杭データ偽装事件151129-2

杭データ偽装事件151129-2

データ流用、7社に拡大=不正が横行―くい業界団体調査
時事通信 11月27日(金)18時42分配信

くい打ち業者41社が加盟するコンクリートパイル建設技術協会(会長・黒瀬晃ジャパンパイル社長)は27日、過去5年間の工事の点検状況を国土交通省に報告し、公表した。旭化成建材(東京)とは別に6社で計22件のデータ流用など不正行為が判明した。これでデータ流用は7社に拡大した。三谷セキサン(福井市)やジャパンパイル(東京)など6社でくい出荷量シェアの7割を占めており、不正が業界で横行していることが明らかになった。
東京都内で記者会見した黒瀬会長は「複数の会員会社でデータ流用が判明し、改めておわび申し上げる」と陳謝した。
データ流用は、業界首位の三谷セキサン1件、2位のジャパンパイル13件、日本コンクリート工業(東京)1件、前田製管(山形県酒田市)3件、NC貝原コンクリート(岡山県倉敷市)2件、中部高圧コンクリート(三重県鈴鹿市)2件。旭化成建材は過去約10年間で360件が判明している。
6社のデータ流用は、東京5件、三重3件、福島、茨城、愛媛が各2件、秋田、千葉、福井、京都、兵庫、徳島、高知、熊本が各1件となり、13都府県に広がった。建物別では、公共施設7件、医療福祉施設4件、学校3件、事務所・店舗2件、工場2件、集合住宅1件など。建設技術協会によると、現時点でひび割れなど建物の不具合の報告はないという。
旭化成建材を除き33社が約1万9800物件の点検を予定しており、同日までに2845件を終えた。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151127-00000134-jij-bus_all

ゼネコン、責任の矢面に=くい工事不正で-日建連会長

日本建設業連合会の中村満義会長(鹿島会長)は20日の定例記者会見で、横浜市の傾斜マンションなどくい打ち工事の不正問題に関し、「元請けが発注者に対する責任の矢面に立つのが当然だ」と述べ、施工管理を行うゼネコンが大きな責任を負うべきだとの考えを改めて示した。(2015/11/20-17:41)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015112000759

「真面目で一生懸命」=元上司「1人でやれるはずない」-旭化成建材改ざん社員
旭化成建材でくい打ち工事に関わり、傾いた横浜市のマンションでデータを改ざんしていた問題の男性社員は、以前は中部地方の下請け会社に勤務していた。この会社で上司として男性社員を指導していた男性が2日、取材に応じ、「新米で入って来たときは真面目で一生懸命だった。どちらかというと気が弱かった」と語った。

元上司の男性によると、この社員は20代半ばで同社に入り、7年ほど働いた後、十数年前に退職した。
旭化成建材によると、その後別の会社から旭化成建材に出向して契約社員となり、2~3年前に現場を離れ、現在は事務職に就いている。社員からヒアリングした同社幹部は記者会見で「ルーズな印象を受けた。事務処理などが苦手そう」と評していた。
これに対し、元上司の男性は「権限もないし、(データ改ざんは)1人でやれるはずはない。悪いのは設計者だ」と主張。「用意されたくいが短くて支持層に届かなければ、データの取りようがない」と強調し、「(元請け業者が)ちゃんとボーリング調査をしていれば、くいが短いなんてことはない。おかしな発注でも、われわれは『これでやってくれ』と(元請けから)言われればその中でやるしかない」と話した。
一方で、この社員以外にも旭化成建材で改ざんが次々と判明していることについて、「旭化成建材はきちんとした会社。あそこでもやっているなら、他にいくらでも出てくるのではないか」と懸念を示した。
(2015/11/02-19:47)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015110200578

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【図解・経済産業】くいデータを改ざんした社員が関与した物件(2015年10月)

◎マンション市場への影響必至=具体名の公表求める声も-旭化成建材データ改ざん
※記事などの内容は2015年10月22日掲載時のものです

旭化成が22日公表した子会社の旭化成建材(東京)によるくい打ちの基礎工事は、マンションだけで計696件となり、東京や北海道、大阪、埼玉など40都道府県に及んだ。昨春の消費税増税で落ち込んだマンション市場は、回復の兆しを見せていたが、影響は必至だ。
696件のうち、最も多かったのは東京の157件。次いで北海道の120件、大阪と埼玉は58件と56件、問題物件のあった神奈川は53件だった。ただ、横浜市の物件でデータ改ざんを行った人物が担当したマンションは計13件で、横浜市の1件を除くと、愛知9件、岐阜2件、三重1件と3県に限定された。
建設・不動産業界は、傾斜マンション問題が市場全体に与える影響に神経をとがらせている。このため関係者からは「問題マンションの名称や施工会社を徹底して公表すべきだ」(大手建設会社担当者)との声も上がる。名指しされた企業は打撃を受けるが「当事者が損失を被るのは当然。むしろそれが再発防止策を急がせる」と訴え、影響を最小限にとどめるべきだと話した。
民間市場調査会社、建設経済研究所(東京)の深沢典宏研究理事も「不十分な情報開示の後に別の不正が明るみに出れば、さらに問題が深刻化する」と指摘し、具体名の公表を求めた。
一方、大手不動産会社の幹部は「企業名などを公表すれば、風評被害が際限なく拡大する」と懸念。企業名の公表よりも、居住者や購入検討者への丁寧な説明を優先すれば、不安は解消できると強調した。
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_kensetsufudousan20151022j-04-w400

くい工事、不正件数示さず=点検状況を公表-業界団体

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記者会見の冒頭で頭を下げるジャパンパイルの黒瀬晃社長(手前)ら=19日午後、東京都千代田区
くい打ち業者が加盟するコンクリートパイル建設技術協会(会長・黒瀬晃ジャパンパイル社長)は19日、旭化成建材(東京)を除く40社の過去約5年間の工事の点検状況を国土交通省に報告し公表した。点検に着手した30社の工事約1万2000件のうち、約2400件で調査を終えた。工事データの流用など不正の有無は「協会として把握する立場にない」(黒瀬会長)と示さなかった。

くい工事不正、360件に=担当者61人が関与-旭化成

くい工事では、横浜市の傾いたマンションを扱った旭化成建材に続き、業界大手のジャパンパイル(東京)でも不正が判明。国交省が協会に点検状況を報告するよう指示した。協会として不正の有無を調べず、件数を示さない姿勢に批判が出そうだ。国交省は27日に再報告を求めた。
黒瀬氏は協会会見後、ジャパンパイル社長として会見し、データ流用に関し「安心、安全を踏みにじる行為で誠に申し訳ない」と陳謝した。
協会が公表した約1万2000件のうち約1万件はジャパンパイルの工事。同社は半年かけて調査する方針。19日現在で約1000件の調査を終え、データ流用は新たに1件増え、計7件となった。建物の安全性に問題はないという。
石井啓一国交相は同日夜、「信頼回復には、業界が率先して再発防止に取り組むことが必要だ」とのコメントを発表した。(2015/11/19-22:59)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015111900906

くい工事不正、360件に=担当者61人が関与-旭化成

旭化成は24日、子会社の旭化成建材(東京)が行ったくい打ち工事の不正問題で、過去約10年間に手掛けた3052物件の調査結果を国土交通省に報告後、公表した。調査で確認できた2864件のうち、1割強に当たる360件で工事データの流用など不正が判明した。188件は工事データの消失などにより確認ができなかった。不正に関与した現場担当者は61人に上った。
旭化成は13日に2376件の確認を終え、266件の不正があったと調査状況を公表。24日までに残りの調査結果を国交省に報告する方針を示していた。調査件数は当初の3040件に対象漏れが判明した12件を加え、3052件に増えた。
不正は38都道府県で行われ、東京73件、北海道53件、神奈川36件、埼玉31件など首都圏を中心に広がった。確認ができなかった188件については、今後の対応を国交省と協議する。
不正に関与した61人のほとんどが下請け業者からの出向者だった。くい工事の担当者数は計196人。ほぼ3人に1人が不正を行った形だ。
建物別の不正件数は、マンションなど集合住宅102、医療福祉施設37、学校37、公共施設21など。建物の不具合は、横浜市都筑区の1棟が傾いたマンション以外では確認されていない。
調査したくい数は14万2539本で、2382本で不正があった。元請けの建設会社などが建物の安全性を調べ、国交省へ報告する。
石井啓一国交相は「これほど多くのデータ流用は極めて遺憾だ」とコメントし、早急に安全性の確認を行うよう指示した。(2015/11/24-21:27)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015112400674

業界ぐるみ「杭打ち偽装」でゼネコン戦々恐々 「元請け責任」明示する「統一指針」の威力
2015/11/27 12:08

旭化成 旭化成建材 横浜マンション傾斜問題

2015年10月に発覚した横浜市都筑区のマンション傾斜問題で、ゼネコン各社が戦々恐々としている。旭化成建材の杭打ち工事データ偽装が業界全体の問題になりつつあり、元請けであるゼネコンの責任を問う声が日増しに高まっているからだ。
東京五輪需要もあって活況な建設市場を冷やしかねないとの恐れも出てきて、ゼネコン各社などで作る日本建設業連合会(日建連)は、これまで各社任せにしてきた杭打ち工事の指針を統一する方針を打ち出すなど、自主的な取り組みをアピールし、対応策に必死だ。

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元請けと下請けの多重構造の建設業界。「不正」の責任はどこに……
「杭打ち」以外の不正はないのか

「元請けの建設会社として、発注者に対する全責任を負っている」。11月20日の日建連の定例記者会見で、中村満義会長(鹿島会長)は厳しい表情ながら明確にこう語った。データ偽装の直接的な責任は下請け業者にあるとはいえ、それを見過ごした元請け業者の責任こそ大きい、と自ら示した形だ。
日建連は今回の問題に対し、比較的素早い対応を見せてきた。10月21日の記者会見では、旭化成建材が過去に行った杭打ち工事の調査に協力する考えを表明。さらに、再発防止を図るため、杭打ち工事の施工管理体勢や施工記録の点検の基準を明確に示したり、電子データの活用促進などを示したりした、業界の統一指針を年内にも作る方針を示した。この指針に、元請けの責任についても盛り込む方向だ。
今回のデータ偽装は、旭化成建材の首脳陣が早い段階から、特定の現場担当者の責任だと指摘したものの、調査の結果、別の担当者もデータ偽装を行っていたことが発覚。加えて、杭打ち工事大手の「ジャパンパイル」にもデータ偽装があったことがわかり、不正は業界全体に蔓延していたとの状況をうかがわせる。杭打ち以外にも不正が行われているのではないか、と建設業界全体への不信感が強まっているのが実態だ。

「復興」「五輪」の建設需要に沸くさなかに……

建設工事は行程ごとに細分化や専門化が進み、ゼネコンなどの元請け業者の下に、多数の下請け業者が連なる多重構造が出来上がっている。元請けは全体を管理し、杭打ちや内装工事などの施工は下請けが担当する。「元々大手ゼネコンの管理は厳しかったが、多重構造が進むことで、管理が行き届かなくなっている」(業界関係者)と指摘される。ゼネコンに対する責任追及が今後強まっていく可能性は強い。
一方、2020年の東京五輪に加え、東日本大震災の復興需要もあり、建設市場は需要に供給が追いつかない状況だ。国土交通省によると、建設投資額は2010年度には約42兆円だったが、2014年度は約48兆円と2割近く上昇している。
まさに「書入れ時」を迎える中、今回の問題が建設自体の規制強化などにつながれば、ゼネコンへの影響は深刻だ。「自浄能力を打ち出し、問題に積極貢献する姿勢を示さなければ、さらに厳しい状況に置かれる」(業界関係者)との見方も強まる。いかに実効ある取り組みができるか、ゼネコンの本気度が問われている。
http://www.j-cast.com/2015/11/27251658.html?p=all

杭打ちデータ流用、新たに4社判明…計7社に
2015年11月28日 09時27分

杭(くい)打ちデータ流用問題で、杭の製造・施工業者41社でつくる「コンクリートパイル建設技術協会」(東京)は27日、旭化成建材以外の会員各社が過去5年間に施工した物件のうち、6社の計22件でデータ流用が確認されたと発表した。新たに4社で流用が判明し、旭化成建材を含めて計7社となった。
同協会は国土交通省に報告後、都内で記者会見し、黒瀬晃会長(ジャパンパイル社長)は「業界全体に関わる重大事態。非常に驚くべき事態で各社とも動揺している」と述べ、陳謝した。建物に不具合があるとの報告はない。協会によると流用が確認された6社の出荷量シェア(市場占有率)は7割を超えるという。
新たにデータ流用が判明したのは「NC貝原コンクリート」(岡山県、2件)、「中部高圧コンクリート」(三重県、2件)、「日本コンクリート工業」(東京都、1件)、「前田製管」(山形県、3件)の4社。「ジャパンパイル」(東京都、13件)と「三谷セキサン」(福井県、1件)は、既に流用が判明している。
2015年11月28日 09時27分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151127-OYT1T50173.html

旭化成建材以外も6社が流用 杭打ちデータ改ざん(2015/11/28 00:05)
杭打ちデータ改ざん問題で、旭化成建材以外にも業界団体の会員6社で22件の改ざんが見つかったことが分かりました。

「コンクリートパイル建設技術協会」は、旭化成建材を除く会員33社が過去5年間で行った杭打ち工事について、調査結果を公表しました。これまでに確認が終わった約2800件の工事のうち、22件でデータ改ざんが見つかったということです。改ざんが見つかったのは、これまで発覚していたジャパンパイルのほか、前田製管、NC貝原コンクリート、中部高圧コンクリートなど合わせて6社です。協会はこの22件の安全性について、各社に報告を求めています。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000063362.html

三重の会社でも杭打ちデータ改ざん
(三重県)

杭(くい)打ちデータの改ざん問題で27日、三重県の会社でもデータの流用があったことが分かった。これは杭打ち業者の業界団体「コンクリートパイル建設技術協会」が調べたもので、調査の結果、すでに発覚している旭化成建材を含む3社に続き、4社でデータの流用があった。うち1社は三重県鈴鹿市の「中部高圧コンクリート」で、2件で流用があったという。また、旭化成建材を除いた流用件数は全部で22件で、そのうち3件が三重県内の物件という。
[ 11/28 13:37 中京テレビ]
http://www.news24.jp/nnn/news86227547.html

くい打ち業界最大手 小学校の工事でデータ流用
11月26日 17時49分

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福井市に本社がある、くい打ち業界最大手の「三谷セキサン」が、福井県内の小学校で行った工事で、くいのデータを流用していたことが分かりました。会社では、建物に傾きなどはなく安全は確認されているとしています。
これは26日に三谷セキサンが記者会見して明らかにしました。
それによりますと、おととしから去年にかけて福井県越前市にある北新庄小学校の体育館で工事を行った際、53本のくいのうち8本について、ほかのくいのデータを流用したということです。
越前市からの問い合わせを受けて流用が発覚し、会社が工事を担当した契約社員に聞き取りを行ったところ、「データを紛失したため別のくいのデータをコピーしてしまった」と話し、流用の事実を認めたということです。
会社と越前市は体育館を調査した結果、建物に傾きや大きなひびなどは認められず、安全は確認されているとしています。
越前市の今村祐之建設部長は「市民に不安を与え、非常に残念だ。学校の保護者などにも状況をしっかり伝えたい」と話しています。
「三谷セキサン」はコンクリート製のくい打ちの業界最大手で、三谷進治社長は「信頼を損ねる結果となり本当に申し訳ない。再発防止に向け全力を尽くしたい」と陳謝しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151126/k10010320321000.html

三谷セキサンでも杭打ちデータ流用 福井の小学校体育館
2015/11/26 11:10 (2015/11/26 13:53更新)

マンションなどの基礎工事のための杭(くい)打ちで、業界大手の三谷セキサン(福井市)は26日、1件のデータ流用があったと発表した。杭が支持層に達していることを確認しており、安全性に問題はないとしている。
杭打ちデータの改ざんが明らかになったのは、旭化成建材(東京・千代田)、ジャパンパイル(東京・中央)に続き3社目。
流用が見つかったのは、福井県越前市が発注した小学校の体育館改築工事。工事は2013年7月から14年7月に実施、杭53本のうち、8本のデータで流用が確認された。問題拡大を受けた同市の調査で発覚、三谷セキサンに指摘したことで流用がわかった。
同社によると、施工報告書に記載する電流計のデータについて、現場担当者が紛失したため他の杭のデータを流用。チェックを担当する工事責任者も見逃していたという。再発防止策として掘削直後の電流計を写真で撮影し施工報告書のデータと照合するほか、過去5年間の施工案件全てのデータについて調査を進める。
同社は杭製造でシェア27%近くを占める最大手で、自社で杭打ちも手掛けている。
同社の三谷進治社長は26日記者会見し、「関係各位の安全・安心に対する信頼を損ね、申し訳なく思う」と謝罪した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H2H_W5A121C1CC0000/

杭打ちデータ流用、杭製造大手の三谷セキサンも
2015年11月26日

◆福井・越前市の小学校体育館改築で
杭(くい)打ち工事のデータ流用問題で、福井県越前市は26日、市が発注した小学校体育館の改築に伴い、コンクリート杭製造最大手「三谷セキサン」(福井市)が施工した杭打ち工事でデータ流用があったことを明らかにした。越前市は旭化成建材(東京都)などのデータ流用を受け、独自調査を進めて流用が判明した。三谷セキサンは、安全性に問題はないとしている。
杭打ち工事のデータ流用が明らかになったのは、旭化成建材、ジャパンパイル(東京都)に続き3社目。
市によると、市が過去5年間に発注した工事9件を調査し、市立北新庄小学校体育館の改築工事で不自然なデータがあることが判明。施工した三谷セキサンが調べたところ、杭53本のうち8本で流用が確認された。
同社は、データ記録紙の一部を紛失したことが原因と明らかにし、「関係者にご心配とご迷惑をおかけしたことを深く反省し、おわびします」としている。
同社ホームページによると、同社は1956年設立のコンクリート製品製造大手で、2015年3月期連結決算の売上高は約598億円。

◆鳥取県調査でも
鳥取県は26日、県発注工事での杭打ちデータを独自調査した結果、同県米子市の県営住宅住戸改善工事で、1本の杭についてデータ流用があったと発表した。県は施工状況や安全性に問題はないとしている。県は、元請け業者「竹田工務店」(米子市)や、杭工事を請け負った下請けの「米子基礎」(同市、廃業)の関係者に聞き取りをしたが、誰がデータ流用をしたかは不明という。
2015年11月26日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20151126-OYO1T50007.html

杭打ち大手の三谷セキサン「施工は適切」 千葉の駐車場棟巡り
2015/11/28 1:37

杭(くい)打ち業界大手の三谷セキサン(福井市)は27日、同社が施工した千葉県八千代市のマンションの駐車場棟について、住民側が依頼した調査で杭1本が設計より10メートル短いとの結果が出たことに関し、「当該工事で施工した基礎杭の全数について適切に施工を行っている」とするコメントを発表した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27HCR_X21C15A1CC1000/

くい打ち不正:「360件でデータ不正」最終的な報告公表
毎日新聞 2015年11月24日 17時30分(最終更新 11月25日 00時42分)

◇現場責任者3割の61人が関与
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旭化成建材のくい打ち施工データ改ざん問題で、旭化成建材と親会社の旭化成は24日、過去に実施したくい工事3052件のうち、12%にあたる360件でデータの不正が見つかったことを国土交通省に報告し、公表した。3052件の工事に関わった現場責任者196人中、約3割の61人がデータ不正に関与していた。旭化成側は今後、不正があった360件の安全確認を始める。
くいを打ち込んだ際の地盤の強度を示す電流計のデータと、くいを補強する凝固剤の流量計データに、他のくいのデータ転用や加筆があった。旭化成の山崎真人広報室長は「3割もの現場責任者が不正に関与していたことになり、驚いている。重ねておわびしたい」と陳謝した。
360件のくい総本数は2万6351本で9%の2382本
360件の内訳は、マンションなど集合住宅102件▽オフィスビルなど事務所20件▽商業施設12件▽工場・倉庫91件▽医療・福祉施設37件▽学校37件▽公共施設21件▽土木9件▽ホテルなど「その他」31件。都道府県別では東京が最多の73件で以下、北海道53件▽神奈川36件▽埼玉31件▽愛知23件−−と続いた。個別物件ごとの詳細は公表しなかった。
3052件中35件は既に建物が取り壊され、153件は元請け建設会社の廃業などで不正の有無を確認できなかった。旭化成側は不正の有無が判明しなかった物件の安全確認も対応を検討する。
旭化成建材がくい打ち工事を担当した横浜市都筑区のマンションで一部のくいが強固な地盤(支持層)に届かず、データが改ざんされていたことから、2004年以降に実施した3040件の調査を始めた。途中で判明した12件も調査対象に加えた。
これらとは別に、自治体などの調査で地盤とくいの凸凹の摩擦力で支える「摩擦ぐい」についてもデータ不正があったことが判明した。旭化成は「個別に対応したい」としている。また、旭化成建材は都筑区のマンションのデータ不正に関与した現場責任者が担当した工事411件中19件で不正があったと説明していたが、同社は「不正は43件中20件」と修正した。
石井啓一国交相は「これほど多くのデータ流用が行われていたことは極めて遺憾」とコメントした。
国交省は11月13日までに結果を報告するよう指示したが間に合わず、旭化成側は13日時点で266件の不正があったと報告するにとどまり、最終的な報告は24日にずれ込んだ。【坂口雄亮、内橋寿明】
http://mainichi.jp/select/news/20151125k0000m040010000c.html

<くい打ち不正>所有者了解の建物97件の名称などHP公表
毎日新聞11月25日(水)20時43分

旭化成建材が過去に実施したくい工事360件の施工データに不正があった問題で、国土交通省は25日、所有者の了解が得られた建物97件の名称などを公表した。
国交省のホームページ(http://www.milt.go.jp)にある「報道・広報」の「報道発表資料」(11月25日付)に一覧を掲載している。

集合住宅26件▽商業施設2件▽工場・倉庫3件▽医療・福祉施設8件▽学校28件▽公共施設20件▽土木5件▽その他5件−−について、名称や所在地、くいの総本数、データに不正があったくいの本数が記載されている。
国交省は旭化成建材に360件の安全確認を指示し、同時に関係自治体にも安全性を確認するよう要請している。【坂口雄亮】
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1125/mai_151125_4744608306.html

年内めどに360件の安全確認を、国交相が指示
「旭化成建材」によるデータの改ざんが相次いでいる問題で、石井国土交通大臣は、データが改ざんされた360件の建物について年内をめどに安全確認を行うよう、「旭化成建材」と関係する地方自治体に指示しました。
「旭化成建材」をめぐっては、今月24日に、過去10年あまりで杭打ち工事を行った全国の3052件のうち360件の建物でデータの改ざんがあったことを明らかにしています。
「杭が支持層に到達しているかどうかということとあわせて、到達していない場合に、それが安全かどうかまで(調査を)やりたい」(石井啓一国交相)
石井国土交通大臣は閣議の後の会見で、この360件の建物について、早急に調査が難しい物件を除いて年内をめどに安全確認をするよう、「旭化成建材」と関係する自治体に指示したことを明らかにしました。(27日20:35)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2645978.html

旭化成建材の不正は決算書にも滲み出ていた
不祥事は「赤字脱出が至上命題」の時に起こる

前川 修満 :公認会計士、税理士
2015年11月25日

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2センチメートル傾いている横浜市内の大型マンション。旭化成建材が手掛けた基礎工事での不正が発覚した(撮影:今井 康一)
上場企業に対し、毎年公開が義務付けられている決算書。一見、数字の羅列に見えるその中にこそ、記者発表やリリースからは見えてこない、企業の「本当の姿」が潜んでいる。
現在発売中の『会計士は見た!』(文藝春秋)では、公認会計士の前川修満氏が、ソニーや東芝、大塚家具など、話題の企業の決算書を読み解き、各社の「裏の顔」に迫っている。
企業からの情報発信が盛んになっている今の時代こそ、会社の実情がありのままに示されている決算書を読むことの意味は大きくなっている。そこで今回は、旭化成建材によるマンション傾斜事件について、前川氏がその舞台裏を決算書からわかりやすく解説する。

旭化成建材の杭打ち工事のデータ改ざん事件は、発覚後1カ月以上経った今でも、連日多くのメディアで報道されています。当初は、当該マンションの現場担当者による不適切な作業が原因である、と報じられていたものの、その後、同社が手がけた他の物件でも次々と偽装が見つかり、問題は全国に飛び火しています。
旭化成の連結決算書から分かったこととは?

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事件が明らかになった後、すぐに旭化成の決算書を読んでみました。するとそこには、今回の不祥事の温床をなしたと思われる数字が、はっきりと示されていた のです。その時点で筆者は、今回の問題は、決して特殊な現場担当者の「暴走」などではなく、会社全体の問題であるのではないか、と見ていました。それはな ぜなのか、以下で詳しくご説明します。
旭化成建材の親会社、旭化成は、ケミカルやホームズなど、全部で8種類の事業を営んでいます。その中の1つに建材事業があるのですが、その中核を担っていたのが今回、問題が発覚した旭化成建材でした。
最初にデータの偽装が見つかった「パークシティLaLa横浜」は、2005年に着工され、2007年に竣工したマンションです。このマンションが着工される2年前、2003年度における旭化成の事業種別の売上高と営業損益を見ると、建材事業では21億円の営業赤字が出ていました。
それに対し、ケミカル、ホームズ、ファーマ、せんい、エレクトロニクス、ライフ&リビング、サービス・エンジニアリング等の残る7事業は、いずれも黒字。旭化成の事業のうち、この年度に営業赤字を出していたのは建材事業だけです。その1年前の2002年度も建材事業は営業赤字でした。
親会社である旭化成から明確なプレッシャーがなかったにしても、当の旭化成建材では、「グループの主要事業で赤字経営をしているのは自分たちだけ。いち早く黒字化しなければ」という意識が強く持たれていた可能性があります。
2004年度にどうやって黒字浮上したのか

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その後、建材事業は、どうなったでしょうか。実は2004年度以降黒字化し、26億円、38億円、50億円と、毎年、着実に儲けを出すようになっていきます。問題のマンションが着工されたのは、2005年度なので、当時の旭化成建材は、それまでの赤字経営から脱却し、黒字化した直後だったということになります。
ここで注目していただきたいのは、事業が黒字化していった間でも、売上高にはほとんど変化が見られなかった、というところです。赤字だった2002年度と2003年度の売上高は、それぞれ727億円、718億円でした。しかし、黒字化した後でも、712億円、681億円、733億円と、売上高は決して増えていないのです。
では、旭化成はいかにして、売上高を増やさずに、建材事業を黒字化したのでしょうか。

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答えは簡単です。入ってくるお金が増えないのであれば、出ていくお金を減らせばいいのです。――つまり、コストダウンです。この数字からわかるのは、この時期、旭化成建材が赤字脱却のために、かなりの「合理化努力」をしていた、ということなのです。
合理化というのは、無駄を省く、ということです。たとえば、それまで行っていた不必要な作業を省略したり、材料費を削ったり、または作業時間を短縮したりすることが、これに当たります。
旭化成建材は、そのような企業努力によって、売上高を増やさずに赤字経営を克服していきました。しかし、こうした切羽詰まった状況の中では、少しでも早く、少しでも安く、という会社全体の意識が、大きなプレッシャーとなって現場にのしかかってくることがあるのです。
今回の事件では、旭化成建材の社員は、同僚からデータを引き継げなかったり、また記録用紙の紙切れに気付かなかったりしたところで、一部のデータを流用してしまった、とのことです。その背景には、このように目の前の採算性が重要視され、大切な倫理観が置き去りにされかねない状況があったことが、決算書から読み取れるのです。
実はこのような事例は、旭化成建材に限ったことではありません。

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阪急阪神ホテルの不正も赤字脱却時に起きた
記憶に新しいところでは、2013年10月に、阪急阪神ホテルズの複数のホテルおいて、料理の食材の虚偽表示があったことが発覚しました。
これらのホテルにおいては、例えば「ビーフステーキ」と表示されていたものが、実際は牛の脂を注入したものであったり、「芝海老」のかわりに「バナメイ海老」が使用されていたりしました。

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この事件も、旭化成建材の場合と同様に、その直前の赤字経営が尾を引いていました。阪急阪神ホテルズは、阪急阪神ホールディングスのホテル事業を担っていますが、2010年度においてはホテル事業だけが、グループ内で唯一、赤字を出していました。
そのホテル事業は2012年度からは黒字化しています。ここでも、旭化成建材と同様、売上高の増加がないにもかかわらず黒字化を果たしました。これは、旭化成建材と全く同じパターンです。
他にも、2014年に食品の産地偽装が発覚した木曽路でも、やはり旭化成や阪急阪神ホールディングスと同様、売り上げが伸びない中で黒字転換を果たしています。

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このように、企業の不祥事の裏には、赤字経営からなんとか脱却しようとするがあまり、絶対に削ってはいけない材料費や省いてはいけない作業が、「顧客にバレなければ大丈夫」という考えのもとに「合理化」されてしまう、という構造があるのです。
今回のマンションが販売されていたとき、そのパンフレットには安心・安全を謳う文句が多々載っていたといいます。しかし、当時の決算書からは、そうした「表の顔」からは窺い知ることのできない、厳しい懐事情と「不祥事の温床をなす数字」がはっきりと示されていたのです。
http://toyokeizai.net/articles/-/93646

杭打ち偽装拡大、欠陥発覚後の対処法とは?
専門家を交えて交渉しても、解決は難しい

茨木 裕 :東洋経済 記者
2015年11月07日

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10月20日の記者会見では、浅野敏雄社長が涙を流す場面も(撮影:尾形文繁)

恐れていた事態が起こってしまった。
北海道庁は10月28日、旭化成建材が杭打ちを担当した釧路市の道営住宅で、施工データの流用があったことを発表。横浜のマンションで改ざんを行ったとされる、現場代理人とは“別の人物”が担当した物件であることから、組織的な管理体制に問題のあることが露呈した。今後全国で、データ偽装の連鎖が起きる懸念が高まっている。
旭化成グループは10月22日、過去10年間に同社が杭の施工を手掛けた3040件の建造物について、都道府県別、用途別の内訳を公表。3040件の建造物には、マンションのほか、学校、病院、工場なども含まれる。石井啓一国土交通相は調査期限を11月13日に指定したが、道営住宅の偽装は、旭化成の調査を待たずに、北海道の独自調査により早期発覚した。
マンション販売業者も独自に調査

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マンション販売業者も独自に調査を進めている。主要業者の状況をまとめたのが左表だ。本誌が回答を得た10月27日時点において、三井不動産は今回データの改ざんが行われた横浜のマンションを含め、過去10年間で旭化成建材が杭工事を行った物件を5件把握している。そのうち1件は現在販売中の物件。調査は継続中で、今後も件数は増える可能性がある。
ただ5件に関しては、横浜の傾いたマンション以外の4件に、データ偽装や杭の深度不足などの問題は見つかっていない、としている。マンション所有者からの問い合わせには、該当の有無を回答しているほか、判明した段階でマンション管理組合に順次通知を行っているという。
横浜のマンションに関して、売り主の三井不動産は、傾いた1棟を含む全4棟の建て替えを基本案として提示。基本的にこれ以上はない手厚い補償案となったのは、杭打ちを手掛けた旭化成グループ、売り主の三井不動産とも、それに耐えうるだけの資金力があるからだ。だが、欠陥住宅の問題では、責任の所在や補償の内容をめぐって、業者と住民の交渉が泥沼に陥るケースも少なくない。

調停成立は5割程度
「うちのマンションは大丈夫なのか」

国交省が指定する住宅専門の相談窓口である、公益財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センターには、今回の問題発覚をきっかけに問い合わせが増加している。
同センターは紛争処理のため、専門家(弁護士・建築士)の紹介・斡旋をしている。2000年から2014年までの紛争684件のうち、調停などが成立したのは366件(戸建て含む)と約半数。不成立の場合は裁判を起こすか、訴えを取り下げることになる。住宅の構造は専門性が高く、欠陥立証が困難なことが泣き寝入りの多くなる一因だ。
同センターによると、マンションの欠陥で争点となるのは、隣の住戸の騒音やひび割れなどが多く、「傾斜のような深刻なケースは極めてまれ」という。しかし、傾斜の場合は住民が気づきにくく、発覚していない可能性もある。
道営住宅に関して、旭化成建材はデータ偽装を認めたが、「適正に施工しているので安全性に問題はない」としている。が、詳細な調査がなされないかぎり、その言葉を鵜呑みにするのは早計だ。
http://toyokeizai.net/articles/-/90625?page=2

くい打ち不正問題、安全性の確認はどうやって行うのか?
2015.11.27 09:00

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旭化成建材がマンションの杭打ちデータを改ざんしていた問題で、同社は11月24日、不正のあった物件が360件におよぶと発表、翌25日には国土交通省がそのうち97の物件名を公表した。今後、各物件では安全性の確認が本格化することになる。一体、具体的にはどのような作業が行われるのだろうか。

条件により、施工記録から安全性を判断

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「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」第3回目会合の議事次第
11月25日に開かれた「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」(委員長・深尾精一首都大学東京名誉教授)の第3回目の会合は、くいの支持層への到達を確認する方法について、国交省側が提出した案を了承した。これによると、問題となっているすべての物件でボーリング調査を行うわけではなく、以下の場合は現地の地盤調査を経ずに、施工記録などから安全性を判断する。
(1)支持層がおおむね平坦で、他のくいの施工記録などから不正のあったくいの支持層の深さが確認できる
(2)地盤調査や電流計以外の施工記録で不正くいの支持層の深さが確認できる
(3)不正くいについて施工段階で発注者などが立ち会ってチェックした記録がある

ただし、施工記録などによって、くいの到達した深さが確認できることが前提となっており、それらの記録がない場合は、くいが支持層に到達しているかどうかを確かめる地盤調査を求めていくという。

委員会が了承した確認方法について、室蘭工業大学工学部の土屋勉教授は、同委員会に所属しておらず詳細はわからないと断りつつも、「くいが地盤に達していないがごまかされたものなど、悪質な場合はきちんと地盤調査を行わねばならないが、不正のあった物件数はかなりの数にのぼり、専門家が資料を見れば安全性を確認できる場合もあると見られることから、現実的な判断ではないかと思う」との見解を示す。

地盤調査なら大掛かりに
地盤調査が必要となった場合、具体的にはどういった方法が採用されるのだろうか?
土屋教授によると、たとえば、地盤の固さや土の質を調べるための「標準貫入試験」の実施が考えられるという。この試験では、ボーリングで堀った穴の底にサンプラーという棒状のものを立て、その上からおもりを落とす。これにより、地盤の固さを測るとともに土を採集する仕組みだ。この試験を行う設備は、結構大掛かりなものになる模様だ。
ほかには、「オートマチックラムサウンディング」という方法がある。これは、砲弾のような形をしたコーンを棒状のロッドに取り付け、その上からハンマーを落として地盤の固さを測るというもので、ボーリングによる穴は不要ながら、標準貫入試験と同程度の結果が得られる。ただし、測定できる深さは、標準貫入試験よりも浅い。
これらの試験によって、支持層の深さがわかる。使用されたくいの長さと照らし合わせて、支持層に到達しているか否かを確認するのではないかと土屋氏は見ている。さらに、くいの長さについて記された資料が見つからない場合でも、実物のくいには長さや製造した工場などの情報が印字されていることから、そこを見れば、くいの長さが判明する公算が大きいという。
一方、実際の調査では難点も予想される。土屋教授は「建物の端にあるくいでなければ、調査は難しいかもしれない」と指摘する。工場のように天井が高ければ試験設備を設置できるが、そういう建物ばかりではない。地盤調査が必要となった場合、建物の種類に応じてどのような調査を行うのかが、課題の一つとなりそうだ。
(取材・文:具志堅浩二)
http://thepage.jp/detail/20151126-00000008-wordleaf?pattern=2&utm_expid=90592221-47.73dy3NMqTRK7Gf4Sudz4PA.2&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F

杭到達、書面で安全性判断可能に 国交省が基準
2015/11/26 0:14
杭(くい)打ち工事のデータ改ざん問題を受け、国土交通省は25日、有識者委員会を開き、データ改ざんが判明した旭化成建材(東京・千代田)の物件の一部について書面のみで安全性を確認する判断基準を決めた。杭が固い地盤(支持層)に届いていることが施工記録などで確認できれば、地盤調査は不要とする。同省は自治体向けに基準を提示する。

地盤調査を不要とするのは
(1)設計段階の地盤調査で支持層が平たんであると確認され、データ改ざんのない杭から支持層の深さが分かる
(2)杭施工前に支持層の深さを正確に把握できる詳細な地盤調査を行った
(3)市職員ら第三者が杭打ち工事に立ち会い、データを目視で確認した
――の3つのケース。

旭化成建材が過去10年間に施工した杭打ち工事の3052件のうち計360件でデータ改ざんが明らかになり、迅速に安全性を確認するための基準を示すことにした。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25HCV_V21C15A1CC1000/

三井住友建設と日立ハイテクの「工事丸投げ」疑惑──傾斜マンションに波紋
建築&住宅ジャーナリスト 細野透
2015年 11月26日

日立ハイテクノロジーズの奇妙な沈黙
傾斜したマンション「パークシティLaLa横浜」について、全国紙は「1次下請業者の日立ハイテクノロジーズは事実関係を調査中としか答えない」と報じています。同社が今なお奇妙な沈黙を続けているのは、建設業法第22条が禁止する一括下請負(丸投げ、丸請け)を行ったことを、自覚しているためなのかもしれません。今回は国土交通省が作成した資料をベースに、三井住友建設と日立ハイテクの「工事丸投げ」疑惑を追求することにします。

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「建設業法第22条(一括下請負の禁止)」
1-建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2-建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負った建設工事を、一括して請け負ってはならない。
このうち第1項は、元請けが1次下請けに、あるいは1次下請けが2次下請けに、「丸投げ」する行為を禁じています。また第2項は、1次下請けが元請けから、あるいは2次下請けが1次下請けから、「丸請け」する行為を禁じています。

このように一括下請負という言葉には、一括して請け負わせる(丸投げ)という意味と、一括して請け負う(丸請け)という意味が混在しているので、注意が必要です。
初めに「LaLa横浜」杭工事の施工体制図を確認しておきます。元請がいて、1次下請がいて、2次下請がいる、3重の体制が特徴的です。
さて2001年3月、国土交通省は建設業界に対して、「一括下請負の禁止について」とする通知(国総建第82号)を出しました。
続いて2014年11月には、国交省中国地方整備局が、「建設業に基づく適正な施工体制についてQ&A」という分かりやすい資料を公表しました。国交省が一括下請負(丸投げ、丸請け)について警告したにもかかわらず、それに違反する建設業者が絶えないため、業を煮やした結果と思われます。

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Q&Aのうち問8「工事の丸投げ(一括下請負)」、および「LaLa横浜」の施工体制図を比較すると、民間工事における共同住宅の新築工事、つまり「LaLa横浜」では次の行為が禁止されていたことが分かります。
禁止事項1─三井住友は日立ハイテクに丸投げしてはいけない。
禁止事項2─日立ハイテクは三井住友から丸請けしてはいけない。
禁止事項3─日立ハイテクは旭化成建材に丸投げしてはいけない。
禁止事項4─旭化成建材は日立ハイテクから丸請けしてはいけない。

http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/sj/15/150245/112600030/

正当な下請契約であることを証明する方法
杭工事が丸投げ(一括下請負)ではなく、正当な下請契約であることを証明するためには、どうすればいいのでしょうか。問8「工事の丸投げ(一括下請負)」の2ページ目を示します。

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これによると、三井住友の技術者が、1「杭工事に関する施工計画の作成」、2「工程管理」、3「出来形・品質管理」、4「完成検査」、5「安全管理」、6「下請業者(日立ハイテク)への指導監督」について、現場で主体的な役割を果たしたことが証明されない限り、三井住友が日立ハイテクに対して工事を丸投げしたと判断されることになります。
それに加えて、三井住友は、7「発注者との協議」、8「住民への説明」、9「官公庁等への届出等」、10「近隣工事との調整」について、主体的な役割を果たしたことが証明されない限り、工事を丸投げしたと判断されることになります。
しかしながら、三井住友は2次下請の旭化成建材を非難するだけで、1次下請の日立ハイテクとのやり取りについては、何の説明もしていません。
さらに下請負人(日立ハイテク)が、旭化成建材へ再下請する場合には、日立ハイテクの技術者が、1「杭工事に関する施工計画の作成」、2「工程管理」、3「出来形・品質管理」、4「完成検査」、5「安全管理」、6「下請業者(旭化成建材)への指導監督」について、現場で主体的な役割を果たしたことが証明されない限り、日立ハイテクもまた旭化成建材に対して工事を丸投げしたと判断されることになります。
しかしながら、日立ハイテクもまた、1~6について、何の説明もしていません。
資料の問8「工事の丸投げ(一括下請負)」は、建設業法が丸投げを禁止している理由について、「施工責任があいまいになることで、手抜工事や労働条件の悪化につながる」、「中間搾取を目的に施工能力のない商業ブローカー的不良建設業者の輩出を招く」と強い調子で述べています。
三井住友や日立ハイテクはなぜ、「施工責任があいまいではなかった」、「手抜工事や労働条件の悪化につながっていなかった」ことを証明しようとしないのでしょうか。

杭工事の実績がない日立ハイテクが1次下請になった経緯
国交省の通知「一括下請負の禁止について」(国総建第82号)に添付された、「一括下請負に関するQ&A」に興味深いやり取りがあります。
Q7「A県からトンネル工事を請け負い、工事の全体の施工管理を行っていますが、工事が大規模であり、必要な技術者もあいにく十分に確保することができなかったので、1次下請負人にも施工管理の一部を担ってもらっています。主たる工事の実際の施工は2次以下の下請負人が行っています。このような場合も一括下請負に該当するのでしょうか」
A「元請負人も1次下請負人も自らは施工を行わず、共に施工管理のみを行っている場合、実質関与について元請負人と1次下請負人がそれぞれどのような役割を果たしているかが問題となり、その内容如何によって、その両者またはいずれかが、一括下請負になります」
このように国交省が「内容如何」を問うているにもかかわらず、元請負人の三井住友と1次下請負人の日立ハイテクは説明責任を果たそうとしていません。なぜでしょうか。
特に不可解なのは、日立ハイテクは半導体製造装置を主力としていて、杭工事とは縁が薄いという事実です。同社が公表している資料を精査した限りでは、杭工事に関する実績はまったく見当たりません。
これに対して、旭化成建材は杭工事会社としてコンクリートパイル建設技術協会に加入し、同社の前田富弘社長はその理事を務めています。一方の日立ハイテクは、国交省関東地方整備局から建設業者としての許可(第014017号)を受けてはいるものの、コンクリートパイル建設技術協会には加入していません。
そのような日立ハイテクが、「LaLa横浜」の杭工事に関して、1「杭工事に関する施工計画の作成」、2「工程管理」、3「出来形・品質管理」、4「完成検査」、5「安全管理」、6「下請業者(旭化成建材)への指導監督」を行う能力を持っているのでしょうか。
日本経済新聞(10月26日付け電子版)は次のように伝えています。
「日立ハイテクは2001年、日立製作所のグループ事業再編で発足。前身の1つ、日製産業は工業資材商社だった。傾いたマンションの杭工事を手掛けた旭化成建材とは50年来の取引があり、建材販売の代理店を担うとともに、元請けの建設会社から杭工事を請け負う役回りも果たしてきた」。
「1次下請けとしての日立ハイテクの役割は、『工事の進捗確認や現場の安全確保』。問題があった場合の責任は2次下請けが負うとの契約も結んでいたという。技術的な知見はなく、旭化成建材の担当者が改ざんした工事データの『信ぴょう性は判断できなかった』(日立ハイテク幹部)」──。
このように日立ハイテクは、杭工事に関して技術的な知見はないと明言しています。言葉を換えると、下請工事施工への「実質的な関与」を行う能力を持っていない事実を、自ら認めたことになります。すなわち、三井住友は日立ハイテクに対し、また日立ハイテクは旭化成建材に対し、それぞれ建設業法で禁止されている一括下請負(丸投げ)を行った、と断じざるを得ないのです。
さらに建築専門誌『日経アーキテクチュア』11月25日号は、土丹層(硬質粘土層)を巡る疑念を指摘しています。
「旭化成建材のダイナウィング工法は、本来は土丹層以外の支持地盤に適用する工法とされている。しかし「LaLa横浜」の支持地盤は土丹層であるにもかかわらず、不思議なことに場違いなダイナウィング工法が採用された。そのミスマッチが建物沈下の原因になったのではないか──」

施工能力のない商業ブローカー的不良建設業者
日経新聞と日経アーキテクチュアの記事を総合すると、次のような筋書きが浮かび上がってきます。
まず三井住友建設が、杭工事に関して技術的な知見がないがゆえに、工事データの「信ぴょう性を判断できない」としている工業資材商社の日製産業を、建設業法第22条に違反すると知りながら1次下請業者に指名して杭工事を丸投げ。その日製産業もまた、50年来の取引がある旭化成建材を2次下請業者に指名して、杭工事を丸投げ。その結果、場違いなダイナウィング工法が採用され、施工されてしまった──。
日立ハイテクの前身である工業資材商社の日製産業こそが、国交省中国地方整備局が強い調子で非難する、「施工能力のない商業ブローカー的不良建設業者」ではなかったのでしょうか。
再び国交省の通知「一括下請負の禁止について」から、興味深い項目を引用します。
Q11「実質的に関与していることの確認は、具体的にどのような方法で行うのでしょうか」
A「一括下請負の疑義がある場合には(中略)、元請負人が作成する日々の作業打合せ簿、それぞれの請負人が作成する工事日報、安全指示書等を確認して、実際に行った作業内容を確認することが有効です。これらの帳簿の中に、具体的な作業内容が記載されていない場合、または記載されていても形式的な参加に過ぎない場合等は一括下請負に該当する可能性が高いといえます」
このQAは、三井住友が作成した「杭工事の作業打合せ簿」、日立ハイテクが作成した「杭工事の工事日報」、旭化成建材が作成した「杭工事の工事日報」の中に、具体的な内容が記載されていなかったり、記載されていても杭工事に形式的に参加していた場合には、一括下請負に該当する可能性が高いと断じています。
現時点でも、日立ハイテクが「杭工事の工事日報」を提出できないのは、なぜでしょうか。そもそも工事日報は存在するのでしょうか。

丸投げ行為に科せられる重いペナルティ
建設業法第22条に違反すると、どうなるのでしょうか。国交省中国地方整備局「建設業に基づく適正な施工体制についてQ&A」の問20が明快です。

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ここには、「一括下請禁止規定(中略)に違反した場合などには、指示処分なしで直接営業停止処分がかけられることがあります。営業の停止期間は1年以内で監督行政庁が判断して決定します」と明示されています。
これをそのまま受け取ると、丸投げした三井住友と日立ハイテクの2社、および丸請けした日立ハイテクおよび旭化成の2社は、ともに営業停止処分を受ける可能性が高いと推測されます。特に三井住友は日立ハイテクに丸投げすることにより、杭施工不良の原因をつくったわけですから、最も重い責任を負うことになると予想されます。
なお一般的には、「監督行政庁の処分については、その性格上、刑事罰の時効に相当する概念がない」とされています。すなわち2005年~2007年に行われた「LaLa横浜」の工事についても、時効を理由に処分を免れるという事態にはなりません。
また、「指示処分または営業停止処分は、その理由が営業のあり方に関わるものであるときは、経営体そのものを対象にできる」とされています。したがって、日立ハイテクの場合には、建設業部門(第014017号)を超えて、会社全体が処分されるケースも否定できません。

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最後に「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」を調べてみました。表に示すように、丸投げを行って営業停止処分を科せられた建設業者は、最近の5年間で11社ありました。
なお、三井住友建設は丸投げ以外の理由で、2010年11月に15日間の営業停止処分、2012年4月にも同じく15日間の営業停止処分を科せられています。

杭工事が怪しい建物は3千件、それとも6千件?
建築&住宅ジャーナリスト 細野透
2015年 10月29日

全国紙やテレビ各局は10月29日、北海道が発注した道営住宅(釧路市美原、5階建、38戸)の杭工事でも、データの改ざん(流用)が見つかったと報じました。しかもこの杭工事の施工管理者は、「パークシティLaLa横浜」の施工管理者とは違う人ということです。傾いたマンション問題がさらに深刻化する気配が強まりました。
そうなると心配なのは、調査対象の現場数が3040件でいいのか、という問題です。旭化成が発表したデータと、旭化成建材が発表したデータが食い違うのです。
旭化成は10月22日付けの プレスリリース(PDFファイル)で、「施工データの流用等が無かったかを確認する現場数」を3040件としています。

旭化成プレスリリース ─ 3040件
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その一方、旭化成建材は「杭工法の累計施工実績」を、2015年1月現在で6000件超としています。

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旭化成建材累計施工実績─6000件超

傾いたマンション「LaLa横浜」は4棟に分かれています。プレスリリースでこれを1件と数え、累計施工実績で4件と数えているのなら、前者が3040件で後者が6000件超というケースはあり得ます。しかしそうでないのなら、調査対象を一気に6000件超にまで広げる必要があります。
旭化成と旭化成建材はこの食い違いについて早急に説明しなければなりません。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/sj/15/150245/102900026/

「杭の施工不良事件」と「免震装置の偽装事件」を比較
旭化成建材による杭の施工不良事件と、東洋ゴム工業による免震装置の偽装事件を対象にして、かなり荒っぽい試算をしてみましょう。 
杭工事で失敗した場合には、過去の例を調べると、「補強工事は極めて困難」とされています。これに対して、免震構造は基礎の上に免震装置を載せ、その上に柱を載せるという仕組みです。よって難工事になることは間違いないのですが、「何とか補強工事が可能」です。この違いが決定的な差を生み出します。

【旭化成建材による杭施工不良事件の影響を試算】
新築工事の費用──建築工事費を100とすると、躯体工事費は40くらいで、杭工事費のXは1~5程度。
解体工事+建替工事の費用──解体工事費は20~30くらいで、建替工事費は130くらい。合計すると150くらい。
入居者の一時退去費用──2~4年分の費用がかかる。
このうち杭工事費のXは、支持層の深さや杭の本数によって異なりますが、1~5程度を目安としましょう。また建替工事費を130くらいとしたのは、以前の新築工事と今後の建替工事を比べると、建築工事費が約30%アップすると見込んだものです。

【東洋ゴム工業による免震装置偽装事件の影響を試算】
新築工事の費用──建築工事費を100とすると、躯体工事費は40くらいで、免震装置費用Yは1~5程度。
補強工事の費用──補強工事の費用は10~20くらい。
入居者の一時退去費用──数カ月~1年分の費用がかかる。
2つの試算を比較します。まず東洋ゴム工業は、免震装置費用Y(1~5程度)を得ようとして、補強工事の費用として10~20くらいを負担しなければならない立場に追い込まれました。これを苦境としましょう。
これに対して、旭化成建材は杭工事費X(1~5程度)を得ようとして、解体工事+建替工事の費用として150くらいを負担しなければならない立場に追い込まれました。仮に杭施工不良事件がさらに広がるとしたら、旭化成グループは企業の存亡をかけた大苦境に立たされることになります。

ユーザーの「マンション買い時感」はさらに落ち込む
不動産情報サービスのスタイルアクトは10月29日、ウェブサイト「住まいサーフィン」会員のうち、直近3か月間に新築マンションの販売センターに行った会員105名を対象にした、アンケート調査の結果を発表しました。
その要旨は、「マンション価格が高いと考える人が増加して約7割になり、買い時感が減少している」というものです。調査の実施時期は10月6日~9日なので、杭工事の不良事件が報道される前です。
杭工事の不良事件は、買い時感をさらに落ち込ませることは必至です。

ゼネコンは「大臣認定杭」の弱点を知っていた──データ偽装の闇深し
建築&住宅ジャーナリスト 細野透
2015年 11月16日

杭工事業界シェア25%のジャパンパイル
杭工事業界でシェア2%の旭化成建材に続いて、シェア25%という大手のジャパンパイルでも、施工データの偽装が発覚。まさに“底なし”の展開を見せてきました。これら杭施工トラブルに関して、意外に知られていないのが、「国土交通大臣も責任を問われる立場にある」という事実です。
旭化成建材は傾斜したマンション「パークシティLaLa横浜」の杭工事にDYNAWING(ダイナウィング)工法を採用しました。これは建築基準法が定めた審査に合格して、「国交大臣認定」というお墨付きを得た工法です。ジャパンパイルもHyper-MEGA(ハイパー・メガ)工法など、やはり大臣認定を得た工法を有しています。
もう一つ知られていないのが、主なゼネコンで構成される「日本建設業連合会(日建連)」の地盤基礎専門部会が、旭化成建材やジャパンパイルの杭工法を含む大臣認定杭に、弱点があることを知っていたという事実です。話が複雑に入り組んでいますので、順を追って説明することにします。
初めに、構造設計者の団体である、日本建築構造技術者協会の「杭基礎工法データ集」に掲載されている、DYNAWING工法の概要(PDFファイル)を眺めてみましょう(図は「データ集」から引用)。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/sj/15/150245/111600029/

施工の方法が適切に定められているか」
次に国交大臣による認定の中身を紹介しましょう。日本建築センターの「基礎工法・基礎ぐいの構造安全性審査」のページには、以下の3点が強調されています。
一. 適用範囲の適正さについて評価を行う
二. 地盤の許容支持力の適正さについて評価を行う
三. 施工の方法が適切に定められているかについて評価を行う
ここで問題になるのが、三の「施工の方法が適切に定められているか」という項目です。国交大臣は「適切に定められている」と判断したからこそ、認定書を発行したはずです。

実際のところ、「LaLa横浜」の現場では、施工の方法は以下の「施工体制図」のようになっていました(図は旭化成のプレスリリースPDFファイルから引用)。

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これによれば、「LaLa横浜」の現場は三井住友建設の施工管理者、日立ハイテクノロジーの施工管理者、旭化成建材の施工管理者(主任技術者)、1号機と2号機の現場代理人という4重の体制だったことになります。
このうち3人の管理者はきちんと現場に詰めていたのでしょうか、それとも手抜きか手抜かりをしていたのでしょうか。三井住友建設と日立ハイテクノロジーが不自然な沈黙を続けているのに加えて、杭工事報告書が公表されていないため、まだ真相は分かりません。
しかしながら、すでに8本の杭が支持層に届いていない事実と、70本の杭でデータが改ざんされた事実が判明しています。またDYNAWING工法だけでも、全国にある266件の建物でデータの偽装が判明しています。さらに全国紙は「旭化成建材以外の業者の杭工事に関しても、3府県が独自調査を始め、少なくとも1 1府県が準備を進めている」と報じています。
つまり、国交大臣が下した「施工の方法が適切に定められている」という判断は、適切ではなかったことになるのです。
それにしても、三井住友建設はなぜ、杭工事報告書を公表しないのでしょうか。何か隠しておきたい事情があるのでしょうか。

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資料の末尾を見ると、まず2004年3月に大臣認定を初取得しています。また技術改良に伴って、2008年と2010年にも大臣認定を取得しています。
旭化成建材はこれを受けて、2006年4月に「DYNAWINGの本格展開について」とするプレスリリースを発表。特に「安定した高品質の施工」について強調しました。「DYNAWINGは、施工管理装置を用いて、安定した根固め液の管理を行い、先端羽根部と根固め部とが一体になることにより、高品質の根固め球根を築造します」。
しかし、傾斜したマンション「パークシティLaLa横浜」では、DYNAWINGの本格展開の直前に当たる2005年12月から翌2006年2月まで、「手抜き工事」なのか「手抜かり工事」なのかが判然としない欠陥工事が行われていたのですから、開いた口がふさがりません。ちなみに、故意に行われたのが「手抜き工事」で、不注意で行われたのが「手抜かり工事」になります。
日建連が把握していた「大臣認定杭」の弱点
ところで、「施工方法の適切化」に関しては、主要なゼネコンで構成される日本建設業連合会(日建連)の地盤基礎専門部会が、2013年4月に「高支持力埋込み杭の根固め部の施工管理方法の提案―─より良い杭を実現するために」(PDFファイル)とする注目すべきレポートをまとめています。
このうち高支持力埋込み杭とは、旭化成建材のDYNAWING工法やジャパンパイルのHyper-MEGA工法を含む、「国交大臣認定杭」を意味しています。レポートは大臣認定杭の施工管理方法には弱点があるので、次の4つの課題を解決しなければならないと指摘しています(図は日建連のレポートから引用)。

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図に示された4つの課題と「LaLa横浜」の杭工事を比較してみましょう。
一. 杭の先端は地盤に所定量入っているか → 杭8本が十分に入っていない
二. 根固め部の形状・所定の径及び長さが確保されているか → 杭8本の長さが確保されていない
三. 根固め部の強度・所定強度が確保されているか → 杭45本でセメントミルク量のデータが偽装されている。そのため強度が確保されているかどうかは不明
四. 根固め部への定着・根固め部への杭の根入れ長さは適切か → 杭38本で支持層の位置データが偽装されている。そのため根入れ長さが適切かどうかは不明
皆さんも感じたかもしれませんが、日建連のレポートはあたかも、「LaLa横浜」の杭欠陥工事に焦点を合わせたかのような内容になっているのです。

国交大臣による認定プロセスの問題点
その上で日建連は、国交大臣が杭基礎工法を認定するに際して掲げている、「施工方法の適切化」に関して4つの提案をしています。
一. DYNAWING工法やHyper-MEGA工法を含む高支持力埋込み杭は、個別に国交大臣認定を取得している
二. 認定の内容には、製品仕様、施工方法とともに品質管理方法が含まれる
三. 品質管理とはいっても、実際には杭メーカーの現場担当者が主体となるため、建設会社の施工管理者は受け入れだけとなり、ややもすれば杭メーカー任せとなる懸念がある
四. 一般に杭の品質管理は、それが地中にあって直接見ることができないため、特に高度な管理手法が必要である
国交省に遠慮した表現なので分かりにくいのですが、要するに、国交大臣による杭基礎工法の認定プロセスには「問題がある」と指摘しているのです。日建連の結論は以下の図に示されています。

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この品質管理フローでは、まず地盤をしっかり調査し、きちんとした施工管理のもとで慎重に施工するように主張。また杭を施工し終わった後には、念には念を入れて強度を確認するように求めているのです。そのためには詳細な施工報告書が欠かせないことはいうまでもありません。
ちなみに日建連の地盤基礎専門部会の委員には、三井住友建設の技術スタッフも名を連ね、調査には旭化成建材やジャパンパイルも協力しています。
日建連の提言を受け入れるかどうかは、国交省が設置した「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」の役割かと思われます。「対策委員会」の皆さん。ゼネコンや杭工事業界だけに責任を押しつけるのではなく、国交省自体への責任追及もお忘れなく。

地盤工学会編『杭基礎のトラブルとその対策』
慎重を期す意味で、地盤工学会編『杭基礎のトラブルとその対策』(2015年発行)を調べてみましょう。
「LaLa横浜」で使われた杭工法は、専門用語を使うと「既製コンクリート杭 → 埋込み工法 → プレボーリング工法 → プレボーリング拡大根固め工法」、という分類になります。同書から表「プレボーリング工法のトラブルの種類とその要因」を引用します。

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表に示されたプレボーリング工法のほとんどは「国交大臣認定杭」です。杭の施工トラブルが表面化するケースは極めて少ないのですが、それでも56件ものトラブルが収集、分析されています。
また「LaLa横浜」の杭欠陥工事は、表のトラブル要因のうち、5「不十分な支持層調査」、6「不十分な杭建込時の施工管理」、7「不十分な根固め部の施工管理」、9「その他(不十分な杭工事報告書、あるいはその握りつぶし)」という4つの要因に当てはまります。極めていい加減な施工管理だったことが分かります。

日建連の地盤基礎専門部会は、このようなトラブルを心配して、「高支持力埋込み杭の根固め部の施工管理方法の提案」をまとめたと思われます。
地盤工学会は杭基礎に詳しい学会です。『杭基礎のトラブルとその対策』の出版企画委員会名簿には理事、委員長、幹事長、幹事、委員が名前を連ねているのですが、このうち上から3番目の幹事長には旭化成建材の技術スタッフの名前があります。
また編集委員会名簿の上から3番目の幹事長には、ジャパンパイルの技術スタッフの名前があります。何か複雑な気持ちになります。

横浜「欠陥マンション」は氷山の一角。大手業者も安心できないカラクリを宅建士が解説
2015.11.09 ニュース

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旭化成建材のデータ偽装問題は、一つのマンションの傾き問題にとどまらず、自治体の独自調査によって、全国規模の問題となりつつある。まさに2004年に起きた姉歯事件以来、或いはそれを超える衝撃といってよいだろう。
騒動の渦中の11月2日に、『訳あり物件の見抜き方』(ポプラ新書)の著者である宅建士の南野真宏氏を取材した。1990年に宅建資格をとって25年間、公私において数々の訳あり物件に悩まされた人物でもある。
下請任せの構図と利害関係者のもたれ合いの縮図が露呈したと言えるのではないでしょうか。大規模マンションという、ある種モノづくりの象徴であるにも拘わらず、事業主も、施工主も、工程管理会社も、ロクに現場を見ずに、杭打ち施行について旭化成に任せっぱなしだったわけです。注視しているのは工期通りに進行しているかどうか。そんな構図の中で、杭の長さが足りません、工期が延びますとはなかなか言い出せない。杭は、必要荷重に対して、場所ごとに一本一本、長さ・断面・強度が違うので、作り直すとなると時間もかかる。そんな話を旭化成建材が日立テクノロジーに、日立テクノロジーが三井住友建設に、三井住友建設が三井不動産レジデンシャルに伝えていくのは並大抵ではない。責任とれるのかという話になる。
それでは、住民が可哀相という話になるのでしょうが、工期の遅れに住宅販売会社が敏感な理由は、予定していた入居時期が遅れると入居者が既に前の家を解約しただの売却済だのと損害賠償請求してくるからです。だったら、皆、工期を予定調和で済ませようと考える。夫々の利害関係の縮図がここにあるわけです。たまたま今回は、目に見える形で欠陥が出てしまったので露見したに過ぎません」
騒動が広がりを見せている一方で、『パークシティLaLa横浜』については、三井不動産が建て替えと慰謝料の支払いを打ち出したことで、事態は収束に向かいつつある。建て替え期間中、別の場所に住む不便はあるにせよ、総費用300億円とも言われる建て替えと慰謝料に勝る補償はないからだ。「やっぱり財閥系の不動産会社から買うと安心!!」という評判も巷で立ちつつあり、壮大な宣伝を見せられている気すらする。
しかし、忘れてはいけないのは、「建物が傾いた」という住民の訴えを受けて、三井不動産レジデンシャル側が、当初は「東日本大震災の影響だと思われる」と抗弁していたことである。同社としては、それで突っぱねられれば事なきを得たものの、業を煮やした住民側が横浜市に訴えたことで事態が公となり、結果、土俵際で起死回生のうっちゃりを決めざるをえなかったのである。
約10年前に起きた、やはり財閥系の三菱地所が開発したOAPレジデンスタワーの土壌汚染問題においても、同様の展開があった。OAPは、大阪城の程近くに存在する複合施設である。三菱マテリアル(旧三菱金属)大阪精錬所の跡地約5haを同社と三菱地所が共同開発したもので、オフィス棟とホテル棟、そして住宅棟のOAPレジデンスタワー東館と西館が建っている。そのOAPの地中で、基準値の20倍に相当するヒ素や、基準値の64倍に相当するセレン等の重金属が検出されていたにも拘わらず、居住者の健康に実質的な被害がないと考え、重要事項にあたらないと判断。その事実をレジデンスタワー2棟518戸の購入者に故意に告げなかった為、先の二社が大阪府警の家宅捜索を受けたのは、2004年のことである。
最終的には、消費者の経済的な利益を守る立場から重要事項として告知すべき義務があったことを認めた三菱側が、マンション管理組合との間で、購入価格の25%を補償し、また希望者には買い取りに応じる内容で合意したことで、関係者全員が起訴猶予処分となり、事件自体は終結している。三菱地所が支払った補償費用は約75億円にのぼったという。
抗弁が公に認められないと情勢分析してはじめて、建て直しや買取り、補償といった消費者保護策を打ち出したのは、三菱も三井も同じである。つまり、潤沢な資金を持つ業界最王手クラスの会社でも、安易に補償を容認する訳ではないのだ。ましてや、準大手クラスや弱小クラスでは、守るブランドよりも、目先の利益の方が大事なので、自らの非を認めないケースの方が多いだろう。訳あり物件を“訳あり”と認めさせるのは思いのほか難しいのである。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
http://nikkan-spa.jp/976727

旭化成建材、266件確認 不正関与の現場管理者50人以上

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くい打ちデータ偽装問題の会見にのぞむ(右手前から)旭化成建材の前田富弘社長、平居正仁・旭化成副社長、柿沢信行・旭化成執行役員=13日、東京都中央区(大西正純撮影)
くい打ちデータ偽装問題で、旭化成は13日、子会社の旭化成建材が過去約10年間に請け負った物件3040件のうち、2376件の調査が終わり、266件で偽装が確認されたと発表した。旭化成は調査状況を国土交通省に報告した。不正に関わったとみられる現場管理者は50人以上だったことが判明。残りの物件も調査を続けるが、偽装件数は増える見通しだ。報告を受け石井啓一国交相は、偽装があった物件の安全性を確認するよう旭化成側に指示した。
旭化成によると、都道府県別では東京都が51件と最も多く、神奈川県30件▽埼玉県、北海道各26件▽千葉県23件▽愛知県21件-など。また、国交省から優先的に調査するよう指示されていた学校や医療・福祉施設計602件のうち、偽装があったのは63件だった。
また、現場管理者に対する聴取では、偽装理由について、ほとんどがデータの紛失や取得ミスだったことを挙げ、同社は「施工の不具合を隠すためという理由はなかった」と強調した。
調査の報告期限は13日だったが、元請け会社との照合作業が難航。残りの物件の調査結果については24日までに国交省に報告するという。元請け会社が不明、施工データが不存在の物件も計118件あり、今後も調査を継続する。
また、くいが固い地盤に届いていないなどの施工不良が見つかった物件は、発端となった横浜市のマンションを除いて現時点では確認されていないという。
http://www.sankei.com/affairs/news/151113/afr1511130039-n1.html

くい打ち不正 官民挙げて再発防止を
11/25 08:55

旭化成はきのう、子会社の旭化成建材が過去10年に手がけたくい打ち工事の調査結果を公表した。 3052件のうち、道内53件を含む360件のデータ改ざんがあった。横浜の傾斜マンションでは担当者個人の問題のように説明していたが、不正に関与した現場担当者は61人にのぼった。
大手くい打ちのジャパンパイルでも7人による7件の改ざんが判明している。業界に広がる不正体質に驚くばかりだ。
くい打ち業者だけでなく、重大な責任を負うべきは元請け各社だ。なぜ、偽装を見逃したのか。全容解明とともに、建物利用者への説明と安全確認を急いでほしい。
建設業者を監督する国土交通省は、実効性のある再発防止策を打ち出さねばならない。
基礎工事の安全性を支えるデータの改ざんで、対象となったマンション住民らは不安な思いだ。
国交省は安全性を検証するガイドラインを作成中だが、住民が納得できる方法を採用すべきだ。記録の照合にとどまらず、くいが強固な岩盤に達しているかを確かめるボーリング調査が有力だろう。
不正の広がりに対し、業界の受け止め方は甘いのではないか。
くい打ち業者41社が加盟するコンクリートパイル建設技術協会は各社の点検状況を発表したものの、改ざんの有無の公表などは加盟社任せだ。国交省は詳細な報告を強く求めるべきだ。
首をかしげるのは、元請け業者の対応だ。
傾斜マンションの元請けの三井住友建設が記者会見したのは、問題発覚から1カ月後だった。
担当役員はデータ改ざんの見逃しを謝罪する一方で、管理に落ち度はなかったと強調。責任の所在についての明言を避けた。
建設業界で改ざんが広がった背景は判然としない。しかし、多重下請け構造と呼ばれる慣習のもと、各社の責任感が希薄になった疑いは強い。業界自らの解明努力なしに信頼回復はおぼつかない。
業界団体は、くい打ち工事の記録の確認を徹底するなどの再発防止策を検討している。
建設工事への監視を強めることも必要だろう。
日本では、建築確認申請から完了までの検査制度があるが、民間機関が担うことができ、チェック機能が不十分との指摘がある。
くい打ち工事に第三者が立ち合う仕組みを検討すべきだ。独立性が高い検査員が工事を厳重審査する米国や英国の例も参考になる。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0033515.html

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ偽装事件151130

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