杭データ改ざん事件151204

杭データ改ざん事件151204

旭化成建材の“改ざん”物件 買い手に説明を義務化(2015/12/03 13:04)

旭化成建材が杭打ちデータを改ざんしたマンションなどについて、国土交通省は、部屋を買う人に改ざんがあった物件であることを伝えるよう、不動産業者に義務付けました。
旭化成建材が約10年間で杭打ちをした民間のマンションなどの集合住宅のうち、約70件でデータの改ざんが発覚しています。国交省は、これらの物件を買う人に対して、安全性が確認されるまでは改ざんがあった建物であることを伝えるよう、不動産業界団体に指示していたことが分かりました。契約前の重要事項説明書への記載や、口頭で買い手に説明することを求めています。安全性が確認された後や、旭化成建材以外の業者が改ざんした物件に関しては、問い合わせがあった場合に答えればよいとしています。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000063679.html

マンション販売不振、原因は「傾き」だけ?
減少続くボリュームゾーンの供給

•秋場 大輔
2015年12月4日(金)

今年、首都圏のマンション新規供給戸数は期初予想の4万5000戸を下回り、4万3000戸程度にとどまる見通しだ。三井不動産レジデンシャルが横浜市都筑区で分譲した大型マンションで傾斜が見つかり、それがきっかけで消費者が購入を手控えたという側面もあるが、それだけなのか。長谷工総合研究所取締役で市場調査室長の酒造豊氏に話を聞いた。
(聞き手は秋場大輔)

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酒造 豊氏(みき・ゆたか)
長谷工総合研究所取締役市場調査室長
1986年、長谷川工務店入社、大阪支店マーケティング部配属。分譲マンション事業の市場調査、商品企画などに従事。90年、長谷工コーポレーションの社内組織である総合研究所に異動、分譲マンションを中心に住宅市場の需給バランス等の研究に従事。96年、長谷工、総合研究所を長谷工総合研究所として分社化。99年より現職。月刊誌「CRI」の編集人も兼務している。

今年のマンション販売の見通しは?
酒造:2013年、首都圏では5万6000戸強のマンションが供給されました。2014年はこれを大きく下回り4万4000戸強にとどまりました。今年は横ばいか微増の4万5000戸強が見込まれましたが、ここにきて供給戸数が減っており、最終的には4万3000戸台になるのではないかと見ています。
高額マンションは堅調ですよね。
酒造:はい。代表的なのは東京建物が目黒区で分譲したマンションでしょうか。総供給戸数は900戸あまりですが大規模再開発で地権者がいたので、うち661戸が分譲されました。7月に登録を開始しましたが、約4か月で完売しました。平均価格は1億1000万円超です。平均倍率が4倍を超え、最も人気があった住戸の競争倍率はなんと43倍です。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/120200095/?rt=nocnt
4000万円未満のボリュームゾーンの供給が減っている
しかしマンション市場全般に活況という印象はない。
酒造:そうなんです。今年1~10月に東京23区では1万3983戸のマンションが新規供給されましたが、前年同期比では5.3%減です。山の手エリアに限っていうと、供給戸数は前年同期比10.8%減の6774戸です。

なぜ供給戸数が減っているのですか?
酒造:一つはデベロッパーが供給時期を遅らせているからです。
三井不動産レジデンシャルが分譲したマンションが影響しているのですか。
酒造:その影響がないとは言いませんが、もともとデベロッパーは供給時期を遅らせ気味です。それの方が高く売れると考えているのではないかと思います。それよりも大きな原因は、いわゆるボリュームゾーンと言われる3000万~4000万円のマンション供給が減っているのです。
例えば2001年と比較してみましょう。この年、首都圏では年間に約8万戸が供給されました。このうちボリュームゾーンが占める割合は63.6%に達しました。2015年はこれが29%にとどまる見通しです。つまり、普通のサラリーマンに手が届くマンションの供給が減っているのです。近畿圏でも同じような現象が起きていると言えます。
話を首都圏に戻すと、今年1~6月までの半年で供給された4000万円未満の分譲マンションの戸数は5225戸。前年同期では6394戸ありました。1000戸以上減っているわけです。では6000万円以上の物件はどうかというと、今年1~6月に合計4621戸供給されました。前年同期は4285戸ですから増えています。
売れ筋の商品が出てこないっておかしいですね。
酒造:土地代と建築費の高騰が原因です。それならば土地代が東京23区に比べて割安な神奈川県や千葉県、埼玉県といったところで供給が増えそうなものですが、このあたりでの分譲物件が減っています。今年1~10月の新規供給戸数で神奈川県は前年同期比10.3%減、千葉県は同19.9%減、埼玉県は同0.9%減です。
消費者に「交通至便」のニーズが高まっている
こうした地域で供給が増えない原因は2つあると思います。一つは消費者に交通の利便性に対するニーズが高まっていること。もう一つはリーマンショックで新興デベロッパーが相次ぎ経営破綻し、郊外での物件開発能力が落ちたためです。その影響がいまだに残っているのか、郊外で分譲マンションを建設するとなると、デベロッパーに対して銀行の融資がなかなか実行されないという傾向があるようです。
2001年には年間8万戸の供給があった。しかし今は4万4000戸程度。これを持って需要が減っているというのは人口減が進んでいる以上、確かな話です。しかし売れ筋のマンションが出てこないから供給戸数が減り、マンション市場に活況感がないというのも事実。潜在需要はもっとあると思っています。
今後、4000万円未満のマンションが増える可能性はないのですか。
酒造:「交通至便」というニーズが消費者に高まっている。しかし、デベロッパーは、そのニーズに合致する分譲価格4000万円未満の物件を開発するのはかなり難しい。その結果、高額物件が堅調に売れているのに、その活況ぶりがボリュームゾーンに広がらない。今のマンション市場はそんな状況ではないでしょうか。
需要の盛り上がりがさらなる需要を生むのがマンション市場です。高額物件を1戸売って上がるのと同じ程度の利益を、ボリュームゾーンで稼ごうとすれば3戸ぐらい売る必要があります。だからデベロッパーに高額物件シフトの傾向がなきにしもあらずですが、局地的な活況というのはデベロッパーにとっても好ましい状況ではありません。
消費税再引き上げで来年は活況に?
交通至便な分譲マンションを購入するのなら、消費者側が目線を上げざるを得ないということですね。来年のマンション市場は今年と同じような形になるということでしょうか。
酒造:GDP(国内総生産)が2四半期連続で前年同期比マイナスとなるなど、景気指標で芳しくない数字が出ています。景気回復の実感が湧くどころか、遠のいている印象はあるかと思います。しかし、来年の春季労使交渉では3年連続の賃上げが争点になりそうです。来年になると消費税率の再引き上げが視野に入ってきますので、今年よりは盛り上がるような気がします。

データ偽装、マンション人気「傾き」も-発売延期や買い控え懸念 (1)
2015/11/18 11:18 JST

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(ブルームバーグ):超低金利などを背景に好調だったマンション発売は、横浜市の傾斜マンション問題が響き、暗雲が垂れ込めてきた。くい打ちデータ偽装が全国に広がっていることが判明し、消費者の間に買い控えムードが広がる中、デベロッパーは10月下旬に予定されていた物件の一部で発売を先送りした。年間の発売戸数も2年連続で前年割れの可能性が出ている。
不動産経済研究所が17日発表した10月の首都圏新築マンションの発売戸数は前年比6.5%減の2921戸で、当初見込みの3500戸を2割弱下回った。企画調査部の松田忠司氏は、「10月下旬に発売予定だった10件前後の大型物件が11月以降に延期された」と述べ、背景については「価格上昇によって遅らせていることもある」としながらも、データ問題で「顧客が来なくなったからとも推測される」と説明した。
15年の発売戸数は当初予想の4.5万戸を達成しない可能性があり、同氏は「4.5万戸はほぼ難しい。4万戸からどれくらい増えるかだ」と述べ、消費増税が響いた昨年に続くマイナスの可能性も示した。
問題が表面化したのは10月半ば。三井不動産レジデンシャルが06年に横浜のマンションを販売後、傾きが見つかった。三井住友建設が施工し、2次下請けの旭化成建材が打ち込んだくいの一部が硬い支持層に届いていなかった可能性が高いほか、くいに関するデータの転用や書き換えが判明。旭化成の調べでは、全国で266件のデータ偽装が見つかった。ジャパンパイルもくいの施工で6件のデータ流用が判明するなど、問題は業界全体に広がり始めている。
不動産コンサルタントのオラガHSCの牧野知弘社長は、くいデータ偽装問題のマンション市場への影響について「建設業界全体に構造上の問題があり、大型の建築物というのが本当に正しく建てられているのか社会的疑念が広がってくる」との見方を示し、「消費者の間にしばらくは様子をみようという流れが出てくるのではないか」と述べた。

発売延期に宣伝自粛
傾斜マンション問題を受けて、販売した三井不動産レジデンシャルはテレビCMや新聞広告を自粛している。くい打ちを手掛けた旭化成グループは宣伝・広告を自粛するとともに、都内で11月に予定していた新築マンション「アトラス市ヶ谷」(新宿区、総戸数48戸)の発売を延期した。
影響は業界全体に広がるとの懸念が浮上。住宅最大手の大和ハウス工業の大野直竹社長は、データ偽装問題は住宅・不動産業界にとって「信頼性を損なったという面で影響がある」と話した。マンション、商業施設、物流施設などの建設を手掛ける同社の営業活動に影響は出ていないとしたうえで、「今後の事態の進展を注意深くみていく」と述べた。
富士通総研の上席主任研究員・米山秀隆氏は、工事データの偽装が日常化していたことも考えられ、「旭化成のみならず他の企業にも広がっている可能性も捨てきれない」と述べ、不動産・住宅業界全体の信用低下につながる恐れがあると懸念する。

中小に影響も
建物の安全問題をめぐっては、05年の姉歯建築設計事務所による耐震強度偽装で、問題マンションを販売した中小不動産分譲会社のヒューザーが破産した例がある。オラガの牧野氏は、今回の問題でも「直接的に販売にストレートに響いてくるのは、大手よりも中小のデベロッパーに影響が大きいかもしれない」との見方を示す。
横浜の傾斜マンションでは建て替え費用や補償金などのコストが今後問題になる見通しで、牧野氏は「三井不動産であれば補償金額が払えるが、中小の対応はどうなのかという見方が出てくる可能性がある」と述べた。
不動産経済研究所の松田氏は、今後の先行きを見極めるには現時点では不透明な事象が多いとしたうえで「今回の問題はじわじわと、長引き、影響は数年に及ぶ可能性もある」と述べた。

関連ニュースと情報:トップストーリー:TOP JK 関連銘柄コード:1821 JP (Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd)3407 JP (Asahi Kasei Corp)5288 JP (Asia Pile Holdings Corp)
記事についての記者への問い合わせ先:東京 桑子かつ代kkuwako@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sree Vidya Bhaktavatsalamsbhaktavatsa@bloomberg.net 持田譲二, 平野和
更新日時: 2015/11/18 11:18 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXOXOL6TTDS401.html

[くい打ち不正] 根っこからたださねば
( 11/19 付 )
 
くい打ち工事のデータ改ざん問題は底なしの様相を呈してきた。実態調査を急ぎ、不正の根っこからたださねばならない。
発端は1カ月ほど前になる。横浜市の大型マンションの傾きで、旭化成が子会社の旭化成建材の施工不良を公表した。
その後、現場担当者50人以上が不正に手を染めていたと明かし、くい打ち業界大手のジャパンパイルもごまかしを認める事態になっている。
電流計の不調や操作ミスでデータを得られず、別のくいのデータを流用する。不正の手口は共通しているようだ。
ものづくりの現場で、あしき慣行がはびこっていた。業界ぐるみを疑われても仕方あるまい。
石井啓一国土交通相は記者会見で、業界団体に自主点検の状況をきょうまでに報告するよう求めると述べた。ようやく危機感を持ったように映る。
旭化成は先週末、過去約10年間で鹿児島県内の1件を含め、少なくとも266件にデータ改ざんがあったと発表した。横浜のマンション以外に傾きなどの報告はないとした。
今は問題ないかもしれないが、そのうち建物が傾いたりひび割れたりしないか。住民や利用者の間に不安は広がっている。国土交通省は一日も早く実態調査に乗り出すべきだ。
改ざんの背景として複雑な下請け関係や、各社の現場を転々とする担当者、工期厳守にコスト削減といった元請けからの圧力などが挙げられている。
不正はどこまで根を下ろしていたのか。見極めて再発防止に生かすためには、全面的な調査が必要になるはずだ。
国交省は施工不良を確認できたのが横浜のマンションだけとあって、「不安をあおりかねない」などと調査拡大に慎重な意見が多かった。
原因究明と再発防止策を検討する国交省の有識者委員会が動きだして早速、調査対象を広げる意見が出たのは当然である。
有識者委は年内に中間報告をまとめる。地震国に暮らす住民の不安を拭える内容にしなければ、あまり意味がないだろう。
横浜の傾斜マンションを施工した三井住友建設は先週の記者会見で、管理責任を認めて謝罪した。一方、「落ち度は必ずしもあったわけではない」と述べた。
元請け責任の明確化は、有識者委が検証する焦点の一つとなる。現場を信頼して任せきりにする。それが許されなくなったことは、すでにはっきりしている。
http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201511&storyid=71210

マンション価格高止まりに見る今後の市場動向
2015/12/03 in ZUU TOPICS, 不動産, 不動産動向

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(写真=PIXTA)
東日本大震災以降上昇し続けてきたマンション価格に、ここのところ異変が起きている。一部で価格の高止まりが見えてきたためだ。例年8月は夏場ということもあり供給は少なくなるが、今年の9月の首都圏における新築マンションの供給戸数は2430万戸と対前年比約27%減少し、8月の供給戸数よりも下回った。更に、10月の同供給戸数も6.5%減の2921戸と2ヶ月連続して減少した。
また、売れ行きの好不調のバロメーターともいえる初月契約率が9月にあっては約66%、10月においても同68.8%と、好調の目安となる70%をこちらも2ヶ月連続で下回った。これら供給の減少は当然ながら価格の先行き不透明感を反映しているものであり、各デベロッパーが供給の様子をうかがいながら調整を行っているとも読み取れる。
そして、ここにきての横浜における分譲マンションの杭施工不良による建物傾き問題。施工時における改ざんが発覚し、担当施工会社の一部の現場責任者の問題だけではなくなるなど、今後更なる問題発覚の恐れ、そして信用不安の拡大も懸念されており、マンションの販売動向に悪影響が出ることは避けられない。
そもそも、これまでのマンション価格の高騰に代表される特に都市部における不動産価格の上昇には大きく4つの要因があったと考えられる。
不動産価格上昇4つの要因
1番目が高齢社会における都心回帰による一極集中という現象。ダウンサイジングという、広くて手間のかかる住宅を処分し、アクセスの良い都市部へ引っ越すという「広さ」→「コンパクト化」、「自然」→「利便性」といった流れだ。もちろんこれにより地方における空き家が増える問題も関わっている。
平成25年に行われた「住宅・土地統計調査」では全国の空き家率は13.5%に上り、今後減ることはなく、2033年には空き家率が30%を超えるといった試算も出ている。(株式会社野村総合研究所調べ)「地方創生」という国の取組みとの整合性には課題もあるだろう。

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そして2番目にはアベノミクス効果による住宅購入環境の改善が挙げられる。依然続く低金利と住宅ローン減税の拡充、住宅取得資金の贈与税の非課税枠等による手厚い住宅購入支援施策の下、先行き見通しの明るさと一部賃金上昇が相まって活況を呈してきた。
3番目には、相続増税による節税対策だ。平成27年1月1日より相続税率が最高55%へと増税されたと共に基礎控除額が縮小された。簡単にいえば昨年の6割になったのだ。
それまでは、5000万円+想定相続人数×1000万円だったものが、3000万円+法廷相続人数×600万円となり、例えば夫が亡くなり妻と子2人が相続した場合には、単純に計算するとこれまでは8000万円までは対象にならなかったものが、今年からは4800万円以上で対象に成り得るということになる。
国税庁が発表する数字では、これまで実際に相続税を払った人の割合は、全国で4.2%程度。一番率の高い東京国税局管轄内も7%ほどだった。しかし、今後はこの率が1.5倍になると予想され、また相続税を支払う必要はないとしても、そのために特例の申告などを税務署にて行う必要のある人が、首都圏では5割にもなる可能性があるという。
http://zuuonline.com/archives/90505

相続税対策を名目とした「タワーマンション購入」も要因
ここに目を付け様々な営業攻勢をかけられてアパートの新築や自宅の建て替え、あるいは買い替え等によって相続税対策を行う人も相当数出てきた。「相続対策」をうたったセミナーはどこも盛況で、専門家から見るととても危険な不動産投資を行う人も多いのが事実。また、相続税対策を名目に「タワーマンション購入」を勧める者もいる。
この「タワーマンション購入」による節税だが、簡単にいえば眺望の良い上階の部屋ほど価格が高いという「タワーマンション」の特性を活かしたもので、こういう物件は当然ながら眺望・ロケーションの良い部屋ほど価格が高くイメージ的には億ションである。
一方「タワーマンション」でありながら低層階にはそれほどの価格がつかない。しかし、これら上階の部屋と低層階の部屋も広さが同じであれば税務上の評価額も同じ。土地の持分割合はそれぞれ部屋の広さで按分され、建物も同じ鉄骨鉄筋コンクリートであれば広さ×単価として計算される。同じ70㎡の部屋であっても低層階が5000万円で取引され、上階が1億円であるというケースは良くあることだ。相続税の計算をする場合に土地は「路線価」を用いて計算し、建物は「固定資産税評価額」を用いて計算されるが、これらの評価額は売買される金額よりもずっと安くなっている(例えば「路線価」は「公示地価」の8割程度)。
従って、購入金額が1億円であっても評価額は4000万円程度になるというもの。1億円の現金を相続すれば、そのまま1億円が相続財産としてなるものが、4000万円程度に軽減され、その後売却すればその差額分だけ得をすることになる。
しかし、先日とうとう国税庁が全国の国税局に厳格にチェックするよう指示を出した。つまり「著しく不当」なケースは個別に評価し直すということだ。これにより、今後は短期的な転売は指摘されるなど注意が必要になってくるだろう。
そして4番目が海外投資家による資金流入。元々、ニューヨークやロンドンに比べてまだ価格的な魅力があるといわれていた日本市場であるが、東京オリンピックの決定もあり今後しばらく不動産市場が好況となる見通しとなったことにより中期的な安定マーケットとしての投資対象と見られている。そして、さらに投資マネーを呼び込んだのが円安だ。
2012年の1ドル80円と比較すれば、現在の120円は約1.5倍。海外の投資家から見ると3年前に比べ3割以上割安での不動産購入ができるということになるため、投資利回りが仮に低くても所有すること自体に大きな意味を持つといっても過言ではない。

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どうなるマンション市場? 中古市場拡大へ
ここまで取り上げたマンション価格の上昇原因そして、高止まりを通して今後どのように市場は変化していくのか?ピークを迎え下落に向かうのか?それとも東京オリンピックまで続くのか?一つ言えることは過剰な不動産投資による過熱とは違い、そう大きな下落局面は考えづらいということ。
現実、一時問題となった材料費高騰もひと段落し、職人手間の上昇は少し続くかもしれないが、かつてのような深刻さではない。極度の円高となるなどの国際情勢の悪化がなければ中国経済の減退もそう大きな問題とはなっていない。消費増税までの間は、更なる上昇はないとしても大きな下落局面は考えにくい。
しかし、横浜における分譲マンション杭施工不良による建物傾き問題によって、更に杭施工のいい加減さが露呈することが招く信用不安は大きく、実際にモデルルームを訪れる来場者のほとんどが杭に関する質問を行うという。この原因によって築後一定年数経過したことによって、地盤問題がクリアされた中古マンションを重要視する人も増えている。
中古マンション市場については、現在自らリノベーションして快適に住むというトレンドの影響もあり、新築同様に好況。首都圏においては価格が前年比10%程度上昇し、特に東京においては3年で20%程度上昇している。そして特筆すべきは取引全体物件のうち1/4が築31年以上となっているという点だろう。
これまでの日本では、新築時が最も価格が高く、築年数の経過と共に一律価格が下落するとされていた。例えば木造住宅では築後20年程度で価値が無い判断され、売却時においては価格の査定に反映されてこなかった。しかし、果たしてそうだろうか?20年で価値を失うという考え方には諸説があるが、例えば税法上の耐用年数が22年であることも悪影響を及ぼしている。

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当然、住宅の躯体部分は何もしなければ年々劣化していく。それは木造に限ったことではない。鉄筋コンクリート造であっても同様で、屋上防水等を正しくメンテナンスしなければ雨水の浸入による鉄筋の酸性化も進む。
例えば台風が多くシロアリの被害があることからその多くの住宅が鉄筋コンクリートやコンクリートブロックである沖縄においては、正しくメンテンナンスを行っていない住宅が従来の半分以下の建物寿命であることが問題視されている。
現在流通している中古マンションを一つ一つ見極めていくと、実際にはかなりずさんな維持管理がされている物件も存在する。そういう点において、中古マンションを選択する際には適切な維持管理がなされているか?そして今後についての正しい維持管理の計画、そして長期修繕積立金が適正かどうか?について見極める必要があるだろう。今、国は建物を適切に維持管理していくことで全ての建物が一律減価していく評価手法を変えようとしている。
つまり適切に維持管理された建物は正しく評価しようということになる。「マンションは管理を買え」と同時に自らの居住空間を適切に維持管理することが大切な時代に入っていくだろう。

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著者プロフィール:高橋 正典
不動産コンサルタント。株式会社バイヤーズスタイル代表取締役。2000件以上の不動産売買に携わるなど、現場を最もよく知る不動産コンサルタント。NPO法人住宅再生推進機構専務理事、一般社団法人相続支援士協会理事。著書に「プロだけが知っている!中古住宅の選び方・買い方」朝日新聞出版、「不動産広告を読め」東洋経済新報社他

投機の具にした惨憺たる結末
傾くマンションが示すもの

住民の生命・安全食い物にした金融  2015年11月6日付
三井不動産レジデンシャルが売り主となり、三井住友建設が元請として施工した横浜市の大型マンションが傾いた問題は、不動産・ゼネコン業界が抱える構造的な問題を暴露すると同時に、人生でもっとも高い買い物といわれ、一生をかけてローンを払いながら生活基盤にする住居にかかわることから、その信用性を文字通り土台から揺るがす社会問題となっている。
 
技術ありながら粗悪品乱造

傾いた大型マンション「パークシティ LaLa横浜」(地上12階、全705戸)は、横浜市都筑区の利便性のいい住宅街に建てられ、竣工された07年当時、国交省が後援する都市みらい推進機構から、土地活用モデルの審査委員長賞を受賞するなど話題の物件であった。だが、昨年11月、住民から、4棟あるうちの1棟で「棟と棟を繋ぐ渡り廊下の結合部分の手すりがズレている」との指摘を受けたことから問題が明らかになった。
指摘を受けた三井側は、当初「東日本大震災の影響の可能性が排除できない」などとごまかしていたが、それを不信に思ったマンション管理組合が横浜市に調査を依頼。実地調査で手すりや床など複数箇所でズレが確認され、マンションそのものが最大で2㌢傾いていることが明らかになった。
その後、2次下請の旭化成建材が建物を支える基礎となる杭473本のうち83本、つまり6本のうち1本の割合で、杭の深度や杭を固定するためのセメント量のデータを改ざんしていたことが発覚した。また、傾いた棟にある計52本の杭のうち28本を調べたところ、支持層となる地盤の強固な岩盤に達していない杭が六本、長さが不足している杭が2本見つかるなど、マンションを支えていた杭打ちのずさんさが原因であることが明らかになり、三井も10カ月を経てようやく施工不良を認めた。旭化成建材が提出していた工事の報告書には、別の棟のデータをそのまま転用したり、書き換えたりするなど偽装がおこなわれていたが、元請の三井住友建設も、建築基準法に基づいて監督する横浜市もスルーしており、マンションの傾きが発覚しなければわからないままという検査・監督機能の崩壊状況も暴露された。
杭打ち作業は、そもそも粘土質などの軟弱な地盤に建設するときに用いられる工法で、重機を操作して地面に杭を打ち込むと同時に、施工管理者が検査機器に映し出されるデータを見ながら、杭がしっかり打ち込まれたかどうかを確認する。だが、機器に映し出されるデータそのものが偽装されていたとしており、現在、施工に携わった旭化成建材の担当者がやり玉にあがっている。
だが、建設関係者の間では、「起こるべくして起こった問題」「氷山の一角でゼネコン業界では常態化しているのではないか」「元請の三井住友も知らなかったはずはない」「日銀を挙げて煽り立てたマンション投機ブームがもたらした問題」と指摘されている。
下関市の建設業者の男性は、「旭化成建材の問題もあるが、元請の三井住友が知らないわけがない。トカゲの尻尾切りにしか見えない。杭打ち作業は現場でかかわった人間ならば、杭が支持層に到達したかどうかは絶対にわかる。だが、現場で作業中に支持層の深さが違うことがわかっても、そこから設計のやり直し、数百本もの鉄骨を発注し直すことになればコストが膨らみ、工期が延びる。マンションは、建設する前から販売し、それを担保に工事費用を金融機関から借り入れるため、引き渡し時期が伸びれば金が入らず、資金繰りに影響する。元請の三井住友がコストを抑え、工期を延ばしたくないから暗にゴーサインを出したとみるのが自然だ」と指摘する。

安全性より利益優先 人が暮らす目的度外視

広島市で建設会社に勤務していた男性は、「土木でも建築でも安全率をどのように確保するかという問題は大きな問題で、道路や下水などの土木工事は目に見えない部分が大部分を占めるため安全率200%などの過大設計が求められる。だが地上の建屋に目が行きがちなマンション建設では、安全率はコストとのせめぎ合いで軽んじられているのではないか。マンション建設は、発注業者と、許可登録された建設業許可業者が完成を請け負う契約を結んでおこなわれ、下請業者には契約を結んだ以上、設計図面に書かれたとおりに、その予算と工期で工事を完成させる責任が生じる。だが、実際には下請に丸投げされ、発注者の責任が問われない構造上の問題がある。三井などの対応を見ていると“なぜうちだけが追及されるのか”“みんなやってますよね?”という開き直りすら感じるが、融資する金融機関や投資家など背後に巨大な利益共同体があり、根が深いことを感じさせる」と話す。
「アベノミクスで不動産バブルが煽られ、マンションは最大の投機の対象になってきた。広島市でも駅前や中心市街地は地上数十階建てのタワーマンションが建てられているが、実際に住んでいる人は少ない。駅東口の再開発では、市営住宅を潰して大和システムに売り払い、地上33階建ての高層マンションが建てられたが、マツダの役員などが節税対策で購入しているともいわれ、上流階級の有り余った資産の運用先になっている。タワーマンションでは高い階ほど分譲価格が高くなる。だが部屋の条件が全く同じなら一階の物件も、高い階の物件も相続税評価額は変わらないから、都会のタワーマンションなどは生前贈与をしたりするときに利用されている。投資家への転売目的で建物をつくるようになって、もともと狂っていた構造が表沙汰になったのではないか」と指摘した。
広島市内では、リーマン・ショック以後、市場縮小にともなって各社支店が次次に撤退し、「借り手不在」の空き地や空きテナントが目立ちはじめ、集約された土地を狙って三井住友や三菱地所などの大手不動産がマンション用地として物色し、マンション建設ラッシュが加速した。
広島駅周辺でも、市民に親しまれてきた市場や老朽化した家屋、商業ビルを撤去し、市と地権者、住友不動産を含む第3セクターによって地上52階もの巨大タワーマンションを建設中である。さらにその隣にも、戦後のヤミ市から市民の台所となってきた愛宕市場などの商業施設を老朽化を理由に撤去し、地上10階の商業施設棟と42階の高層マンションの複合ビル建設が森ビル(東京)などが絡んで、地権者の反対を押し切って強引に進められてきた。
地権者からは、「マンション建設を進めるディベロッパーやゼネコンははじめから土地所有者や商売人の事情など考えていない。彼らはマンションや商業ビルを建てて、それを投資対象にして配当でもうけることを前提にしているから、その地で暮らし、商いをすることは否定される。市行政も莫大な助成金を払いながら、“書類さえ整っていれば反対する理由がない”という態度でろくに監督指導もせず、開発推進の強力な後押しをする姿もこの目で見てきた。横浜のマンションが傾いた問題も他人事とは思えないし、このような体質なら杭を抜くくらい平気でやるのではないかと思う」と憤りを込めて語った。
マンションは「人人が暮らす住居」であり、生命がかかっている。ところが、そこで暮らす人間の安全など二の次でローンを組ませて売りつけ、いい加減なのだからたまらない。人人が暮らすという目的を度外視して、金融機関や投資家がマネーゲームの投機対象にし、公共性や安全性よりも企業の利益を最優先させる姿を象徴的に映し出している。
市場原理主義がもたらした根深い問題として波紋を広げているが、いまや原発再稼働にしても、TPPや集団的自衛権の行使にしても、みな国民の生命や安全を二の次にして、もっぱら金融資本や大企業が商売の具にしていくのと重なる。建築技術はあってもいい加減な建物ばかり作り、完成品は粗悪品だらけという、目的をはき違えた笑えない事態が社会のいたるところで問題になっている。マンション建設については、Jリートなど不動産投機を煽ってきた金融機関の責任も大きい。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/toukinogunisitasantantaruketumatu.html

スマホ時代だからこそ誠実な経営に舵を切れ!
感動経営への道(1)伊那食品工業に学ぶ「いい会社」づくり

2015.12.4(金) 北 俊一

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次々とあぶり出される不正
フォルクスワーゲン(VW)の不正ソフト、東芝の「チャレンジ」、横浜の「傾いたマンション」など、世界中の企業で次々と不正が発覚している。
社員やアルバイトを酷使したり、言葉巧みに消費者を騙して儲けるブラック企業が、次々とあぶり出されては炎上している。こうした動きは今後さらに加速するはずだ。
「自分の業績のため、組織のため、会社のために、良かれと思ってやった」
「みんなやっているし、ばれなければ大丈夫だろうと思ってやった」
そんな言い訳は一切通用しない社会になってきた。筆者はこのような社会を「透明化社会」と呼んでいる。
あらゆる組織や仕組みがガラス張りになる社会だ。その背景には、ICT(情報通信技術)の進展と、経済の成熟化がある。

誰かの犠牲の上に成立するビジネスの終焉
これまで隠し通せたことが隠しきれなったのは、これまで泣き寝入りしていた社員や派遣社員、アルバイト、取引先、消費者などが、手にスマートフォンを持って立ち上がったからだ。彼ら彼女らのつぶやきは、瞬く間にネットを通じて全世界に拡散し、鉄槌が下される。
環境NPOなどが、大手メーカーの下請け企業の、さらに下請け先の工場の周囲への環境汚染の状況や労働者の労務環境を調査し、その結果をネットに公表すれば、一瞬で全世界に広がり、不買運動が始まる。
それまで企業が時間をかけて築き上げてきた信頼というブランドは、一夜にして崩れ去る。もはや、誰かの犠牲の上で成り立つビジネスは成立しないのだ。

ICT革命の本質とは
筆者は、ICT業界のコンサルタントとして四半世紀、ケーブルテレビやインターネット、携帯電話、光ファイバーなど、ICTの普及と利用促進を影ながら支えてきた。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45374
その間、確かに我々の生活はより便利に、ビジネスはより効率的になった。その反面、大切なモノも失った。
SNSでのいじめを苦に自殺する学生、スマホによって分断される家族団らんの時間、世界のニュースに過敏に反応する株主という名の投機家に振り回される企業。ICTの持つ影響力は、我々の当初の想定をはるかに超えていたのだ。
中でもツイッターやフェイスブックに代表されるソーシャルメディアの持つ力は文字通り、革命的だ。2010年のチュニジアの「ジャスミン革命」から始まった一連の民主化運動「アラブの春」は、まさに「ソーシャル革命」と呼ばれた。
「革命」という言葉は、元々「天の命が革 (あらた) まり、王朝が交代すること」を意味する。ICT革命においては、情報の発信者と受信者が交代する。
政府や大企業からのマスメディアを通じた一方的な情報提供から、消費者や中小企業からのソーシャルメディアを通じた情報発信・情報共有への交代だ。
成長を前提とする経営の終焉
主要先進国における経済の成熟化が、さらに透明化を加速させている。
右肩上がりの成長戦略を描けた時代には、結果が手段を正当化した。よほど悪質な詐欺的ビジネスを除き、ある程度荒っぽいやり方も、結果さえ出せば黙認された。社員の目標必達へのプレッシャーやストレスも、会社の業績が上がり、給与や賞与が上がれば、きれいに洗い流してくれた。
しかし、経済や市場が成熟化してくると、成長戦略はにわかに描きにくくなる。それでも株主からは成長を求められるため、相変わらず高い目標を設定する。役員や社員には強いプレッシャーがかかる。社内の出世争いはより熾烈になり、ライバルを蹴落とすためにちょっとした不正がコンプライアンス違反として内部通報される。
こうして企業経営が透明化していく。その結果、役員や社員同志が互いに監視し合い、疑心暗鬼になっていく。このような企業が持続的成長の軌道に乗ることは不可能だ。

「感動企業」とは
透明化社会において、顧客から選ばれ、成長し続ける企業の条件は、誠実であること、裏表のないことだ。
社員に対しても、取引先や顧客、社会に対しても、常に誠実であること。企業が社会から必要とされ、社員はやりがいを持って働き、顧客を笑顔にするための努力を惜しまないこと。
専門力に加え、高い人間力を身につけた社員が開発し、販売する商品やサービスに、顧客は期待を超える感動で魅了され、他の顧客を連れて来てくれる。
筆者はこのような企業を「感動企業」と呼び、その経営を「感動経営」と呼んでいる。感動企業は、社員が育つ企業と言い換えることができる。いま、全国に「感動企業」が続々と誕生している。

人を大切にする経営
筆者は、4年ほど前から、月1~2社のペースで全国の「感動企業」を取材し、その成功のエッセンスを日々のコンサルティング業務に生かしている。
ICT業界のコンサルタントがなぜ感動企業なのかと良く尋ねられる。答えは明快だ。
ICT業界のクライアントに対して、いくら技術トレンドや消費者調査、競合他社分析を行い、立派な戦略を策定したところで、それを実行し、顧客に期待を超える感動を与えるのは、社員たちだからだ。
コンサルティング会社のICT分野の専門家として、先端技術を駆使して技術革新(イノベーション)を興す「モノづくり」のお手伝いをするだけでなく、顧客の期待を超える感動のサービス・イノベーションを興す「ヒトづくり」のお手伝いをすることが、クライアントの持続的成長に欠かせないのだ。
社員の成長なくして企業の成長なし。企業の成長は、社員の成長の結果であり、目的ではない。
透明化社会において生き残る企業は、人を大切にする会社だけと言い切ることができる。

“いい会社”を作りましょう
感動企業の成功のエッセンスは、いわゆる「大企業病」の裏返しだ。
確かに、筆者がこれまで取材した感動企業には、中堅・中小企業が多い。社長は創業者であり、オーナーであることが多い。だからといって、大企業が感動企業になれないということではない。

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151204-2

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