杭データ改ざん事件151207

杭データ改ざん事件151207

2015/10/30
杭工事の偽装から考える
問題が起きた時、なかったことにする。とか、見なかったことにする。ではなく、妥当なレベルの対応をする、できるための余裕が必要ですよね。この件が該当するかどうかはわかりませんが、厳しすぎる基準とか、そもそも無理がある計画など、ルール通りにやると実現不可能。ならば、それはルールが間違っているということなので、目的に対して妥当なルールに変える必要があると思います。
本件について、というよりも、こういうことは大なり小なりどこでもあることだと思います。私自身の思いとしてですが、非現実的なルールをそのままにしながら、運用でカバー、現場に歪みを吸収させる。というのは、もう限界だと思います。
http://researchmap.jp/jo7rqyn13-10142/

マンション傾斜 57件で支持層に到達確認 旭化成建材のデータ偽装物件
産経新聞12月4日(金)22時8分

国土交通省は4日、旭化成建材によるくい打ち工事データの偽装があった公営住宅や学校など16都道県の57件について、くいが強固な地盤である「支持層」に到達していると判断したと発表した。
自治体が施工記録の点検や追加の地盤調査などを行った結果で、地盤の強度を測る「電流計」のデータ偽装部分については安全性が確認できたことになる。くいの先端部分を補強するセメントを量る「流量計」のデータ偽装については、安全確認の方法を検討中だ。
57件は、横浜市都筑区の傾いたマンションを担当した現場管理者が関わった物件と、自治体の独自調査でデータ偽装が先行して判明した計82件の一部。このほか、流量計のデータ偽装だけが見つかった物件14件、ボーリング調査を行う予定の物件9件などが残っている。
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1204/san_151204_3796528340.html

「杭打ち偽装」参考人招致を翻意…自民と旭化成ズブズブ
2015年12月5日

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国会で説明すべき(旭化成の浅野社長・右と平居副社長)/(C)日刊ゲンダイ
国会審議を何だと思っているのか。安保法の強行成立に加え、臨時国会も開かない憲法無視の自民党がまた、やりたい放題の「暴走」だ。3日、参院国交委で開かれた「杭打ち偽装問題」をめぐる閉会中審査で、与野党で合意していた旭化成と旭化成建材の両幹部の参考人招致に反対し、招致がドタキャンされてしまったのだ。
この日の参考人招致は国交委の与野党筆頭理事が合意し、一任された広田一・国交委員長が両社に出席を要求。そろって出席に同意していたのだが、委員会直前の理事会で、自民党から異論が出て結局、見送られた。いったん決まった国会の参考人招致が当日に与党の猛反対でオジャンなんて聞いたことがない。
案の定、質疑では旭化成建材の杭打ち偽装データに関する質問などが出たが、会社に代わって国交省幹部が「旭化成建材からそう報告を受けています」などと“又聞き答弁”を繰り返すばかり。てんでラチが明かず、真相究明には程遠い内容だった。自民党は参考人招致の反対理由として、「偽装は旭化成建材だけじゃない」「第三者委員会の調査結果が出ていない」――などと主張したらしいが、へそで茶を沸かすような話だ。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/171039
参院国交委員の辰巳孝太郎議員(共産党)がこう言う。
「与野党の理事が合意したものを反故にするとは前代未聞です。旭化成だけじゃないというが、建物が傾いたのは旭化成だけ。私は真相究明のためには元請け業者も含めて参考人招致するべきと思います」

■旭化成は自民党の「大口献金企業」
なぜ自民党はそこまで強硬に参考人招致を嫌がったのか。建設業界全体に波及しかねない杭打ち問題を静かに幕引きしたいという思惑があるのだろうが、理由はそれだけじゃない。カネだ。
安倍自民1強の今、経団連では加盟企業の献金額を割り当てる「奉加帳」が復活したといわれている。自民党の政治資金団体「国民政治協会」の収支報告書をみると、業界大手の旭化成は2012年に1200万円、13年に1500万円、14年に1500万円を寄付している。旭化成は自民党にとって“超優良”の大口献金企業のひとつなのだ。
「献金は身を守る手段といわれているから、まさに今回がそのタイミングなのでしょう。しかも、旭化成の会長は経団連会長の諮問機関である審議員会の副議長。自民党と財界の持ちつ持たれつの関係なのですよ」(経済ジャーナリスト)
いいのか? これで。

Sunday, December 06, 2015
傾く日

中古マンション価格頭打ちか 不動産市場の変調 :日本経済新聞
これ割と重要なニュースなんですが、マンション販売が好調で、既に数字上はバブル越えの高値成約が続いていたんですが、種明かしすれば中国人による投資用の購入が相場を押し上げてきたものが、7月の上海株ショックを受けて資産の整理にシフトしたと見られます。その結果マンションが売られ、中古マンション市場の在庫が積み増す状況となっているわけですね。
投資用というのは賃貸などで運用することを意図したもので、Airbnbなどの民泊と呼ばれるシェアルームも含みます。政府の音頭取りで大阪市や大田区で民泊解禁の条例が成立しましたが、現実はすでにその先へ進んでいるわけです。で、比較的新しい物件が中古市場に在庫として積みあがれば、当然新築マンションの売れ行きに影響が出ます。というわけで、好調なマンション市況の終焉というわけで、2007年のミニバブル崩壊に近い状況になりつつあるというわけですね。
似てるのはそれだけじゃなくて姉歯事件で揺れた建設業界をまたしても傾きマンション事件で大揺れです。しかも予想通りというか、データ改ざん自体は業界全体に蔓延していたことが明るみに出てにっちもさっちも状態。やはり姉歯事件を受けて検査の厳格化で工事が滞って完成不況と言われた2007年とそっくりの展開です。しかも実際の工事は姉歯事件とほぼ同時進行で、発覚が今になっただけですが、奇しくも当時第1次安倍政権の時代。これ偶然ではありません。しかも横浜の傾きマンション事件でも三井住友建設と旭化成建材の対立が出てきて事態は混とんとしてます。

杭打ちミス、設計か施工か 三井住友建設と旭化成建材が対立:日本経済新聞

元々1年以上前に発覚したマンションの傾きですが、売り主の三井不動産レジデンシャルは消極的な対応でぬらりくらりしていたのですが、今年に入って横浜市の検査があって杭が支持層に届いていないことが報告されると、一転全棟建て替えを言い出しましたが、ブランド防衛に動いたと見られます。費用は通常建設会社の負担となりますが、元請けのグループ企業である三井住友建設にかぶせることを回避するためか、通常は表へ出ることはない2次下請けの旭化成建材を住民説明会に引っ張り出すなど謎の行動に出ます。どうも旭化成は嵌められたようです。
旭化成建材がデータ改ざんしたのは事実ですが、現場責任者は杭は支持層に届いていると主張し、旭化成は三井住友建設に再調査を申し入れてますが三井住友はそれを認めないという態度で膠着しています。全棟建て替えも管理組合全体で4/5、各棟で2/3以上の賛成という高いハードルを越えられずに補修だけで終わってあいまいな決着となる可能性もあります。そうなると真相は藪の中。問題は未解決のままとなります。
件の現場責任者も元々は3次下請けの社員で工事期間中旭化成建材に出向していた身分ということで、現在も全国の現場を渡り歩いている状況ですが、これはゼロ年代のミニバブル期の建設業界の状況からこうなったということは言えます。当時公共工事は圧縮傾向の一方、容積率緩和などで民間工事は盛んでしたが、工事費には大きな開きがあり、民間は公共の半分という極端なケースすらありました。その中で建設会社はリストラに勤しみます。高給取りだけど工事期間以外は仕事がない技術者を社外へ出し、社内に技術者がいない状況で、現場の監督業務まで下請けへ丸投げし、社員は現場から上がってくるデータを取り込んでパソコンとにらめっこという状況になります。いつしか現場では期日までにデータを元請けへ上げることが仕事というずれた状況になったわけです。
しかも若年人口の減少もあって技術者自身の高齢化は進み、若手の補充がないから技術は伝承されず尻すぼみどころか、今回のように現場の技術者に責任転嫁するような建設会社には協力する技術者がいなくなる可能性もあります。ある意味三井住友建設は虎の尾を踏んだわけです。さて、こうしてじり貧状態で、震災復興も半ば、五輪特需や国土強靭化などでリソースの枯渇は目に見えております。その意味ではマンションブームの終焉は微妙な時期の出来事という皮肉な結果ですが。

これかつて国鉄末期に赤字を理由に採用手控えの結果、今になって40代の中堅社員が不足し技術の伝承に支障するJR各社と同じ過ちとも言えます。逆にJRも今が正念場ということですが、残念なニュースあれこれが。
http://btrainj.cocolog-nifty.com/hasirundesu/2015/12/post-a90d.html
ただし、私の独断で杭データ改ざん事件に関係すると思われる部分のみ抜粋させていただきました。

マンション杭問題 2003年の先行傾斜例でも
ニュースソクラ 12月6日(日)23時26分配信

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東京の建設現場(撮影・編集部)
支持層までの深さ、同じ敷地内でもばらつき

三井不動産レジデンシャルが分譲した横浜市のマンションが傾斜した問題は、住宅・建設業界全体を巻き込む事態へと広がりを見せている。地盤への杭施工を担当した旭化成建材による電流計データの流用が発覚し、同社がこれまでに施工した他の物件でも同様のデータ改ざんが確認されている。また、杭の製造・施工では大手となるジャパンパイルでもデータ改ざんが発覚した。
今回の問題を引き起こした根本的な要因としては、建築業界特有の重層下請構造の弊害や現場管理システムの不備などが挙げられているが、地盤や杭に関する問題にも着目しておく必要があるだろう。
傾斜した横浜市のマンションでは合計473本の杭が打ち込まれ、このなかで70本の杭でデータの改ざんがあったという。70本のうち6本が支持層に届いていない可能性があり、このことが傾きの原因であると見られている。ただし、「6本のうち5本は支持層に届いていた」という報道も出てきており、真相はまだ明らかになっていないと言っていいだろう。
今回のマンションの問題が表面化する前に、同じように杭の施工不良で傾斜したマンションがある。住友不動産が2003年に横浜市で分譲したマンションでは、全5棟中のうち1棟が傾斜していることが分かり、支持層にまで届いていない杭があることが明らかになった。
このマンションを施工した熊谷組では杭の施工不良(瑕疵)が発生した要因として、事前のボーリング調査では想定できなかった支持層の急激な落ち込みがあったことなどを挙げている。杭を打ち込む前に行う地盤調査で建設場所の全ての箇所を調査することは難しい。そのため、調査を実施しなかった地点の支持層が急激に落ち込んでいる場合、杭が支持層に届かないという事態が発生する恐れがあるというわけだ。
三井不動産レジデンシャルが分譲したマンションについても、支持層が最大40度も傾斜していたという。杭施工を行う事業者にとっては非常に難しい現場であったはずだ。なおかつ、地表から支持層までの地盤の抵抗値もあまり高くなかったという。抵抗値が高い地盤であれば、支持層に届いていない状態でもある程度の支持力を期待できるが、抵抗値が低い地盤ではそれも期待できない。
事前調査を実施した元請業者である三井住友建設と杭の施工を担当した旭化成建材は、建設地の地盤が非常に難しい条件を備えていることを認識していたはずだ。それだけに、いつも以上に細心の注意を払って事前の地盤調査を行い、調査結果に基づき適切な杭の設計と施工を行うべきだったのではないだろうか。また、マンションを販売する時点で、三井不動産レジデンシャルがこうした地盤の特性を購入者にどのような形で知らせていたのかという点も気になる。

地盤の状態が悪い場所に建つマンションであっても、適切な対応策が講じられていればリスクを極小化できる。東日本大震災では、千葉県の浦安エリアなどで深刻な液状化被害が発生し、戸建住宅が傾く被害が多発した。しかし、マンションが傾いたという話は聞えてこなかった。そのひとつの要因が建物を支える杭が支持層にはまでしっかりと届いていたからだ。
建築基準法では、一定規模以上の建築物の場合、杭の先端が支持層に到達していなければならないと規定している。通常の戸建住宅であれば、法的には支持層まで杭を打ち込む必要はない。戸建住宅の場合、支持層にまで杭を打ち込むのではなく、地盤の状況に応じて地盤改良工事などを行う。適切な改良工事を施せば、多くの場合は問題なく住宅を建てることができる。ただし、「地下水位が浅い」といった特徴を持つ液状化リスクが高い地盤では、付加的な対策が必要になる場合もある。この点については、最近になって戸建住宅用の液状対策技術も開発されており、地盤の液状化リスクを適切に判断し、こうした技術を活用して対策を講じることも十分に可能だ。
マンションであっても、戸建住宅であっても、建物を支える地盤の状態を判断し、それに見合った対策を講じなければ、自然災害などに伴い建物が傾斜するリスクを抑制することはできない。住まいを選ぶ際には事業者に地盤の状態を確認し、どのような対策を講じたかを確認しておく必要があるだろう。また、液状化リスクといった地盤に関する情報は自治体などでも公表している。“一生に一度”の高い買い物だけに、自らこうしたデータを確認しておくことも大切になりそうだ。
ハウジング・トリビューン編集部
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151206-00010000-socra-life

ジャパンパイル、福島の復興住宅でも流用 杭3本のデータ
2015/12/6 0:01

福島県は5日までに、郡山市の復興公営住宅の杭(くい)打ち工事で、杭製造・施工大手のジャパンパイルによるデータ流用があったと発表した。現地調査では傾きや不具合はなく、安全性に問題はないとしている。
県によると、復興公営住宅は鉄筋コンクリート造りの5階建て。杭78本のうち3本で、支持基盤に到達したことを確認するデータを別の杭の分で流用していた。ジャパンパイルは、記録器のトラブルでデータが記録されなかったためと説明しているという。
同住宅には、東京電力福島第1原子力発電所事故で全町避難が続く富岡町の住民39世帯が入居している。
ジャパンパイルの杭打ち工事では、愛媛県今治市の県警今治署や茨城県の病院などでデータ流用が確認されている。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05H90_V01C15A2000000/

大京、杭打ちデータを毎日確認 マンション工事監視強化
2015/12/6 1:30
日本経済新聞 電子版

大京はマンションの基礎工事となる杭(くい)打ち工事の管理体制を強化する。計測データの報告を元請けを通じて毎日求め、最初の杭打ちには大京の技術社員が必ず立ち会うようにする。傾斜マンション問題で消費者の不安が広がるなか、売り主である大京が施工現場の監視を直接強めることで建物の品質維持に努める。
主力の「ライオンズマンション」ブランドで年間2千戸程度が対象になる。7日に杭打ちを始める愛知県内のマンション建設現場から新たな管理体制を導入する。
固い地盤の支持層に到達したかを示す電流計データや、支持層に杭を定着させるセメントミルクの流量を元請けのゼネコンから報告させる。支持層に届いたかどうかの目安になる、掘り起こした土壌の状態を撮影した画像データも含む。
従来は杭工事が一定期間終わった際に、ゼネコンがまとめて報告するケースが多い。大京は毎日の報告ルールによって計測忘れや工事ミスを防ぐ。
杭工事の期間は毎日、杭打ちを終えた1本ごとのデータをメールなどで報告させる。大京の本社にいる、マンション構造などに詳しい社員3人が確認する。杭工事の最初に打ち込む「試験杭」では、社員が最低1人立ち会うようにする。
大京はこれまで社員の立ち会いを義務づけていなかったが、同社が開発したマンションにも旭化成建材による杭工事のデータ偽装が発覚したこともあり、見直す。大京グループ傘下の穴吹工務店が手掛ける「サーパスマンション」の現場では、売り主と施工が同じ会社なので社員が立ち会っている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ04HTV_V01C15A2TJC000/

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151208

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