杭データ改ざん事件151206-3

杭データ改ざん事件151206-3

杭工事偽装、ベテラン技術者「私もやった」-その理由は
2015年10月30日05時40分
旭化成建材による杭工事データの偽装が、新たに横浜と北海道で見つかった。「自分もやったことがある」と打ち明ける下請け業者や、「こうした事態を予想していた」と話す大手ゼネコン社員もいる。
•旭化成建材、杭偽装さらに数十件 横浜の市立中学校も
大手業者のマンション建設や公共工事の基礎工事に20年以上携わる技術者の50代男性は、元請けへの報告書でデータを作り替えたことがあると話す。
「最近はパソコンを使うので、いくらでもデータを付け替えられる。杭を打つ前に地質調査をするが、実際に打ってみると固いと予想していた地盤が固くない場合がある。そのときはデータを作り直す。業界ではよくあることで、私もやったことがある」
理由は工期が延びることを元請け業者が嫌うからだという。「マンションを売る日は決まっているのに、杭打ちをやり直せば完成が遅れる。元請けにやり直しを求めると『やかましいことを言うな』と言われる」
旭化成建材が杭打ちに関わった工事で元請けだった愛知県内の建設会社社長も、「マンションだと入居期日が決まっていて、工程を遅らせるのは相当難しい」と言う。この社長は下請け業者への圧力は否定したうえで、「大きな現場では杭には杭の管理者がいるので、元請けは任せがちになってしまう」と明かす。ただ、「それでもコミュニケーションが取れていれば、元請けも不審な点に気づけるはずだが」と付け加えた。
横浜市の傾いたマンションでデータ改ざんが発覚した後の22日、大手ゼネコン大成建設の山内隆司会長は「データが取れなければ工事をやり直す。それぐらい強い対応をすべきだった」と、元請けだった三井住友建設を批判した。「なれあい」とも指摘される建設業界で同業の批判は珍しい。それだけ危機感が強いことの表れでもある。
ただ、ある大手ゼネコン社員は、今回の事態を「ある程度は予想していた」と言う。工事の現場では日々、品質管理のための検査が行われている。元請けのゼネコンには、各検査ごとに確認や記録の保管方法のルールが決められている。
「とりあえず書類が一式そろっているのを確認するので精いっぱい。ある程度は協力会社(下請け)を信用しないと工事が進まない」
     
欠陥住宅全国ネット幹事長の吉岡和弘弁護士の話〉 データ偽装の相次ぐ発覚に驚きはない。元請けの大手ゼネコンは、身内の建築士に施工を監理させることも多く、チェックが十分行き届かないことがある。現場責任者は、工期順守の社の方針に反して「やり直し」の意見を言いにくい状況が一般化している。対策としては、第三者の立場で現場を見張る「住宅検査官」を置くことが必要だ。耐震偽装事件を機に日本弁護士連合会が提言している。米カリフォルニア州では、行政職員や行政が雇った民間検査員が現場に常駐するケースもある。
http://digital.asahi.com/articles/ASHBY552QHBYUTIL02Y.html?rm=376

【横浜施工不良マンション問題】他の偽装マンションの補償を調べてみました
2015/10/16 2015/10/19

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photo credit: 紙面を読む人 via photopin (license)
いま、ニュースを騒がせている、三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市都筑区のデータ偽装施工不良マンション。傾斜マンションとも呼ばれています。
こういう事件が起こった場合、その後のマンション住民への補償がどうなっているのか気になったので調べてみました。

横浜市都筑区の施工不良マンション問題
問題となっているマンションは三井不動産レジデンシャルと明豊エンタープライズが販売し、施工会社は三井住友建設、実際の施工は下請けの旭化成建材が行っていました。
マンションの52本の杭のうち、6本の杭が地盤の強固な「支持層」にまで届いておらず、2本についても、打ち込まれた長さが不十分と判明しています。
また、旭化成建材の親会社旭化成はプレスリリースで以下のように補強・改修工事の費用負担を明らかにしています。
旭化成建材は、建物の補強・改修工事および他棟における調査に要する費用についてはその全額を負担することにしており、今後とも、居住者様の安全を最優先に、売主(三井不動産レジデンシャル株式会社)様、施工会社(三井住友建設株式会社)様と協力の上、しかるべき対応を行ってまいります。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120151014416096.pdf
そして、三井不動産レジデンシャルの社長は、マンション住民への補償として、傾きのある1棟だけでなく敷地内の4棟をすべて建て替える方針を住民説明会で明らかにしました。部屋の買い取り、精神的な負担への補償、仮住まいの費用負担も同時に提案し、会社として誠意のある対応だと思います。
出席者によりますと説明会で藤林社長は、問題のマンションを含め同じ敷地にある4棟のマンションをすべて建て替えることを基本的な枠組みとして、住民と協議を進めていく方針を示したということです。また、会社側から、入居者が希望する場合には会社が部屋を買い取ることや、精神的な負担への補償、それに、建て替えが完了するまでの仮りの住宅にかかる費用を負担するという提案があったということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151016/k10010271611000.html
過去の偽装欠陥マンションのその後
同じような偽装欠陥が見つかったマンションがなかったか調べてみると、予想以上にいろいろなケースがありました。
すぐに思いあたるのは、姉歯建築士の耐震偽装問題です。しかし、「一級建築士個人の構造計算書の改ざん」が原因のものと、今回の「下請け施工会社のデータ偽装による施工不良」はかなり状況が異なります。
今回の横浜市都筑区のケースといちばん似ているのは、2014年に発覚した同じ横浜市の西区にある住友不動産のマンションのケースでしょう。
横浜市西区のマンション「パークスクエア三ツ沢公園」で「基礎杭」が「支持層」まで届かず傾いた問題
発覚は2014年6月。2003年に販売した「パークスクエア三ツ沢公園」の1棟に建物を支えるくいの長さが足りない施工ミスが見つかったと住友不動産から発表がありました。施工を担当した会社は熊谷組です。
こちらの住民による記者会見の様子をレポートした記事に写真も出ていますが、今回の横浜市都筑区の施工不良問題と非常によく似ています。
さて、このマンションのその後の対応はどうだったかと言うと、住友不動産がプレスリリースの中で以下のように書いています。
1、お住まいの方の安全を期すため、仮住まいの提供を既に開始しております。
2 管理組合様のご承諾をいただいたうえで、補修を含む是正工事を行います。第三者の専門家の意見を聞きながら、適切な是正工事の方法を検討し、補修ではなく建替が必要との結論にいたった場合には、管理組合様に建替を提案いたします。
3、補修工事または建替工事期間中の一時転居先も当社にてご用意いたします。
4、ご希望の方には、買取り補償も行ってまいります。

http://www.sumitomo-rd.co.jp/news/files/1406_0003/0609_release.pdf
また、その後を報じた日経の以下の記事で、補償内容も掲載されています。
住友不動産は住民説明会で、傾いているB南棟に加えて、新たに基礎杭の瑕疵が判明したB東棟の住民の希望者に対しても買い取りに応じると発表した。販売価格を全額返還する。不動産取得税修繕積立金など購入や保有に要した実費も支払う考えだ。既にB南棟では全住戸の仮住まいの転居先が決定している。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75199000U4A800C1000000/
このように補修工事と購入価格での買い取りが対応の中心で、このマンションではまだ建て替えまでは行っていないようです。
(2015年10月19日12:04追記)
日経新聞17日土曜日朝刊によると、
住民によると傾いた1棟は取り壊す前提で、すでに全住民が一時転居した。残る4棟は補修する方向だ。
住友不動産は5棟の全住民を対象に購入金額で買い取る提案をした。最大300万円の慰謝料も支払う。熊谷組は2014~15年度に計約80億円の引当金を計上した。
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ16HY8_W5A011C1EA2000/
と、1棟は取り壊し、残り4棟は補修することになって、さらに問題の起こった棟を含めたすべての棟の住民に対して補償が提案されているようです。

三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」は引き渡し前に建て替えへ
2013年12月に発覚した「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」の工事の不具合では、2014年3月の引き渡しを前に、販売する三菱地所レジデンスが解体・建て直しを決めました。施工は鹿島建設で費用負担も鹿島です。
不具合の内容は、スリーブという配管用の穴の問題です。
コンクリートの躯体(くたい)中に配管などを通すスリーブ全約6000カ所のうち、約600カ所で本来あるべき位置に存在しないか、位置が違うといった不備があった(2014年3月17日時点では751カ所の不備が判明)。また約200カ所で不適切なコア抜きを行ったため、一部で鉄筋が切断されていた。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK17035_X10C14A3000000/
すでに契約済みの住人には、手付金倍返しならぬ、手付金3倍返しで解約をお願いしたそうです。
三菱地所は引き渡しの中止にあたり、1月25日、26日に説明会を開催。お詫びして、欠陥が見つかった経緯などを説明した。手付金の返金などについても、「こちらから契約解除をいうような状況ではなく、手付金をお戻ししたうえで迷惑料として手付金の2倍をお支払する条件で、合意解約をお願いしました」(三菱地所)と話す。
http://www.j-cast.com/2014/02/01195718.html?p=all
販売価格が一戸あたり1億円を超える「億ション」だったため、手付金も1千万円レベル。単純に手付金1千万円としたら、迷惑料込みで3千万円を渡すという異例の対応だったようです。
大手不動産会社はブランドを守るために補償を充実させるだけの体力がある
今回の施工不良をきっかけに調べてみて感じたのは、大手不動産会社だからこそ建て替えや買い取りが可能だったのだろうという点です。
マンションの規模にもよりますが、建て替えとなれば数十億円から数百億円の話となります。それを負担できるだけの資産があるからこそ、充実した補償が行えるわけです。
小さな会社なら、1度そんな問題が起これば潰れてしまうでしょう。
「大手だから信頼していたのに……!?」という気持ちも分かりますが、
「大手だから補償してもらえた」というのも事実ではないかと思います。
欠陥施工不良が見つかったマンションの中古売却は難航する
こうした問題が起こったマンションは中古市場では安く買い叩かれがちです。
まず、問題があったことを隠すことは不可能です。少し調べれば分かることですし、「言った言わない」であとから揉める可能性を考えれば仲介する不動産業者も必ず問題があったことを教えるでしょう。
そして、問題が起こったマンションは多く市場に出回ります。同じマンションの部屋が10部屋以上同時に中古で売り出されるような状況もありえます。

•問題が起こった事実
•同時に多くの部屋が売りに出されている点
この2点だけでも、値引き交渉は買い手有利に進むのが当然です。

補修工事や建て替えで問題がなくなっていても、風評被害で値引きを迫られるでしょう。
終の棲家にするつもりなら別ですが、将来の売却を考えているなら、不動産会社の買い取り対応に乗っかってしまうのが一番かもしれません。

まとめ
まだ会社側と住民、管理組合の話は難航しそうですが、三井不動産レジデンシャルが建て替えを提案し、その費用を旭化成建設に請求するという会社同士の問題となっているので、大きく揉めることはないのではないかと思います。
建て替えに伴う仮住まいや引っ越し、生活基盤の変化を考えると、住民の方にはかなりの負担です。誠意ある対応をしてほしいと思います。
また、同じような事件が今後起こらないようにしていかないと、マンションを購入する人が激減するでしょう。法的な枠組みはもちろん、業界での自主的な改善もこれから進むことを期待します。

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くい打ちのデータはどうやって取得しているのか
•2015年12月6日

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不動産業界を震撼とさせた、横浜市のマンションのくい打ち工事データ偽装改ざん事件。大手不動産会社と大手企業子会社が関わったことで、一般の人にも衝撃が走っています。工事の重要工程であるくい打ちとは、そのように偽装改ざんが容易な作業なのでしょうか?実際にはどのようにデータ取得などが行われているのか、知ってみるとこの事件についてまた違った一面が見えてくるかもしれません。

くい打ちデータとは
2015年10月に発覚した、大手不動産会社・建設業者による「くい打ちデータ偽装・改ざん事件」。横浜市にある大型分譲マンションの渡り廊下が傾いていることから明らかになった施工不良は、関わった企業の社長が謝罪会見を行い、全国のマンションや商業ビルなど建設業者が手がけた約3,000棟をすべて調査対象とするなど、世間を揺るがす大きな事件になりました。建設業界特有の問題に絡む事件である、建設工程で発生する仕方ない現象だ、などと、いろいろな説明・解釈が出ていますが、そもそも、くい打ちとはそんなに簡単に偽装改ざんできてしまうものなのでしょうか?「くい(杭)」は基礎の部分にあたり、地面に差し込むことで建物を固定します。軟弱で、浅い基礎では構造物を支えることができない地盤でも、深い部分であれば堅固な地層(支持層)があります。その部分まで達するように、深くくいを打ち込んで、建物を支えられるようにすることを、建設用語で「くい打ち工事」と呼びます。支持層は、硬い地層が5m連続する層であり、そこに確実にくいを打ち込まなければなりません。支持層まで届いていることを測量したデータで紙に打ち出して証明し、管轄する自治体の庁舎へ行ってデータを提出することで、建築確認申請(建築物が建築基準法・条例等に適合しているか確認を受けるための申請)が通るのです。今回のデータ改ざんは、関係者の供述によれば、不動産会社から言われた期日に間に合わせるために、「くいが支持層に達していないことを現場担当者が知りながら、工事期間が延びないように、他で使用したデータを流用して申請した」ということのようです。

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くい打ちデータの測量は機械式
支持層までくいを打ち込めたかどうかは、専用の測量機器で調べることが出来ます。大手建機会社などで機械を販売またはレンタルしています。この機械で、くいを打つ時に使うドリルの「電流値」を計測することで、支持層に届いていることを確認します。支持層は堅いため、くいを打ち込むためには大きな力が要ります。電気式であるドリルで打ち込めば、その分、使用する電流の値も大きくなり、支持層に杭が打ちこまれた長さに比例して電流の流れる時間も長くなります。この、電流値の量と時間をデータにして出力し、支持層に届いたことを証明します。電流値は、同じ長さのくいであっても、支持層までの地層の質(含まれる砂礫の量など)により変化します。そのため、同じ建物に使うくいでも、それぞれに違うデータが出てくるものですが、もしデータの流用により改ざんが行われたのだとしたら、くいによって違うはずのデータが横並びになり、通常のくい打ちとは異なります。そのことに気付かなかった、或いは気付いていながら無視した、としたら……。この事件、支持層より深い問題になるのかもしれません。
http://www.o-uccino.jp/article/archive/trend/20151206-kuiuchi/

市民の声
詳細内容
杭のデータ偽装の問題は設計図にあると思います
受付年月-2015年11月
要望区-青葉区
事業名-市民からの提案
内容分類-教育 > 学校施設 > その他学校施設
対応区分-情報提供その他(既に実施済み・お礼お詫び等)
<投稿要旨>
杭のデータ偽装が判明した市立中学校は、市が監理しているのではないのでしょうか。その監理に問題がなかったのでしょうか。また、建設業者管理技術者に問題がなかったのでしょうか。世間では杭業者のみの責任を追及していますが、一番の問題は設計図にあると思います。
<回答>
横浜市の公共施設については現在、報道されている都筑区マンションで杭を施工した業者による工事案件の調査を進めており、都筑区マンションと同様の杭を使用していた事が確認された場合には、データの流用等の有無の調査を行い、施設の安全性の確認を進めています。
今回、1つの市立中学校において、根固め液(セメントミルク)注入量のデータについて、一部に流用等が判明しましたが、
(1)すべての杭が堅固な地盤である「支持層」に達していること、掘削時の電流値のデータに流用等がないこと、
(2)すべての杭において、必要な量の根固め液(セメントミルク)が注入されていることが確認され、現地調査においても建物の傾きやひび割れなどの不具合がないことから、安全性には問題がないと判断しています。

また、事前の地盤調査を踏まえて行った設計に疑義は生じておらず、施工の段階でも、元請建設業者がすべての杭施工に立ち会っていることや、工事監理者が毎日データをチェックしていたことが施工図書から確認できるため、適切に設計・施工が行われたと判断しております。
<問合せ先>
建築局公共建築部営繕企画課
電話:045-671-2910-FAX:045-664-5477
<公表内容基準日>
2015年11月19日-※上記の内容はすべて左記の日付時点のものであり、現在とは異なる場合があります。

「市民の声提案」この件に関するご意見等がありましたら、「市民からの提案」の専用の投稿フォームをご利用ください。
http://cgi.city.yokohama.jp/shimin/kouchou/search/data/27002437.html

2015年10月26日 (月)
杭の偽装問題で思うこと

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ニュースを騒がしている杭の偽装問題で思うことを記しておきます。
今回の事件、マンションやビルなどの荷重の重い建築物を軟弱地盤に建設する場合には、地盤(支持層)までしっかりと支持杭を届かせて荷重を伝える必要があるのですが、その支持杭が支持層に届かなかったことが問題です。
下請け(正確には3次下請け)の技術者が何かしらの理由によりデータを偽装したことが原因ですが、なぜ一人の技術者がリスクの大きい偽装をする必要があったのかそこが分かりません。
工期やコストのプレッシャーがあったとの報道がありますが、それだけで危険な偽装をするであろうか。そこには「こんな仕事やってられっか。適当に済ますしかないな」と思わせるような何かがあったのではないかと思ってしまいます。自分の会社や発注者に損害を与えようという悪意があったとしか思えないのです。そんなことでもない限り、データの改ざんというリスクの大きなことを一担当者が行う理由が見当たりません。
報道では再発防止の方法などが解説されていますが、マンションやビル建設での下請け構造の施工体系では再発防止は難しいものと思われます。
どんなことであれ、人が行うことなので、間違いや失敗は起こりえること。その間違いをチェックする仕組みが必要ですが、何に対して合っているのか間違っているのかモノサシが必要です。そのモノサシとなりうる基礎データを偽装されてしまうとチェックのしようがありません。被害者と善意の加害者が増えるだけです。
私が思うところでは、間違いの無い仕事を行うためには「その仕事を誇りに思って仕事をしているかどうか」ではないかと思います。工期やコストのプレッシャーがある場所では「やらされている感」が生じてしまい、一時的とはいえ、プロとしての意識が欠如する判断をする者が現れてもおかしくありません。
また、「クライアント(施主)の顔が見える関係で仕事ができているか」と言うことも大事だと思います。「誰のための仕事なのか」を感じて仕事が出来ていないことも大きいのではないか。実際に作業を行う人が一人ぼっちになっていないだろうか。任されて責任感を持っている人たちばかりではないのが現実。現場でしっかりとコミュニケーションがとれているだろうか。「お茶買って来たよ、お茶にしよう」とたわいのない雑談をすることも大事な時間。クライアント(施主)の顔の見える関係であれば、大事なクライアントの顔に泥を塗るような今回のような事件は起こらないものと思います。
適正な価格と適正な工期で、しっかりとコミュニケーションをとれた関係での仕事が不可欠です。「安くしよう」と思えば、コストと工期にしわ寄せが出ます。「『正しいものを作る』ためには、適正な価格と適正な時間とコミュニケーションが必要」と言うことを消費者やディベロッパーも改めて知る必要があるのだと思います。
(写真は木造住宅での地盤調査の様子です)
http://sekio.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-ed78.html

【社長ブログ】横浜のマンション偽装に思う!
2015年10月19日(月)
早川正一

毎日TVで横浜のマンション問題が報道されている。
建築の仕事をしている者としてどうして? の疑問を感ずる。
そもそも、杭を打つと言う事は建物を支える為の改良工事である。
その杭が地盤に届いていないとは・・・・・・・考えられない事だ。
われわれ木造住宅でも、今は全棟地盤調査をし軟弱地盤であれば改良工事し、杭打ちをしている。
杭が強固な地盤まで届いていない事など考えた事もない。
地盤改良工事をする会社を信じているし、調査結果と改良工事のデーターは施主様と当社は保管している。
しかしながら、お互いの信頼で成り立っているはずのものが、実は改ざんされているとなると恐ろしい事だと思う。
誰もが、大手会社の売り出した建物であれば、高くても信用で購入しているであろう。
私も地盤に関しては、専門外なので信頼している地盤調査会社に一任しているのが実情です。
この問題を機に勉強せねばとの思いを強くしている。
何の仕事にも当てはまると思うが信頼があって成り立っていると思う。
真面目に建築の仕事している人達が汚されたような気がしている。
http://www.hayaken.co.jp/?d=1725

2015年11月14日
杭データ偽装さらに数十件以上増加 自治体「情報足りない」
くいデータ偽装 都51件「これほどとは」 自治体「情報足りない」
横浜市のマンションに端を発したくい打ちデータ偽装問題は13日、旭化成建材の施工分だけで、50人以上の現場管理者が不正に関わり、少なくとも266件で偽装が行われていたことが判明した。すでに各地の自治体では旭化成側の公表前に独自調査を実施。いずれも安全性に問題ないとしているが、確認するデータ自体が偽装されているだけに、「暫定的な判断だ」との指摘も。自治体からは「詳細な情報が足りない」と不満の声が上がった…
(産経新聞) – Yahoo!ニュース より引用
旭化成建材偽装266件 くいデータ2376件調査、関与50人超
くい打ちデータ偽装問題で、旭化成は13日、子会社の旭化成建材が過去約10年間に請け負った物件3040件のうち、2376件の調査が終わり、266件で偽装が確認されたと発表した。旭化成は調査状況を国土交通省に報告した。不正に関わったとみられる現場管理者は50人以上だったことが判明。残りの物件も調査を続けるが、偽装件数は増える見通しだ…
(産経新聞) – Yahoo!ニュース より引用
くいデータ流用など さらに数十件以上増加か
旭化成建材が工事を請け負った物件でくいのデータの流用や改ざんが相次いで見つかっている問題で、過去10年余りに請け負った3040件の物件のうち、流用などが行われていた物件は元請け会社の調査内容と照合した結果、これまでの300件前後からさらに数十件以上 …
NHKニュース より引用
「あってはならないこと」=厳しい表情、謝罪繰り返す―旭化成会見
「あってはならないことだ。非常に高い割合と思っている」。旭化成建材のくい工事2376件のうち266件でデータの流用などが見つかったことについて13日夜、東京都内で会見した旭化成の幹部は厳しい表情で語り、「本当に申し訳ない」と何度も謝罪の言葉を口にした。旭化成建材の前田富弘社長は会見の冒頭、「心よりおわびいたします」と述べ、親会社の旭化成の平居正仁副社長らとともに深く頭を下げた…
(時事通信) – Yahoo!ニュース より引用
くいデータ改ざん、数字も合わず 自治体、ずさん対応に憤り
旭化成建材が兵庫県内で過去10年間にくい打ちを請け負った工事のうち、医療・福祉施設2件でデータの流用などがあったことが13日、同社の調査で分かった。ただ、具体的な情報は提供されず、これまで公表していた県内の調査対象の工事件数も修正するドタバタぶり。
神戸新聞 より引用
旭化成建材くい打ちデータ流用 新潟大学生寮でも 異常なく当面は使用
平成23年3月に完成した新潟大学の学生寮「六花寮(りっかりょう)」(新潟市西区)のくい打ち工事で、請け負った旭化成建材がデータを流用していたことが13日、分かった。県内でデータの流用が明らかになったのは初めて。195人の学生が現在入居しており、新潟大は寮を施工 …
産経ニュース より引用
【くい打ちデータ偽装】横浜市への報告間に合わず 三井不動産レジデンシャルと三井住友建設
横浜市都筑区の傾いたマンションに端を発したくい打ちデータ偽装問題で、横浜市は13日、売り主の三井不動産レジデンシャルと元請けの三井住友建設に求めていたデータ改竄(かいざん)の経緯などについての報告が、期限の同日に間に合わず、24日以降になると連絡を受け …
産経ニュース より引用
【くい打ちデータ改ざん】消極姿勢に高まる批判 三井住友建設へ業界他社
横浜市の傾斜したマンションの施工主である三井住友建設が11日、問題発覚以来、約1カ月を経てようやく記者会見を開いた。説明が遅れただけでなく、決算発表に合わせての会見には、この問題への消極姿勢がにじむ。一連の対応に身内の建設業界からも批判が高まっている …
47NEWS より引用
杭データ流用250件30人関与…2200件中
同社と親会社の旭化成は同日午後、国土交通省に報告した後、発表する。 関係者によると、約2200件のうち学校などの公共物件は約600件あるが、このうち1割程度でデータ流用があったという。調査を終えた物件で傾きやヒビなどの不具合が見つかったり杭が固い地盤に届い …
読売新聞 より引用
【マンション傾斜】 くいデータ流用、山梨県立盲学校でも
山梨県は5日、甲府市下飯田の県立盲学校で平成19~20年に行われた屋内運動場の改築工事で、くい打ち施工した旭化成建材のデータの一部に流用があったと発表した。 48本のくいのうち、1本の電流計の記録について、約10メートル離れた別のくいのデータを流用した。
産経ニュース より引用
http://plus.logfix.com/news/15131

横浜の傾きマンションに思う。設計施工一貫について
2015年10月27日 K-SEKKEI コメントをどうぞ
横浜のマンションで杭の偽装があった。販売主は三井不動産、元請け施工者は三井住友建設、杭の一次下請けは日立ハイテクノロジーズ、杭の二次下請けが旭化成建材という顔ぶれです。

ここで、いろんな疑問が湧いてきます。
•設計者は居ないのでしょうか?
•旭化成建材ばかりが批判の矢面に立たされているが、杭の一次下請けの日立ハイテクノロジーズ、更に元請けの三井住友建設の責任は無いのでしょうか?
•何故、三井、住友、日立、旭化成というそうそうたるネームを持った会社が、このような不祥事を起こすのでしょうか?
等々、疑問は尽きません。

この中で、自分が特に疑問に思うのは設計者の存在が、全く感じられないことです。建物は、ゼネコンさえいればできてしますものと思っている人が居るかもしれませんが、ゼネコンが作るにしても、設計者は要るのです。
ただ、今回は、三井住友建設の中で設計をやっていたのだと思います。いままで、設計事務所の名前が一切出てきていないところから考えると、いわゆる設計施工一貫の工事、だったのと思われます。
ここに、問題の一端があるのではないかと思います。

建物とは、総合的なものであり、様々な専門家が集まって作り上げるものです。その作り上げる過程には、無数の選択肢がありどちらを選べば良いかの判断には、トータルで建物を理解している人格が必要です。
抽象的でわかりづらいかもしれませんね。
例えば、身近な洋服で考えてみてください。冬に出かけるときの服を買いにマルイに行きました。その際、ショップの店員が進めます。
店員:薄手のTシャツの上に皮ジャンを羽織るとカッコいいですよ。モテモテですよ~。
一方、一緒に来た奥さんが、一言。
奥さん:シャツ上に、ジャケットを着て、更にコートを重ね着するのが良いんじゃない? いろんなシーンに対応できるし、あなたは、暑がりだから
さあ、あなたなら、どちらの意見を聞きますか?
出かけるときは、どちらでも良いでしょう。ところが、出かけた訪問先の室内は、外と同じ服装では暑すぎるので、ちょっと脱ぎたい。
店員の言葉を聞いて、皮ジャンを着て出かけた人は、皮ジャンを脱ぐとTシャツ1枚になってしまい、今度は寒い。こうなって初めて、体温調節ができる重ね着の方が良かった。妻のいう事を聞いておけばと後悔します。
つまり、部分部分の選択では、どちらも正解の選択肢も、起こりうる問題を予見し、目の前に見えない条件(夫は暑がりで汗っかき)も理解しておかなければ、失敗してまうのです。
さて、話を建物の話に戻します。今回の問題では、建物の全体を考える設計者という専門家が、制度の上ではいましたが、実際に施主の側に立って考える専門家が一人もいなかったのです。施工会社に雇われている設計者が誰のために仕事をするかは、日を見るより明らかです。
建物に住み続ける人のために建物は存在するはず。その居住者の生命、財産を確保するために、何を線選択するかは、その建物を購入する人でなければなりません。但し、専門的なことについての判断は、購入する人に依頼された専門家、つまり、施工する者から完全に独立した設計者でなければ、正しい判断はできないのです。ここを、間違えなければ、今回のような問題は、起こらなかったはずです。
自分の命と大切な財産を託す住宅。不動産のパンフレットよりも、信頼のおける専門家を探す方が先なのではないでしょうか?
少なくとも、次の点はチェックしてすることをお勧めします。
•マンションのチラシの中に書いてある敷地面積、延べ床面積等、細かい文字の中に、「設計者」が書いてあるか確認する。
•設計者のポリシー、実績、評判を調べてみる。ネットで設計事務所名を検索すればある程度わかると思います。
かなや設計 環境建築家 金谷直政
http://www.k-sekkei.net/k-web02/?p=271

横浜のあのマンションは、「傾斜した」と言って良いのか?
杭の偽装問題、まだまだ広がりそうですね。

いろいろな問題が出てきていますが、
私が最初の報道から疑問に思っていた事の見解が出てきました。

その疑問とは、
「横浜のマンションは、何を基にして傾いたと言っているのか?」という事です。

偽装については問題外なのでここでは取り上げません。
悪質なことなので、その事をフォローするつもりもありません。
あくまでも、傾いたかどうか、どいう事にだけフォーカスして話しますので、
誤解のないようにお願いします。

建築関係の仕事をしているプロの方ならば、同じ疑問を持ったはず。
その説明が、
「日経アーキテクチャー 2015:11−25 杭騒動・語られない真相」
に書いてありました。

151206-3d
まず、冒頭の文章がこれです。

「建物が傾斜したとか、沈下したと説明した事は一度もない。」
発言者は、横浜市建築指導部建築安全課。

『「傾斜マンション」などと報道され、苦り切った様子だ』
とまで書いています。

そして、
『報道を前に、「本当に傾斜しているのか」と疑問を呈する杭や地盤の専門家は多い。
 「杭未達や建物の傾斜を判断するには、あまりに材料が少なすぎる」
 と声をそろえる。』
と書いています。

そもそも、建物は杭を打ったからといって、全く動かない(沈下や傾斜しない)物ではないのです。
杭を打っても、地盤自体がは完全に固定されているものではありませんから動いてしまうのです。
ましてや、長手54mという大きくて、複雑な形をした建物です。
多少のズレは有っても仕方が無いのです。

そのようなズレに対応するため、
廊下などではつながっているように見えますが、
ズレても建物が壊れないように作ってあるのです。

また、建物の傾斜は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」上でも規定があります。
一つの基準が「1000分の3以上」です。

今回のズレを2.4cmで考えると、傾斜は
「1000分の0.4」となるそうです。
このように考えると、このズレの問題はそれほど深刻とはならないのです。

この記事には、問題が露呈してきたとも書いています。
『この杭の工法は「大臣認定工法」だったために管理が不十分ではなかったのか、』
『そもそも、この杭の工法の選択が間違っていたのではないか、」
と言う事までもです。

報道の仕方についても言及しています。
私も実際にテレビなどの報道を見ていると、まるでもう直ぐマンションが壊れてしまうのではないか、という雰囲気を感じることがありました。

この記事には、このようにも書かれています。
『過熱する報道に対して、冷静な判断を求める声が複数の専門家から上がっている。
「偽装=傾斜」では無いというのだ』

今回の問題に対して擁護するつもりは全くありません。

あなたには、きちんと専門家も読むような記事の内容を知ってほしいと思ったのです。

参考文献:日経アーキテクチャー 2015:11−25-杭騒動・語られない真相
http://shomeh.blog116.fc2.com/blog-entry-1468.html

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151207

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