杭データ改ざん事件151205-2

杭データ改ざん事件151205-2

郡山の復興住宅で杭データ流用
2015年12月05日

◆県「安全性に問題ない」
県は4日、東京電力福島第一原発事故の避難者が入居する郡山市富田町の災害公営住宅(復興住宅)の建設工事で、杭(くい)打ち大手「ジャパンパイル」(東京都中央区)による杭打ちデータの流用があったと発表した。建物に傾きやひび割れはなく、県は「安全性に問題ない」としている。
富岡町の避難者を対象にした鉄筋コンクリート造5階の復興住宅3棟のうちの1棟で、40戸中39戸が入居済みとなっている。
2次下請けの同社は2014年8~9月に工事を行った際、杭78本のうち3本で他の電流計データを使っていた。機器の不具合でデータが取れず、流用したという。同社のデータ流用が確認されたのは県内3件目。県は復興住宅について独自に調査していた。
この建物に住む猪狩里子さん(68)は「安全を軽く見ており、許されない」と同社を批判した。
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20151204-OYTNT50131.html

ディズニーランド従業員食堂に驚愕の秘密!データ偽装事件に共通の元凶
文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表

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「Thinkstock」より
傾斜マンションの杭工事データ偽装、免震ゴムのデータ偽装、フォルクスワーゲン(VW)の排ガス偽装事件など、大手企業のデータ偽装の発覚が続いています。
筆者が食品関係の事業所で監査を行う際、エクセルなどで清書されたデータが提出された場合には、現場の担当者が実際に記入した帳票も確認するようにしています。
金属検出器、温度、重量を量る秤など、測定した数値が測定時に印字されるタイプの場合は自動印字された結果を帳票に貼り付けたものを確認します。
米ディズニーランド・リゾートで、ミッキーマウス、ミニーマウスなどを演じている従業員用食堂の厨房を視察したことがあります。厨房にあるスープの加熱・冷却装置は、自動で記録されるシステムが導入されていました。しかも、加熱結果が記録されないと冷却結果を測定できず、温度が記録されないと次の工程に進まない仕組みになっているのです。
日本の厨房では作業中に温度記録をつけるのですが、帳票が汚れることを嫌い、後からまとめてつけている現場もあります。現場で一度つけた帳票を「清書」と称して書き直している帳票も目にしたことがあります。その場合、現場で作業者が直接記録した原本を必ず確認する必要があります。

保管が必要
食品工場の現場で記録した帳票は、いつまで保管する必要があるのでしょうか。
少なくとも、製造した商品の賞味期限プラス20日程度は必要だと思います。O-157のように潜伏期間の長い菌もあるので、商品の安全性を証明するために必要な期間だと思います。帳票のなかでも、加熱、冷却、出荷前検品の細菌検査の結果などについては確実な保管が必要です。
企業によっては、帳票をパソコン上で保管しているケースもあります。帳票の原本をスキャンして画像として保管している場合は、まったく問題ないと思いますが、帳票の数字をエクセルなどに打ち直してデータだけを保管するのは望ましくありません。なぜなら、データとしては読みやすいのですが、数値が改ざんされていないかどうかを確認することはできなくなるからです。細菌検査の結果などは、シャーレ内の細菌コロニーをカウントした結果を保管しておくことが必要だと思います。
また、タイムレコーダーで、従来の紙カードを差し込んで打刻するタイプではなく、IDカードで出退勤時刻を管理するタイプが増えていますが、カードに時刻が記録されないため、社員本人が正確に記録されたかをその場で確認できません。タイムレコーダーのデータを改ざんするのは非常に簡単にできてしまうので、打刻した本人がその場で確認できるシステムがよいでしょう。
パソコン上のデータは、修正記録を残すこともできますが、その修正記録自体を改ざんしたり削除したりすることはさほど難しくありません。やはり、デジタルデータだけではなく、手書きなどのアナログデータを保管することが重要です。
冒頭に列挙した大手企業のデータ偽装の数々も、現場で測定した生データを保管し、それを監査する仕組みがあれば、もっと早く発見できていたのではないでしょうか。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12714.html

対象物件262件でも…大阪府「データ偽装物件」はなぜ公表ゼロ
2015年11月6日

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大阪市長と府知事は静観?(C)日刊ゲンダイ
大阪はサボってまへんか?――。こんな声が聞こえてきそうだ。
旭化成建材による杭打ち工事のデータ偽装問題。4日も東京や北海道など6都道県の自治体が偽装を独自調査で見つけ、新たに公表した。4日現在で東京7件、北海道8件、愛知3件、神奈川2件、青森、埼玉、長野、石川、山口がそれぞれ1件の計25件の偽装が見つかっている。
不思議だなと思うのが大阪がいまだにデータ偽装物件の調査内容を公表していないこと。旭化成建材が全国で杭打ちを担当した3040件のうち、最多は北海道の422件で、2番は東京の356件。大阪はそれに次ぐ262件に上るにもかかわらず、いまだにゼロである。なぜなのか。大阪府に問い合わせてみた。

「262件のうち府が管理している物件は府立桃谷高校など3件。建設業者から10月29日にデータが届き、調査はほぼ終わっていますが、まだ発表していません」(大阪府住宅まちづくり部)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168646
大阪府としては府内の市区町村など各自治体の調査状況は把握していないそうだ。そこで大阪市に聞いてみた。同市が管理するのは市立鶴町小学校など4件である。
「10月27~29日に4件分のデータがそろい、確認した結果、データの流用はないと判断しました。旭化成さんの調査結果と照合してこれから発表します」(大阪市公共建築部)
それにしても、大阪には確認すべき物件が民間を含めて262もあるのに、いまだにゼロ公表とは釈然としない。
「ほかの自治体のほうが前向きに取り組んでいるということですよ」とは建設関係の新聞記者だ。
「北海道は道が管理している物件数が67。いち早くデータ書類を取り寄せて怪しい物件を見つけ、28日から4回にわたって元請け業者のほか1次と2次の下請けを呼んで聞き取り調査を実施。偽装したことを認めさせている。東京都は先週末も土日返上で旭化成建材からの報告を受けて最終確認をし、2日に首都大学東京や都立狛江高校などの実名を公表した。旭化成建材は国交省から、今月13日までに3040件の調査結果を発表するよう指示を受けていますが、都はその期日の前に独自で調べ上げる方針です」
大阪に偽装データは一件も存在しないのか。それとも怠慢か……。松井知事も橋下市長も、ダブル選挙にかまけている場合じゃない。

2015.11.15 11:35
「安全だ」と言われても…

杭(くい)打ち工事データ偽装問題では、新たにデータ流用が見つかると、関係者はおおむね「傾きはなく、安全性に問題はない」としてきた。流用の理由としては、計測機器のスイッチの押し忘れやデータの記録紙が汚れて使えなかったことなどがあげられている。
阪神大震災後、住宅の再建ラッシュの被災地で欠陥住宅の調査をしていた建築士に同行取材したときのことを思い出した。彼はまず床下を点検した。「床下がきれいでない家は、他にも手抜き工事が見つかる」のが理由だった。
ある新築住宅の床下には材木の切れ端やジュースの空き缶が複数あった。この家には床の傾斜や戸が閉まらないなどいくつもの欠陥があった。
13日には新たなデータ偽装が公表された。これらの偽装が「床下のごみ」と同種のものでなければいいのだが…。
(編集総務 大橋一仁)
http://www.sankei.com/west/news/151115/wst1511150024-n1.html

太田昭宏
2015年11月07日 09:53
相次ぐデータ改ざんが示す社会の脆弱性/ものづくりの信用、信頼の回復を

生活の安全・安心に直結する偽装問題が相次いで発覚した。工事や製品の性能に関わる基礎データを故意に改ざんする行為は言語道断。国民の不安・不信を増大させるだけでなく、日本が保持してきたものづくりに対する信用、信頼を著しく損なうものだ。

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まず一つは、横浜市のマンションで発覚した基礎杭のデータ偽装。杭打ちの工事を担当した旭化成建材の担当者が、建物を支える強固な地盤(支持層)に杭が達していないにもかかわらず、データを差し替えて基準を満たしているように見せかけていた。さらに、杭の先端部を地盤に固定するセメント量についてもデータを偽装。その結果マンションは傾き、渡り廊下で約2㎝のズレが生じた。このマンションは約700戸が入居する大規模マンション。建替えに向けた合意形成やその間の生活の確保など多くの住民に大きな支障が生じる。そして何よりも、ディベロッパー、施工業者に対する消費者の信用を大きく損なうことになった影響は大きい。
そしてもう一つの問題は、東洋ゴム工業の製品性能の偽装だ。同社は今年3月、建築物の免震装置について、試験結果のデータを改ざんして国土交通大臣認定を不正取得していたことが判明。その後、免震装置以外の全製品も含めた監査と再発防止策を講じたにもかかわらず、今回、電車や船舶の振動を抑える防振ゴム製品でも性能データの改ざんが発覚した。相次ぐ不祥事に、同社のコンプライアンス確立が強く求められている。

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この二つの問題で共通しているのは、工事の施工や製品の試験というものづくりの現場で、担当者がデータを故意に改ざんしている点だ。民俗学者の宮本常一は、ある山地で川の護岸工事のために石垣を組む石工職人の話を紹介している。「田舎を歩いていて、何でもない田の岸などに見事な石の積み方をしてあるのを見ると、心を打たれる」「いい仕事をしておくと楽しい。後から来たものが他の家の石垣をつくとき、やっぱり粗末なことはできない」「俺のやった仕事が少々の水で崩れるものかという自信が、雨の降るときには湧いてくるものだ。結局いい仕事をしておけば、それは自分ばかりでなく、後から来るものもその気持ちを受け継いでくれるものだ」――石を一つ一つ積み上げる職人の心は尊い。日本のものづくりには、その心が続いていると思う。今回発覚した問題では、そのようなものづくりのモラルが失われていたと言わざるを得ない。

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さらに私が感じているのは、文明の進展により社会の脆弱性が増しているということだ。昨今の鉄道や航空機の事故で長時間運休せざるを得ないことが何度かあったが、痛感するのは社会システムが脆弱性を内包していることだ。文明や技術が進歩し、社会は高度で複雑なシステムで構成されるようになった。情報はますます専門的で膨大な量になり、一般的な消費者はシステムを信頼して行動するしかない。しかしシステムは、想定外の行動を人間がとると簡単に崩れてしまう。外から見えないところで故意にデータが改ざんされてしまえば、システムは機能しなくなるのだ。

さらに、人間の判断力の脆弱化もある。仕事の機械化、コンピュータ化によりマニュアル偏重になり、自分で分析や判断をしなくてよくなっている。今回起こったようなデータの改ざんは、狙い通りの数字が出ないときに、その原因を追究せず、数字を操作すればよいというように、判断を放棄していることが原因だろう。
文明、技術の進展による社会、人間の脆弱性を克服し、ものづくりの現場と消費者の信頼回復を進めていかなければならない。粘り強い戦いが不可欠だと思う。
http://blogos.com/article/143332/

投資や賃上げ、官民にズレ 主要100社アンケート
2015年11月24日05時39分

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スマートフォンのカメラなどに使われる半導体をつくるソニー子会社の工場。ソニーは増産に向けて投資を強めているが、こうした国内投資の動きは広がりを欠く=長崎県諫早市、同社提供
主要企業100社への景気アンケートでは、東芝の不正会計問題を受けて、各社の企業統治体制が十分かどうかをたずねた。設備投資や賃上げの方針などについても聞いた。

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■不正防ぐ企業統治
東芝の不正会計問題を受けて、企業不祥事を防ぐための方策が改めて問われている。不正を起こさない企業統治体制になっているかどうかをたずねたところ、50社が「一定の体制がとれているが、まだ強化すべきことがある」とした。「十分な体制になっている」と答えたのは33社。「体制は不十分で、強化を急ぎたい」は1社だった。
経営トップからは「万全の体制をとっていると自負しているが、不断の取り組みが必要」(住友ゴム工業の池田育嗣社長)、「現状に甘んじることなく強化策を検討したい」(ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長)などの声が出た。
杭工事のデータ偽装が見つかったマンションを子会社が販売した三井不動産は「社外の目による実のあるチェックが必要だ」(佐藤雅敏常務)。東芝問題について経営会議などの場で議論したという企業もあった。
問題の発生を防ぐために必要と考える対策を複数回答で聞くと、「会社全体のモラルの向上」が37社で最も多く、「企業トップが意識を高める」(24社)、「役職員の会計知識を高める」(9社)、「過大な利益目標の設定をしない」(8社)が続いた。一方、社外取締役の「人数を増やす」は4社、「権限を強める」はゼロだった。
ファミリーマートの中山勇社長は「風通しの良さが大切だ。『上下に関係なく議論しよう』と事あるごとに言っている」と話した。
事業規模の拡大に伴い、企業統治の難しさも増している。味の素の西井孝明社長は「買収した子会社の企業統治体制を強化する必要性を感じている」。旭硝子の島村琢哉社長も「直接目が届かない関係会社や海外の子会社をどう管理するかを常に意識しないといけない」と話した。

■設備投資
好業績のわりに、企業は設備投資や賃上げにお金を回していない――。政府はこうした批判を強め、経済界との「官民対話」などを通じて、国内での投資の増額や賃上げを企業に求めている。政府の要請への受け止めを複数回答でたずねたところ、「設備投資は十分に行っている」が58社、「賃上げは十分に行っている」が45社にのぼった。
JXホールディングスの内田幸雄社長は「必要な設備投資は実施している」。三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長は「事業会社の収益レベルに応じて、各社で賃上げに対応している」と話す。
東レの日覚昭広社長は「言われたから『はい、やります』とはならない。政府は勘違いをしているところがある」と手厳しい。主要国より高い法人実効税率や硬直的な労働慣行などを挙げ、「日本企業にはハンディがある。イコールフッティング(対等な競争条件)の実現を期待する」とも話した。政府に投資環境の整備を求める声は多く、「投資減税や法人税率の引き下げなどが打ち出されれば、じわじわ効果が出てくるのでは」(富士重工業の高橋充専務)、「(解雇規制などの)労働法制の規制緩和に手をつけずに、賃金を上げろと言っても無理」(松井証券の松井道夫社長)などの意見もあった。
日本経済の継続的な成長が見通せないために、国内の設備投資の大幅な増額や賃上げに踏み切れないと答えた企業も14社あった。
背景には厳しい国際競争もある。アサヒグループホールディングスの泉谷直木社長は「欧米企業のコスト管理は非常に厳しい。世界で勝ち続ける保証はないので、なかなか投資できないのでは」と指摘した。
もっとも設備投資の計画自体は弱くはない。2014年度実績と比べ、15年度の計画が「増える」「やや増える」と答えたのは、回答した企業の56・8%にのぼった。ただ投資を増やす目的を二つまで聞いたところ、「老朽化した設備の更新」が29社で最も多く、前向きな投資の「能力増強」(14社)を上回った。ワコールホールディングスの若林正哉常務は「労務費の関係でどうしても国内生産への大型投資は難しい」。東洋紡の大田康雄執行役員は「古い設備はスクラップして集約し、今後は海外に生産拠点をつくる」と話す。

■賃金方針
安倍政権のもと、政府が労使交渉に口を出す「官製春闘」が2年続いた。2016年の春闘を前に賃上げへの対応をたずねたところ、賃金体系を底上げする「ベースアップ(ベア)を検討する」と答えた企業は4社にとどまった。
現時点では方針を決めていない企業も多いが、8社が「一時金(ボーナス)を上げることを検討する」、11社が「手段は未定だが、賃金の総額を増やすことを検討する」と回答。「賃上げは難しい」としたのは3社だった。
清水建設の黒沢成吉副社長は「ベアか賞与かはわからないが、業績がいいので増やすことを考える」。エイチ・ツー・オーリテイリングの鈴木篤社長も「業績が見込み通りなら、賃金は増やしたいと考えている」と話す。
みずほフィナンシャルグループの藤原弘治常務は「賃上げに前向きな経営者は増えてきているのでは」と指摘。安川電機の津田純嗣会長兼社長は「正社員の賃上げとあわせて、全国で最低賃金を引き上げることが重要だ」と話した。
今冬の一時金が昨冬より「増える」企業は48社で、2ケタ増も6社あった。「減る」と答えたのは9社、「変化なし」は21社だった。

■人材確保
企業の人手不足感が強まっている。必要な人材の確保が「できている」と答えたのは63社。前回6月調査より4社減った。一方、「できていない」は7社で2社増えた。「今は確保できているが、今後足りなくなる可能性がある」も1社増えて、27社にのぼった。
人手不足を嘆く声が目立ったのが小売り・外食業界。ファミリーマートの中山勇社長は「加盟店はとても大変。地方に行くほど深刻で、ますます悪くなっている」と話す。ローソンも「アルバイトの採用を本社で一括して受け付けるなどの対策をとっているが、加盟店は十分に人手を確保できていない」(宮崎純常務執行役員)。ロイヤルホールディングスも「地域によっては、アルバイトを募集しても採りづらい」(菊地唯夫社長)という。
人材確保に悩む企業は、対策に乗り出している。バンダイナムコホールディングスは、アミューズメント施設の人手確保のため、「制服をかわいらしくするなどの策を打っている」(浅古有寿取締役)。アルプス電気の栗山年弘社長は「生産現場の自動化や省力化を進めている」と話す。
ただ、「地方に生産拠点を構えているので、今後の地方の人口減少を懸念している」(日本ハムの畑佳秀副社長)、「東京五輪に向けて人材の獲得競争が激しくなりそうだ」(ヤマトホールディングスの山内雅喜社長)と不安は尽きない。
http://digital.asahi.com/articles/ASHCN5VWRHCNULFA02M.html?rm=795

相次ぐ不祥事、日本企業はいつから「真面目で誠実」をヤメたのか〜この社会が変質した本当の理由
2015年11月13日(金) 長谷川 幸洋

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真面目で誠実な日本人はどこに行ったのか
企業の信頼性を疑う事件が相次いでいる。日本企業は消費者を裏切ることはしない、と漠然と信じられてきた。それは根拠のない神話だったのだろうか。こういうときこそ、信頼性が企業にも職業人にとっても成功への近道と自覚すべきだ。
まず「傾いたマンション問題」である。これは旭化成建材による杭打ち作業が適正に行われていなかったことが原因だった。高額な住宅ローンを組んでマンションを買った住人は「杭打ちが適正かどうか」など購入前に事実上、調べようもない。
「建て替えます」と言われても、ローンは残る。失われていく膨大な時間とエネルギー、ストレスの大きさを考えれば、建て替え+引越し代+数年間分の家賃+一律300万円の慰謝料で納得感があるかどうか。「三井ブランド」を信頼して買ったのに、裏切られた思いはいかばかりか、と同情する。
東芝の事件もあった。マスコミは当初、不適切会計と報じてきたが、7月24日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44325)で指摘したように、これはまぎれもなく巨額粉飾決算事件だ。
東芝は11月7日になって旧経営陣の役員5人に対して総額3億円の損害賠償訴訟を起こした。だが、判明した分だけで水増し額が1500億円超、関係した役員が少なくとも10人に上ることを考えれば、いかにも少額である。世論を意識したアリバイ作りであるのは見え見えだ。
粉飾決算で裏切られたのはだれか。株主と取引先、取引銀行、消費者、さらに不正に関係ない一般社員たちもだ。東芝にかかわるステークホルダー(利害関係者)すべてが裏切られた。とても3億円の代償で済むような話ではない。
JA全農(全国農業協同組合連合会)が販売した有機肥料の成分が偽装されていた問題もある。こちらも裏切られたのは、農家だけではない。偽装肥料で作られた農作物を有機栽培と思わされて買った消費者も被害者だ。少し前には、免震装置の性能を偽装していた東洋ゴムの事件もあった。
ざっと挙げただけでも、こんなに日本企業の不祥事が相次いでいる。フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正事件も衝撃的だったが、日本はとてもVWを非難していられない。日本企業にもデタラメは蔓延していたのだ。
日本人といえば「真面目で誠実、親切」が世界の通り相場である。そんな日本人が働く日本企業は、だから消費者や取引先を故意に騙すような真似はしないと思われていた。私もそう思っていた。
だが、こう不祥事が続くと、もはや過去の話と認めざるをえなくなる。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46346

プライドを失う職人たち
なぜ、日本企業から誠実さが失われたのだろうか。「デタラメは社員や役員のごく一部がやったこと」「大多数は真面目に仕事に取り組んでいる」という反論はあるだろう。それでも、私は「もしかすると」と思わざるをえない。
もしかすると、日本人や日本企業は目先の効率アップや利益確保に目を奪われて、もっとも肝心な「たしかな仕事をするというプライド」を失いつつあるのではないか。
仕事に対するプライドを喪失した。それこそがデタラメ仕事が起きる根本的な原因である。信頼性が傷ついたのは、その結果だ。そうだとすれば、信頼を取り戻すためには、仕事へのプライド復活をなにより優先しなければならない。
「信頼を取り戻そう」などとスローガンを掲げても、信頼喪失は結果なのだから、根本的な問題解決にはならない。まずプライドを復活させる。それが根本だ。
「仕事に対するプライド」とは何か。仕事ぶりをだれかが厳しくチェックしてくれれば、自分のプライドが保てるのか。そうではないだろう。だから、プライドと品質管理は本質的に関係ない。
品質管理が重要でないとは言わないが、品質管理をいくら厳しくしたところで、個々の社員の仕事に対するプライドは高まることはない。
なぜならプライドとは、自分に対する尊厳であるからだ。プライドを守るのも傷つけるのも自分自身である。仕事ぶりをチェックしてくれる他人に任せておけばすむような話ではない。
かつて「武士は食わねど高楊枝」という言葉があった。いま、そんな台詞はほとんど聞かれなくなったが、高楊枝の精神性を受け継いだ日本人はどう尊厳を保ったのか。それは厳しい自己規律だった。
ところが、いまや多くの職場で自己規律が失われつつあるようだ。つまり目に見える不祥事は起きていなくても、不祥事の芽は、実はそこら中にある。
他の仕事はよく知らないから、ジャーナリズムについて書こう。9月4日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/45059)で、私は報道記事や社説でも他人の記事やアイデアのパクリが横行している問題を指摘した。ジャーナリズムの世界でも、記者のプライドが失われつつあるのだ。
なぜ左に傾いた新聞の社説はどれも同じなのか
コラムに書いたように、新聞は東京五輪のエンブレム問題を偉そうに批判できない。自分たちだって、しょっちゅう記事やアイデアの盗用、パクリをやってるからだ。記者がなぜパクリをするかといえば、記者自身にプライドがないからである。
「自分の記事は他のだれにも書けない自分だけのものだ」、言い換えれば「自分は絶対、他のだれにも書けない記事を書く」という誇りがないから、平気で他の記事やアイデアをパクれる。他の記事を参考にして「その日のお仕事」をお手軽に済ませば、それでOKと思っている。
どうかすると、上司も「きれいに要点がまとまっているじゃないか」とほめてくれたりする。それはそうだろう。どこかに出ていた話を小ぎれいにまとめただけだからだ。
記者や論説委員たちがそんな調子で仕事をしているから、独自の鋭い切り口で切ってみせた記事や社説はなかなか出てこない。とくに左に傾いた新聞の社説がどれもそっくりなのは、そういう事情である。
それどころか、だれも指摘したことがない、まったく斬新な論点を指摘しようものなら「そんな話はどこも書いてないじゃないか」などと怒られてしまいかねない。残念ながら、それがいまの大手マスコミの風潮である。リスクを背負った斬新な特ダネはいつも週刊誌が書いている。
こういう現場では「仕事へのプライド」など生まれようがない。そもそも「自分の仕事」を主張する必要がないからだ。
仕事へのプライドを復活させるには、どうしたらいいか。経営者やサラリーマンの上司が上から目線で「仕事にプライドを持て」などと演説しても、何の役にも立たない。そんな精神論は百害あって一利なしだ。
私は、経営者がたしかな仕事をする人をしっかり評価して厚遇すべきだと思う。たとえば、優秀な現場作業員には「杭打ちマスター」のような称号を与える。しっかり杭打ちできる人は特別扱いして、給料を1割でも2割でもアップすればいい。
会社の中で「あの人はマスターだ!」「給料も特別だ」と尊敬されるようになれば、称号を持った人は自然にプライドをもつ。称号に恥じるような仕事はけっしてしないだろう。転職だって有利になるかもしれない。
べつに杭打ちに限らない。なんでもいい。たとえば、パソコンの「パワーポイント・マスター」だっていい。あの人に図表作りを任せれば、仕事は早いし出来栄えは素晴らしい。そういう評価が定まって、それが高報酬の源ともなれば、自分の名を汚すような仕事はしなくなる。実際、インドにはそういう専門職がある。
プライドを維持しようとする動機こそが信頼につながる。「あの人はプライドにかけてデタラメな仕事はしない」という評価が自分に対する信頼になるのだ。
蔓延する「みんなで渡れば怖くない」マインド
経済学の世界では、信頼を軸にした社会のネットワークこそが高い効率性につながる、という研究もある。エコノミストたちは一見、目先の効率性ばかりを重視していると思われがちだが、そんなことはない。
信頼が失われた社会で「あいつは大丈夫か」と信頼度チェックに時間とコストをかけるのと「あいつに任せれば心配ない」と判断して、さっさと自分のリソースを他の仕事に振り向けるのと、どちらが効率的かと考えれば、それはあきらかだ。社会全体でも会社内でも同じである。
そうであれば、仕事へのプライドを高めることが企業や職業人への信頼を高め、ひいては業績向上になるはずだ。とりわけ職業人にとっては、プライドに基づく信頼性こそが成功への鍵を握っている。サラリーマンでもフリーランスでも同じだ。
日本企業のチームワーク重視が個々のプライドを育てる邪魔をしている場合があるかもしれない。プライドとは本質的に個人の問題だから、チームワーク重視の集団主義になじまない面がある。
いい仕事をしようとダメな仕事をしようと結果責任を負うのはチームとなれば、個人のいい仕事に対するインセンティブは高まらない。
そうだとすれば、一連の不祥事は日本企業に根ざす集団主義にも一因がある。「みんなで力を合わせていい仕事」ではなく「みんなで渡れば怖くない」式の悪弊が広がっているのではないか。
当初、1人の現場責任者の仕業とされた杭打ち問題が次第に複数関係者の疑惑に広がり、いまや業界全体が白い目で見られている。
悪弊の連鎖を断ち切るには「ウチの会社はヨソとは違う」ことを、これから消費者に説得力をもって示さなければならない。そうでなければ、これから新築マンションを買おうという人間は当分、いなくなるだろう。少なくとも私は買わない(そんなカネもないが)。
ここは問題の原点を突き詰めて、企業も職業人も仕事に対する姿勢を考え直す絶好の機会である。

国の税金の無駄遣いや不正経理は570件、計約1568億円 厚生労働省が1位
2015年11月9日 10時26分

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ざっくり言うと
•会計検査院は、国の税金の無駄遣いや不正経理は約1568億円あったと指摘した
•件数や額ともにダントツなのが厚労省で、事務手続きのミスが目立つと筆者
•「自己防衛を最優先、批判をかわすことばかり考えている」と識者は指摘した

1位はやっぱり…税金ムダ遣い1568億円「悪質省庁」ランキング
2015年11月9日 10時26分
日刊ゲンダイ
国の税金の無駄遣いや不正経理は570件、計約1568億円――会計検査院の指摘に国民はカンカンだ。そのうち法令などに違反、要するに、より悪質な「不当事項」は450件、約165億円に上る。血税を何だと思っているのか。

■【厚労省】また年金の無反省
不当事項が計1億円を超える“ワースト省庁”は別表の通り。
件数、額ともにダントツなのが厚労省で、「労働保険の保険料の徴収額が過不足」(計6億1455万円)、「健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足」(計8億3001万円)など、事務手続きのミスがやたらと目立つ。
「消えた年金」に「漏れた年金」と、あれほど世間のバッシングを浴びても懲りていないんだから、恐れ入る。
「『再発防止に努める』なんて口先だけで、まったく無反省。国民のことは二の次で、自己防衛を最優先、批判をかわすことばかり考えている。だから、何度も同じミスを繰り返す。厚労省の体質を象徴しています」(年金問題に詳しいジャーナリストの岩瀬達哉氏)

■新国立戦犯【JSC】建設業法違反
コンペやり直しになった新国立競技場問題の戦犯、2位の日本スポーツ振興センター(JSC)は輪をかけてひどい。
計約49億円はすべて業務契約の不正で、そのうち約26億円は新国立競技場の設計業務の契約。それも業者が設計を始めたのが昨年8月20日、契約書に必要な理事長の記名押印がされたのが1カ月後の9月25日というデタラメぶり。この間、契約が未確定のまま業者に仕事をさせていたのだから、なれ合いにも程がある。
テニスコートの改修工事に関する契約(約9842万円)に至っては、実際に記名押印されたのが工事完了後だ。会計検査院も「建設業法違反」と指摘している。悪質を通り越して犯罪だ。

■【国交省】杭打ち調査の資格なし
杭打ちデータ偽装の旭化成建材だけじゃなく、JSCにも国交省の“メス”を入れたほうがよさそうだが、その国交省が5位にランクイン。
橋梁の耐震補強工事で設計が適切でないため、「所要の安全度が確保されておらず、工事の目的が不達成」なんて不正事項が2件、計3161万円もある。データ偽装をとやかく言える立場じゃない。
さらに、補助の対象にならない事業にずさんなチェックで補助金を交付するなど、「補助事業の実施及び経理が不当」が36件、計9億1722万円だ。
「国民の税金をいかに公正に使うか。役人の最大の使命です。補助金の不当な交付をチェックする能力がないのなら、それはそれで問題だし、そこに何か“裏”がある、と色眼鏡で見られても仕方がないでしょう」(岩瀬達哉氏)
ほかも似たり寄ったりで、3位の総務省も「補助事業の実施及び経理が不当」が9件、計13億5371万円に上る。女の涙以上に、役人は信用ならない。
http://news.livedoor.com/article/detail/10807669/

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ビジネスラボ代表取締役。自称「マーケティングの棟梁」
不正が生んだあまりに大きな代償

VWがディーゼルエンジンで不正プログラムを使用して環境規制をクリアしていた問題、旭化成の子会社、旭化成建材の杭打ちデータの不正流用問題は、直接の損失だけでなく、今後はさらにブランド・イメージや企業の信頼失墜の影響がボディブローのように響いてきます。そいういえば東洋ゴムの免震ゴムのデータ改ざん、続いて10月には防振ゴムでも不正の発覚がありました。
VWは別として、日本の企業は5sやカイゼンなどをつ見重ねてきた現場の力が品質を支え、それが信頼の源泉となり、競争力を支えてきただけに事態は深刻です。
もっとも敏感だったのは当然株式市場で、VWは不正発覚直後に最大で時価総額の4兆円を失い、また旭化成もあっと言う間に時価総額で約2700億円が吹っ飛び、1兆円割れとなってしましました。東洋ゴムも二度目の不正発覚で10%を超える株価の下落がありました。
今年3月に発覚した免震ゴム偽装問題での対策費は、2015年1~3月期に交換費用などとして特別損失140億円を計上したが、15年6月中間決算では計304億円に積み増した。不正が発覚した154棟について段階的に免震ゴムの交換を進めていき、年内に10棟ほどで工事を始めることが決まっている。
VWの場合、2015年7~9月期連結決算が、リコール費用などを計上したため、約2300億円の赤字となりましたが、対策費用はまだまだ膨らんできます。2兆円を超えるかもしれない米当局からの制裁金や、車の購入者や投資家らによる損害賠償訴訟の費用が残っています。
旭化成もどれだけ損害賠償がどれか膨らむのかはまだ未知数だとしても、子会社の不正が本体の経営を揺るがすことになります。東洋ゴムの15年6月中間決算も、売上高は前年同期比3・8%増の1944億円でしたが、免震ゴムの特損が響き純損益は41億円の赤字に陥ってしまっています。売上で言えば、1%にもならない事業での不正発覚で本体の経営をも危うくしてしまったのです。
そればかりでなく、ブランドイメージの悪化の影響がボディブローのように長期に響いてきます。
VWは、欧州や米国では販売台数そのものは伸びたとはいえ、他社に遅れをとってシェアは落としてしまいました。世界一の座をトヨタから奪った勢いはもはやありません。
皮肉なことに、まだVWのディーゼル車が売られていない日本で、10月の販売台数が半減してしまったようです。欧米ではVWは、実用的な大衆車ですが、日本では輸入ブランドとしてのプレミアム価値があったからでしょう
中国市場はVWの命綱ですが、不正発覚前から勢いはすでに止まっていたことや、当局が問題を抑えたこともあってとくに影響はみられないようです。
VW、10月の日本販売半減 排ガス不正で  :日本経済新聞
またディーゼル車だけでなくガソリン車でも不正が発覚したようで、病はかなり根深いところにありそうです。
【VW排ガス不正問題】 VW、ガソリン車にも波及か 80万台で新たな不正 – SankeiBiz(サンケイビズ)
VWが成長路線の見直しを余儀なくされ、また杭打ちデータ問題で旭化成と三井不動産は長期にわたってさまざまな対策費を負担するなかりでなく、今後の業績への影響もでてくるのでしょう。また東洋ゴムが信頼を回復するのに必要な年月を考えると、あまりにも代償が大きかったといわざるを得ません。
隠れたところまで品質を追求すること。愚直なまでに正直なことは日本の強みだったはずです。日本的経営は、新たな目的を創造していく「目的志向」というよりは、現場力を高める「手段志向」が得意だったのが、その現場での倫理が崩れると、もはや日本の強みはなくなります。

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そうじ資本主義 日本企業の倫理とトイレ掃除の精神 [単行本]
大森 信
日経BP社
2015-08-05
コンプライアンス強化と言う前に、もっと経営のあり方、現場の力の再構築にも踏み込んだ議論を期待したいものです。「そうじ資本主義」はそのあたりを考察したタイムリーに出版された一冊で、参考になるのではないかと思います。
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http://www.huffingtonpost.jp/hiroshi-onishi/volkswagen_b_8475458.html

もはやマイホーム購入はハイリスクなギャンブル、それでもほしい理由は?
2015年11月10日 11時00分

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もはやマイホーム購入はハイリスクなギャンブル、それでもほしい理由は?
旭化成建材によるマンション杭打ち工事のデータ改ざん問題が建設業界に波紋を呼んでいるーー。
10年間で手掛けた建物が3千件を超える大手の不祥事であることから、全国の地方自治体の間で同社以外の建設会社が手掛けた物件についても不正の有無を調査する動きが広がっているのだ。
マンションや戸建てに住む人々の間でも「ウチは本当に大丈夫か?」と心配する声が多数挙がっており、このままでは「それだけのリスクをとって、持ち家を買うのは本当に正しいのか?」という議論にも発展しかねない。
『週刊プレイボーイ』本誌で対談コラム「帰ってきた!なんかヘンだよね」を連載中の“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏も、この問題を旭化成建材1社の問題と捉えず、問われているのは建設業界全体の信頼だと指摘する。
「この手の問題が出ると、2005年11月に発覚した姉歯秀次元一級建築士の耐震強度偽装問題を思い出しますよね。あの時って、結果的に姉歯さんの“個人犯罪”ってことになったわけですよね。でも、今回の件が個人の責任じゃないとすると『大手企業も偽装をする』ってことになるわけで、そうなると『どの会社もやってるんじゃね?』って思うのが普通ですよね」と、ひろゆき氏。
今回の騒動では、横浜のマンションで杭打ちデータの偽装が発覚した後、北海道でも同様の問題が見つかってしまった。こうなると、横浜の偽装発覚当初に説明していた「担当者個人の不正」という理由が、「組織ぐるみの問題ではないのではないか?」と疑いたくなってしまうが…。
では、なぜこんな不正が行なわれてしまったのか? 堀江氏はそこに前出の「姉歯事件」の影響があるのではと見る。
「実は今回の件に姉歯事件が関係しているって話もあってね。姉歯事件で建築基準法が厳しくなったんだけど(07年6月改正)、その法律が施行される前に駆け込みで建築ラッシュがあって、その当時はどの会社もハンパなく忙しかったんだって。で、忙しい中、なんとか数をこなすためにの不正をしたんじゃないかっていう説がある。まぁ、時期的には重なってるんだよね(05年11月着工、06年6月分譲開始、07年竣工)」
もちろん、これはひとつの仮説にすぎない。しかし、ふたりが「この時期に建てられた物件は(同様の不正があるかどうか)総ざらいしたほうがいい」と指摘するほど建設業界に対する信頼が大きく失われつつあるのは間違いない。
もうひとつ、ここで問題になるのは「これから家を買う一般の人は、どのように不正の有無をチェックすればいいのか?」ということ。自分で建築現場を見に行くぐらいしか対処法はないが、それで素人が完璧にチェックできる可能性は低い。
そこでひろゆき氏は、そもそも今の時代においてマイホームを購入することへの幻想に疑問を呈する。
「『マイホーム=夢』だと思っている人が多いですけど、ぶっちゃけ今の時代に不動産を買うことってギャンブルになっちゃってるんですよね。しかも、日本の人口が減ってきていて、今回のような違法建築が増えていることを考えると、マイホームってかなりハイリスクな割にだいぶレートが低い賭けになっちゃうわけです。
一時的でしたけど、人口が増えていた時代やバブル期には購入時よりも売却時のほうが価格は上がっていた時がありましたよね。でも、今は少子化で労働人口も減っているので、買えば得する時代は終わってますからね。
個人のレベルで買える不動産で、その後に価格が2倍になることなんてめったにないですけど、半額になることはざらにありますからね…」
この意見に堀江氏も「だから俺は、マイホームを持つ人の気持ちがわからないな。違法建築や災害のリスク、転勤とか家族の人数が変わっていくことを考えると、『なんでマイホームなんて持つんだろ?』って思う」とうなづく。
確かに、希少性の高い物件に高値がつくことはある。しかし、そういう物件を買えるのは金持ちばかり。「資産」として考えた場合、マイホームは決して割の良いものではないというのがふたりの持論だ。さらに堀江氏は…、
「俺は『家を持つことはリスク』だってずっと言ってるんだけど、なかなか理解してくれないんだよね。マイホームのことを『人生で一番大きな買い物』とかいう割に思考停止してる人が多いんだよ。まあ、今回の旭化成建材の不正は許されないことだけど、マイホーム購入を考えている人は『何かヘンなことはないか?』って思ったほうがいい。繰り返すけど、マイホームは持つだけでハイリスクなんだから」
今や大手の仕事といえど、不正が見つかる時代。マイホーム購入を検討する人は、こうしたリスクをしっかり把握したうえで、一度、「なんでマイホームがほしいのか?」と自問自答することが後悔をしないためにも必要だろう。
(イラスト/西アズナブル)
http://yukan-news.ameba.jp/20151110-45/

杭データ改ざん、57件の安全性確認 旭化成建材が施工
2015/12/4 22:14

旭化成建材(東京・千代田)による杭(くい)打ちデータ改ざん問題で、国土交通省は4日、自治体の独自調査で先行して改ざんが判明した82件のうち、57件では杭が固い地盤(支持層)に到達し、安全性が確認できたと発表した。施設名も公表した。
国交省によると、52件は施工記録や発注者が立ち会った記録などから支持層到達が確認できた。5件は現地で地盤調査したうえ確認した。1件はデータ改ざんがなかったと判明した。
現時点で安全性が確認できていないのは24件。問題発覚の端緒になった横浜市のマンションも含まれる。
このうち9件は今後、地盤調査を行う。国交省の担当者は4~5件は支持層が平らではないなどの理由で調査に時間がかかるとしている。14件は杭を固定するセメント量のデータ改ざんだったため、検証方法を国の有識者委員会で議論する。1件は書類審査を継続する。
旭化成建材の調査でデータ改ざんが判明しているのは計360件。国交省は、調査が難航する物件以外は年内での安全性確認を同社や自治体に指示している。

■施設名一覧(カッコ内は所有者)
北海道▽江丹別地区浄水場(旭川市)▽海光団地「かいこう22」(釧路市)▽白樺台団地「しらかば4」(同)▽興津団地「こうよう2」(同)▽同団地「こうよう3」(同)▽福栄団地5号棟(赤平市)▽新光団地2号棟(同)▽臨空工業団地配水池(千歳市)▽東浦漁港―3.0メートル岸壁屋根施設(北海道開発局)▽豊平川水防資材倉庫(同)▽道央用水南6号分水工施設(同)▽寿都漁港―3.5メートル岸壁屋根施設(同)▽旭川8条住宅(北海道財務局)
青森県▽白山台公民館(八戸市)
福島県▽大槻ふれあいセンター(郡山市)
茨城県▽花貫住宅6号棟(高萩市)
埼玉県▽大宮東宮下団地5号棟第4工区(埼玉県)▽同棟第5工区(同)
千葉県▽南部浄化センター汚泥消化タンク(千葉市)
東京都▽白鷺1丁目第3アパート4号棟(東京都)▽同アパート5―1号棟(同)▽首都大学東京6号館教室棟(同)▽狛江高校格技棟(同)▽みなと保健所(港区)▽四谷保健センター・新宿東清掃センター等複合施設(新宿区)▽梅若小学校(墨田区)▽第二亀戸中学校(江東区)▽南中野区民活動センター等(中野区)▽豊玉第二中学校(練馬区)▽西新井小学校(足立区)▽ひばりが丘児童センター・そよかぜ保育園(西東京市)▽ひばりヶ丘パークヒルズ8街区1号棟・5号棟(都市再生機構)▽同6街区8号棟・9号棟(同)
神奈川県▽桜本住宅(川崎市)▽臨港消防署(同)
山梨県▽盲学校屋内運動場(山梨県)
長野県▽長野市ものづくり支援センター(長野市)
岐阜県▽本田小学校特別棟(瑞穂市)
愛知県▽日進小学校多目的室棟(碧南市)▽野見小学校(豊田市)▽飛島村ふれあいの郷(飛島村)
山口県▽牛野谷川ボックスカルバート水路等(山口県)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04HAC_U5A201C1CR8000/

1棟のみ建て替えの物件で不満 「なぜ全棟でないのか」
豊岡亮、永田大
2015年11月13日16時26分
住友不動産の役員名で届いた文書を見る住民の男性=横浜市西区

横浜市都筑区の大型マンションが傾いた問題が明らかになって1カ月。販売元が示した「全棟建て替え」という方針が、一昨年に傾きが見つかった同市西区のマンションに影響を及ぼしている。西区のマンションでは傾いた1棟のみの建て替え方針が示されており、住民からは「なぜ全棟ではないのか」との不満が出ている。
「(都筑区のマンションに関する)報道により、弊社の提案内容が適切か疑問を持たれている組合員様もいらっしゃるかと存じますので、改めて説明させていただきます」。10月30日付で、西区の大型マンションの住民に、販売元の住友不動産の社長と取締役の名前で補償内容について説明する文書が配られた。文書では補償内容について「過去の裁判例に照らしても十分」などとして、「補償の基本的な考え方に変更はございません」との方針を示した。
西区のマンションでは全5棟の住居棟のうち、杭が固い地盤(支持層)に届いていない施工不備で1棟が傾いた。他の3棟でも支持層に到達していない杭があることが発覚。横浜市は昨年から今年にかけ、建築基準法に基づく是正勧告を出した。
住友不動産は「住民との協議中」として、補償内容を明らかにしていない。同社が住民に配布した文書によると、傾いた1棟は建て替えとし、他の杭が達していない3棟は地盤改良工事などで補修することや、希望者には販売時の価格で買い取る方針を示している。
住民との協議が続くなか、10月14日に都筑区のマンションでの傾きが発覚。販売元の三井不動産レジデンシャルが「全棟建て替え」を基本的枠組みとして提示したことで、西区のマンション住民の間に不満の声が広がった。
「どうして全棟の建て替えができないのか」。杭が達していない棟に住む男性(70)は憤る。8年ほど前、退職後の住居としてマンションを購入した。別棟で傾きが発覚した後、不動産業者に「このマンションにはもう資産価値がない」と指摘されたという。
販売価格で買い取るという住友不動産の方針に対しては「今は相場が上がっている。買い取られても、同じような水準のマンションはもう買えない」。同じ棟に住む50代の女性も「補修ではなく、建て替えてほしい。私たちは安全なところに住みたいだけ」と話す。
西区のマンションでは現在、補償案を受け入れるかどうかについての住民アンケートが実施されており、近く集計結果が示される予定という。
一方、是正勧告を出した横浜市は、調整役として住民側の相談を受け付けている。都筑区のマンションが全棟建て替えの方針を提示して以降、西区のマンション住民からの相談が増えているという。
都筑区のマンションは約700戸で、西区の約260戸の3倍近い戸数がある。区分所有法によると、都筑区のマンションの全棟建て替えには、所有者全員の5分の4以上の賛成が必要となる。市は、西区のマンション以上に合意形成には時間がかかる可能性があるとみている。(豊岡亮、永田大)

■横浜市西区のマンションをめぐる経緯
2003年 マンション完成
2013年春ごろ 建物の修繕にあたり、管理組合が依頼した建築士が、住居棟をつなぐ渡り廊下の手すりがずれているのを発見
2014年4月 住友不動産側による調査の結果、1棟で杭が強固な地盤(支持層)まで到達していない可能性が高いと判明。その後、4棟計15本の杭が支持層に達していないと確認
2014年6月 マンションの管理組合が「建物1棟の片側が最大5・5センチ沈下している」と明らかに
2014年7月 傾いた1棟について「構造上危険な状態」として横浜市が是正勧告
2015年8月 新たに1棟について、傾いてはいないものの「杭の支持力が足りない」として市が是正勧告
http://digital.asahi.com/articles/ASHCD03GCHCCULOB02P.html?rm=468

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151205-3

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