杭データ改ざん事件151203-2

杭データ改ざん事件151203-2

横浜の傾斜マンション 三井住友建設、旧建物より短いくい指示
2015年12月3日 朝刊

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マンション建設前に解体された旧建物の解体図面を拡大したもの。矢印が示す枠内に18メートルのくいが使われていた

くい打ちデータ改ざん問題の発端となった横浜市の傾いたマンション建設の際、設計や施工をした三井住友建設が、マンション建設前に解体された旧建物の一部で十八メートルのくいが使われたことを知りながら、十四メートルのくいを使うよう旭化成建材に指示していたことが二日、共同通信が入手した解体図面などで分かった。三井住友建設が設計段階で、長いくいの必要性を想定できていた可能性が強まった。
くい打ちを実施した下請けの旭化成建材は「解体について事前に知らされていなかった。地中に残ったくいの残骸を支持層(固い地盤)と誤認した可能性もある」としている。三井住友建設によると、マンションの住民説明会でも解体工事について明らかにされていなかったという。
三井住友建設は取材に対し、旧建物のくいが十八メートルだったことを事前に知っていたと認めた上で「相当数実施した地盤調査結果に基づき、くいの設計を行った」とする一方「くいの引き抜きや、その後の地盤改良工事についてはコメントを控えたい」としている。
これまで三井住友建設は傾きに関し、十四メートルのくい八本が約十六メートルの支持層に届いていないか、十分に根付いていないためと説明。設計ミスはなく、くいのデータを改ざんした旭化成建材の施工ミスを指摘していた。十四メートルのくい八本の一部の場所では旧建物で十八メートルのくいが使われていた。
共同通信が入手した二〇〇五年作成の解体図面によると、現場は旧NEC横浜事業所の跡地。傾いたマンションを支える十四メートルのくいが打ち込まれた付近にはくいの長さを示す「既存PC杭(くい) 杭長18メートル」との表記があり、施設は十八メートルのくいで支えられていた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120302000131.html

2015年12月01日(火) 藤岡雅
この国からマンション偽装がなくならない理由~「姉歯事件」から10年。ヒューザー元社長が国交省の「大罪」を告発する!

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なぜ欠陥マンションが生まれるのか

一級建築士による構造計算書の偽造事件、いわゆる〝姉歯事件″から、ちょうど10年が経過しました。そんな年にまたもやマンションの欠陥問題が世の中で大騒ぎになるとは、因縁めいたものを感じずにはいられません。
あの事件以降、マンション業界は大きく様変わりしました。中堅デベロッパーであった私たちヒューザーは破たんしてしまったため、耐震偽装されたマンションの住民の方々に、補修や建て替えなど十分な補償をすることができませんでした。
そのため、「中堅デベロッパーでは安心できない」「やはり大手デベロッパーが安心なのだ」という価値観が広がった。そこに、旧財閥系の三菱、三井、住友といった大手不動産会社が次々と新築マンションを建築・販売していきました。
しかし先月、三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市都筑区のマンションが傾き、杭打ち施工業者の旭化成建材による数多のデータ改竄が発覚しました。昨年も、住友不動産が販売し、熊谷組が施工した横浜市西区のマンションが傾く事件が起きています。
もはや大手であっても、構造欠陥からは逃れられないことは明らかです。業界の様相は変われども、欠陥マンションが作られる〝メカニズム″は今も温存され続けているのです。
ヒューザー元社長、小嶋進氏。05年11月、国交省は千葉県の一級建築士が構造計算書を偽造していたことを公表、耐震偽装マンションを販売したヒューザーの社長として渦中の人となった。
小嶋氏は〝消極的″と形容される異例の「詐欺罪」に問われ、有罪判決を受けた(現在、再審請求に向けて準備中)。一方で彼は、この10年間におよぶ係争の過程で、「欠陥マンション」が作られるこの国の悪しき構造に、声を上げ続けてきた人物でもある。
〝安心・安全″と誰もが疑わなかった大手デベロッパー、大手ゼネコンが施工・販売するマンションでも「欠陥マンション」が作られ続けるのはなぜなのか。小嶋氏が、国交省の姿勢を厳しく批判する。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46647

なぜ私は「悪人」となったか
私の顔写真はネット上で拡散されていますが、あれは耐震偽装事件当時のものです。読者の中には、05年11月29日に国会に参考人招致されたときの、怒りに打ち震える私の顔を覚えている人も多いことでしょう。
あの日私は、「ヒューザーが主導して耐震偽装をおこなった」という荒唐無稽な陰謀説を唱えるイーホームズの社長に対して、「何言っているんだよ!」「ふざけるんじゃないよ!」と声を荒げてしまいました。あの一言で、私はすっかり「悪人」扱いを受けることになってしまった。
今でもあの時の表情が皆様の記憶に残っているのはつらいことですが、私は、あの時の形相こそが、当時の私の心情をよく表しているとも思っているのです。
実は、当時、耐震偽装をした張本人である元一級建築士への怒りは、微塵もわいてきませんでした。世の中には、彼のように罪悪感もなく、平気で偽装<・strong>をしてしまう人間など、いくらでもいるからです。だからこそ国はチェック機関を設け、検査体制を整えているのでしょう。
しかし、国や、国が認定している民間検査機関は、元一級建築士が行なった耐震偽装を全く見抜けなかった。つまり私は、民間検査機関だったイーホームズや、同社に対して建築確認検査機関の指定をしていた国交省に対して、本気で怒っていたのです。
不本意ながら私は刑事訴追され、「詐欺罪」で有罪とされましたが、裁判所は耐震偽装事件において、私たちヒューザーも被害者の立場にあることを認めています。私に対する判決文(第1審)にはこうあります。
<そもそもの発端は、姉歯による構造計算書の改ざんであり、そこに、確認検査機関であるイーホームズがこれを看過して建築確認をし、さらに検査済証を発行していたという事情があり、本件に至るまでに限れば、ヒューザーは耐震偽装の被害者ともいえる立場にあったことは否定できず……>
小嶋進氏
この一文は、欠陥マンションが出現するに至った構造上の問題を明確に指摘しています。建築物に対する国のチェック体制が全く機能していなかった、ということです。
あまり知られていませんが、耐震偽装の問題は、元一級建築士が設計したマンションにとどまらず、大手デベロッパーの分譲マンションにもひろがっていました。あの当時、三菱地所や住友不動産が分譲した札幌市内のマンションでも耐震偽装が見つかり、販売中止に追い込まれているのです。
ですからこの問題は、私たちヒューザーのような中堅デベロッパーや中堅ゼネコンに限った問題では決してありませんでした。問題は、「建築確認検査の不備」にあったことは明らかです。このチェック機能をどうするべきかを議論し、改革することが、当時の喫緊の課題だったのです。

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国交大臣認定の「欠陥システム」

ところが、国交省はこの議論を封じ込めたかったのだろう――と私は考えています。それは耐震偽装事件の端緒が、国交大臣が認定していた「構造計算プログラム」の欠陥にあったからです。
一級建築士は、このプログラムを用いて構造計算をし、行政に提出するための計算図書を作っていました。しかしこのプログラムでは、たとえ耐震偽装をしていようと、報告書を作成することが可能だったのです。このことだけでも重大な欠陥プログラムと言えるでしょう。
耐震偽装を発見するためには、このプログラムにもう一度、構造計算の数字を打ち込みさえすれば、事足りることでした。ところが、建築確認を行なうイーホームズや行政機関、そして国交省のいずれもが、この「構造計算プログラム」を持っていなかったのです。
国交省は、この杜撰なチェック体制に責任追及の手が及ぶのを避けたかったのだと思います。国政でも、その後の対策委員会でも、積極的にこの問題が議論されることはついにありませんでした。
元一級建築士や私個人に対する刑事訴追によって、問題が矮小化され、欠陥マンションが建つのを防ぐための改革の機運は失われてしまいました。ザル審査で欠陥マンションに「建築確認」を出してしまうような検査機関や国交省。それに対し、責任を負わせる法律は未だに整備されていません。
これは恐ろしいことです。もちろん、10年前の私には、欠陥マンションを意図的に作ろうという考えなど全くありませんでした。しかし、あの元一級建築士のようにとんでもないことをする人が出たり、そうでなくても何らかの誤りで違法建築の申請をしてしまったりすることは、いつでも起こり得ることなのです。
それなのに検査機関や行政が、いい加減なチェックで「合法」というお墨付きを与えてしまっている。行政のチェックが甘ければ、設計や施工業者の仕事にも緊張感が失われてしまうでしょう。それが、欠陥マンションが続出する原因だと思います。
私だって、泣きたかった
耐震偽装事件は、設計段階での偽装でした。これは、構造計算書を見れば欠陥はすぐに見抜けます。しかし今回の三井不動産レジデンシャルのマンション傾斜問題は、施工段階での偽装です。これが横行していたならば、誰もその欠陥には気付けません。耐震偽装事件以上に深刻な問題です。
旭化成建材のデータの改ざんや不正は11月24日時点で360件にのぼり、常態化していたことが伺えます。施工主の三井住友建設、そして旭化成建材が引き起こした問題は、最終的には建築主の三井不動産レジデンシャルが負わなければならない「瑕疵担保責任」に相当するものです。三井不動産レジデンシャルは、この責任を免れることはできません。
しかし、問題のポイントを見誤ってはいけません。
三井不動産レジデンシャルは、故意欠陥マンションを作ろうとしていたわけではありません。旭化成建材もしかり。バレたら多大な損失の出るような自殺行為を、そもそも会社組織はやらないものです。
「建築現場でデータ改竄をされてしまえば、建築確認でチェックのしようがない」
といった行政マンの言い訳も聞こえてきますが、問題はそうではないのです。「建築確認」の名に値しない、なんら実効性の伴わない建築確認が横行していることのほうが問題なのです。
マンションが完成する前に販売してしまうため、施工期間が定められていたり、利益率の薄いマンションの建設ではコストに対してシビアな圧力がかかったりと、今のマンション建設の仕組みに問題がないとは言いません。
建築主や施工主の経営者としての責任が問われるのは当然ですが、「組織が悪意を持ってやった」というレッテル貼りは、この機会に打つべき政策判断を誤った方向に導いてしまいます。
旭化成の浅野敏雄社長が、記者会見で涙を流して謝罪していましたが、彼は社員や関係企業を信じていたからこそ、涙を流したのでしょう。信じていた者に裏切られる気持ちは、私にもよく分かる。〝姉歯事件″のとき、私だって泣きたかった。
国家資格を持つ一級建築士がまさか耐震偽装をするなんて、考えたこともなかったし、ましてや、行政からすでに建築確認のお墨付きが下り、建物の検査済証まで受けている物件が、後になって「耐震偽装」と判断されるなんて、夢にも思いませんでした。
10年前、私は国交省の3階の住宅局に乗り込んで、そのフロアにいる官僚たち全員に聞こえるような大声で、同省の責任を問い質しました。その上で、ヒューザーが瑕疵担保責任を全うするため、国交省に対して50億円の低利融資を要望しました。建築確認検査偽装を見逃した5つの自治体に対しては、損害賠償を請求しました。
しかし、どれも認められることはありませんでした。こうした問題が発生したとき、検査機関や行政、そして国の責任を問い、是正させるための法律が、一切用意されていなかったからです。
私の弟は一級建築士の資格を持っていますが、彼はこう訴えています。
例えばアメリカには「インスペクター」という制度があり、大型の建築物であれば第3者機関の検査官が施工現場に常駐し、中小の建築物であっても、決められた工程を検査官が現場でチェックする仕組みがあるそうです。日本もこうしたチェック体制を整えるべきではないか、と、弟は言うのです。全くそのとおりだと思います。
私は私自身の名誉を回復するために今、再審請求を準備していますが、ここで争点となるのは、決して私だけの問題ではありません。国が主導し、建築確認で実効性のある検査が実施され、不正が決してまかり通ることのない体制をいち早く整備すべきなのです。
これからも再審請求を通して、国の責任を訴え続けていくつもりです。

くい打ち偽装から見えてくる企業の機能不全
帝国データバンク情報統括部長 藤森徹
2015年11月24日 05時20分

マンションの 杭(くい) 打ち偽装問題など、名門と呼ばれてきた企業の不祥事が止まらない。業績や工期など目先のことばかりに 囚(とら) われ、消費者のことなどどこかに置き忘れてきた観すらある。消費者本位の物づくりで信頼を築いてきた名門企業に何が起きているのか。「御社の寿命」(中公新社ラクレ)などの著書がある藤森徹・帝国データバンク情報統括部長に寄稿してもらった。

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企業トップの稚拙な対応で混乱に拍車
傾きが見つかった横浜市都筑区のマンション(10月16日撮影)

旭化成建材によるマンションの杭打ち偽装問題が同業他社にも広がりを見せている。東芝、フォルクスワーゲン(VW)などに続き、またぞろ「名門」と呼ばれてきた企業の不祥事である。杭打ちのデータが偽装され、しかもそれが民間のマンションのみならず、学校や自治体などの公共施設にまで広がっている。実際に住んでいる建物が傾くという日々の生活に直結する問題だけに一般の関心も高い。
ここで感じるのは、会社トップの対応がまずく、事態をいっそう混乱させていることである。さらに、これまで東芝やVW問題でも見られたように、もはや企業が準備したチェックは結局、機能しないという一種の「法則」すらあるように思える。
トップの対応のまずさでいえば、報道を見る限りでは問題が発覚した当初から情報を的確に開示せず、状況説明の記者会見なりをきちんとしてこなかった点である。地方自治体などの問い合わせにすらきちんと情報を開示せず、記者会見を開いてもなんら中身のある情報は出さなかった。こんな会社側の対応の不誠実さに国土交通省が激怒し、本格的な対応に乗り出して初めて、会社側は情報を出し始めた。

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中間決算の記者発表に臨む三井不動産の佐藤雅敏・常務執行役員。記者会見では決算に関する質問はほとんどなく、横浜市で販売したマンションの杭打ちデータ流用問題に終始した(11月6日撮影)
マンション販売元の親会社である三井不動産は幹部が中間決算発表の記者会見に臨んだが、決算に関する質問はほとんどなく、この問題に終始。この幹部が中間決算発表の場で、マンションの杭打ち偽装問題について陳謝する事態となった。過去何度も繰り返されてきた企業のまずい対応がまたも露呈した形だ。
新聞やテレビなどのメディアが問題を連日大報道しているにもかかわらず、事態の深刻さを十分理解していないようにさえ見える。責任を互いに押し付け合い、自社は関係ないように振る舞う姿勢が更なる不信に繋(つな)がっているのだ。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151118-OYT8T50165.html
2015年11月24日 05時20分

チェックをすり抜けていく「ウソ」

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フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン(ロイター)
一連の杭打ち偽装問題にしても普通に考えれば、現場には管理者がいて、必要なチェック項目があるなど、それなりのチェック体制があったはずである。まったく別の場所で数字も異なるはずのデータを流用するということなどは認めていないはずだ。もし認めていたのであれば、それはそれで別の意味で大きな問題である。
そうしたチェックをすり抜けて、偽装されたデータが作成され、それを基に工事が行われ、大きな建物が建つ。そして多くの人が住む。そしてそれが何年か後に傾いてくる。考えてみれば恐ろしい話であるが、担当者はそうした想像力さえ働かなくなったのだろうか。
不正会計に手を染め、利益を過剰計上した決算内容を基に株式市場で株価が形成され、その株を買った投資家を欺いていた東芝。不正なソフトを使って実際は基準を超える排ガスをまき散らし、クリーンな車だと信じて疑わなかったドライバーを欺いたVW。今回の問題でも、下請けの旭化成建材の経営陣や幹部、現場責任者の中に、仕事をとにかく短期間でこなし、調査や作業の品質は度外視してとにかく納期遅れを防ぐべし、といった発想がもしあったならば、問題の本質は同じである。
現場の担当者や責任者もさることながら、組織全体でそうしたことを容認する風土や慣行があったとすれば、それぞれの組織のトップの自覚が欠如していると言わざるを得ない。拙著『御社の寿命』の中でも「トップ=社長」の資質の重要性については繰り返し指摘した。トップの資質次第でどんな名門企業であっても、その経営は窮地に陥りかねない。
こうなると、もはやチェック体制の強化などを議論してもあまり意味がないだろう。ことの本質は、そこにはないと考えられるからだ。
元請けの三井住友建設も社内ルールは整備され、チェックは充分行っていたと説明するだろう。そもそもマンション建築に関しては従来から建築基準法の改正や下請けへの丸投げ禁止など様々なルールが決められてきた経緯がある。しかし現代のように社会が複雑になってくると、対症療法的に作るルールではチェックや監視が事実上、十分行き届かなくなっている。

直言をいとわない「番頭」機能

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営業利益が904億円の赤字になった15年9月中間連結決算について、記者の質問に答える東芝の平田政善CFO(11月7日撮影)
東芝問題でもそうだが、売り上げ規模が6兆円から7兆円規模の大企業で、あらゆるルートからチェック体制を決めても、いとも簡単に2000億円前後の不正が生まれてしまう。それと今回の杭打ち偽装の問題は通底する点が多くあるのではないか。まさに元請け、下請けを含めて関係者の自覚の欠如と論じるしかない。今、問われているのは、こうした自覚の欠如に対して、企業はどう向き合うべきかという点である。
企業を責めるだけでなく、サポートすることも必要だ。これらの業界で働くために必要な資格を取得する時、知識やスキルをチェックするのは当然だとして、プロとして必要なチェックや管理を怠った時にどんなことが起きるのか、その影響や恐ろしさを知らしめる研修を実施すべきではないか。
適切な助言者、つまり「番頭」のような機能の設置も有効だ。「番頭」は社外取締役や社外監査役のような存在とも異なる経営者への指南役だ。
「トヨタ中興の祖」といわれた石田退三氏は、豊田家の人間ではないものの、経営に意見すべき時は意見し、賭けに出る時は一気に出て、戦後、トヨタ自動車の苦しい時期に経営を立て直した。「トヨタ自動車の大番頭」とも呼ばれた人だ。
企業業績への影響の有無にかかわらず、ひとたび何か問題が起こった時には、会社に都合の悪いことでも直言できるような昔の番頭的な機能が現代の日本企業に求められている。組織として、何よりも道に外れないために向き合う仕組みが必要だろう。

新たなデータ偽装は中学校校舎のセメント量 横浜市(2015/10/30 11:46)

横浜市は、杭打ち工事のデータが偽装されていたのが市内の中学校だったことを明らかにしたうえで、保護者らに向けて説明会を開くとしています。

横浜市によりますと、データの偽装が確認されたのは青葉区の中学校の校舎です。工事は2009年の12月から約2カ月間で終了していましたが、その際、杭を固めるために流し込むセメントの量が偽装されていました。市は調査の結果、すべての杭が固い地盤に届いていて、安全性に問題がないことを確認したとしています。市は来月1日、保護者や住民に向けて説明会を開く予定です。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000061547.html

ヒロ
2015年11月18日 10:00

何故なくならない偽造、偽装、手抜き問題

日本で起きる経済事件には偽装、偽造、手抜きといった点に端を発していることも多いようです。ちょっと古くは雪印牛肉偽装事件とかマクドナルドの経営が転げ落ちた鶏肉事件もそのカテゴリーでしょう。最近では東芝事件もそうですし、横浜の傾いたマンションにかかる杭問題もそうでしょう。
何故多いのか、そしてなぜ改善されないのか、どこか根本的問題原因が隠されている気がします。それを今日は少し考えてみたいと思います。
多くの問題においてその発生原因はたった一人の従業員といったようにごくわずかの人数の失敗に端を発しているものは多いものです。それがどうして発覚したのか追求するうちに東芝の様に組織の雰囲気の問題だったとか、雪印事件の様に管理が甘かったといった帰着点に至ります。その時点で責任者が謝罪会見をし、非を認めることで溜飲を下げてしまう、という一連のサイクルがあります。
ところが実際に発覚したのは大事件に繋がった不運さがあったからで隠ぺいされている問題は何処でも日常茶飯事で起きているはずです。それが見つかっても大問題にならなかったり、まだ問題になっていないだけと考えた方がよいと思います。
海外から見る日本人の特性は極めて厳格、且つ、高い水準の平準化を求めるため、それを提供する経営側は管理、コスト、競争力に日々立ち向かわねばなりません。それでも経営者は努力すればした分だけ報われる褒美がありますが、雇われている側からすれば罵声を浴びせられ、残業を強いられ、ストレスを溜めこまざるを得ない人も多いでしょう。その堪忍袋の緒が切れた時、手抜きをするか、ずるをするか、社会問題を引き起こす、といった行動に出ていないでしょうか?
時々行く日本だから特に気になるのですが、JRなどで安全確認を理由に列車が止まる頻度が高まっています。国交省によると1988年には輸送障害件数1883件だったものが2013年には5339件まで膨れ上がっています。車掌のアナウンスは多くの場合、線路に人が入った、緊急停止ボタンが押された、安全確認といったものですが、これがなぜ増えたか考えると人のストレスの関連性は有り得そうです。
日本の場合、ほぼ単一民族の特性が問題を大きくすることがあります。例えばメディアなどで飲食店、店舗、商品などが紹介されると極めて大きな反応となり、注文や売り上げが一時的に急増する傾向があります。これは経営者にとっては良いのですが、従業員の数は突然増えませんので業務の負担が増える一方となります。
また、杭偽装発覚の際は過去のくい打ち工事全てを短期間に全部調べあげる、という作業を要求されました。一般市民は何気なくそのニュースを見ていますが、多分、全社挙げて必死の対応を徹夜でやったと思います。なぜならそんなマニュアルはないし、機械化できないため、人力作業となるからです。しかし、その間の負担が取り上げられることはまずありません。
多くの企業はマーケットシェアや売り上げ、利益、部門間の戦いなどを通じて従業員を企業戦士として酷使します。それでも機械の管理が甘かった80年代まではヒューマンタッチの良さがありましたが、近年は機械やコンピューターが人間を管理する時代となり、やりきれない世界を生み出している気がします。正に「病める日本」となりやしないか心配です。
このブログでは日本の素晴らしさや日本製品の競争力を取り上げ、多くの読者の方にもそう感じて頂いているかと思います。ただ、いま目を向けなくてはいけないのは良い話ばかりではなく、ひずみが社会の至る所で見られるということです。弱肉強食というのは欧米社会での典型的表現ですが、私は日本の企業経営は世界でもっとも過酷な弱肉強食の世界が繰り広げられていると考えています。だからと言って、みんなで緩やかな世界を愉しもう、という発想にはならないでしょう。私もそうは思いません。
多分、もう少し会社から報われるような報酬体系に変えることが一つありそうです。責任だけ負わされている人があまりにも多い気がします。企業の利益を2割削り、従業員に還元する発想もありかも知れません。それこそ、全ての従業員にストックオプションを提供するぐらいにして飴と鞭を明白にすることは今すぐにでも出来そうな気がします。
報われない社員が多すぎることが偽装手抜きの原因の一つになっているとすれば意外と改善する余地はありそうです。
では今日はこのあたりで。
http://blogos.com/article/145268/

傾きマンション、検査に限界 市「偽装見抜くのは無理」
豊岡亮 峯俊一平、永田大
2015年10月20日07時25分

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傾いたマンションの検査の流れ

横浜市都筑区の大型マンションが傾いた問題で、偽装された杭のデータは、建築時の検査をすり抜けていた。国も自治体も「見抜くのは無理」と口をそろえる中、消費者は安心してついのすみかを買えるのか。国土交通省はチェックを強化する検討を始めた。
「杭打ち工事のデータを偽装されると、見抜くのは事実上、無理だ」。横浜市の幹部はそう漏らす。今回、旭化成建材の工事担当者による偽装の対象となったデータは法令上、提出の義務がない。こうした不正はないという「性善説」に立って検査をしているためだという。
マンションなどを建設する際は、建築基準法など関連の法令に適合しているかどうかをチェックする建築確認検査が行われる。横浜市の場合、全国の自治体と同様に行政や民間の指定確認検査機関が行い、問題のマンションでは民間の検査機関が実施していた。検査費用は業者の負担という。
検査は、主に3段階。「着工前審査」では、設計図が問題ないかなどをチェックする。杭打ちなどの基礎工事の終了後には「中間検査」。さらに工事が正しく終わったかを調べる「完了検査」がある。
「セメントの量や固い地盤(支持層)に達したかなど杭打ち工事のデータは検査機関や市への提出義務がない」と市の担当者。仮に工事に疑問点があった場合に現場や、きちんと記録が残っているかの確認はするが、短時間だという。今回のマンションはすべての検査に合格していた。(豊岡亮)

■国、防止策を検討
「偽装のチェックまで今の法律は行政側に要求していないと思う」。年間約200物件を確認する東京都の飯塚睦樹・建築指導課長は戸惑う。現在の仕組みでは、杭を埋めた後に書類とヒアリングでチェックするしかない。「施工者のモラルの問題だ」と話す。
大阪市の担当者も「工事途中で何か通報でもない限り、行政で不正を知りうる機会はない。もし同様のケースが大阪市であったら、何かできたか」と悩む。
建物の安全を確保する3段階の建築確認の仕組みは各自治体でほぼ同じだ。2005年に発覚した元1級建築士による耐震偽装事件を受け、国は建築基準法を改正。設計時に構造計算書が偽造されていたことから、着工前のチェックを強めた。ただ、今回発覚した杭のデータ偽装は着工後に行われていた。
国交省幹部は「いまの仕組みでは、自治体も民間検査機関も偽装を見つけるのは無理。ただ、元請けの三井住友建設にはチェックする管理責任があった。元請けの確認をどう強化できるのか、検討している」と話す。
今回のデータ偽装が見つかった棟に住む70代女性は「(販売元の)三井不動産レジデンシャルを信じて買ったのに、これでは詐欺で犯罪と同じだ。行政がもっと厳しく対応してもらわないと困る」と憤った。(峯俊一平、永田大)

■「構造的なゆがみある」
《建築や都市防災に詳しい明治大危機管理研究センターの中林一樹特任教授》 行政は基本的に書類を受け付けるだけなのでチェックは難しい。検査を担当した民間機関も、意図的にデータを偽装された場合は見抜けない。きめ細かに作業に立ち会ったり、全工程の中間検査をしたりするなど厳しくすれば費用がかかる。費用は業者の負担なので販売価格となって消費者に跳ね返ってしまう。
一方で今回、偽装したのは2次下請けの業者。多重下請けで下にいくほど利益が出にくい構造では、手抜きを誘発しやすい。企業側のモラルが大切で、現場の怠慢だけでは済ませられない構造的なゆがみがある。

■地盤調査を再開、今月中に完了見込み
横浜のマンションを施工した元請けの三井住友建設は19日、地盤調査を再開した。傾いた棟の全52本の杭のうち28本はすでに調査を終え、6本が強固な地盤(支持層)に届かず、2本の打ち込みが不十分だったことが判明している。残る24本の杭について、支持層に到達しているか確認したうえ、今月中に調査を終える方針だ。
さらに、他の3棟の杭についても12月までに調べる。住民の男性(66)は「ついのすみかとして買った家。(安全性が)しっかりしたものであってほしい」と調査に期待した。
http://digital.asahi.com/articles/ASHBM463CHBMUTIL01Q.html?_requesturl=articles%2FASHBM463CHBMUTIL01Q.html&rm=803

日本経済一歩先の真相
建設業者への信頼性は傾斜どころか倒壊寸前

2015年11月6日

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モノづくり大国ニッポンの国際ブランド力を、それこそ根底から揺るがしかねない事態だ。横浜市のマンション傾斜に端を発した杭打ちデータ偽装問題が底なしの様相となってきた。
偽装は、横浜の物件を担当した旭化成建材のベテラン契約社員の“単独犯”ではない。50人近くの社員がデータを偽装していた。旭化成建材が自主調査中の3040件のうち、すでに約300件に偽装の疑いがあるというから、工期優先のゴマカシが常態化していた可能性は非常に高い。
深刻なのは、杭打ちの不正が旭化成建材1社にとどまらず、業界全体にはびこっているように感じることだ。何せ、横浜市の傾斜マンション建設の元請けは三井住友建設だ。社名の通り、三井と住友という旧財閥の看板を背負った名門ゼネコンである。
旧財閥の名前に裏打ちされたブランド力を信頼すればこそ、マンション購入を決断した住民も多いだろうに、建設工程の管理が極めてズサンだったことを露呈させた。住民たちが誠に気の毒に思える旧財閥系の裏切り行為が表面化したとなれば、中小規模のゼネコンが元請けとなった物件に住む人々は、はなはだ不安だ。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168645
東京商工リサーチの調べによると、全国に杭打ち業者の数は454社に上り、うち半数以上が従業員10人未満の中小・零細企業だ。業者の多くに偽装が常態化しているのか否か。この問題を預かる国交省は実態を徹底調査し、不正が見つかり次第、厳正に処分すべきである。国交省はデータ偽装を旭化成建材1社の問題だけで片づけてはダメだ。建設業界全体に対する国民の信頼が大きく揺らいでいるという自覚を持って、調査にあたらなくてはいけない。
それにしても、この国のモラルダウンは著しい。データ偽装が確認された建物には公立小学校まで含まれていた。この国の将来を担う子供たちの学びやだろうが、不正に関わった担当者はお構いなし。不特定多数の人々が利用する公共施設のデータだって平気でゴマカしてしまう。高度成長期に造営された橋やトンネルなどの老朽インフラの更新が急務となりつつある中で、倫理観のマヒした連中に建て替えを任せていいのか。モラルなき建設業界への信頼性は傾くどころか、崩れかかっている。
思えば新国立競技場の問題以降、この国には得体の知れない妖怪が這いずり回っているように思えてならない。国民の不安をたきつける建設業界という妖怪である。建設行政には不正業者に対する断固たる措置を期待したい。

異常なサービス残業に励む日本の風習 本来の出勤時間を「偽装」している?
2015年11月11日 6時0分
ざっくり言うと
•異常なサービス残業に励む日本の風習について取り上げている
•出勤簿を手書きと印鑑で管理し、出勤時間を偽装しているケースもあるという
•「会社のため」という言いわけで身近にも偽装は存在すると筆者は述べている

会社に労働時間の「粉飾」を強いられ、異常なサービス残業に励む日本人
2015年11月11日 6時0分

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先日、神奈川県横浜市のマンションが傾斜していた問題で、杭打ち工事を行った旭化成建材によるデータ偽装が発覚しました。また、タカタは欠陥エアバッグの原因究明をめぐり、自動車メーカーに虚偽の報告を行ったとされています。
本来、嘘をついてはならないデータが、実際は嘘で塗り固められていたわけです。これらの行為は、通常であればあり得ないことですが、「会社のため」「組織のため」といった言葉を言い訳に、みなさんの身近でも行われている可能性があります。
例えば、出勤時や退勤時にタイムカードで打刻をしている人も多いでしょう。 私が公務員だった時には、出勤時間と退勤時間を手書きで記録し、印鑑を押していましたが、まるで定時に出勤、退勤していたかのように見せていました。
民間の会社でも、一般的に管理監督者には残業代が支払われないため、出勤簿を手書きと印鑑で管理しているケースもあると思います。法律上、残業代が支払われないのは、労働時間をはじめ、自分の業務に関して裁量と権限を持っている人です。そのため、基本的にはタイムカードを打刻する必要はないのです。
そもそも、タイムカードを打刻する出勤時というのは、いつのことを指すのでしょうか。食品工場や飲食店の場合、出社して私服から作業着に着替えた後ではなく、出社時に打刻すべきです。退勤時も、作業着から私服に着替えた後で打刻すべきなのです。
食品工場で、作業着に着替え、髪の毛やごみなどの異物を取り除き、手を洗ってからタイムカードを打刻する……。これは、本来の出勤時間を「偽装」しているといえます。
「作業着を着替えるところから、作業時間ではないのですか」と声を上げる人もいるでしょう。しかし、それに対して「ほかの人もそうしているのだから」「そんなまじめにやっている工場なんて、どこにもないよ」「いつまで青臭いことを言っているんだ、君も少しは大人になれ」などと言われるかもしれません。
はじめは「おかしい」と思っても、職を失うことを恐れ、そういった社風に染まり、次第に声を上げなくなってしまうのです。
日本ではよく、「原理原則の通りに行っていては、世の中が回らない」「商売と屏風は、曲がらないとうまくいかない」などといわれます。
アメリカの工場では、「あと1文字打てば、レポートが仕上がる」という場合でも、定時になれば「お疲れさまです」と従業員は席を立っていました。初めてその姿を見た時は異様に感じましたが、法律上は正しい行動といえます。
旭化成建材によるデータ偽装を非難している人たちは、タイムカードの管理をはじめ、社会生活の中で「会社のため」「みんなやっているから」を言い訳に、「偽装」を行っていないと言い切れますか?
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)
http://news.livedoor.com/article/detail/10815724/

牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」
完成前の新築マンションを買うなど愚の骨頂である 欠陥物件が蔓延する本質的元凶

文=牧野知弘/オラガHSC代表取締役

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「Thinkstock」より
横浜市都筑区で三井不動産レジデンシャルが分譲したマンションが傾いていることが公けになって約1カ月。問題は収束するどころか、マンション業界のみならず建設業界全体の問題に波及しつつある。問題の杭打ちを担当した旭化成建材は当初、一担当者個人の「異常な行動」とし、事態の収束を図ろうとしたフシが見受けられる。2005年に発覚した通称「姉歯事件」と呼ばれる構造計算書偽造問題を彷彿とさせる。
しかし、この問題は一個人の「異常な行動」ではなく、どうやら業界全体に蔓延していた「よくやらかす事象」であることが明らかになりつつある。旭化成建材に続いて業界大手のジャパンパイルでもデータ偽装が発表されたのが事態の深刻さを物語っている。
 
こうした問題が生じると、多くの場合、関係者は事態の収束を急ぐあまり、原因究明を十分に行わないまま、いい加減な理由をつけて「うやむや」にしようとしてしまう。責任の明確化を避ける動きでもある。肝心なのは問題が起こったとき、まずは被害者と真摯に向き合う姿勢である。今回の問題でも、売り主である三井不動産レジデンシャルは当初、マンションの傾きは東日本大震災によるもので補償対象とはならないとの説明を繰り返したといわれている。元請建設会社である三井住友建設は、下請け業者である旭化成建材からの報告がなかったことに多くの責任があるかのような発言を行った。原因がいまだ特定化されない中ではあるものの、互いが責任を逃れようと曖昧な姿勢を続けることは、今回の被害者のみならず社会全体に強い不信感を抱かせることになる。
被害者の方々には「致し方ない」ではすまされないが、事象として生じてしまったことは致し方ないこととして、今最も大切なことは、こうした事態がなぜ生じてしまったのか、原因を冷静に分析し、「二度と生じさせない」方法を考えることである。
今回の事件で再び話題となっているのが、建設業者による「手抜き工事」である。「手抜き工事」自体は今回が初めてではなく、過去にも幾多の事例がある。中には相当悪質な事例も正直あるといわざるを得ない。こうした事例の数々が今回あらためて蒸し返されているが、事例の多くが被害者からみてゼネコンやデベロッパーに対して「事象の原因」を立証することが難しく、問題の根本的な解決になかなかつながらないことである。
http://biz-journal.jp/2015/11/post_12484.html
手抜き工事の立証と責任の所在は、「医療事故」に関わる争いと同様、被害者側に専門知識が乏しく、圧倒的に不利な立場から争わなくてはならず、異常に長くかかる裁判の過程で被害者側が「疲れて」「折れて」しまうのが実態だ。被害者となった住民の方々が気の毒なのは、住宅の場合はそれぞれの「生活」や「人生」が時の経過とともに「変化」してしまうことだ。こうした問題がたまたま「発覚してしまった」という認識があり、裁判になっても最後は勝てるといった考えが関係者の間にあるうちは、これからもどこかで同様の過ちが繰り返されることとなってしまう。

青田売り

私は今回の問題の根源は、「青田売り」と「ゼネコンによる設計施工の一括受注」にあるとみている。
「青田売り」とは建物完成前に売買契約を締結してしまう取引形態をいう。日本は戦後、圧倒的に住宅が不足する状態からの出発を余儀なくされた。戦後復興院の試算によれば国内では約420万戸もの住宅が不足する事態の中で、日本住宅公団(現UR)が中心となって住宅の「量的な充足」を最優先してきた。平成バブルまでの時代、住宅はつくれば「売れる」、「早め」に買えば「値上がり」するという環境にあり、人々は早く住宅を手当てしたいがゆえにむしろ積極的に「青田買い」で住宅を確保してきた。
一方、住宅を供給するデベロッパーにとっては「青田売り」は誠に都合の良いものであった。つまり、契約時に顧客から手付金を収受し、中間金、竣工時残金を受け取ることで、土地取得費、建物建設費の一部に充当することができ、資金繰りや工事期間中の期間金利の負担を軽減できたのである。いわば「買手」と「売手」の利害が一致してきたのが、これまでのマンション業界だったのだ。
しかし、現代の日本の住宅マーケットは「量的な充足」を終え、「質の充足」を求める時代になっている。にもかかわらず、マンションを購入する消費者は相変わらず、あたかもテーマパークと見まがうようなモデルルームを見学しただけで、自分で「見る」「触る」こともせずに何千万円もするような商品を買ってしまうのだ。そして、まだ更地である現地を見学して自分の住戸が存在することになるであろう空間を見つめて、建物の完成を夢見るのだ。
こうした売買形態は欧米ではほとんど見ることはない。彼らの常識として家を「青田」で買うなどという行為は、博打でもやっていない限りはあり得ないのだ。
では青田売りの何が悪いのだろうか。まず、建物完成前に契約をするということは、契約当初から「完成引渡し」について顧客と約束することになる。「3月末引渡し」と契約書で取り交わせば、デベロッパーにとっては3月末の引渡しは「絶対に守らなければならない期限」となる。ここで工期が動かせなくなる。いっぽう顧客とたとえば4000万円で契約書を交わすことで、「売り上げが確定」することとなる。
したがって、当初想定した建設費の範囲で工事が行われなければ、追加コスト分をもはや顧客に転嫁することはできなくなる。ただでさえマンション事業は純利益率が5%程度の利幅の薄い事業。建設工事中での建設費の上昇は許されなくなる。売り上げが決まって、引渡し日が確定することによって、マンション事業ががんじがらめになる。設計上は問題ない工事であっても、想定外の事態は発生するものである。
ところが事業の構造上、引き返すことができないのがこの「青田売り」である。どうにも動かせない事業構造のしわ寄せが結果的に「データの偽装」にまで至ってしまうことについては、改めなければならない。

設計施工の一括受注

問題のもうひとつの根源が、「ゼネコンによる設計施工の一括受注」である。建物を建設する場合、設計と施工は分離して行うのが世界の常識である。米国では設計と施工の関係を「Police(警察)」と「Robber(泥棒)」で表現する。施工が「泥棒」であるとはまたずいぶんな表現であるが、施工者は放っておくと「悪さ=手抜き」をする可能性があるという「性悪説」に基づいている。設計は常に施工を見張り、設計通りに施工されることを常に監視する。施工側は設計に無理がないか、現場の状況も伝えることで互いに良い建物を建設していく。この良い意味での緊張関係の中で建設が行われるのが、欧米では常識である。
ところが日本のマンション建設現場の多くが、ゼネコンによる設計及び施工業務の一括受注である。なぜ一括受注なのか。「安い」からだ。設計業務を設計会社に単独で発注をするよりも、一括でゼネコンに発注するほうが業務も効率的になり発注価格も安くなるからだ。マンションは末端の商品価格が決まっているものなので、「一括発注」によって安く効率よく建物を建設して引き渡してしまおうという発想が、ゼネコンへの一括発注につながるのだ。そしてゼネコン側では、この「良い意味」での設計と施工の緊張関係がどうしても甘くなってしまう。同じ会社なので致し方ない。こうした現場の緊張感の緩みが、工期と建設コスト厳守のプレッシャーの中でデータを偽装してまで仕事を片付けようとする体質を生み出しているのだ。
大手デベロッパーが建設する自社所有のビルは、ほとんどすべて設計と施工業者を分離して発注しているはずだ。自社が運用するビルであるから、ゼネコンに勝手にやらせるわけにはいかないからだ。
この「青田売り」の廃止と「設計・施工の分離発注」を行い、マンションはすべて竣工後の販売にすれば、おそらくこの種の事件はかなり減少するはずだ。

買わないという選択

ただし、顧客の側にも覚悟しておくべきことがある。デベロッパー側は建物竣工まで資金が入ってこないので、期間中の金利、工事等のやり直しを含む建設費用のアップ分を含め、すべての費用が最終価格に上乗せされてしまうことだ。また、タワーマンションのような大型物件は資金繰りに余裕のある大手デベロッパーしか供給ができなくなり、結果的にマーケットは大手による寡占化が一気に進むかもしれない。
しかし、多くの人にとっては一生に一度ないし二度の「大きな決断」で買うマンション。よく見極めて自身の目でしっかりと確かめてじっくり選ぶ、これでよいのではないだろうか。その分の価格アップは、今回のような事件を二度とおこさせないための保険料であると考えることはできないだろうか。高いと思えば買わない選択だってあるのだ。日本には今空き家が820万戸もあるのだから。
(文=牧野知弘/オラガHSC代表取締役)
●牧野知弘(まきの・ともひろ)
オラガHSC代表取締役。金融・経営コンサルティング、不動産運用から証券化まで、幅広いキャリアを持つ。 また、三井ガーデンホテルにおいてホテルの企画・運営にも関わり、経営改善、リノベーション事業、コスト削減等を実践。ホテル事業を不動産運用の一環と位置付け、「不動産の中で最も運用の難しい事業のひとつ」であるホテル事業を、その根本から見直し、複眼的視点でクライアントの悩みに応える。

杭データ偽装物件、売買時の説明を義務化 旭化成建材分
峯俊一平、下山祐治
2015年12月3日10時51分

旭化成建材による杭工事のデータ偽装が判明したマンションを売買する際、買い手に偽装の事実を伝えることを、国土交通省が売買を仲介する不動産会社に義務づけた。買い主を保護するのがねらいで、違反した業者や担当者には、行政処分や刑事罰を科すこともできる。自殺者が出た物件などと同じ扱いとする。
国交省は、旭化成建材によるデータ偽装が判明した約70のマンションなど民間の集合住宅について、売買を仲介する場合、原則として契約前に買い手に示す「重要事項説明書」に偽装の事実を記入し、買い手に説明するよう不動産の業界団体に指示した。

データ偽装の事実が、宅地建物取引業法で購入者に必ず説明しなければならないとしている「重要な事項」に当たると判断した。ただし、杭が固い地盤に届いているなど、安全性が今後証明されれば、買い手からの問い合わせに回答すればよいことにするという。
旭化成建材以外の杭打ち業者によるデータ偽装があった物件については、買い手からの問い合わせがあれば、偽装の事実を説明する責任を負わせるのにとどめた。国交省の担当者は「不良施工が見つかっていないため」としている。今後問題が見つかれば、旭化成建材と同じように説明を義務づけることも検討する。
今回の指示は、中古マンションの売買価格にも影響を及ぼしそうだ。都市未来総合研究所の平山重雄・常務執行役員は「危険性がはっきりしなくても、買い手は偽装がある物件には不安を抱く。価格の押し下げ要因になる」と指摘する。安全性が確認されるまで、こうした物件の売買が難しくなる可能性もある。(峯俊一平、下山祐治)

http://www.asahi.com/articles/ASHD25X16HD2ULFA02V.html

三井住友建設、旧建物より短い杭の使用指示していた 横浜傾斜マンション
2015.12.03

杭打ちデータ改竄問題の発端となった横浜市の傾いたマンション建設の際、設計や施工をした三井住友建設が、マンション建設前に解体された旧建物の一部で18メートルの杭が使われたことを知りながら、14メートルの杭を使うよう旭化成建材に指示していたことが2日、共同通信が入手した解体図面などで分かった。三井住友建設が設計段階で、長い杭の必要性を想定できていた可能性が強まった。
杭打ちを実施した下請けの旭化成建材は「解体について事前に知らされていなかった。地中に残った杭の残骸を支持層(固い地盤)と誤認した可能性もある」としている。
三井住友建設は取材に対し、旧建物の杭が18メートルだったことを事前に知っていたと認めた上で「相当数実施した地盤調査結果に基づき、杭の設計を行った」とする一方、「杭の引き抜きや、その後の地盤改良工事についてはコメントを控えたい」としている。
これまで三井住友建設は傾きに関し、14メートルの杭8本が約16メートルの支持層に届いていないか、十分に根付いていないためと説明。設計ミスはなく、杭のデータを改竄した旭化成建材の施工ミスを指摘していた。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20151203/dms1512031203011-n1.htm

杭データ改ざんで年内に中間報告、国交相強調

全国で杭打ちのデータ改ざんが相次いでいる問題で、衆議院の国土交通委員会は、閉会中審査を行い、石井国土交通大臣は年内に再発防止策などの中間報告をとりまとめる考えを改めて示しました。
「旭化成建材」をめぐっては、全国で360件のデータ改ざんが明らかになっていますが、このうち横浜市のマンションの施工管理者が関わった物件など82件の建物について、国土交通省が先行して安全確認を求めています。
石井国土交通大臣は、このうち56件については、施工記録などから杭が固い地盤に届いているかどうかの結果を、今週中に公表する考えを明らかにしました。
「徹底的に原因究明を進め、再発防止策を早急に検討する」(石井啓一国交相)
また、石井大臣は一連のデータ改ざん問題について、年内に再発防止策などの中間報告をとりまとめる考えを改めて示しました。(03日11:19)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2650083.html

傾斜マンション、三井住友建設は旧建物より4m短い杭を設計

横浜市のマンションが傾いた問題で新たな事実です。マンションを設計した三井住友建設が、以前に建っていた建物では18メートルの杭が使われていたことを知りながら、それより短い14メートルの杭を使うよう指示していたことがわかりました。
なぜマンションは傾いたのか?その原因の1つとされる杭の長さについて、新たな事実が明らかになりました。

「杭の未到達の原因の一部分になろうかと思います」(横浜市の会見)

横浜市などによりますと、マンションの敷地にはかつて別の建物が建っていて、一部の杭の長さは18メートルでした。しかし、現在のマンションで、三井住友建設はその事実を知りながら、ほぼ同じ場所の杭を14メートルで設計していたのです。この問題で、横浜市は3日、三井住友建設に設計ミスではなかったのかと問いただしたといいます。
「昔の杭が18メートルだが、今回の横浜のマンションは14メートル。設計ミスではないか。(三井住友建設は)設計ミスとは考えていない。地盤調査で想定される支持層の深さに基づき設計している(と回答)」(横浜市の会見)
また、国土交通省の関係者は、三井住友建設の問題点を次のように指摘しています。
「古い建物の杭を抜いた後は、固い地盤が軟らかくなってしまう。きちんと地盤の改良は行われたのか。本当にこの場所に今回の杭を打つのが適切だったのか。慎重な設計が必要だったのは間違いない」(国交省関係者)
今後、三井住友建設からさらなる聞き取りを行う方針です。(03日16:56)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2650336.html

三井住友建設、“短い杭”を指示 傾斜マンションで(2015/12/03 11:56)

横浜市でマンションが傾いていた問題で、元請けの三井住友建設が、以前に建っていた建物では18mの杭が使われていたことを知りながら、それより短い14mの杭を使うよう指示していたことが分かりました。
三井住友建設によりますと、マンション建設前の工場の建物では、一部で18mの杭が使われていました。当時の設計担当者はこのことを知りながら、地盤調査などの結果から、それより短い14mの杭にするよう旭化成建材に指示していたということです。三井住友建設は「実際に杭の長さを確認するのは、あくまでも旭化成建材だ」としています。傾いたマンションでは、8本の杭が十分な長さに達していなかったことが分かっています。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000063675.html

TPP、杭打ち偽装めぐり閉会中審査で政府追及(2015/12/03 11:52)
臨時国会の召集が見送られた国会では3日、TPP(環太平洋経済連携協定)対策や杭打ちデータの偽装問題などを巡って閉会中審査が行われています。
(政治部・原慎太郎記者報告)

民主党は、TPPの合意内容について「国会決議が守られていない」と追及しました。
民主党・佐々木隆博議員:「国会決議とどう考えても整合はしていないというふうに思うんですが、何をもって国会決議が守られたというふうにお考えなのか」
甘利TPP担当大臣:「我々の血の出るような努力の成果をどう評価頂けるかは国会の判断」
また、民主党は、落花生や加工用トマトについて、政府が2年前に「影響がある」としていたものを、現在、「影響がない」と説明していることはおかしいと指摘しました。一方、国土交通委員会では、民主党が杭打ちデータ偽装問題について、現在、企業の自主性に任されている点検を国交省が確認指導を強化すべきだとただしました。これに対して、石井国土交通大臣は「再発防止策の検討を加速させ、年内取りまとめに向かいたい」と述べました。4日以降も連日、衆参両院で閉会中審査が行われる予定です。震災復興の特別委員会では、先月の予算委員会に引き続き、野党が高木復興大臣のスキャンダル問題を追及します。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000063665.html

民主党
2015年12月03日 15:33
【衆国交委】「くいデータ偽装問題」等を追及 本村、宮崎両議員

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衆院国土交通委員会の閉会中審査が3日行われ、本村賢太郎、宮崎岳志両議員が質疑に立った。
本村賢太郎議員
本村議員はマンション等で建物を支える基礎の杭打ちに関するデータが偽装される問題が全国で相次いでいる件を取り上げた。
横浜市のマンション等の事例に関して、「事実についての調査のスピードが遅い。業者の自主点検ではなく、関係省庁が対応すべきだ」と述べ、また「地盤調査は、今後戸建てを含めたすべての建物について必要ではないか」として政府に対応を求めた。

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宮崎岳志議員
宮崎議員は、同じく「杭打ちデータ偽装問題」について、「偽装があったことは明らかになったが、実際に支持層に届いていないケースがどのくらいあるのかわからない。安全性の確認、現場の調査が必要だ。杭以外にも不具合の原因があるはずだ」として、政府に対し業者への厳格な対応を行うよう要請した。

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http://blogos.com/article/147882/

2015.11.13 20:18
「残念。また増えるのか」 奈良県担当者らため息 知事は「メーカーと国がやれ」

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旭化成による3040件の調査の流れ
旭化成建材による杭打ちデータ偽装事件に関し、同社が過去に杭打ちで携わった奈良県の22件のうち、公共施設1件でデータの流用が判明した。担当者は「非常に残念。まだ調査されていない物件もあるが、これ以上増えないことを祈っている」とため息をつく。
今後は国土交通省からの通知に基づき、公共施設の所有者である自治体に対し、建物にひび割れや亀裂がないかなど、安全性を調査して県へ報告するよう求める。
この問題について、荒井正吾知事は「メーカーが基本的に対処すべきこと。直接の指導は国の担当課になる」とし、推移を見守る方針を示している。
http://www.sankei.com/west/news/151113/wst1511130076-n1.html

2015.11.13 21:46
「安全とは限らない」と滋賀県担当者 東近江市の配水池でもデータ流用

旭化成建材が杭(くい)打ちで携わった2件の工事でデータの流用が明らかになった滋賀県。うち1件は、東近江市の八日市低区第2配水池であることが県や市への取材で分かった。残る1件は民間施設という。
同市水道課によると、データの流用があったのは、配水池のタンクを支える杭110本のうち2本。目視などでは明らかな危険性は確認されなかったが、担当者は「必ずしも安全とはかぎらない。配水池は水を供給する大事な施設で、場合によっては市民生活に影響が出ることもありうる。今後さらに詳しい情報を求めていきたい」と話している。
一方、県建築指導室の担当者は「現時点ではデータの流用があったというだけで、それが即座に危険な建物というわけではない。むしろ風評被害が広まる方が怖い」としており、今後調査の動向を注視するという。
http://www.sankei.com/west/news/151113/wst1511130090-n1.html

杭打ちデータ偽装
安全確保へ検査体制の整備を

横浜市の大型マンションの傾きに端を発して明らかになった旭化成建材の杭(くい)打ち工事のデータ偽装は、公営住宅や学校など全国各地の公共施設にまで波及し、国民は不安を募らせています。横浜市のマンションの現場責任者だけでなく旭化成建材の社員数十人が偽装に関与した疑いや、同社以外の工事でも偽装を指摘する証言が報じられるなど建設業界の構造的問題として広がりをみせています。

民間任せで問題見抜けず

建物の安全性について、建築基準法は「国民の生命、健康及び財産の保護を図る」として、地震などに対して安全な構造にするために必要な基準を定め、それに適合させることを求めています。
元請け建設業者には、施工管理を行う監理技術者を置き安全を確保する責任があります。今回の問題では、建物の安全にとって最も重要な基礎杭が支持層(強固な地盤)に届いておらず、杭を固定するコンクリートのセメント量のデータも偽装していました。施工主(元請け)の三井住友建設の監理責任が果たされていたとはいえません。なれ合いの疑いも指摘されています。
建築士には、建築法令や条例で定める基準に適合するよう設計、監理することが義務付けられています。今回はこうした安全確保のための法制度がまったく機能していなかったことを示しています。
建物の安全性を確保すべき行政が、偽装を見抜けなかったことは深刻です。1998年の建築基準法改定で、それまで地方自治体の建築主事が行っていた建築確認検査を、民間の「指定検査機関」でも可能にするなどした建築行政の規制緩和が背景にあります。施工主である多くの建設会社は、自社と関係が深い民間検査機関に検査を任せているのが実態です。
日本共産党は、こうした民間任せの“丸投げ”が「安かろう、悪かろう、極端な場合は手抜き検査ということが横行しないか」と警告していました(98年5月15日衆院建設委員会=当時)。その後、2005年におきたマンション耐震強度偽装事件は、民間任せの危険性を浮き彫りにしました。今回大規模なデータ偽装が再びおこったことは、問題を事実上放置してきた国、自治体の責任が問われる事態であることは明白です。
建設業界の重層下請け構造も、偽装発見を困難にし、責任の所在を不明確にしています。横浜のマンションでは、販売主の三井不動産レジデンシャルが工事を発注し、元請けの三井住友建設が日立ハイテクノロジーズに下請けさせ、さらに旭化成建材へ下請けさせていました。販売期日を優先する元請けが、完成を急がせたことが、下請けの手抜きを助長し、偽装を見抜けなかった原因と考えられます。

国・自治体は責任果たせ
販売主、元請け、下請けなどは全容の公表、原因と責任の究明を急ぐべきです。住民への被害補償など誠意ある対応も必要です。
国土交通省は旭化成建材へ立ち入り検査を行い、再発防止策を検討する有識者委員会も立ち上げました。国・自治体は、徹底解明とともに、再発防止にむけて安全性確保のための建築確認検査についての体制整備、中立・公正な第三者による検査体制の確立など抜本的改善を図り、国民への責任を果たすことが求められます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-10/2015111001_05_1.html

杭打ち偽装問題の今、あえて激安で施工不良マンションに入るという選択

杭打ち偽装問題が話題だが、多少の不良なら黙認できるという人もいる。編集部では、あえて施工不良のマンションを購入した人を取材してみた。
些細な不良は価格交渉材料に使え! マンション格安取得術
三井不動産系や旭化成系に大ダメージを与え、さらに業界各社にも波及しそうなマンションの杭打ちデータ不正問題。いち早い対応が望まれるも、資産価値ダウンを考えると該当マンション住民も大きく告知されるのを躊躇するのが現実だ。いま、日本の建築の信頼性が揺らいでいる。

しかし、あえて施工不良・手抜きと言われるマンション物件に入る人たちも存在する。
住民の1人が「欠陥」をあげつらうホームページまで開設しているマンションに中古で入居した人に話を聞いてみた。
「とにかくグレードの高い物件を、相場よりはオトクに買えました。そこの欠陥と言われているものは、事件のような建物が曲がるレベルのものではなく、配管の不良で修理対応できるレベルなんですが、全戸ではなくたぶん1戸だけなんですよね。そのため気にはしていましたが入居は止めませんでした。(その1戸は)迅速に修理されなくてこじれたんだと思います。どこの管理組合でも人が集合して住んでいる以上、そのくらいのトラブルはあるでしょう」(Aさん)
――欠陥があると値段以外にはどんなメリットがあるんでしょうか。
「販売業者に対して強気に出れますし、既出の問題がわかっているだけに、同じような問題がうちでも再発しないかチェックも厳重にできます。そして短期間ですが瑕疵の保証もつきましたし。中古の場合、経年でほとんど問題は出尽くしています。管理組合議事録を読めばおおむね状況はわかりますし、これ以上のトラブルはないと思います」(同)
――問題は、売る時も安くなってしまうのではないかということですが…。
「買い値が安いわけですから、要はずっと住み続ければ得なんです。ただ売却する場合でも、ネットでの風評に動かされる人って意外とわずか。他の部屋も動いていますし、不安はないですね。告発HPも30年後まであるとは思えないので、気にしていません」(同)
家が曲がるレベルだと黙認はできないだろうが、それほど大きくない問題であれば、あえて欠陥に目をつぶり、中古で安く買うという方法もあるのだ。
(文・安井 亜羽)
http://okmusic.jp/#!/news/98506

「日本の『建築神話』を粉砕した」と中国メディア 杭打ちデータ偽装問題、インフラ輸出にも影響か
サーチナ11月20日(金)16時5分

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中国共産党機関紙の人民日報の電子版は19日、日本の「杭打ちデータ偽装問題」を紹介し、「日本建築の『高品質神話』は信用の危機に直面している」と伝えた。(イメージ写真提供:123RF)
中国共産党機関紙の人民日報の電子版は19日、日本の「杭打ちデータ偽装問題」を紹介し、「日本建築の『高品質神話』は信用の危機に直面している」と伝えた。同記事の主張は「高品質」を掲げる日本のインフラ輸出にも影響を与えることを示唆した。
15日よりトルコで開催されていた主要20カ国・地域(G20)首脳会合では安倍首相はインフラ投資について「日本は高価格だが、高品質で長持ちのする『質の高いインフラ投資』を広げていくべきだ」と述べた。
中国では日本製品の品質の高さを称賛する声がよく聞かれる。日常用いる医薬品、炊飯器などの身近な家電から、消防車など特殊な自動車、果ては交通インフラの品質まで称賛している。中国人観光客が日本製品を「爆買い」することも、品質を称賛していることの表れともいえよう。
一方でその品質を疑う声も少なくない。日本製品を「盲目的」に称賛しすぎだとの声も聞かれる。疑うだけでなく中国製品の品質は同等かそれ以上だとする主張もある。同主張は日本と中国がインドネシア高速鉄道の受注をめぐり争い、中国が勝ち取ったことを根拠にする場合が目立つ。
中国共産党機関紙の人民日報の電子版は19日に、日本の「杭打ちデータ偽装問題」を「日本建築の『高品質神話』は信用の危機に直面している」との見出しで紹介。同記事では「日本の建築物はこれまで『頑丈で壊れにくい』と言われてきた」と説明。「高品質」をスローガンに、インフラ施設の売りこみを行ってきたことに対し、「『偽装スキャンダル』は間違いなく日本の建築神話を打ち砕いた」と述べた。
人民日報が報じた内容は、「杭打ちデータ偽装問題」が国内にとどまらず、国外に波及することを示唆している。信頼を生み出すのには長い時間がかかるが、崩れるときは一瞬だ。そして日本とインフラや高速鉄道の輸出で争う中国が「メイド・イン・ジャパン」の強みに“ヒビ”がはいったのを黙ってみているとは思えない。(編集担当:大平祥雲)(イメージ写真提供:123RF)
http://news.biglobe.ne.jp/international/1120/scn_151120_5085579659.html

ゼネコン異例の好決算でも“喉に刺さった”杭問題
週刊ダイヤモンド編集部
2015年11月25日

「中間決算が開示された2000年度以降、売上高とすべての利益が過去最高となった」(渡辺英人・清水建設経理部長)。「(通期では)中期経営計画の水準を上回る見通しで、かなり出来すぎ」(奥田秀一・大成建設経理部長)――。
11月9、10日に相次いで公表された上場大手ゼネコン4社の16年3月期の中間決算。10月以降、上方修正が相次いでいたとはいえ、下図のように好調ぶりを物語って余りある結果となった。

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理由は大きく二つある。まず、デフレ期に安値で受注し、その後の建設コストの急上昇により採算割れに陥っていた工事の多くが竣工期を迎え、彼らの手を離れたことだ。
次に、東日本大震災以来続いていた労務費の上昇が、今年3月以降は収まったこと。もっとも、労務費は高止まりしたままだが、その分を上乗せした受注が進んでおり、決算に反映されている。ゼネコンは従来、決算見通しを保守的に見積もる傾向があるが、今回の中間期で追加工事の契約が進み、これらを計上できた面は大きい。
結果、ゼネコン各社の決算は絶好調が相次いだ。とりわけ不採算工事を数多く抱えていたとされる鹿島ですら、他社に比べればまだ見劣りするものの、利益水準は前年同期と比べて大きく回復した。
とはいえ、順風満帆ぶりがこのまま続くとは、必ずしも言えそうにない。
というのも、東京都心の複数の大型開発プロ
横浜市都筑区の傾斜マンション問題が発覚して以降、旭化成は今月13日、子会社の旭化成建材が過去10年に手掛けた全3040件の工事のうち、少なくとも266件でデータ改ざんがあったと公表した。もっとも、旭化成建材が手がけた工事の内、18日現在で、データ改ざんだけでなく杭の施工不良建物の不具合が見つかったのは、横浜市都筑区のマンション1件だけだ。
ところが、問題は拡大を続け、杭製造・施工大手のジャパンパイル社もデータ流用を認め、約1万件の物件を対象に調査する方針を表明した。一連の杭偽装問題は、旭化成建材にとどまらず業界全体に波及し始めている。
今後、国の制度変更などで杭打ち工事の監理や検査が厳しくなれば、元請けであるゼネコンにとってコスト増となって跳ね返ってくることになるだろう。
それだけではない。横浜市のマンション傾斜問題では、売主の三井不動産レジデンシャルが、全棟建て替えや慰謝料の支払いなど破格の対応を提示。このことが、ゼネコン各社を震撼させている。
傾斜問題の責務の大半は、元請けである三井住友建設や、その下請けである旭化成建材にあることは論をまたない。だが、その責任を巡って旭化成と元請けの三井住友建設の主張が対立、泥仕合を繰り広げる事態に発展している。責任の所在によっては、建て替えなどの費用を負担させられることになるからだ。
横浜市にある別のマンションで杭工事のミスを公表している準大手ゼネコンの熊谷組は、今期中間期決算で「偶発損失引当金」として約14億円を計上したが、負担の総額はまだ決まっていない。熊谷組のみならずゼネコン、不動産業界が「今後のモデルケースになるかもしれない」と戦々恐々としながら、交渉の行方を見守っている状態だ。
工事のコスト増だけでなく、施工ミスとわかれば莫大な費用負担に見舞われる「杭」の問題は、好決算に沸くゼネコン各社の喉元に深く突き刺さっている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)
2015.11.11 01:53
建設下請け実態調査 くい偽装で国交省、弊害を是正

横浜市都筑区の傾いたマンションに端を発するくい打ちデータ偽装問題を受け、国土交通省は10日、建設業の下請け構造の実態解明に向けて調査する方針を固めた。数次にわたる重層的な構造が問題の一因とも指摘されているためで、管理責任の不明確化や下請けへの負担のしわ寄せといった弊害をあぶり出すことで行き過ぎた下請け構造を抑制。建設業の生産性向上につなげる狙いがある。
平成28年度予算に調査関連費用を盛り込む方針。調査では、国内で実施された建設事業のうち、下請けの次数が標準を大幅に上回る案件を抽出。個々の現場について契約内容やトラブルの発生状況などを洗い出した上で、トラブルと下請け構造との因果関係を分析し、再発防止につなげる。
国交省はこれまでも、工事ごとの施工体制などを調査し、工種や規模別などで下請け構造の分類を進めてきた。この蓄積されたデータを基に、各現場の下請け構造が「標準的」かどうかを判断する。調査ではまた、元請けから下請けへの代金支払いの実態などについても把握する。
建設現場では近年、施工技術の高度化が進み、専門性や分業による効率化の観点から、一定の下請け構造が不可避となっている側面がある。一方、下請け発注に伴う間接経費の増加が、建設事業の生産性低下につながるなど、構造的な課題も指摘されている。
横浜市都筑区のマンションでは、元請けである三井住友建設の担当者が現場にいたとされるが、結果的に2次下請けの旭化成建材によるデータ偽装を防げなかった。下請けの重層化で指揮系統が複雑になれば管理責任があいまいになるだけでなく、現場の意見が反映されにくい土壌が醸成され安全性が揺らぎかねないと国交省は問題視している。
http://www.sankei.com/affairs/news/151111/afr1511110001-n1.html

傾きマンション、国交相「詳細なボーリング調査を」

横浜市のマンションが傾いている問題で、石井国土交通大臣は、杭が固い地盤に届いているかどうかを確認するため、「詳細なボーリング調査を行うべき」という考えを改めて示しました。
「安全性の確認というのは書面等でできればいいのですが、やはり現地をきちんと調査せざるを得ないのではないか」(石井啓一国交相)
石井国土交通大臣は閣議後の会見で、横浜市のマンションの安全性は施工記録などでは確認できないという認識を示した上で、「詳細なボーリング調査を行うべき」という考えを改めて示しました。
また、横浜市のマンションでデータを改ざんした「旭化成建材」の施工管理者が関与した建物など11件についても、安全性を確認するため「ボーリング調査」を実施する予定を明らかにしました。(01日14:48)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2648460.html

建築紛争
2015年10月29日 11時18分
マンション傾斜で三井不動産が「補償案」――建築専門弁護士「ある程度充実した内容」
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傾きが発覚した大型マンション
三井不動産グループが販売した横浜市都筑区の大型マンション「パークシティLaLa横浜」(2007年竣工)で、4棟のうちの1棟が傾いていることが発覚し、建物を支える杭打ちのデータが改ざんされていたことがわかり、大きな問題となっている。マンションを販売した三井不動産レジデンシャルは10月27日、住民に対して補償案を示した。
報道によると、マンションを建て替える場合は、傾きが発覚した1棟を含む4棟すべての建て替えを実施する。建て替え後、住民は以前と同じ部屋に入居することができ、工事の間の仮住まいにかかる家賃や引っ越し代金などは、すべて三井側が負担する方針だという。また、転出を希望する住民については、建て替え後の新築販売価格で買い取るという提案をした。
問題のマンションでは、建物を支える52本の杭のうち、少なくとも8本が強固な地盤に届いておらず、地盤に打ち込まれた深さが不足していた。ところが、施工した旭化成建材がデータの改ざんをおこなっていたため、建築時の検査で見抜くことができなかった。元請けの三井住友建設の地盤調査によると、傾いた棟に新たな施工不良は見つからなかったという。今後は、残りの3棟でも調査を進める予定だ。
今回のようなケースで、住民はどう対処すればいいのだろうか。また、補償については、どう考えればいいのか。建築紛争の問題に詳しい福島敏夫弁護士に聞いた。

●「データの改ざん」と「建物の安全性」は別の問題
「住民の方は、こういうときこそ、できる限り冷静になって事態に対処してほしいと思います。
念頭に置いてほしいのは、『データの改ざん』と『建物の安全性』とは別の問題であるということです。
今回問題になっている建物の傾きは、現状では、ただちに危険なレベルまでは達していないようです。また、通常、建物の構造計算は、かなり安全性を重視しています。
現在住んでいる建物に傾き等の不具合が特にみられないということであれば、基本的には、施工会社の調査結果を聞くまでは、安心して住み続けてもよいと思います。
その一方で、今回の問題がマンション建設業界一般の問題ではなく、特定の人物が行った異常な事態であるというのであれば、事業主や施工会社側はよく協力して、速やかに改ざんの有無の調査報告を行い、建物の安全性に問題がないということを証明してほしいです。
そうでなければ、市民の不安はいつまでも、取り除かれることがないのではないでしょうか」

●住民との「合意形成」をいかに円滑におこなうかが課題
三井側から補償案が示された形だが、法的責任については、どう考えればいいだろうか。
「さきほどの繰り返しになりますが、杭工事のデータ改ざんの問題と建物の安全性の問題は、切り分けて考える必要があります。
そして、厳密には、建物に『瑕疵(かし)がある』とか、『安全性が確保できていない』ということが証明されて初めて、事業主の法的責任を問うことができることになります。
しかし、今回は事業主が任意で補償の対応を行うとのことです。その点では住民の方々の負担は軽減されたと言えるのでないでしょうか」
住民に提示された補償の内容については、どう考えればいいだろうか。
「データ改ざんによって住民の方々の信頼を損ねたということもあってか、項目を見る限りは、ある程度充実した内容という印象を受けます。
しかし今回のような大型マンションでは、住民の方々の置かれている状況はそれぞれ異なり、合意までにかかる時間もさまざまですので、最終的にいつどのようにして納得のいく補償額を算出するのか、という問題は残されたままです。
合意形成までにいたずらに時間を費やすようなことになると、さらに住民の方々からの信頼を損なうことにもなりかねませんので、いかにして企業の社会的責任を果たしていくのか、これからの事業主の対応を注目していきたいです」
そのほか、現状では、どんな点が課題として残っているのだろうか。
「区分所有建物の権利関係は複雑です。そうした中で、建て替えに向けて合意形成をどのようにして円滑に行うのかという点は課題でしょう。
また、事業主側についても、売主と複数の施工会社との間で責任をどのように分担するのかという点も明らかになっていません。残された課題は多いと言えそうです」
https://c1012.bengo4.com/9/n_3869/

傾斜マンション問題「丸投げ」された管理組合 深夜2時まで話し合い
(更新 2015/12/ 2 11:30)

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全4棟の大規模マンションだが、登記上は1棟で、管理組合も一つ。傾いた棟とそれ以外の住民の間では、さまざまな利害が交錯する(写真部・馬場岳人)
全705戸の合意形成。横浜で傾きが見つかったマンションの管理組合に課された宿題だ。住む棟や家庭事情によって異なる利害を調整できるのか。理事2人が取材に応じた。
横浜市都筑区のショッピングセンターに隣接する大規模マンション。帰宅した幼稚園児が前庭を駆け回り、母親たちが笑顔で見守る。そんな午後の穏やかな日常風景を、705戸を擁する4棟の建物が悠然と見下ろす。
だが、いま住民たちの前には、「合意形成」という見えない壁がそそり立っている。
1棟の基礎杭の一部が支持層と呼ばれる強固な地盤に届かず、建物がわずかに傾いていることが報じられると、売り主の三井不動産レジデンシャルは「全棟建て替えを基本的枠組み」とし、精神的負担も含む損害を補償する姿勢を見せた。
だが「さすが三井」と持ち上げるのは早計だ。建て替えには仮住まいや権利変換などが伴う。このまま住み続けたいと切望する高齢者もいる。そのなかで住民総会を開き、所有者の5分の4以上の賛成で「建て替え決議」を成立させねばならない。合意形成の主体は、区分所有者で構成する「管理組合」だ。
現在、三井側からは四つの選択肢が住民に示されている。全棟建て替え、問題の棟だけの建て替え、補修、住戸の買い取り、である。この状況で管理組合はどう動いているのか。マンションを訪ね、2人の理事に会った。建設会社を定年退職した60代の理事Aさんが、見通しを語る。
「12月初旬に初めて管理組合主催で住民説明会を開きます。弁護士や有識者、横浜市の職員も呼んで、進め方などを話してもらう。頭を整理するためですね。その後、どの方法を選ぶか、住民に無記名でアンケートをとる。何度もアンケートをとりながら、相手方と条件をすり合わせ、ある程度進んだら、合意書を交わす。できれば半年以内に決議して、5~6年でやり終えたい」
なぜ、これまで管理組合が主体となって、住民に直接説明しなかったのか?
http://dot.asahi.com/aera/2015120100108.html
「われわれの意見を出し、これがいいと言えば、どこかとくっついているのではないかと勘ぐる人もいる。頭に血が上っている状態で、それは避けたかった」
Aさん自身は問題のない棟に住む。しかし、傾いた棟だけの一部建て替えには消極的だ。
「そこだけ建て替えたら、他の棟は資産価値が落ちる。私も、このまま住み続けたいですよ。ただし、十数年経てば老人ホームに行こうかな、という時期になる。売って出なきゃいけない。二束三文じゃねぇ……」
40代の理事Bさんは、売り主への不信感を募らせる。
「大まかな補償案を示して、あとは管理組合で決めろ、と丸投げ。でも、どっちの責任なのか。合意形成も、売り主が住民に頭を下げて同意をとれば、管理組合は臨時総会だけ開けばいい。それもせず、何でもかんでも丸投げしているようで……」
週1回ペースで開く理事会は、長時間に及ぶ。管理組合の役員は20人。仕事を終えて集まり、夜中の1時、2時まで話し合う。労力は計り知れない。三井ブランドと格闘しているようだ。

マンション傾斜問題「設計者の責任が見逃されてる」の声も
(更新 2015/10/26 16:00)

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旭化成建材と親会社・旭化成の経営陣は、記者会見で深々と頭を下げた (c)朝日新聞社 
横浜市内のマンションが傾いた問題で、杭工事を担った2次下請けのトップが頭を下げた。だが元請けや売り主が免責されるわけではない。
問題が明るみに出て約2週間。住民はあきれ返るばかりだ。
「報道以前の説明会では『傾いているけど、大したことはない』という姿勢でした。それが一転して、補修するとか建て直すとか、(旭化成の)会見でいきなり社長が泣き出したりとか……。本当に悪いと思っているなら、一軒ずつ謝罪に来るのが筋じゃないですか」(傾いた棟とは別棟に住む主婦)
横浜市都筑区の4棟からなる大型マンション。三井住友建設が元請けとして施工し、三井不動産レジデンシャルが2006年に販売を始めた。
異変が起きたのは昨年11月。住民が棟をつなぐ廊下の手すりがずれていることに気づき、三井不動産レジデンシャルに相談した。同社が調査すると、1棟の杭の一部が固い地盤(支持層)に届いていないことがわかった。
杭の施工担当は2次下請けの旭化成建材。4棟で全473本ある杭のうち、6本が支持層に届いておらず、2本は打ち込みが不十分だった。そればかりか、データの改竄も判明した。関与したのは、同社の現場責任者の男性社員。70本の杭について、杭が支持層まで届いたかを示すデータや杭のセメント量が偽装されていた。男性社員は「報告書を作る際に紛失したデータを偽装したが、不具合を隠すためではない」と話しているという。
http://dot.asahi.com/aera/2015102600071.html
法的な責任はどこにあるのか。欠陥住宅全国ネット幹事長の吉岡和弘弁護士によれば、住民は売り主には「瑕疵(かし)担保責任」を、元請けや下請けには「不法行為責任」を追及できるという。
「構造部分の瑕疵担保責任は、竣工後10年以内であれば、誰が瑕疵を作出したかを問わず、売り主が負うと定められています。また三井住友建設と旭化成建材は、住民と直接の契約関係はありませんが、建物としての基本的安全性を損なう瑕疵があれば、不法行為として責任を問えます。不法行為責任は連帯債務なので、元請けか下請けかを問わず、回収が容易な者に請求して賠償させることができます」
吉岡弁護士は「設計者の責任が見逃されている」とも語る。
「設計を担当した建築士は、現場の監理も義務付けられています。施工だけでなく、三井住友建設の建築士が設計・監理をしたとすると、監理者による施工への適正なチェック機能が働かなかった可能性があります」
三井住友建設広報室は、アエラの取材に「建築士は当社の社員」としたうえで、こう認めた。
「杭打ち現場への立ち会いは、各棟の最初の作業のときだけ。問題の杭が打たれた工期の後半は立ち会っていない」
※AERA 2015年11月2日号より抜粋

「仮住まい」なら控除ダメ?傾斜マンションの住民に戸惑いの声

問題が発覚したマンションの住民の間では、思いがけない負担が生じるかもしれないということで戸惑いの声が挙がっています。新築の住宅やマンションを購入した場合などに多くの人が利用するのが住宅ローン減税制度ですが、実は仮住まいに引っ越した場合にはこの制度が使えなくなる可能性が高いというのです。
マンションの住民に売主側から配られた2枚の紙。そこに書かれているのは、建て替えに伴う税金に関する考え方です。
Q.仮住まいへの移転後も現居における住宅ローン控除は適用可能か?
「原則、生活の本拠が移転してしまった場合、住宅ローン控除は適用されません」
仮住まいに引っ越した場合、横浜市の傾いたマンションの住宅ローン控除は、原則受けられないと示しているのです。
マンションに住む女性は、夫婦でおよそ3500万円の物件をローンを組み購入。毎年20万円ほどの住宅ローン控除を受けています。仮住まいに引っ越すことを検討していますが、控除が受けられない可能性があることに戸惑いを隠せません。
「仮住まいというのを好きでするわけではないし、この問題が起きなければもらえるはずのお金なので、それももらえなくなる。ローンは払い続けているのにおかしいんじゃないかと」(マンションの住民)
税金の専門家は、原則として適用の対象ではないとしながらもこう話します。
「できれば特別なケースとして、住宅ローン控除をとれるような形。やむをえない状況にあるので、個別に認めてもらえるようにメーカーを中心に交渉してもらえると良い」(落合会計事務所 落合孝裕税理士)
日曜日には有識者が参加し建て替えや補償についての住民説明会が開かれる予定ですが、思いがけない負担に住民の戸惑いはいまだ拭いきれないままです。(03日15:42)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2650337.html

2015年「ワースト謝罪」ランキング 1位は「傾きマンション問題」に
2015.12.02

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メディア対応の専門誌「広報会議」編集部は、ネットユーザーが選ぶ2015年の「ワースト謝罪」ランキングを発表した。1位はマンション傾斜問題で、2位はマクドナルドの異物混入だった。
11月11~13日にインターネット上で20~80代の男女500人にアンケートを実施。今年1~10月にあった個人や企業の不祥事12件の中から、印象の悪かった上位3つを選んでもらった。
傾斜が見つかった横浜市のマンションで、杭打ち作業に当たった旭化成建材の担当者が検査データを改ざんした問題が67・2%でトップ。「住民の気持ちを察するとやりきれない。謝罪も遅すぎた」などの声があった。
39・2%の人が選んだ日本マクドナルドの異物混入問題は、福島県の店舗でデザートに入っていたプラスチック片で子どもがけがをしたことが発覚。その後も混入の苦情が相次いだ。
3位は20年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムが撤回された問題で35・2%。広報会議の森下郁恵編集長は「大手優良企業による問題が目立つ1年だった」と振り返った。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20151202/dms1512021533007-n1.htm

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151204

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