杭データ偽装事件151022

杭データ偽装事件151022

三井不動産&旭化成のマンション傾斜・偽装問題 全国3000棟に波紋広がる
2015年10月22日

大手デベロッパーの三井不動産レジデンシャルが手がけた横浜市内のマンション「パークシティLaLa横浜」が傾斜した問題で、旭化成は10月22日、杭工事を請け負った旭化成建材がこれ以外にも過去10年間に担当した約3000棟に及ぶ物件を国土交通省に報告する。
この中にはマンションだけでなく、学校や発電所なども含まれているという。ただ、他の物件にも施行データの偽装があった場合、欠陥の発見には時間がかかる。順次調査を進めていくことになるが、波紋はさらに広がりそうだ。
「ダイナウィング工法」の落とし穴
旭化成建材と親会社の旭化成が10月20日に開いた記者会見で、今回の杜撰な工事の実態と不正の概要が明らかになってきた。

今回の杭工事に採用した工法は旭化成建材の「ダイナウィング工法」と呼ばれるもの。掘削ロッドで地盤を掘削し、ロッドの先端で電流値の変化を測定しながら、支持層まで到達したら、セメントミルクを注入して土とかき混ぜ、杭を挿入して固定させる。
工事は8人体制で、内訳は旭化成建材の下請けから同社へ出向した現場代理人1人と3次下請け会社のオペレーターなど7人という構成だ。現場代理人には22時間以上に及ぶヒアリングを実施したが、紛失によるデータの転用は認めたものの、杭未達の事実を隠蔽する意図は否定したという。

⇒ 旭化成が会見、現場代理人は「支持層に到達と記憶」
だが、都合よく杭未達のデータが紛失したのか疑問が残る。また、工事は年末年始をはさんでおり、無理なスケジュールがこうした問題を誘発したのではという指摘もある。

失墜した「旭化成ブランド」

旭化成は3000棟について調査するにあたって、「合理的な話ができないのは申し訳ないが、弊社の杭が原因で建物が傾いたという事例はこれまでの40年間で今回の1回しかない」(平居正仁副社長)と、その他の物件の安全性を強調した。
しかし、この言葉に全くの説得力がないのは、偽装が事実隠蔽であったかどうかさえ明らかになっていないためだ。どのような状況で偽装にいたったのかの正確な情報が分からなければ、他の物件は問題ないとは言えないだろう。
今回の偽装の当事者は旭化成建材ではあるが、「旭化成ブランド」への影響はあまりに大きい。
今年9月10日、関東・東北での集中豪雨で茨城県の鬼怒川の堤防が決壊した際に、濁流の中でびくともしない2軒の白い家が話題になった。それが旭化成のヘーベルハウスだと分かると、ネット上では賞賛の嵐が吹き荒れた。平居副社長は当時、「基礎から時間をかけてしっかりと作るのがヘーベルハウス」と語っていたが、今では自虐的にすら聞こえてしまうから皮肉だ。
旭化成の2015年3月期の連結売上高は前の期比4.7%増の1兆9864億円、連結営業利益は同10.2%増の1579億円。このうち住宅・建材事業は売上高で全体の約3割に当たる。同社にとって大きな売り上げを占める住宅・建材事業の問題ということもあり、ここ数日で旭化成の株価も急落。「旭化成ブランド」は失墜した。
 
⇒ 絶賛から罵倒へ、地に堕ちた「旭化成ブランド」
元請けの三井住友建設の設計にも問題はなかったのか
傾斜した棟では全52本の杭のうち、10本で支持層の位置のデータ転用を行ったことが分かっている。このうち6本が支持層に到達しておらず、2本は到達していたが根入れ不足だった。セメントミルク量のデータ転用は、全52本中4本で行っていた。
一方、4棟全体で473本ある杭のうち、支持層の位置のデータが改ざんされた杭は38本、セメントミルク量のデータが改ざんされた杭は45本に上る。13本は重複しているので、計70本の杭でのデータ改ざんが明らかになっている。
もっとも、こうしたデータ改ざんや偽装は旭化成建材の問題だが、埋没した杭の設計は元請けの三井住友建設が担当した。果たして元請け側には落ち度がなかったのか。
杭工事に当たった旭化成建材の社員が、異なる杭の掘削時に測定したデータを転用しても、杭の杭長が十分なら支持層に到達する。到達していない杭があるということは、三井住友建設の設計した杭の長さが十分でなかったことを示すというわけだ。
だが、同社広報室の担当者は、「埋設する杭は支持層のデータに合わせて交換することもできた。必ずしも設計ミスとは言えない」と説明する。

⇒ セメント量データ改ざんも、横浜の傾斜マンション
姉歯・耐震偽装事件と重なる着工時期
「日経アーキテクチュア」誌の元編集長で建築・住宅ジャーナリストの細野透氏は、マンションを傾斜させた旭化成建材は罪深いと語る。その理由は問題のマンションが建設された時期にあるという。「パークシティLaLa横浜」が完成したのは2007年12月。姉歯元建築士による耐震偽装事件が発覚したのは2005年11月なので、ちょうどマンションを着工した直後にあたる。

⇒ 耐震偽装・第2ラウンド「限界耐力計算」を巡る混乱
特集:耐震偽装・第2ラウンド「限界耐力計算」を巡る混乱 耐震基準はダブルスタンダードなのか?
構造計算書の偽造で幕を開けた事件は、2006年2月になって新たな展開を見せ始めた。第1ラウンドに登場したのが「保有水平耐力計算」だとすると、第2ラウンドの主役に浮上したのは「限界耐力計算」と名付けられた、構造の専門家でなければ理解できないだろう難しい計算法だ。日経アーキテクチュアOBで建築&住宅ジャーナリストの細野透氏が、日本建築構造技術者協会の大越俊男会長(日本設計技術顧問)、日本建築学会耐震設計小委員会の北村春幸委員長(東京理科大学教授)の協力を得て、この問題を解説する。読者からの想定質問(Q)に、3人が回答(A)する形式でまとめた。

2006年4月26日
限界耐力計算を巡るここ半年ほどの混乱ぶりを表1にまとめた。日本建築構造技術者協会(JSCA)が限界耐力計算には問題があると指摘しているのに、どういうわけか国交省はそれに応じなかった。こともあろうに、耐震偽装物件を検証し直す際に限界耐力計算を用いてもよいと通知してしまったのだ。

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表1 限界耐力計算を巡る動き
その直後に、JSCAが指摘した通りの深刻な問題が次々に発覚。揚げ句の果てに全国紙から、「新宿区の姉歯物件が、保有水平耐力計算では不合格だったのに限界耐力計算では合格したのは、なんとも解せない話だ」と報道される事態になった。これは事実上、「耐震基準はダブルスタンダードだ」と批判されたようなものだ。
構造計算には大きく4つの方法がある(表2)。

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表2 構造計算の4つの方法(鉄筋コンクリート造の場合)
そのうち、許容応力度等計算と時刻歴応答解析は1981年の「新耐震設計法」の導入時、あるいはそれ以前から存在する老舗の計算法だ。許容応力度等計算はさらに「ルート1」許容応力度計算、「ルート2」剛性率・偏心率確認、「ルート3」保有水平耐力計算に分かれている。ちなみに、姉歯秀次元建築士が偽装に使ったのは保有水平耐力計算だった。一方、限界耐力計算とエネルギー法は2000年の「性能設計法」の導入以降に使われるようになった新興の計算法だ。
今回の事件報道には、構造に詳しくない設計者にとっては、見るだけで拒否反応を示してしまいそうな言葉が多数登場する。問題をわかりやすく説明するために、以下、厳密な専門用語をなるべく使わずに進めてみる。
専門家からすればアバウトと感じられるかもしれない表現もあえて使っているので、そのつもりで読んでもらいたい。

あれほど耐震偽装事件で世間が大騒ぎしている最中に、それよりも悪質とも言える偽装が行われたことは、許しがたい犯罪行為にもあたるというわけだ。
建築基準法施行令の第38条は「建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない」としている。
38条に違反すると確認済証は交付されず、設計者あるいは施工者は「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」になる。
今後、調査が進まないと正確な事実は分からないが、細野氏は可能性として、コストの問題もあったのではと指摘する。
杭を打ち込む前に、ボーリング調査をして、地盤の強度を調べる必要があるが、それには1カ所当たり10万円~20万円程度の費用がかかる。1カ所15万円かかると仮定すると、52カ所で780万円かかるのに、20カ所だけ調査したとすると、費用は300万円で済んだ計算になるというわけだ。さきほどの杭の設計の問題は、こうした点が関係している可能性もあるというわけだ。

⇒ マンションを傾斜させた旭化成建材の罪深い行為
大手デベロッパー3社で相次ぐ施行不良
旭化成だけではなく、デベロッパーの三井不動産レジデンシャルが受けたダメージも大きい。国土交通省は、売り主の責任などを定めた宅地建物取引業法違反に当たる疑いがないか、同社の調査に入る。
今回の問題を受けて、同社は「パークシティLaLa横浜」の全4棟の建て替えを基本に住民と協議を進めていく考えだ。
実は構造上の不備でマンションを建て替えることになったのは、三井不動産レジデンシャルが初めてではない。2014年2月に東京都港区南青山7丁目に建設中の高級マンション「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」が、配管や配線を通すための「スリーブ」といわれる貫通孔が、設計図が示す通りに入っていなかったという工事の不具合により販売中止・契約解除、建物の解体・建て替えという事態に追い込まれたのは記憶に新しい。このときのデベロッパーは三菱地所レジデンスだ。

⇒ 東京青山の億ション工事で最強トリオが引き起こした前代未聞の大失敗
さらに昨年6月には住友不動産が2003年に販売した横浜市西区の「パークスクエア三ツ沢公園」で、全5棟のうち2棟で杭の施行不良が見つかり、横浜市は建築基準法に基づく是正勧告を行った。このうち傾いて危険な状態にある1棟については全住民が仮住まいに退去している。
業界で特に評価が高いデベロッパーは三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産の4社。このうちの3社までもが、問題を起こしてしまったわけだ。こうしたトップブランドによる不祥事は、マンションにおける安心・安全という信用を大きく失墜させてしまった。
それでもマンションが欲しい人たちが安心・安全を手に入れる方策を、国を挙げて取り組まなくてはならないだろう。
ここまでhttp://www.nikkeibp.co.jp/atcl/matome/15/325410/101400112/より引用

東京青山の億ション工事で最強トリオが引き起こした前代未聞の大失敗

建築&住宅ジャーナリスト 細野透氏
2014年 2月3日
工事の不具合で販売中止・契約解除

東京都港区南青山7丁目に建設中の高級マンション「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」が、工事の不具合により販売中止・契約解除の事態に追い込まれた。事業主は契約解除に際して購入者に手付金を返し、迷惑料を支払うなどの対応をとる。工事の不具合とは、配管や配線を通すための「スリーブ」といわれる貫通孔が、設計図が示す通りに入っていなかったこと。まさに前代未聞の大失敗である。
事業主は三菱地所レジデンス、設計監理は三菱地所設計、建築施工者は鹿島建設、設備工事施工者は関電工。
マンションの世界で特に評価が高いのは、大手デベロッパーでは三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産である。また、建設会社ではスーパーゼネコンと称される、鹿島建設、大成建設、清水建設、大林組、竹中工務店。そして、設計事務所では日建設計、日建設計ハウジング、三菱地所設計になる。
今回は、このうち、三菱地所レジデンス、鹿島建設、三菱地所設計という、大失敗しないはずの最強トリオが当事者であるだけに、社会に与えるショックは大きい。この問題を報じたフジテレビ「スーパーニュース」、J─CASTニュース、週刊ダイヤモンド2月8日号を基に、なぜ工事に失敗したのかをQ&A方式で研究する。

「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」概要
所在地─東京都港区南青山7丁目
構造─鉄筋コンクリート造
規模─地上7階、地下1階、塔屋1階
総戸数─86戸
平均専有面積─約102平方メートル
平均価格─約1億4000万円
平均坪単価─456万円
竣工予定─2014年1月下旬
引渡予定─2014年3月下旬

スリーブ工事の基礎知識

Q─スリーブとは何か。
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A─配管や配線のために、構造躯体(柱、梁、床、壁)を貫通する孔のこと。具体的には、給水・排水、吸気・排気、エアコン室内機・室外機の連結、電気配線、情報配線などのために各種のスリーブがある。なお、サイズが大きくて、縦方向に連続して貫通するものはシャフト(縦穴貫通孔)と呼ぶ。また、空気を送る管はダクトと呼ぶ。
スリーブの工事に際しては、図に見るような、スリーブ管を使う。
Q─スリーブの設計図と施工図は誰がつくるのか。
A─設計の段階では、建築設計者と設備設計者が相談しながら、スリーブのおおよその位置を決める設計図をつくる。柱・梁の周辺には鉄筋がびっしり入っているので、変な場所にスリーブをつくると、補強鉄筋が柱・梁の鉄筋に当たって、うまく入らないことがある。その影響で、躯体の強度が低下する恐れがあるため、構造設計者が安全性を確認する。
次に、施工会社と設備工事会社が決まり、かつ設備機器が決まると、スリーブの位置を詳細に決めることが可能になる。その段階で、主に設備工事担当者(設備工事会社)がスリーブの施工図をつくり、現場所長(施工会社)や設計監理者(設計事務所)の承認を受ける。
Q─スリーブはどの段階で工事するのか。
A─マンション工事は、1杭工事→2土工事→3基礎躯体工事→4地上躯体工事→5設備工事→6内装仕上工事→7外装仕上工事→8防水工事、という順番に進む。このうち3基礎躯体工事と4地上躯体工事を行うとき、一緒にスリーブ工事も行う。また、4から8の工事は各階ごとに行う。
Q─スリーブ工事はどのように行うのか。
A─躯体工事は、配筋→型枠建込み→コンクリート打設→型枠外し、という順番で行う。このうち、配筋を行うとき、貫通孔を開けたい場所にスリーブ管を置き、結束線で固定する。また、貫通孔が開くと躯体の強度が低下するので、スリーブ管周辺に補強筋を取り付ける。ただ、スリーブ管入れは設備工事になり、補強配筋は建築工事になるなど、工事区分が分かれているので担当者は異なる。
600個所でスリーブ不足
Q─現場でスリーブ管を入れた後、誰が確認するのか。  
A─設備工事担当者が確認する。
Q─スリーブの数が不足していたり、場所が違っていたとしたら、この段階で気づくのではないか。
A─現場の事情による。
Q─それはどういう意味か。
A─今回は、スリーブの設計図を、施工図に落とし込むときにミスが生じたとされる。その結果、全部で6000あるはずのスリーブのうち、1割にあたる600個所の孔がなかったり、位置が間違っていたりした。スリーブ工事の担当者が、施工図と合っているかをチェックしても、そもそも施工図が間違っているのだから、数の不足や場所の違いに気づくことはない。
Q─スリーブが完成した段階では、誰がどうチェックするのか。
A─打設したコンクリートが固まった後に、型枠を除去する。そのときスリーブ管を外すと、スリーブ(貫通孔)が姿を見せる。これを設備工事担当者がチェックする。ただ、間違った施工図と照らし合わせている限り、この段階でも数の不足や場所の違いを見抜くことはできない。
Q─その後、工事はどう進むのか。
A─躯体工事が終わると、1アルミサッシ取付→2断熱材吹付→3設備配管・配線→4ユニットバス据付→5壁・天井の下地組→6壁・天井にボード貼り→7二重床下地、などと進む。このうち、スリーブに関わるのは3設備配管・配線、4ユニットバス据付の2工事になる。
Q─スリーブの数が不足していたら、この段階で気づくか。
A─配管や配線をしようとしても、肝心要のスリーブ(貫通孔)がなかったり、位置がずれていたりする訳だから、この段階になるとさすがに100%気づく

問題が発覚した後の対応
Q─なぜ、この段階で、工事をいったんストップして、対応策を考えなかったのか。
A─報道によれば、2013年8月の段階で、設備工事担当者から現場所長に「スリーブにミスがある」と報告されていた。しかし、現場所長は「不具合の対処をするように」と指示しただけだったとされる。
設備工事担当者の報告が甘かったのか、あるいは現場所長の認識が甘かったのかはよく分からない。けれども、この瞬間が、工事大失敗への決定的なターニングポイント(転換点)になったと思われる。
Q─失敗の責任者は設備工事担当者なのか。
A─その通りだ。ただし、スリーブ施工図をチェックしなかった設備設計者や設計監理者(設計事務所)、現場所長(施工会社)にも相応の責任がある。また事業主は「チェックアイズ」という独自の検査システムを有し、検査のスペシャリストを揃えていながら見抜けなかったのだから、責任がないとはいえない。
Q─ザ・パークハウスシリーズでは、「チェックアイズ」と「住宅性能表示制度」のダブルチェックを実施している。性能評価機関はスリーブ不足を見抜けなかったのか。
A─この建物は地下1階・地上7階なので、評価機関が現場検査をする時期は、基礎配筋工事完了時、2階床の躯体工事完了時、竣工時に限られる。それを考慮すると、見抜くのは難しいかもしれない。
Q─スリーブを忘れた場合、コンクリートをコア抜きしてはいけないのか。
A─この現場でも、コア抜きしたため鉄筋を切断したと報道されている。ただし、刃先にダイヤモンドチップのついたダイヤモンドカッターで、コンクリートに穴を開けると、間違って鉄筋を切断してしまう恐れがある。数カ所ならまだしも、600個所だと困難に近いのではないか。
Q─なぜ困難に近いのか。 
A─コア抜きで鉄筋を傷つけないようにするためには、慎重を期さなければならないので、どうしても時間がかかる。また深刻な人手不足が続く現場では、必要な作業員を確保するのも難しいかもしれない。そのあたりを考慮して、現場所長は約1年かかると説明したと伝えられている。
ただ、工期を延ばすためには事情をきちんと説明する必要がある。そうなると、多くの購入者は「きず物は困る」としてクレームを付けるだろうし、事業主や施工会社の社会的なイメージも大きくダウンする懸念がある。
また、600個所をコア抜きして鉄筋を傷つけてしまうと、場合によっては建築基準法が定める構造強度を下回る恐れもある。その状態で販売してしまうと、耐震偽装の姉歯事件の二の舞になり、購入者が損害を被るのに加えて、事業主や施工会社などが法的に処分されるという最悪の事態を招くリスクもある。
Q─今回の工事は欠陥工事ということになるのか。
A─厳密にいうと、欠陥工事や手抜き工事ではなく、手抜かり工事と呼ぶのが正しい。ただ、コア抜き工事を強行して、構造強度が弱い状態で購入者に引き渡すと、欠陥工事とか隠蔽工事などと呼ばれたはずだ。紙一重の実に危うい状態だった。

失敗を繰り返さないための対策を
Q─マンション購入者はスリーブ不足をどのようにして知ったのか。
A─欠陥が発覚したきっかけはインターネット掲示板への、匿名の書き込みだったと伝えられている。本来は事業主が購入者に直接伝えなければならないのに、そうでなかったのは消費者対応の面で問題がある。
Q─書き込みがあった後、事業主はどう対応したのか。
A─最終的には、契約を解除するとともに、建物を解体することになった。平均価格は約1億4000万円、手付金は1割なので約1400万円になるが、契約解除に伴って、この手付金に加えて、迷惑料として手付金の2倍を支払うと伝えられる。 
ほかに、施工会社や設備工事会社は、建設費や解体費の負担を迫られることになる。経済的な負担は数十億円単位のばく大な金額になるが、姉歯事件の二の舞を避けられたことは、不幸中の幸いといえるのではないか。そういう意味では、匿名の書き込みがあったからこそ、最悪の事態を避けられた面もある。
Q─購入者の行動は変わるだろうか。
A─姉歯事件をきっかけに、一種のブランド志向が強まった。「腐っても鯛」というが、一流企業は補償する力がある。今回も、購入者は経済的にはそれなりに補償された。ブランド志向は強まりこそすれ、揺らぐとは考えにくい。
Q─事業主、施工者など当事者に指摘したいことはあるか。
A─失敗学の畑村洋太郎東大名誉教授は、「失敗を恐れ、失敗を恥じ、失敗を隠そうとするのではなく、白日の下にさらすことで、同じ失敗を繰り返すことを防げ」と教えている。失敗の中身と今後の対策を研究してほしい。
Q─トップ企業の鹿島建設でさえこんな状態では、建設業界は大丈夫なのか。
A─2013年11月に、日本建設業連合会の中村満義会長(鹿島建設社長)と不動産協会の木村恵司理事長(三菱地所会長)が、建設現場で働く職人の労務費をめぐって意見交換した。奇しくも、今回の問題の当事者同士になる。

「中村会長は人手不足の解消へ職人の賃上げが不可欠と強調し、発注価格の引き上げを求めた。木村理事長は、安定的な発注を図る意向を示す一方、賃金抑制の一因である建設業界の重層的な下請け構造の解消に努めるよう求めた」(時事通信)。両氏の主張自体は当を得ている。今振り返ると、何か運命的なトップ会談だったようにも感じられる。
細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。細野透編集事務所代表。大学と大学院で建築の構造を学んだ。師である構造家の坪井善勝・東大名誉教授(故人)は、建築家の丹下健三氏(故人)と組んで、代々木オリンピックスタジアム、東京カテドラル聖マリア大聖堂を設計した。ジャーナリストになってからは、方向音痴にめげずに、1000作品以上の建築&住宅を現地取材。インタビューした建築&住宅専門家は3500人を超える。日本建築学会学会賞選考委員会、建築計画委員会、現代建築評価小委員会、リスクコミュニケーション手法に関するWG委員。ブログ「建築雑誌オールレビュー」主宰。
ここまでhttp://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20140203/382305/より引用

杭打ちのデータ改ざん、傾くマンションに住み続けるか否か
2015年10月19日

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三井不動産レジデンシャルが2006年に販売した横浜市都筑区のマンション「パークシティLaLa横浜」に傾斜箇所があることが発見され、同社と三井住友建設は2015年10月19日から地盤の再調査を行うことになった。
傾斜の原因となる杭工事を請け負ったのは旭化成建材。同社が施工報告書のデータの一部を転用・加筆したことを、親会社である旭化成が10月14日に明らかにした。調査や建物の補強・改修工事などの費用は、旭化成建材が全額を負担する方針だ。
「パークシティLaLa横浜」は鉄筋コンクリート造の地上12階建て、住戸数は705戸のマンション。住民が渡り廊下の手すりにずれがあると指摘したことから、傾斜が判明したという。
三井不動産レジデンシャルから事態の報告を受けた横浜市によると、傾斜が判明したのは全4棟のうちの1棟だ。外壁の水平目地を確認したところ、最大でマイナス2.4cmのずれがあった。
その後、ボーリング調査などを実施して支持地盤の位置を確認して施工報告書の杭長のデータと比較したところ、傾斜した棟の杭52本のうち6本が支持層(固い地盤)に到達していないことが分かったという。

⇒ 傾斜マンション、旭化成建材が杭工事でデータ偽造
西棟の杭6本が支持層に達せず

同マンションは、ウェストコート(西棟)、フォレストコート(森棟)、センターコート(中棟)、サウスコート(南棟)の4棟で構成されている。このうち傾斜が発見されたのは西棟。
西棟の杭52本のうち28本を調べた段階で、6本が支持層に届いておらず、2本は支持層に届いていたが深さが不十分だった。欠陥があった8本を含む計10本について、施工データが偽装されていたことが判明している。
なぜ杭が支持層に届いていなかったり、打ち込みの深さが不十分だったりしたのか。
仮に敷地の地表面が平坦であっても、地下深くにある支持層は平坦ではなく、凹凸がある。その状態を調べるためには、1カ所当たり10万円~20万円程度の費用がかかるボーリング調査を行う必要がある。同マンション西棟の場合、杭52本分で(1箇所あたり15万円として)約780万円かかるが、これを節約するため、あるいは工期がきつかったために、全数を調査していなかった疑いがあるという。
仮にすべての杭のボーリング調査を怠っていても、実際に杭を打ち込んでいるとき、先端が支持層に届かなければ長さが不足していることに気づくだろう。その段階で杭を継ぎ足していれば、問題にはならなかったはずだ。しかし、実際には施工データを改ざんしてしまったのである。

⇒ マンションを傾斜させた旭化成建材の罪深い行為
マンション管理組合の迅速な合意形成がカギ
 
建築&住宅ジャーナリストの細野透氏は、前ページ末尾リンクの「マンションを傾斜させた旭化成建材の罪深い行為」を執筆した翌日、にわかに胸騒ぎがして横浜市郊外に住む友人に電話した。すると、偶然にも同マンションの西棟で暮らしていると知る。
細野氏は執筆した記事を友人へ送り、友人を含むマンション管理組合各位に、役に立つ記事を書くという形でアドバイスした方がいいと考えたという。細野氏は続編のコラムで以下のように述べている。
「国交省と横浜市がきちんとした指示を出し、資金力がある三井不レジと旭化成建材が相応の責任を果たすと表明し、社会からの同情と関心も高い今、マンション管理組合として心がけるべきなのは、『禍いを転じて福となす』および『鉄は熱いうちに打て』ということわざです。具体的には、大きな原則を決めて、可能な限り迅速に行動することが大切かと思います」
続けて、マンション管理組合の核となる理事会のメンバーは、仕事を持っている人が多いため、今回の欠陥問題に全エネルギーを注ぐゆとりがないため、問題を迅速に解決できないだろうと危惧している。
「よって、管理組合と関係各社(三井不レジ、マンション管理会社、三井住友建設、旭化成建材)で『連絡協議会』を組織。協議会の下部組織として、関係各社の担当者を集めた『実務担当事務局』をおいて、問題の処理に必要な作業は彼らに依頼してはどうでしょうか」(細野透氏)

⇒ 傾いたマンションで暮らす友人に緊急アドバイス
ここまでhttp://www.nikkeibp.co.jp/atcl/matome/15/325410/101900113/より引用

傾斜マンション誰が賠償? 「旭化成vs三井不動産」バトル必至
2015年10月21日
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横浜市のマンション傾斜問題で旭化成建材と親会社の旭化成が20日、都内で会見。旭化成の浅野敏雄社長は報道陣からの質問に、「調査中で答えられない」を連発。調査の不十分さばかりが目立った。
会見を見る限り、損害賠償などを巡って、これから旭化成と三井不動産との間でバトルが起きそうな雲行きだ。
浅野社長は4棟のマンションの建て替え費用について、「売り主、施工会社と誠意を持って協議したい」と語り、平居正仁副社長も「住民の皆さんへの調査にかかる費用は、(三井不動産レジデンシャルなどとの)分担を最後に決める」と話した。
「『子供の学区の変更を余儀なくされるので、引っ越しはとてもできない』と心配する住民もいる。生活基盤のケアはどう対処するのか」との質問に、平居副社長はこう答えていた。
「三井不動産レジデンシャルが主体的に行っている。私たちが口を出すことではない」
売り主の三井不動産の名前を挙げて、少しでも負担を減らしたい意図がミエミエだった。それもそのはず、4棟の建て替えには300億円以上かかるとされる。住民への損害賠償や仮住まいの家賃まで負担していたら、いくらかかるか分からない。その上、この10年間で手掛けた3000棟のチェックも行わなければならない。新たに不正なマンションが出てくる恐れもある。
昨年、住友不動産と熊谷組の間でも同様のケースがあり、建て替え費用に関してまだ決着がついていない。巨額の費用をかけた旭化成vs三井不動産の泥仕合は、果たしてどう転ぶのか。

日大名誉教授の板倉宏氏はこう言う。
「どちらがどの程度の費用負担になるかは、はっきりと分かりません。今後、三井不動産が旭化成を民事で訴える可能性もある。その時に負けるのは旭化成でしょう。また、建築基準法違反に問われ、刑事訴訟に発展する恐れもあります」

旭化成は少しでも負担を減らしたいだろうが、簡単にはいきそうもない。
ここまでhttp://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/167177より引用

専門家が指摘 マンション地質調査・杭打ちは「不正だらけ」2015年10月21日

横浜市のマンションで施工不良が発覚した問題で、会社側は、傾斜した棟を含む全4棟を建て替える場合「少なくとも3年半かかる」という。だが、他人事ではない。地質学の専門家は「多くのマンションや公共事業の『地質調査・杭打ち』不正はゴロゴロある」という。一体なぜそんなことが起きるのか。立命館大の高橋学教授(災害リスクマネジメント)に聞いた。

「購入者は、部屋の広さや間取り、買い物に便利だとか、公園や学校が近いとかいう周辺の環境でマンションを選ぶため、基礎工事の杭には注意が向きません。マンション建設の経費を安くするために手を抜くなら、外から見えない『地質調査』や『杭打ち』工程になるのです。例えば、マンション建設前に行う地質調査のためのボーリングは、1メートル機械を差し込むごとに30センチ地層を取り出して調べますが、安くても1メートルにつきおよそ2万円かかる。単純計算で、20メートル下に杭を打つなら40万円、40メートルなら80万円かかります。また、実際に杭を打つ工程では、コンクリートの杭は1本7~8メートルで、20メートル先まで打つには2本、40メートル先には4本以上杭が必要になる。杭の長さが長くなればなるほど、お金も作業時間も倍以上になります。さらに近所からの騒音に対する苦情も多いため、不正に走る会社は少なくないのです」
そもそも大型マンション立地場所は“いわくつき”だという。

「杭打ち不正の横浜のマンションは地下に約2万年前の氷河期に100メートルほど低下した海水面に向かって流れる川が深い谷を刻んでいます。その上に縄文時代の温暖な時期に海が侵入し、プリンのように軟らかい粘土が海の底にたまっている場所。国土地理院のホームページで見ることができます。昭和21年ごろの航空写真を見ると、マンション付近は暗い色で写っています。鶴見川の『後背湿地』で、低湿で軟弱な湿田です。洪水にも地震にも弱いところです。マンションに隣接している大型商業施設付近の地名は『池辺』といいます。横浜市もマンション建設会社も、人が住むことを避けてきたこの土地の性格を知らないわけがありません。自分のマンションが気になる人は航空写真を確認してみるといいでしょう。大型商業施設、公園、学校などを建てるのは、人が住みつかずに売れなかった広い場所です」(高橋氏)
災害時が恐ろしい。
ここまでhttp://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/166963より引用

住民と事業者決裂なら三井不動産へ行政処分検討
[2015年10月21日9時43分 紙面から]

三井不動産グループが販売した横浜市都筑区のマンション傾斜問題で国交省は、宅地建物取引業法違反で、事業主の三井不動産レジデンシャル(東京)への行政処分の検討を始めた。
宅建業法は、住民に損害が出た場合に、業務改善命令や業務停止などの処分ができると規定。同社が住民側と補償で合意できるかが焦点となるため、国交省は話し合いの推移を注視する。
石井啓一国土交通相は記者会見で「国民に不安が広がっている」と説明し、取りまとめの結果を公表する考えを示した。
三井不動産レジデンシャルは15日の住民説明会で、傾いた1棟だけではなく、全4棟の建て替えを基本的な枠組みとする案を提示し、今回の不具合に伴う損害の補償にも対応する方針を示した。同省の担当者は「今後、事業者と住民の話し合いが決裂するようなことがあれば、誠実な対応とは言えない」として処分の可能性が高まると指摘した。
ここまでhttp://www.nikkansports.com/general/news/1555461.htmlより引用

傾斜マンション問題 甘い検査で不正見抜けず
2015年10月21日 朝刊

記者会見で涙を拭う旭化成の浅野敏雄社長。右は旭化成建材の前田富弘社長=20日午後、東京都千代田区で

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三井不動産グループが販売した横浜市都筑区のマンションが施工不良で傾いた問題は、二〇〇五年の耐震強度偽装事件が発覚して数カ月後に、くいのデータが改ざんされていた。同事件では工事前の設計書類が偽造され、今回は工事中のデータが改ざんされた。設計段階の建築制度は改善されたが、工事中のチェック体制はなお課題が多い。 (志村彰太)

■責任
建設業界では元請け、一次下請け、二次下請けと次々に施工を発注していることが多い。今回の施工不良は元請けが三井住友建設で、くいのデータを改ざんしたのは二次下請けの旭化成建材。耐震偽装事件でも、設計書類の構造計算書を偽造したのは下請けの設計者だった。この多層構造は事件後も変わっておらず、元請けには厳しいチェックが求められる。
本紙の取材では、旭化成建材はくい打ちデータを最大三カ月間、自社で抱え込み、三井住友建設に提出したのはくい打ち工事の後だった。
旭化成建材は「データをどのタイミングで出すかは元請けによってまちまち。今回はまとめて出すことになっていた」と説明するが、NPO法人「建築Gメンの会」の一級建築士川口晴保さんは「最低でも週に一回は、元請けがチェックすべきだ。データ管理がずさん」と批判する。

■身内
工事中のチェック体制として、工事監理者制度がある。「買い手」の立場で工事を監視する役割だ。
しかし、マンションの場合は、建物の直接の買い手は売り主の不動産会社であり、各戸を購入する個人ではないため、工事監理者は売り主が選ぶケースが多い。今回も、工事監理者は三井住友建設の社員の一級建築士だった。
NPO法人「欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会」の小川尚志さんは「現状の工事監理者は開発業者の下請けのようになっている」と問題視。中立性を確保するには「利害関係のない第三者に委託する必要がある」と指摘する。

■教訓
民間検査機関などがチェックする仕組みも、同様の問題をはらんでいる。設計書類を審査する「着工前検査」、工事中に行う「中間検査」、工事後に確認する「完了検査」と三段階あるが、どの検査機関を選ぶかはやはり売り主が決めるためだ。建築に詳しい高橋宏弁護士は「開発業者は、甘めに見てくれる検査機関を選ぶ傾向がある」と矛盾を指摘する。
国土交通省や横浜市によると、完成前の中間検査はくい打ち工事後に行われ、一日で終わることが多いという。工事監理者が作った簡単な報告書を見ながら現場を確認するだけで、一般的にデータを直接点検することはあまりない。
耐震偽装事件の時も「民間の検査機関では審査が甘くなるのではないか」との指摘があった。事件を受けた建築基準法の改正で、大型マンションなどの着工前検査は二つの検査機関で行うことが義務付けられたが、事件後も施工不良とみられるマンションの問題は起きている。

建築Gメンの会の川口さんは「業界の信頼を取り戻すには、工事中や工事後の検査もダブルチェックにし、設計・施工・検査は利害関係のない会社が行うべきだ」と話している。
◆くい打ち深さ不足 基礎工事の終盤に 旭化成会見
横浜市都筑区のマンションで傾きが見つかった問題で、深さ不足のくい八本はいずれも基礎工事終盤の二週間で打たれていたことが二十日分かった。くい打ちをした旭化成建材(東京)と親会社の旭化成(同)の両社長が都内で会見し、明らかにした。
深さ不足を解消するには追加のくい打ち工事が必要となるため、両社は、現場担当者が工期内に終わらせようとして施工不良を引き起こした可能性もあるとみて調べる。
会見では、旭化成の浅野敏雄社長が「お住まいの皆さまに申し訳ないことをしたと反省している」と謝罪し、声を震わせハンカチで目を拭った。旭化成建材の前田富弘社長は「居住者の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をお掛けした。誠に申し訳ございません」と述べた。
両社の説明によると、基礎工事は二〇〇五年十二月~〇六年二月に実施。深さ不足だった八本のくい打ちは、最終盤の二月中旬以降に行われた。旭化成の平居正仁副社長は「工期が、現場担当者のプレッシャーになったか調査したい」と述べた。
ただ、現場担当者は社内調査に対し「くいはすべて固い地盤に届いている」と話しているといい、平居副社長は「故意にやったのか、単に誤認したのか、組織的な問題か調べたい」と話した。
また、旭化成建材が過去十年間にくい打ちを請け負った約三千棟について、二十二日までに国土交通省に報告を求められているが、建物名は公表しない方針を示した。
ここまでhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201510/CK2015102102000132.htmlより引用

マンション傾斜問題 公共施設情報も開示せず 不安は放置のまま
2015年10月23日 7時24分

データを改ざんしたとされる旭化成建材の現場担当者が公共施設の工事に関わっていたことが判明した茨城県は二十二日、施設の情報を開示するよう同社に求めた。だが、「社の方針」と「特定個人の情報」を理由に回答を拒否された。「公の施設で個人情報とは違う。行政として対応できない」と食い下がったが、対応は変わらなかった。
県の担当者は「早急に明かすように粘り強く求めていく。情報を出し渋るなら、独自に調べなければならないだろう」と話した。
旭化成側はこの日の会見で、公表対象となった建物の住民ら当事者に現時点では個別通知しない方針も示した。調査の終了時期の見通しも明言せず、全国に広がった不安はそのまま放置される。旭化成側は「公表すれば(資産価値の低下などで)かえってご迷惑をかけてしまう」と釈明した。
公共施設名まで明かさない理由は「調査を最優先するのが不安をあおらない一番の方法と考える」と回答。だが、公共施設は私有財産ではない上、安全に関する情報は強く求められる。県の担当者は「施設を特定しないと調査すらできない。大勢の人が使う公共施設かもしれないのに」と戸惑いをみせた。
会見で公共施設は公表すべきだと追及されたが、旭化成側は「貴重なアドバイスと受け止めたい」と返すにとどまった。自治体が始めている独自調査は結果的に税金で賄われる形になるが、「負担は考えていない」とした。
ここまでhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201510/CK2015102302100005.htmlより引用

旭化成3000件概要公表 データ改ざんの担当者41件に関与
2015年10月23日 朝刊

横浜市のマンション傾斜問題で旭化成(東京)は二十二日、原因となったくい打ち工事のデータを改ざんした子会社の旭化成建材(同)が、二〇〇四年以降に実施したくい打ち工事の概要を国土交通省に報告、公表した。和歌山、沖縄両県を除く四十五都道府県で三千四十件、このうちデータを改ざんした現場担当者が施工に関与したのは九都県で四十一件だった。旭化成はほかに不正がなかったか、この四十一件を優先し、第三者委員会も立ち上げて調査を進める。
担当者が関与した物件の所在地は愛知県が二十三件と最多で、岐阜県六件、三重県五件、東京都二件、神奈川、千葉、茨城、石川、静岡各県が各一件。建物種類はマンションなど集合住宅十三件、医療・福祉施設四件、学校三件、公共施設二件などだった。旭化成建材は中部各県に集中する理由を、この担当者が中部地方にある同社の下請け会社に勤務していた時期があるためと説明した。
三千四十件の内訳は北海道四百二十二件、東京都三百五十六件、大阪府二百六十二件など。建物用途は集合住宅六百九十六件、工場・倉庫五百六十件、学校三百四十二件などとなっている。
旭化成建材の堺正光(まさてる)取締役常務執行役員らが記者会見。担当者は社内の聞き取り調査に対し、くい打ちデータ改ざんの動機を「データを紛失するとかのミスを隠すためにやった」などと説明していることを明らかにした。ここ数年、くい打ち工事は担当していないという。
報告の対象は〇四年一月以降にくい打ちが完了した物件で、道路や橋など非建築物も含まれる。
報告を受けた国交省は二十二日、「これは建築物の安全性に問題がある工事を示すものではない。施工データの流用等を行った工事がないか、速やかな調査実施が必要で、国民の不安が広がらないよう万全の対応を取る」とのコメントを出した。

◆旭化成建材の分類(記者会見での説明による)
<集合住宅>→マンション、アパート、寮 
<事務所>→オフィスビル、社屋
<商業施設>→百貨店、スーパーマーケット、コンビニ、大手家電量販店 
<工場・倉庫>→工場、倉庫 
<医療・福祉施設>→病院、診療所、介護施設 
<学校>→学校、幼稚園、保育園など 
<公共施設>→県庁、市役所といった自治体の建物以外に公民館、消防署、駅、空港も 
<土木>→道路、橋、上下水道 
<その他>→主にホテル、鉄塔基礎 不明→精査しないと分からないもの
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ここまでHTTP://WWW.TOKYO-NP.CO.JP/ARTICLE/NATIONAL/LIST/201510/CK2015102302000138.HTMLより引用

補償内容、27日住民に提示=三井不動産レジ、横浜市に報告
2015 年 10 月 20 日 12:30 JST 更新

横浜市都筑区の大型マンションが傾いた問題で、販売した三井不動産レジデンシャル(東京)が住民に対する補償の具体的内容について、27日に住民に示すと説明していることが20日、分かった。同社の報告を受けた横浜市が公表した。
市はこれまで、同社に対し主に(1)住民への対応(2)安全性の確認(3)原因究明—の3点について逐次報告を求めてきた。
市などによると、16日まで開かれた住民説明会では補償内容に関する質問が最も多く出され、同社は10日後を期限に補償案を示すと回答。同社はこれまでに全棟建て替えも提案しているが、補償案について改めて住民説明会を開く予定という。
一方、工事元請けの三井住友建設(東京)が19日に再開した地盤調査は、マンション全4棟で12月上旬ごろまでかかる見通し。市は調査結果のデータなどを総合した上で、建築基準法に違反していないかどうか判断する。 
[時事通信社]
ここまでhttp://jp.wsj.com/articles/JJ11202989754497804680017404475501321627591より引用

2015.10.21 05:01
国交省、三井不動産レジデンシャルに行政処分検討へ

横浜市の傾斜マンション問題に関し、くい打ち工事のデータを改竄(かいざん)した旭化成建材と親会社の旭化成のトップが東京都内で20日、問題発覚以来、初めて会見した。
国交省が宅地建物取引業法違反で、事業主の三井不動産レジデンシャルへの行政処分の検討を始めた。宅建業法は、住民に損害が出た場合に、業務改善命令や業務停止などの処分ができると規定。同社が住民側と補償で合意できるかが焦点となる。同省の担当者は「今後、事業者と住民の話し合いが決裂するようなことがあれば、誠実な対応とは言えない」として処分の可能性が高まると指摘。一方で「双方が建て替えや修繕で合意すれば、処分の必要はない」と説明している。
ここまでhttp://www.sanspo.com/geino/news/20151021/tro15102105010007-n1.htmlより引用

三井不動産グループ、旭化成くい打ちのマンションが新たに4件

三井不動産は19日、グループで手掛けているマンションのうち、新たに4件で旭化成建材がくい打ちを担当していたことを明らかにした。1件は建設中という。三井不動産はこの4件に関し「現時点では、問題があるとは聞いていない」(広報担当者)と説明している。所在地などは明らかにしていない。調査は継続中で、今後増える可能性もある。オフィスビルや商業施設など、住宅以外では今のところ旭化成建材が参加した物件は判明していないという。
ここまでhttp://www.sanspo.com/geino/news/20151020/tro15102005000003-n1.htmlより引用

開いた「パンドラの箱」、自治体や住民に広がる波紋-くい打ち問題
2015/10/23 00:10 JST

(ブルームバーグ):横浜市の傾斜マンションを担当した旭化成建材が、マンションだけでなく、学校など公共施設でもくい打ち工事に携わっていたことが旭化成の集計や自治体の独自調査で判明した。安全性の確認はこれから本番を迎え、関係する自治体や各地の住民に波紋が広がっている。
兵庫県神戸市は小学校や市営住宅、集会場など15件の公共施設で旭化成建材の関与を自ら突き止めた。うち14件は目視検査でひび割れや傾きがないことを確認したが、問題は地中のくいが正しく施工されているかどうかだ。
市建築技術部技術管理課の上田真己課長は、「業者が提出した工事書類でくいの施工や地盤の状態を確認するしかなく、市が掘り返して調べるのは不可能に近い」と話す。旭化成が今後どこまで本格的に調査するか注目しているというが、「全国で3000件もあるので順番が問題だ」。神戸市で使用したくいは鋼製で、傾斜マンションのコンクリート製より比較的丈夫なため、「後回しにされる可能性がある」と話す。当面は対象施設を経過観察する方針だ。
自治体は詳細情報の公開を控えている。公共施設92棟のうち6棟で旭化成建材の関与を確認した神奈川県川崎市は、市民に対して施設の種類や名称を公開していない。同市まちづくり局施設整備部の木村弘一担当課長は「いたずらに不安を煽りたくない」と、その理由を明かす。
福島県は、東日本大震災に伴う県立高校の建て替え工事で同社が関与したことを確認した。県教育庁財務課の伊東誠氏は、「生徒が日常利用する施設なので、生徒の安心安全を確保するには何が大切なのかを中心に対応していく」と言う。
パンドラの箱を開けた
問題の発端となった傾斜マンションは三井不動産レジデンシャルが06年に販売し、三井住友建設が施工。2次下請けの旭化成建材が打ち込んだくいの一部が硬い支持層に届いていなかったほか、くいに関するデータ全体の15%近い70本分で転用や書き換えが判明した。これを受け、親会社の旭化成は子会社がくい打ちした全国の建物3040件を緊急調査。医療・福祉施設や学校、公共施設も含まれ、データを書き換えた担当者が関与したのは41件に上ることが22日、分かった。
同社は今後、まずこの41件を優先してデータの書き換え・転用の有無を確認し、安全調査に乗り出す。農中信託銀行シニアファンドマネジャーの新海秀之氏は、「膿(うみ)が出て問題解決に向かうのが望ましいが、パンドラの箱を空けたようなものだ。時間とコストがかかるだろう」と話す。
旭化成建材の前田富弘社長は20日の記者会見で、この3040件について、データの不備やくいの不具合が「必ずしもないとは言い切れない」と述べていた。
ブランドを信用したのに
横浜の傾斜マンション問題が表面化して以降、管理組合へのアドバイザーであるNPO集住センターには問い合わせの電話が連日、通常の倍の20件近く掛かってくる。小所帯のため電話を取れないこともあるほどだ。「自分らのマンションのくい打ちはどこの業者がやったのか調べるにはどうしたらいいかという内容が一番多い」と常任相談員の阿部悠一氏は話す。
データを書き換えた担当者が関与した1都8県が22日、公表されたことで、「疑心暗鬼が強まり、漠然とした不安はますます広がるだろう」と阿部氏は話し、管理組合の理事会が多い月初の土日を経て11月第1週には問い合わせが殺到するとみている。
問題発端の舞台となった横浜市ー。保土ヶ谷区のマンションに住む自営業の今藤悟さん(53)は、「今まで自分が住むマンションは大丈夫と思っていたが、同じ市内で問題が起き不安だ」と話す。問題のマンションでくいの一部が支持層に到達しなかった一因として、旭化成は地層が急こう配だったことを挙げており、今藤氏は「横浜特有の地形で丘陵地が多く、わが家は大丈夫だろうか」と言う。
戸建てと違ってマンションは建築過程を自分で確認できないこともあり、同氏は「業者を信頼せざるを得ない。問題マンションの住民も三井や旭化成というブランドを信用したはずなのに、こういうことが起きると恐い」と述べた。
三井不動産によると、旭化成建材がくい打ちした分譲マンションは販売中が1物件、販売済みは問題物件も含め4物件あり、「顧客からくい打ちに関して聞きたいという問い合わせがある」と、広報担当の天田光稔氏は話す。三菱地所にも問い合わせが来ているが、分譲中の約80件には旭化成建材が関与したものはないという。
関連ニュースと情報:旭化成:真相究明後に経営層の責任問う、外部調査委も設置-浅野社長国交相:旭化成に22日までにデータ取りまとめ指示-3000棟調査で旭化成:全国3000棟で杭打ちデータ調査-人手不足が問題の温床かトップストーリー:TOP JK
ここまでhttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWJVWE6JTSEG01.htmlより引用

横浜マンション傾斜、データ偽装の旭化成建材に広がる「経営危機」懸念

子会社の旭化成建材による杭打ち工事データ偽装が発覚した旭化成の株価下落が止まらない。業績悪化の不安から10月20日の株価は前日終値比29.5円安の700.5円。一時、693.6円(36.4円安)まで下げ、年初来安値を更新した。問題が発覚した14日から終値で217円下落したことになる。
旭化成の浅野敏雄社長は20日、子会社が杭打ちを手がけた横浜市都筑区のマンションが傾いた問題で初めて記者会見した。責任の所在をめぐっては、販売元の三井不動産レジデンシャルや工事元請けの三井住友建設との間でずれが見えた。
偽装が発覚したマンションは全4棟。旭化成はこの日の会見で、傾いた1棟については調査、補強、改修にかかる費用を全額負担すると表明した。一方の三井不動産レジデンシャルは全棟の建て替えや部屋の買い取り、住民の精神負担への補償などを検討すると表明している。こうした費用について浅野社長は「売り主や施工会社と誠意をもって協議する」と述べるにとどまった。
仮に4棟すべてを建て替えるとなると、買い取りや住民の引っ越し費用を含めると300億円以上かかるとみられる。三井不動産レジデンシャル、三井住友建設、旭化成建材の建て替え費用の分担についての交渉は難航が必至だ。
旭化成建材がこの10年間に杭打ち工事を請け負った全国の物件3000棟についてもデータ偽装の有無などを調査し、22日に国土交通省に報告する。同様の問題が発覚すれば、費用はもっと膨らむ。「売上高644億円(15年3月期)の旭化成建材の支払い能力から、一気に経営危機に陥る懸念も広まってる」(市場筋)。

親会社にとっても大きな痛手

注目されるのは旭化成の15年9月期(4~9月)中間決算である。11月6日に発表する。補強、改修、建て替えに備えて、どの程度の引当金を積むかが焦点となる。旭化成は16年3月期までの5カ年の中期経営計画を立てている。同計画では16年3月期の目標を売上高は2兆円、営業利益は1600億円としている。問題発覚までは順調に推移しており達成は確実と見られていた。だが、杭打ち偽装で暗転。業績の大幅な下方修正をせざるを得ない。
旭化成の事業は今回問題を起こした住宅・建材、創業事業であるケミカル・繊維、エレクトロニクス、ヘルスケアの4つに分けられる。旭化成の15年3月期決算は絶好調だった。売上高は前期比4.7%増の1兆9864億円、営業利益は10.2%増の1579億円、純利益は4.3%増の1056億円。売上高、利益ともに2期連続で最高を更新。
住宅・建材事業は戸建て住宅「へーベルハウス」の旭化成ホームズのほか、リフォーム事業、断熱材の製造・販売を行っている。売上高は6038億円、営業利益は630億円。全社の営業利益の4割を稼ぎ出した。海外で高機能樹脂、繊維などの販売が好調なケミカル・繊維事業と肩を並べるドル箱である。住宅・建材は収益の大黒柱だ。
耐久性が高いと評判のへーベルハウスは、9月に茨城県で発生した鬼怒川堤防決壊の際、濁流に流されなかったことで話題になった。だが、今回の事故でブランドイメージは傷ついた。差し引きゼロどころかマイナスである。受注に影響が出ることは避けられない。稼ぎ頭だっただけに大打撃だ。

ワンマン経営

旭化成の創業者は日窒コンツェルン創始者の野口遵氏。1922年に宮崎県延岡市で旭絹織を設立して、合成アンモニアを製造したことに始まる。敗戦後の46年、商号を旭化成工業(現・旭化成)に変更。チッソ、積水化学工業は、日窒コンツェルンから分かれた同根の会社だ。60年に発売した食品包装ラップの代名詞ともなった「サランラップ」の爆発的なヒットで知名度は全国区になった。72年に「ヘーベルハウス」ブランドで住宅事業に本格参入した。
旭化成では戦後、宮崎輝氏と山口信夫氏という「2人の長老」(業界筋)が長きにわたり経営の実権を握ってきた。92年に現職会長のまま82歳で死去した宮崎輝氏は敗戦直後、37歳で取締役に就任。取締役歴は半世紀近く、社長・会長として30年近く存在感を示し続けた。
バブル崩壊後、野村證券などの4大証券で損失飛ばし事件が発覚し、住友銀行(現三井住友銀行)では反社会的勢力に取り入られるイトマン事件が起きた。この時、宮崎氏はこう発言した。
「問題を引き起こしている野村證券や住友銀行は若返りを進めたため、若い役員が多い。こうした人が収益を上げようとがんばったことが今回の不祥事が起きたひとつの要因ではないか。老害ばかりいわれるが、若害も考えなくてはいけない」
その宮崎氏に「陸士(陸軍士官学校)トップならオレの秘書をやれるだろう」と引っ張られたのが山口氏だった。秘書室長、総務部長として宮崎氏に仕えてきた山口氏は、92年に宮崎氏が現職会長のまま死去すると、会長の椅子を引き継いだ。山口氏は社長を務めたことはないが、会長としての在任期間は18年に及び、10年9月に名誉会長として85歳で亡くなるまで代表権を手放さなかった。人事権を握り旭化成のドンとして君臨した。この間、日本商工会議所の会頭を務めた。
「宮崎氏と山口氏は、引き際を誤った。杭打ち工事のデータ改ざん事件を起こした旭化成建材の親会社、旭化成は2人のドンが君臨したワンマン会社だった」(業界筋)
今回の事件は、こうした旭化成の負の遺産が一気に露呈した結果なのかもしれない。
(文=編集部)
ここまでhttp://biz-journal.jp/2015/10/post_12074.htmlより引用

風評被害による損失も補償 「精神的負担」も

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横浜市都筑区のマンションが傾いている問題で、販売元の三井不動産レジデンシャルがマンション住民に対し、風評被害による資産価値の損失分も補償すると説明していたことが21日、住民への取材で分かった。
住民らによると、マンション内で15日に開いた説明会で、同社側は藤林清隆社長名で文書を配布。傾いた棟を含む全4棟を建て替える方針を示した上、補償内容として、住戸の買い取り▽賃貸時の損失▽改修工事費用▽精神的負担などにかかる補償▽一時避難としてのホテル宿泊や建て替え完了までの仮住まいにかかる費用-を列挙した。
ただ、建て替え前後に不当な評価をされて資産価値が低下することも想定されるため、住民側から「風評被害による減価補填(ほてん)」の要望も書面などで三井不動産レジデンシャルに寄せられていた。これに対し、同社は16日に開いた説明会で「風評被害による損失補填も行う」との考えを示したという。
問題のマンションでは、3棟で地盤の強度やコンクリート量のデータ改竄(かいざん)があるものの、残る1棟では現在までに見つかっていない。三井不動産レジデンシャルは4棟について「震度6~7まで安全性は確保している」と横浜市に説明している。
ゼネコン関係者によると、風評被害としては、賃貸物件の借り手が転居したり、債務の担保としての価値が下がることなどが想定される。建て替えたとしても安全性に不安を持たれたりイメージが悪くなることで、売却時などに資産価値が下がる可能性があるという。
ある住民男性は、「傾いたことで生じた損害はすべて補償してもらわないと。ただ、会社側の言う風評被害の定義があいまいなので、限定解釈されないか不安だ」と話した。
三井不動産広報は、「管理組合の意向を受け、住民説明会の内容はお話しできない」としている。

【横浜傾斜マンション】建て替え?買い取り?解決に5年以上
2015年10月22日 06時30分

横浜市都筑区のマンションが傾いている問題で、原因とみられるくい打ちを施工した旭化成建材と親会社の旭化成が20日、都内で会見し、旭化成の浅野敏雄社長ら幹部が謝罪した。今後、建て替えとなった場合、販売元の三井不動産レジデンシャル側と協議し、費用の全額負担を明言しているが、巻き込まれた住民にはイバラの道が待ち受けている。
問題発覚後、初の記者会見で旭化成の浅野社長は「居住者の皆様には大変ご迷惑をお掛けし、関係先各位のご信頼を失う結果になった。深く深く反省し、おわび申し上げます」と頭を下げた。
会見中にはハンカチで涙を拭うしぐさも見せたが「自身が居住する高級マンションのくい打ち施工業者はどこか?」との質問が飛ぶや「どこに住んでいるかも含め、プライバシーに関わることなのでお答えできない」と怒気を含ませる場面も。
同社の平居正仁副社長は、今回の施工データ転用の原因や旭化成建材が施工した他の3000棟については「調査中」と繰り返しながらも「(東日本大震災の)3・11も含め、建物が傾いたのはこの1件だけ。四十数年のくい事業において、弊社の件が原因で構造物が倒壊したのは1件もない。気休めにしかならなくて申し訳ないが、倒壊する心配はないと経験的に思っている」と強弁に出る始末。
「自分のマンションは大丈夫だろうか」と不安を抱える住民や関係者に対し、両トップは問題の本質を全く理解していないようだ。
今回の偽装問題で最大の被害者はマンションの住民にほかならない。
「マンションはJR横浜線の鴨居駅から徒歩11分で、交通の便は良くないが、大型商業施設『ららぽーと横浜』が併設され、三井ブランドの付加価値込みで周辺相場より若干高い、3000万円台後半~6000万円前半で販売された」(地元住民)
販売元の三井不動産レジデンシャルは、住民に購入価格より高い値段での買い戻しや全4棟(計705戸)の建て替えなどの考えを示している。だが、全棟建て替えの場合は、全棟の住人5分の4以上、各棟で3分の2以上の賛成を得ないといけない。取り壊しから完成まで3~4年の工期がかかるとみられ、その間は別の場所での“仮住まい”を余儀なくされる。これもあくまで迅速にコトが進んだ場合だ。
マンション事情に詳しい「榊マンション市場研究所」主宰の榊淳司氏は「建て替えで住民の賛成を得られたとしても絶対にイヤだと反対し、居座る人も出てくる。また買い戻しの額を巡っての争いも出てくる。明け渡し請求や買い戻し請求だので(取り壊しまで)5年で済むかどうか」と指摘する。
欠陥マンション問題は他にも起きており、東京・八王子のマンション(計919戸)のケースでは、解決まで20年以上もかかったという。
「長期の交渉で精神的苦痛はあるし、少なくとも2度の引っ越し、建て直して新築になったとしてもいわくつきでなんとなく嫌になる。『ららぽーと横浜』もずっとあると約束されているワケじゃなく、撤退するリスクもある。私なら購入価格の1・1~1・5倍ぐらいで買い取ってくれるなら、早く売って別のマンションを買いますね」(榊氏)
各家庭でさまざまな事情を抱え、答えを出すのは一筋縄ではいかない。解決にはかなり長い時間がかかりそうだ。
ここまでhttp://www.sankei.com/economy/news/151021/ecn1510210031-n1.htmlより引用

トカゲの尻尾切り?マンション傾斜・偽装問題

旭化成は10月22日、国土交通省に「旭化成建材(株)の過去10年間の杭工事実績」を報告したあと、同日18時から記者会見を開き、「過去10年間の杭工事実績(施工データの流用等が無かったかを確認する現場数)」を公表(PDF:118KB)した。

3,040物件のうちの23%が集合住宅
3,040物件のうち最も多いのが北海道
現時点(10月22日)における雑感
杭工事の施工データを改ざんした社員(以下、X)が関与した物件は全国で41件に上る(ということになっている)。

公表された資料は、そっけない都道府県別・建物用途別の数値データだったので、可視化(グラフ化)しておこう。
3,040物件のうちの23%が集合住宅
過去10年間に旭化成建材が施工した杭工事は全部で3,040物件。

そのうちの696件(23%)が集合住宅。
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3,040物件のうち、Xが関与したのは41物件。
そのうちの13件(32%)が集合住宅(マンション)。
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3,040物件のうち最も多いのが北海道
全3,040物件について、都道府県別に物件の多い順に並べたのが次図。

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150件を超えているのは、次の7都道府県。北海道と東京都が多い。
北海道(422件)
東京都(356件)
大阪府(262件)
埼玉県(198件)
神奈川県(192件)
茨城県(179件)
千葉県(168件)
Xが関与した41物件につき、都道府県別にみると、圧倒的に愛知県が多い。2位が岐阜県、3位が三重県。
記者会見時の説明によれば、Xは旭化成建材の契約社員になる前は、中京地方の会社に勤めていたという。

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現時点(10月22日)における雑感
旭化成が公表した資料には、物件名はもちろん、建物の規模も所在地も記されていない。
こんなそっけない資料を公表すれば、世間からの反感を買うことは分かりそうなものだが。
工事を発注した三井住友不動産Rや国交省の意向が強く働いた結果なのだろうか。

耐震偽装事件では、事件が発覚して1カ月後に、偽装物件として57件のマンション名までが公表(PDF)され、収拾がつかない状態に陥った。そのときの教訓を踏まえたのか。
免震データ偽装事件のときは、具体的な物件名を開示することなく、横浜ゴム1社の問題として、世間の関心が薄れていった。
横浜ゴムの製品を使っているのがマスコミの大口スポンサーである不動産会社だから、マスコミの報道も慎重だったのではないのか(免震偽装事件 3つの疑問)。

これまでのところ、売主(工事発注者)である三井不動産レジデンシャルの記者会見はない。親会社の三井不動産の岩沙会長が10月20日、東京都内であった会合後に「売り主として購入者、居住者のご心配と不安を解消するようしっかり対応したい」と記者団の取材に応じた程度。
大口スポンサーに対してモノが言えないマスコミが、末端の作業員に過ぎないXの行為を強調しすぎると、今回の問題が結果的に「トカゲの尻尾切り」で終わってしまうことになりかねない(大手不動産のメディア・タブー性)。
杭偽装の責任者、9都県41件を担当 愛知が最多23件(朝日新聞 10月23日00時13分)
傾斜、現場責任者関与は愛知県が23件で最多(読売新聞 10月23日 01時19分)
マンション傾斜:改ざん社員関与の工事…9都県41件(毎日新聞 10月22日18時47分)
旭化成「申し訳ない」 改ざん担当者の案件は41件(日本経済新聞 10月22日18時21分)
杭工事データの偽装が行われたのは、まだ、現場経験豊富な団塊の世代が活躍していた時代。職人も今ほどは高齢化していなかったし、不足していなかった。
そんな時代に起きた杭工事の偽装。いまのような、人材不足、職人不足、資材高騰の時代であれば、もっとヒドイことが起こっていても不思議ではないだろう。
ここまでhttp://1manken.hatenablog.com/entry/2015/10/23/065547より引用

マンション傾斜問題 検査の厳格化が不可欠だ
(2015年10月23日午前7時05分)

横浜市で築10年にもならない大型マンションが傾斜した問題は全国に拡大している。基礎工事で地中に打ち込んだくいの一部が固い地盤まで届いておらず、その検査データが改ざんされていた。くい先端を固めるセメント量も改ざんされており、これはもはや住民生活の安全・安心に関わる“犯罪行為”だ。
さらに施工主である三井住友建設の下請け、旭化成建材がくい打ちをしたマンションや学校、病院、商業施設など物件は全国で3040件に及ぶ。旭化成が国交省に報告、詳細を公表した。本県では1件(事務所)あった。データを改ざんしたとされる「現場代理人」の男性契約社員が関わった41件には入っていないが、迅速に調査を進め、国民の不安を払拭(ふっしょく)するべきだ。
ずさんな工事がなされた大型マンションは2007年完成の全4棟計705戸。傾いたのは1棟だが、販売した三井不動産レジデンシャルなどは他の3棟も含め、建て替え方針を住民に提示し、協議を始めた。
旭化成建材によると、傾いた棟を含む3棟で38本のくいが支持層に達したかを示す検査データが改ざんされていた。1本のくいを打つ際は3人の作業員が担当し、支持層のデータを取得しながら工事を進める。しかし、データを取り損なうなどのミスが重なり、男性担当者が他の工事のデータを使い回したとみられる。セメント量を改ざんしたのも同じだった。
思い起こすのは10年前の耐震強度偽装事件だ。元1級建築士が建物の構造計算書を偽造し、地震で倒壊の恐れがあるマンションなどが販売された。事件後、自治体や民間の指定確認審査機関が構造計算書をチェックしたり、自治体が建築確認審査で適合性判定を実施するなど事前のチェック体制を強化する仕組みが整備された。偽装防止へ罰則も強化されてきた。
それでも不正は繰り返されたのだ。今回の不正行為の全容は見えてこないが、複雑な下請け体制に原因があるのではないか。大規模なマンション建設などで元請けからひ孫請けまで数百社が関わることもある重層な構造が浮かび上がる。
これまでの施工不良と同様、人手不足や利益確保、工期厳守などで現場に大きな圧力がかかり、追い込まれていく構図がある。また工事が仕様通り進んでいるか元請けがチェックしようにも、末端の現場まで目が届かないのが実情だ。
事態を重視した国交省は建築基準法に基づく検査や報告のあり方を見直す考えだ。日本建設業連合会でも元請け業者向けに、くい打ち工事の管理や施工記録のチェックを強化するための指針を作成するという。
再発防止へ向け、行政によるチェック強化だけでは限界がある。第三者による監視なども含め、官民挙げて実効性ある管理体制の強化を求めたい。
ここまでhttp://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/82160.htmlより引用

マンション業者「欠陥」わかっていながら時効狙い!傾いても責任は築10年まで
2015/10/22 15:45

横浜で三井不動産レジデンシャルが販売した大型マンションが傾いた問題では、建設・工事会社や販売会社の不誠実な対応が目立つ。住民たちが手すりのズレを指摘したあとも、会社側は補修工事を行えば「所期の性能」を得て、マンションの価値も下がらないとしていた。しかし、その後、問題が大きくなると対応を一変させ、建て替えも視野に入れるとした。
こうしたマンション問題は、横浜に限らず、「大手が手がけるマンションで重大な欠陥が相次いで見つかっています」(国谷裕子キャスター)という。
三井不動産だけじゃない!地震のせいにして表面補修
12年前に入居がはじまり、262世帯が暮らしていたという首都圏のあるマンションは、昨年(2014年)、全体の4割に当たる19本のくいの長さが足りないなどの施工ミスが発覚した。このマンションでは04年に、棟のつなぎ目にある手すりがズレるなどの異変が見つかっていたが、マンション管理会社は地震の影響だとし、手すりの隙間を埋めるなどの補修は行ったが、根本的な調査などは行わなかった。
13年になって住民が外部の建築士に依頼して調査をおこなったところ、構造上の欠陥が指摘され、不動産会社もようやく傾きを認めたという。現在も建て替えや補修をめぐって協議が続いている。
ここまでhttp://www.j-cast.com/tv/2015/10/22248608.htmlより引用

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ偽装事件151022-2

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