンションの所有者や住民、それに関係者に迷惑をかけたことなどについて、改めて謝罪しました。
そのうえで、引き続き地盤の調査を行うとともに、4棟あるマンションすべての建て替えを基本として、住民などと協議を進めていく方針を明らかにし、マンションの住民に発生する損害などの補償についても対応していくとしています。
一方、問題の発覚の経緯については、ことし9月に、くいの一部に「不具合」があることが判明し、その後、データの改ざんなどが判明したとしていますが、「不具合」の具体的な内容について、三井不動産レジデンシャルは「住民のプライバシー上の問題がある」として、詳細を明らかにできないとしています。
専門家「元請けにも重い責任」
今回のデータの偽装について、過去に大手建設会社の社員として、横浜市内でくい打ち工事を行った経験がある、福島工業高等専門学校の元教授の金子研一さんによりますと、今回、問題が発覚した横浜市は、関東の中でも地下の固い地盤の構造が複雑で、地表が平らに見えても、地下の固い地盤に急な傾斜があることが知られていて、僅か10メートル離れた場所で、固い地盤の深さが4メートルも違うこともあるということです。
金子さんは「横浜市内でくいを打つ際には、1本1本細かく記録を取って工事を進めることが常識で、くいの長さが足りないときは、くいを補足していくなどの対策が必要な地域だ」と指摘しています。
また、偽装が行われた理由について、工事を素早く進めるために、下請け会社がデータを改ざんして報告した可能性があるとしたうえで、「実際に工事を管理するのは元請け会社であり、くいの工事を請け負った下請け会社の旭化成建材だけでなく、工事の元請け会社の三井住友建設にも重い責任がある。下請け会社に任せきるのではなく、現場で工事を確認するなど、配慮が必要だったのではないか」と話しています。
ここまでhttp://archive.is/8G68fより引用

横浜のマンション くい38本に虚偽のデータ 一部岩盤に届かず傾く
2015年10月15日 朝刊

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三井不動産グループが販売した横浜市都筑区のマンションが施工不良で傾いた問題で、くいを打ち込む岩盤の深さのデータについて、傾いた建物を含む三棟のくい三十八本に虚偽のデータが使われていたことが十四日、横浜市への取材で分かった。くいが強固な岩盤に届いているように見せかけたが、実際には八本が岩盤に届いていなかったり、打ち込んだ深さが不足していた。
下請けとして工事を行った旭化成建材(東京都千代田区)の広報担当者は取材に「くいの状況を計測できなかったことがあり、別のくいのデータを転用した。全く同じデータが二つあるとまずいので、一部を書き換えた」と説明。今後の調査や建物の補強・改修にかかる費用は全額負担する、とのコメントを出した。
市は、施工の元請けの三井住友建設(中央区)と、販売した三井不動産レジデンシャル(同)に調査を指示。建築基準法に違反すると判明した場合、建て替えや補修を是正勧告する。
市によると、四棟で計七百五戸あるマンション群のうち、十一階建ての一棟が傾いていた。隣の棟と接続する渡り廊下に二センチ強のずれが生じていたのを、昨年十一月に住民が発見。三井住友建設などは、この建物の五十二本のくいのうち十本について「敷地内の他の場所で打ち込んだくいの深さのデータを転用した」と市に説明した。
調査の結果、八本のくいが岩盤に届いていなかったり、打ち込んだ深さが不足していたという。敷地内の岩盤は地下十数メートルにあるが、問題の部分は岩盤が周囲より下がっていた。岩盤に届いていないくいは、岩盤からの距離が最大二メートルあった。
他の三棟に傾きなどの異常は確認されていないが、うち二棟の計二十八本のくいでもデータの転用や加筆が見つかった。市はこの二十八本についても、くいが岩盤に届いているか調べるよう業者側に指示した。
市によると、三井不動産レジデンシャルは、傾いた建物を調査し「震度7強の地震でも倒壊しない」と説明しているという。今後は住民と業者が話し合い、対応を決める。

◆「生活壊された」憤る住民
施工不良が判明したマンションの住民からは十四日、業者側に誠意ある対応を求める声が相次いだ。
「私は年金生活だし、ローンは組めない。若い人も楽しい生活を壊されたと思う」。管理組合の理事の男性が険しい表情で話す。マンションは二〇〇六年から販売。男性は昨年秋、棟と棟の渡り廊下のつなぎ目がずれていることに気付き業者側に訴えた。
だが当初は「東日本大震災の影響だが、問題ない」などと対応された。その後、管理組合の理事会でも問題となり、施工記録を見せるよう業者に求めたところ、今年に入り測量やボーリング調査が各二回ずつ行われた。男性は「販売した不動産会社も被害者ではない。誠意ある対応をしてほしい」と憤った。
今月九日以降、業者による住民説明会が行われ、十四日も開かれた。
夫が以前に説明会に参加した、傾いた棟の六階に住む女性(40)は「七、八年住んでコミュニティーもできてきたので転居するのは寂しい。どういう補償をしてくれるのか、みんな心配している」と不安げな表情を浮かべた。

◆施工業者「責任痛感」
マンションを販売した三井不動産レジデンシャルの広報担当者は取材に「補償や修復の問題を含めて誠意を持って説明する。強い地震で倒壊したり、一時的に転居が必要となるような危険性はない」と説明した。
施工した三井住友建設は「責任を痛感しており、深くおわびする。下請け業者がデータを転用、加筆して提出した点について調査を進めており、居住者の安全確保を最優先に必要な対策工事を含めて真摯(しんし)、誠実に対応していく」とのコメントを出した。

◆分譲マンション 施工不良相次ぐ
分譲マンションをめぐっては、過去にも重大なトラブルが起きている。今回と同様、くいが地盤の強固な層に達しておらず建物が傾いたケースもあった。
くいの施工不良が発覚したのは、住友不動産(東京都新宿区)が二〇〇三年に販売した横浜市西区の「パークスクエア三ツ沢公園」。昨年六月、全五棟のうち二棟で問題が見つかり、市は建築基準法に基づく是正勧告を行った。
既に傾いている一棟については「構造上、危険で違法な状態」(市担当者)で、全六十五世帯が仮住居に転居。もう一棟は計算上、支持力が不足している状態。管理組合と住友不動産などが是正計画をまとめている。
東京都港区の「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」は、今年三月の完成直前に配管の施工ミスなどが判明、三菱地所レジデンス(千代田区)が販売を取りやめた。平均価格帯で一億四千万円台という超高級マンションで、全八十六戸のうち八十三戸と契約済みだった。
ここまでhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201510/CK2015101502000139.htmlより引用

建て替え「全棟の5分の4の決議」必要 区分所有法の壁…意思統一難しく

マンションの管理組合を支援するNPO法人「集合住宅管理組合センター」によると、「団地型」で全棟建て替えを行うには、区分所有法に基づき、区分所有者と議決権の両方で「全棟の5分の4の決議」と「各棟の3分の2の決議」が必要となる。
全棟の補修工事であれば、通常は「区分所有者と議決権の両方で全棟の4分の3の決議」が必要。いずれにしても、全705戸の住民はそれぞれの事情を抱えており、意思統一は困難な場合が多い。
昨年、くい打ちの施工不良による傾きが判明した横浜市西区のマンションでは、今も住民側と販売会社側の協議が続いている。
一方、買い取りの場合は管理組合の決議は必要なく、各戸が三井不動産レジデンシャル側と売買交渉を行う。マンション管理士の阿部悠一さんは、買い取りが進むと「所有権が三井不動産側に移るため、議決権を持ち、決議の行方を左右できるようになる」と話した。
ここまでhttp://www.sankei.com/affairs/news/151018/afr1510180023-n1.htmlより引用

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ偽装事件151021

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