杭データ改ざん事件151208

杭データ改ざん事件151208

しんぶん赤旗
•2015年12月07日 09:39
主張/杭工事データ偽装/業界任せの仕組み改善が急務

横浜市の大型マンションの傾斜に端を発した杭(くい)打ち工事のデータ偽装は、民間建物だけでなく病院や学校など公共施設に広がるなど深刻化しています。データ偽装は、業界トップの会社で行われていたことなども次々と判明、業界全体にまん延していることを浮き彫りにしています。
根本にあるのは、建物の安全性確保が民間企業任せにされ、国や地方自治体が責任を負わない仕組みになっていることです。

効率優先の規制緩和で
1998年の建築基準法改定で地方自治体の建築主事建築確認・検査を行っていたものを、民間の「指定確認検査機関」に門戸を開放しました。建築基準を仕様規定から性能規定に転換し、柱の太さなど個々の仕様は問わずに建築物全体で性能が確保されればいいと「簡略化」したのです。効率を優先した建築行政の規制緩和が背景です。
一定規模以上の建築物の工事の際、建築士である工事監理者が設計通りの施工で実施されているのかを確認する必要があります。しかし、多くの施工主(元請け)は自社と密接な関係の会社に任せているのが実態です。3日の参院国土交通委員会の閉会中審査で国交省は、横浜の偽装問題では、施工主の三井住友建設の3人の建築士工事監理者で、設計者も同じだったことを認めました(日本共産党の辰巳孝太郎議員への答弁)。これでは安全性確保のチェック機能がはたらく保証はありません。
建設業界の多重下請け構造も、責任の所在を不明確にしています。横浜の場合では元請け(三井住友建設)から1次下請け(日立ハイテクノロジーズ)、2次下請け(旭化成建材)、3次下請け業者と「多重下請け」となっており、責任が下へ下へと転嫁されていました。
施主の三井不動産レジデンシャルは発注価格、工期などを指定し、同系列である三井住友建設に発注した際、徹底したコスト削減と厳しい工期設定を求め、それがデータ偽装につながったと指摘されており、事実解明が必要です。
横浜のマンション杭打ちは、旭化成建材が独自に開発した工法が採用されましたが、杭本数や残土量を減らすためといわれており、工法の適否の検証も求められます。
なにより必要なことは、徹底した調査を国と地方自治体が行い、問題の構造を明らかにすることです。3日の衆院国交委で日本共産党の本村伸子議員が「業界任せの自主点検では、住民、利用者の安全が二の次だ」と批判しました。国は姿勢をあらためるべきです。
マンションや公共住宅で生活している居住者、病院・学校など公共施設の利用者などは、建物の安全性を信頼し購入・賃借したり利用したりしています。国民の信頼を裏切った業者の責任は重大です。

第三者のチェック体制を
政府・国交省は全容解明と実態把握に努めるとともに、再発防止への抜本策を講じるべきです。地方自治体の検査体制を拡充し、建築主事を確保するなどの体制強化が求められます。独立性・非営利性を原則とした第三者によるチェック体制の創設が不可欠です。
あわせて、多重下請け構造を是正し、低単価・低労働条件、利益をあげるための無理な工期短縮といった建設業界の構造そのものの改善が急務です。
http://blogos.com/article/148473/

大手企業による相次ぐ不祥事 失墜したブランドの信頼回復の難しさとは
2015年11月10日 6時0分
ざっくり言うと
•不祥事で失墜した企業のブランドを回復する難しさを専門家が解説している
•知名度が高いほど関心を集めやすく、経営への影響は中長期的になるという
•信頼回復に特効薬はないということを肝に銘じるべきだとも述べている
なぜマックの不祥事対応は裏目に出たのか? 失墜したブランド回復の難しさ

2015年11月10日 6時0分
ビジネスジャーナル

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横浜のマンション傾斜問題をめぐり旭化成建材の杭打ちデータ流用問題が連日報じられ、国外でもドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンがディーゼルエンジンの排ガス規制を免れるために不正を行っていた問題が世界を騒がせている。こうした大手企業による不祥事はたびたび起こるが、自業自得とはいえ企業も相当な痛手を被る。
旭化成は問題発覚前後で株価が約2割下落しており、フォルクスワーゲンも不正問題に関する対策費が230億ユーロ(約3兆500億円)から780億ユーロ(約10兆3500億円)に上るといわれている。
こうした不祥事によるブランド価値の失墜は、実質的な損害だけでなく、社会的信頼も著しく損なうことで経営基盤を揺るがす事態にも発展するが、そもそもブランドとはなんなのだろうか。立教大学経営学部教授・有馬賢治氏は、マーケティングの観点からこのように語る。
「そもそもブランドとは、本来自社商品と他社商品を区別するために商品に与えられた固有の記号で、古代ギリシアの壺や中世ヨーロッパのパンなどで独自のマークを付けて自身の作品や商品の品質を誇示していました。現代にも通じる話ですが、これがあることによって顧客は商品を識別できて覚えやすいだけではなく、品質に対する安心感を得ることができます」
顧客の70%以上がブランドを購買意思決定の指針にするという調査結果もあり、いわゆるブランド力は商品を展開する上で大きな要素といえよう。しかし、今回の旭化成やフォルクスワーゲンのケースのように、社会的信頼のある企業がひとたび問題を起こせば、その知名度はかえってあだになってしまう。
「知名度は高ければ高いほどダメージが大きいと考えていいと思います。それはなぜかというと、ニュースとしての価値が高く関心を集めやすいことから、短期間で瞬く間に悪いイメージが世間に浸透してしまうからです。すると、いわれのない誹謗、中傷にもさらされるなどして売り上げ不振の負のスパイラルに陥ってしまい、経営への影響は中長期的なものになるとされています」(同)

●信頼回復の難しさ
では、ブランドを立て直すには一体どうしたらいいのだろうか。
「まずは記者会見ですが、小手先の対応で言い逃れをしたり、言い訳をしたりするのはよくありません。食肉偽装問題の際の日本マクドナルド社長のカサノバ氏がこの例にあげられますが、ちょっとした不適切な表現があるだけで反感や矛盾を世間に晒してしまうことになり、むしろマスコミにネタを提供した格好になってしまう。謝罪を明確に示したうえで事態を真摯に受け入れて、その上でどう対応するのかを明言したほうが、はるかに社会的な印象は良いのです」
しかし、記者会見をうまく乗り越えたとしても企業イメージが回復するものではない。企業としては一刻も早く経営を通常状態に戻したいところだろう。
「広告業界では、信頼を回復するためには不祥事について報道されたトータル時間の7倍の時間をかけて、自社のプラス情報をCMなどで告知する必要があると考えられています。だからといって、不祥事直後に短期間で一気にCMを流すのは逆効果。信頼回復に特効薬は存在しない、ということを肝に銘じておかないと行動が裏目に出てしまうでしょう」(同)
 
会社も人間関係と一緒で、一度崩れてしまった信頼を取り戻すのは簡単なことではない。もちろん、不祥事は起こさないに越したことはないが、もし起きてしまったら焦らずに時間とお金をかけてゆっくりと丁寧に社会貢献を重ねていくことが、リカバリーできる唯一の方法といってもよさそうだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)
http://news.livedoor.com/article/detail/10811233/

くい打ちデータ 旭化成建材以外も調査 6府県が着手・検討
2015年11月6日 朝刊

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既存公共施設へのくい打ちデータの調査対象を、横浜市で傾いたマンションのくい打ちをした旭化成建材(東京)以外の業者が手掛けた工事に拡大する動きが、地方自治体に広がっていることが、共同通信の調査で分かった。全国の都道府県のうち、群馬と滋賀が調査を開始、四府県が検討や準備を始めた。
残る都道府県の半数以上が「国土交通省が設置した有識者委員会の結論を待つ」「国の動向を見る」などとしており、今後の国交省の判断次第では、同様の動きが加速する可能性がある。
旭化成建材は、過去約十年に施工した三千四十件の名称や所在地などの詳細を、要求のあった都道府県に通知。これを受けた自治体の調査で、計二十件以上のデータ流用が見つかっている。
同社以外にも対象を広げた二県のうち、滋賀県は、建築課が過去十年間に発注した県有施設を対象に調査を始めた。不具合は見つかっていないが、担当者は「公共施設である以上、安全でないと」と強調。三十数件を少なくとも二週間かけて調べるという。
群馬県も過去十年ほどを目安に、県発注の建物を調べている。市町村とも情報共有し、同社以外が工事をした公共施設の調査を進める考えだが、施工記録を探すだけでも大変な作業だという。
建築課の担当者は「業界全体に不信の目が向けられている。制度改正をしても、技術者がモラルを持たないと、いたちごっこになる」と話した。
全国で四百五十以上あるくい打ち業者全体の調査について、国交省の有識者委員会が今後、必要性を議論する見通しだ。
◆練馬・中野でもデータ流用
旭化成建材によるくい打ち工事のデータ改ざん問題で、東京都練馬区と中野区は五日、所有する各一施設でデータの流用があったと発表した。
練馬区では、昨年十一月に改築工事を終えた豊玉第二中学校校舎(豊玉北)の基礎工事で、六十五本のくいのうち二本で電流値やセメント注入量のデータ流用があった。建物の傾きやひび割れなど異常は見つかっていない。区は十日夜に保護者向け説明会を開く。
中野区では、現在建設中の南中野区民活動センター(南台三)で三十五本のくいのうち九本でデータ流用が見つかった。区は工事を一時中止し、ボーリングによる支持層への到達状況などを調査する。
旭化成建材が都に提出した施工物件リストに両区の所有施設は各二施設あり、両区は残る二施設についても調査を進める。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015110602000134.html

マンション杭のデータ偽装に違和感 元請の監督がちゃんと管理しろ
2015年10月17日
こんにちは!
自然素材・輸入壁紙を使った「住宅リフォームブログ」を運営している東京都江東区のエーゼン大塚建設 代表の大塚健太郎です。
「今から9年前、2005年11月にマスコミ報道等で発覚した「耐震偽装マンション・ホテル事件」とはなんだったのか。疑惑の中心にいたとされる元ヒューザーの小島進氏が、事件の真相を赤裸々に明かす。

偽装耐震偽装事件」ともうひとつの「国家権力による偽装」』
と言うコピーに惹かれ、先週この本を読みました。
当時世間は「ヒューザーも偽装に加担し、小島氏はその首謀者だ」と言う論調でした。
私も建築に携わる者として、姉歯氏と小島氏には強い憤りを感じていました。
ですから10年たった今、小島氏がどんな真相を語るのかとても興味深かったんです。
そんな過去の偽装問題に思いを寄せていたところ今週、横浜でデータ偽装のマンション問題が発覚しました。
なんでいつまでたっても偽装がなくならないんでしょうね。
こんな不正は私のゼネコン監督時代は考えられませんでした。
施工技術も上がり、PCでデータ処理も早く正確に出来るようになっているというのに・・・
もしかすると工事現場のデジタル化が災いしてるのでしょうか?
昨晩、データ偽装のニュースを見ながら27年前の新入社員時代を思い出していました。
杭工事のトラブルに関するエピソードがふたつあったからです。

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私の最初の赴任地は広島でした。
海を見下ろす井口台の寮から、宮島を通り、山口県大竹市まで通う新築マンションの現場監督でした。
ひとつめのエピソードは、そこで使用したPC杭のトラブルです。
横浜のデータ偽装の杭は現地でコンクリートを打つ『場所打ち杭』ですがPC杭は工場で作ったパイプ状のコンクリート杭です。
重機のドリルで穴を掘り、開けた穴にPC杭を打ち込む工法です。
所定の深さまで杭を打ち込む確認のために運び込まれた杭にスプレーで1m・2mとマーキングをしていきます。
こうすれば打ち込み中の工事写真に、現在何mまで杭が打ち込まれているのかが記録されます。
ところがある時、打ち込み中の杭が途中で止まってしまいびくともしなくなってしまいました。
海に近い現場で地盤が軟弱だったのか、掘った穴が途中で崩れてしまったようです。
地中に入りそびれたPC杭は煙突のようでした。
新入社員の私はおろおろするばかりで、とにかく主任に報告に行きました。
すると主任は「まいったな」とぼやいた後、どこかに電話をかけ始めました。
翌日、25Tのクレーン車と見慣れない機械が現場にやってきました。
ドーナッツ状の機械をクレーンが吊りあげて、輪投げのように煙突にかぶせます。
ブワーンと油圧機械が動き出すとドーナッツから歯が押し出されグシャグシャ音を立ててPC杭を壊しました。
PC杭が地面まですっかり壊れると、翌日その横に新しいPC杭が打ち込まれました。
今度は所定の長さが打ちこめて大成功です。
「大塚~!新しい杭の位置を図ってこい!」
私が図面に落とし込んで事務所に戻ると、主任は今度は設計監理をしている設計事務所に電話をしました。
後日設計から送られたのは、打ち直した杭で計算し直した基礎の補強計画でした。
「大塚~!こっちの図面でフーチン(基礎)が大きくなった!間違えたらあかんぞ!」
事務所でドカッと椅子に座りっぱなしで、ほとんど現場に出てこない主任でしたが
トラブルがあった時の対応は見事でした。
杭が使い物にならなくなった時、きっと工程の遅延や余計にかかる費用の事で頭を悩ませたと思います。
でも、そんな困った顔を一切出さず淡々と電話をかけ対応策を講じていました。
不適切な杭を解体撤去 ⇒ 新しく杭を打ち直し ⇒ 設計事務所に構造計算を依頼
そこには、データ偽装しようなんて発想はみじんもなかったでしょう。
工期が遅れるからとか予算が厳しいからとかの『事情』で見て見ぬふりをすることはありませんでした。
実はこのあと、打ち込めない杭が2ヶ所に出てしまいました。
もちろん最初の杭と同じ対応をして工事は進み、工期も予定通りに竣工できました。
現場監督としてしなければならない事を、私はこのタフな主任から教えられました。
ふたつ目のエピソードは4年後東京支店に異動になってからです。
西新宿5丁目で作る事務所ビルの新築工事現場に配属されました。
そこは丁度真下を大江戸線が通る場所で15m以上深く杭を打つことが出来ませんでした。
そこで採用されたのが場所打ちの拡底杭でした。
直径1200㎜で堀始め、杭底の手前から直径1800㎜に広げる(拡底)という杭でした。
これをなんと手掘りで行うんです。
工事の手順はこうでした。
地下駐車場部分を重機で根切り(掘削)して8m掘り下げます。
その後、根切り底でやぐらを組んで井戸を掘るように縦穴を手で掘っていきます。
今回の支持層は厚い礫層(れきそう)で礫の大きさは20㎝もありました。
機械で掘れない理由がこの礫層であったと思います。(当時ちゃんと質問しませんでした)
礫は崩れやすく、そのうえ拡底する杭は重機作業には向かなかったのでしょう。
さらに私達の行く手を阻んだのが地下水です。
方南通りと山手通りの交差点から近いこの場所は、高台のように感じますが
地下水位はマイナス6mと思ったよりも浅い場所でした。
実際周辺の家には、当時井戸水をくみ上げていたお宅もありました。
地下水対策に効果的なシートパイルで土留めをしていたものの根切り底付近では水が出始めどんどん水が上がって来るの水を処理するために
6台の水中ポンプを24時間フル稼働してしのいでいました。
そんな危うい状況がいつまでも持つはずもなくある時、ポンプのオーバーワークで電気のブレーカーが落ちてしまいました。
翌朝現場は3mの池になっていました。
重機の引き上げが1日遅ければ、ユンボが2台水没しているところでした。 
それ以後は発電機を追加して、電力をカバーするようにしました。
ただ8時間で燃料がなくなってしまうので、200リッターのドラム缶に燃料をストックしておき所長と私と交代で8時間おきに給油を続けました。
さて、そんな過酷な現場での杭工事管理はどうしていたのだと思いますか?
杭底確認は若い監督の仕事です。
つまり私が杭底まで降りて行って、支持層の状態を目視し、直径を測り、深さを測り、写真に納めます。
でもその作業は恐ろしかった~
周りでは他の杭を掘っているハンマードリルの音で職人同士の声も良く聞こえません。
「大塚さん、掘れたよ、確認して」杭工事の職長の大声に促されて杭のそばに行くと、すでに職人さんは上がってきていて誰もいない杭底で水中ポンプがグワングワン唸りを上げています。
横には組み立て済の鉄筋籠が準備されていて、私の杭底確認が終わるのを待っています。
2本の水中ポンプのホースをよけながら狭い縦穴を梯子で降りていくと、礫の間から漏れ出る水が上の方から落ちてきます。
あまりに狭い穴なので、一人しか降りれません。
濡らさないように気をつけていた黒板も写真撮影の頃にはすっかり濡れて、字も見えにくくなっています。
「もし、いま電気が落ちたら俺は溺れるのかな」うす暗い縦穴の中で不安な思いもよぎります。
何とか写真を撮ったら、もうこんなところに用はありません。
ダッと梯子を上り職長に「いいよ!」と合図すると縦穴から水中ポンプが引き上げられ、代わりに鉄筋籠が吊り下ろされていきます。
鉄筋籠の設置が完了する前に水は半分以上も上がってきています。
あぁ、おっかない。
こんな確認作業を全ての杭で20回以上繰り返しました。
当時はWIN95が発売される前です。
現場にはワープロすらないアナログな時代です。
おっかない杭底確認検査ですが、データをねつ造しようとか前の杭の写真を使いまわそうとかそんな発想は誰ひとり持ちませんでした。
ちなみに、横浜のマンションでは杭に使うセメント量まで不足していたそうですがこれも考えられない事です。
西新宿の現場では、杭底確認が終わり鉄筋籠が設置されると、続けてコンクリートが打設されます。
その生コンを発注するのは若い監督(私)の役目です。
事前に数量を計算しておいて、万が一に備えて少し多めに生コン工場に発注します。
現場に来た生コン車のオペレーターからJISコンの伝票(JIS規格適合のコンクリート)を受け取りそれを杭ごとにファイルして品質管理書類を作ります。
パソコンが普及する前は、そうした現場監督の必死の管理で現場の品質は保たれていました。
それがなんでこのような偽装が起こりうるのか私には理解できません。
マスコミの論調は、実際に施工した技術者や杭施工会社を非難しているようですが
工事の元請けゼネコンがちゃんと管理していればどのような偽装もふせげた様な気がしてなりません。
元請の監督さん、しっかりしろよ!
http://azen-o.com/blog/2015/10/-9200511.html

10年前と同じ道… 2~3年後に「杭偽装倒産」急増の恐れ
(更新 2015/12/ 7 16:00)

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杭工事で電流計のデータ流用が明らかになり、会見で謝罪する三谷セキサンの三谷進治所長(左)ら (c)朝日新聞社
拡大の様相を見せる杭工事のデータ偽装。規制強化の必要性も叫ばれるなか、業界が10年前と同じ道をたどる可能性がある。
事態の深刻さを示すように、眉間に深いしわが刻まれていた。
「データ流用が起きた原因については、流用は想定しておらず、工事責任者によるチェック項目に入っておりませんでした」
11月26日。工場で造るコンクリート杭の最大手、三谷セキサンの三谷進治社長が、本社のある福井市内で記者会見し、頭を下げた。福井県越前市内の小学校の体育館工事で、杭の電流計データを別の杭に流用していた。手元のメモを読み上げた後、顔を上げた三谷氏の視線は定まっていなかった。
横浜の傾いたマンションでデータ流用が明らかになって以降、過去の杭工事の点検作業に追われる業界。偽装の実態が明らかになりつつある。
冒頭の会見の翌日、業界41社でつくるコンクリートパイル建設技術協会は、偽装を行ったのが7社に拡大したと発表した。横浜のマンション工事を担った旭化成建材(東京)、業界2位のジャパンパイル(同)、冒頭の三谷セキサンに加え、日本コンクリート工業(同)、前田製管(山形)、中部高圧コンクリート(三重)、NC貝原コンクリート(岡山)といった顔ぶれだ。協会に加盟する各社は、過去の杭工事が適切に行われたか、2万件余りの記録を調べている。
早くもうみが出た。12月2日、福井市が、市営住宅と公民館の杭合計12本でデータの流用があったと発表したのだ。
http://dot.asahi.com/aera/2015120700039.html
施工した三谷セキサンが、市営住宅の杭工事で作業を統括する現場代理人を務めた2人、公民館を担当した1人に事情を聴いたところ、「間違いない」と認めた。印字されたデータの紛失や取得ミスが動機だった。
「データがとれなかった場合はすぐに元請けの管理者を呼んで、適切な施工が行われたことを現場で確認してもらうよう、マニュアルに加えました。データがとれた場合はすぐに用紙を写真に撮って、流用を防ぎます」(三谷セキサン広報担当者)
しかし、同社が点検対象としている工事は過去5年分の8千件。施工主や元請けから要請のあった工事を優先的に調査し、終わったのはほんの一部だ。データ偽装が、ささいなミスや不可抗力がきっかけで行われているとしたら、その闇はこれからいっそう広がる可能性がある。
そのあおりで、2~3年後に「杭偽装関連倒産」が急増するかもしれない、と心配するのは、帝国データバンク東京支社の藤森徹情報部長だ。
「2005年の耐震強度偽装事件と同じことが起きるのではないか、と強く思わされます」
耐震偽装では、再発防止のために07年6月、建築確認と審査を厳格化した改正建築基準法が施行されたことを引き金に、建設業者の倒産が急増した。建物の着工から完成までの期間が延びて中小業者の資金繰りが悪化したためで、同社の調べでは、施行の影響による倒産は3年間で430件に達したという。
※AERA  2015年12月14日号より抜粋

杭の偽装問題
2015/11/25

杭工事のデータ偽装問題。その後の過去10年間分の旭化成建材の調査で、3052件の内360件で偽装が見つかり、何と61人が関与したとの事です。この調査対象物件での偽装の内訳は約14万本の杭の内、その1.7%の2382本に偽装があったらしい。他社でも偽装が判明しているようなので、データの偽装は半ば常態化していると言ってもよく、これは誠に残念ながら、各メディアが指摘するように業界全体の問題と言わざるを得ません。
ただし、問題はデータ偽装の動機であり、杭の施工担当者が支持層まで杭が到達していることを確認していたけれども、機器の不具合等の何らかの理由でデータが取得出来なかったため、やむを得ず直近で施工した他の杭のデータを流用した、と言うのであれば、それはもちろん決して許される行為ではないとは言え、不謹慎な言い方ですが、まだまし・・・。しかしもし仮に、施工担当者が支持層に届いていないことをわかっていながら、一つの建物で何十本も打つ杭のうち1%や2%がわずかながら支持層に届いていなくても、建物に実質的な不具合が生じることはなかろう、というような安易な考えの基、杭を作り直すなどの手間を回避するために、データ偽装をしていたとしたら・・・これはもう悪質で救いようの無い行為です。ただし、一部の杭の支持層不到達を前提に改めて構造計算によって再検証した結果、幸いに安全性が確認される場合もあるかも知れません(構造計算上の安全率による)。よって偽装が見つかった物件では、まずは最悪の場合(支持層不到達)を想定して、そういった構造的な検証が必要でしょう。もし検証によって、杭の不到達による建物自体の不具合が懸念されるようであれば、改めて現地で杭の深度の調査をして不到達がはっきりすれば、早急に対策が必要となるのは言うまでもありません。
現時点では、各メディアも含め、杭偽装=建物の瑕疵という図式で、この問題を少し短絡的に捉えがちであるように個人的には感じます。ここは一つ冷静に事実関係を見際めていく必要があるのではないでしょうか。この問題の発端となった横浜のマンションでも、今のところ、杭の不到達が客観的に確認できるデータや、建物の傾き(本当に建物が傾いているのかどうかも含め)との因果関係などについての具体的な情報開示がなされていないようです。いたずらにユーザーの不安をあおらないためにも、当事者はきちんと事実関係を調査、検証した上での説明責任があるでしょう。また我々建築に関わる者も、しっかりした技術的な見識を持った上で、引き続き、この重く大きな問題から目をはなさずに考え続けていかなければと思います。(続く)
http://tk-souken.co.jp/blog/%E6%99%82%E4%BA%8B/2604/

「杭の偽装問題」

「杭の偽装問題続き」
11月14日土曜日の日経新聞一面トップにJパイルの記者会見があり、同社も偽装を発表した。翌日15日日曜にも同社K社長(財閥系S銀行出身)とのインタビュー記事が出ていた。私は1998年からJパイルの前身であるDコンクリート工業に転籍し役員もやっていた。2005年に3社が経営統合し今のJパイルになり、2008年に同社を辞めたが、その内容はよく知っているつもりだ。今回のAK建材の偽装で知らなかったのは杭が「鋼管杭」だったということだ。普通のコンクリート杭ではなかったのだ。全くコンクリートを使わない鋼管だけの杭だ。従ってこの杭は鋼管メーカーが製造したものでAK建材は施工だけだったはずだ。今回の場合、本来ならば支持層に到達していないのならば更に掘り下げ、支持層にまで入れて足りない分は杭頭を補強すればいいはずだ。なのにしなかったのは手抜きと言われても仕方がないし、設計変更の煩わしさ、工期の問題や追加の費用負担が頭をよぎったのだろうか? ただの保身か悪意があったとしか思えない。お蔭で16日の月曜日の東京株式市場ではJパイルの株はストップ安だ。業界ではこのような問題は当たり前に行われているはずだ。MセキサンもNコンクリート工業もコメントは出していない。Jパイルの思惑は当たるのか?いち早く情報公開したことが果たしてどう出るのだろうか?今、業界は責任の擦り合いとなっている。問題となった場合の費用負担が膨大なだけに元請は責任を下請けに押し付けようとしている。果たしてこれでいいのだろうか?

「知らないと損をすること」
今のIT社会は私のような人間にはとてもではないが、早過ぎてついて行けない。実はもう10年以上前からネットは光ケーブルを使用しているのだが、別に持ち運び出来るパソコン用にポケットWI-FIも使っていた。だからブロバイダーが2社で光ケーブルと無線と両方使っていたのだ。よく考えてみて光ケ―ブルのブロバイダーに聞いたら、光ケーブルの端末に市販されている無線通信機を繋げば自宅の中は無線通信が可能だというのだ。それで料金も変わらないという。慌てて無線ランの装置を買い使い始めた。合わせてポケットWI-FIをキャンセルした。スマフォもあらゆる場所にフリーWI―FIがあるから、自分でポケットWI-FIの器具を持ち歩く必要がなくなったことで気が付いたことだっただけに、知らないと損をするなあと実感させられた。
http://sekoguchi.info/6275

杭打ちデータ偽装 日本建築業界の「高品質神話」が崩壊
人民網日本語版 2015年11月20日08:26
日本の杭打ち工事会社・旭化成建材が杭工事を請け負ったマンションで傾きが確認され、杭打ちデータの流用・改ざんが発覚するという事件があった。調査が終了した2376件のうち、約1割の266件の工事でデータ流用などの不正行為が発見された。少なくとも50人の現場責任者改ざんに関与しており、違反が常態化していた。
さらに調査の中で、杭打ち工事最大手のジャパンパイルにもデータ偽造問題があったことが発覚した。日本の世論は、この事件によって日本建築業の「パンドラの箱」が開かれ、「高品質神話」が崩壊の危機に晒されたと見ている。人民日報が伝えた。
▽業界大手が関わる事件、日本の施工現場管理の抜け穴が発覚
問題の発覚した杭打ち工法「ダイナウイング工法」は旭化成建材の独自技術で、2004年には「国交大臣認定」を取得している。同社のウェブサイトによれば、同技術は先端に2枚の鋼製羽根が付いた特殊な既製コンクリート杭を採用。従来の工法に比べ残土発生量を大幅に低減でき、大きな荷重の建物を支えられる点などを売りにしていた。
旭化成建材の杭打ち工法では、杭が支持層まで到達したかどうかは現場の音と振動で判断するため、データ管理が厳格ではなかった。また、見落としたデベロッパー側も責任を免れない。調査の結果、元請施工業者の三井住友建設は監督を施工現場に派遣せず、「一流の杭打ち企業」に全権を委ねていたことが判明した。当時、同マンションの杭打ち工事は8人体制で行われたが、そのうち7人は三次下請け会社の者で、旭化成建材の現場代理人は別会社からの出向者だった。
日本経済新聞は「こうした難度の高い施工技術は、設計者、デベロッパー、建設業者の3方が設立した監督管理組織がなければ施工の質を確保するのが難しい」と報じている。
http://j.people.com.cn/n/2015/1120/c94476-8979300.html
杭打ちデータ偽装 日本建築業界の「高品質神話」が崩壊 (2)
人民網日本語版 2015年11月20日08:26
事件発覚後、建築業界の複数の関係者がメディアに対し、「同様の問題は日本の杭業界において他にも存在する」と暴露した。特に小規模な杭工事会社の現場管理は把握しがたい。ある業界関係者は「単純にデータを流用することが業界内で常態化しており、請負業者は見てみぬ振りをしている」と語る。工期を遅らせないため、現場管理者は問題を発見しても改善要求を出しづらいのが現状だ。
事件を受けて、日本のその他の杭工事会社も相次いで自主調査を始めた。ジャパンパイルはこのほど、18件のプロジェクトで工事データを他の工事から流用していたことが明らかになった。「杭偽装問題」の影響は今も拡大している。
国交省は建築、法律など各分野の専門家からなる対策委員会を設置し、再発防止策を検討している。日本建設業連合会も杭打ち工事の管理と監督に向けた手引き作成に着手した。
日本では2005年以降、建築物の耐震強度データを偽装する事件が相次いでいる。日本政府は関連の建築基準および審査制度を改正して対応しているが、法律界の関係者は「第三者審査機関を導入し、建築物の質の監督を強めるべき」と指摘する。
日本の建築物はこれまで、「頑丈で耐久性がある」ことで有名だった。安倍首相も、「高品質」を売り言葉に海外に日本のインフラをアピールしている。旭化成建材の杭偽装問題は日本建築の神話を崩壊させ、東京五輪に向けヒートアップする東京の不動産市場に冷や水を浴びせることとなった。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年11月20日

杭データ偽装-2-
作成日時 : 2015/10/30 00:00


住宅には地盤保証がある、という話し・・・、傾きの定義はムツカシイという話し・・・
杭の施工不良で大現場はもめているのですが、住宅の場合、杭工事・地盤改良工事に施工上の不良があったときには保証制度があります。
これを地盤保証と言っています。
掛け金は意外に安く1~2万円くらい、地盤調査(サウンディング試験)3~4万円とセットになっていることが大部分です。(合計で4~6万円)
竣工後10年の間に事故が起きると補償が出ます。最高額5000万円ほど。(保証機構ごとに少しずつ内容が違うと思います。20年間保証もあります。)
(保証という字には補償・保障もあってどの字を使うのかどうも分かりません。日本語ムツカシイです。)
技術の不備は保険でフォローする。
合理的な考え方だと思えます。
この保証、建て主が入ることはできないのです。
建設会社が加入すると保証がつく。
何故なんでしょうか、建て主が加入できないなんて。
私も現場建物が傾いたことがないので・・・詳しい経験がなく分かりません。
宇宙ロケットを発射するときは保険に入る、と聞いています。
マンションなどの大現場も地盤保険があると良いのに・・・と思うのですが、大現場の場合、聞いたことがありません。
施工ミスは日本全国で考えたとき、ときどき起こる避けられない事態なので保険でカバーできないのでしょうか。。。
保険会社や国はどう考えているのでしょう。 
話しを住宅に戻すと、住宅の場合、地盤保証があると、今書きました。
が、地盤保証は施工不良に対して有効ですが、自然災害である地震や地盤流動化では保証がありません。
もう一つ問題があります。
建物が傾くというのは、どのような判定基準なのか、という問題です。
3/1000傾くと・・・それは傾いたと判定されるのか、ムツカシイ問題です。
今回の偽装マンションで考えると、エキスパンション(つなぎ目)部分で20㎜の段差が出たのだそうです。
結構大きなマンションなので巾30mだと仮定しても・・・、
20㎜/30,000㎜=0.666㎜/1000㎜
となるので、傾いたとは言えないことになります。
巾6mくらいの普通の住宅で3/1000傾くというのはどれくらいなのか、を考えてみます。
6000㎜×0.003=18㎜
片側が1.8cm下がったとしても、それは傾いたことにはならない限界値です。
傾きの定義はムツカシイです。
(そもそも底面積の大きなマンションが傾くのだろうかという疑問を私は持っています。海に浮かぶ船じゃあるまいし・・・、傾く前にヒビが入るはずだからです。)
たまたま先日、「住宅の寸法精度」というblogを書きました。
水平とは?、傾くとは?について書きましたのでご覧になってみて下さい。
住宅の地盤保証については依頼する建設会社にたずねて下さい。
http://ga.at.webry.info/201510/article_7.html

住宅の寸法精度
<< 作成日時 : 2015/09/07 00:00 >>
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床を水平につくるとか、壁を垂直につくる、というのはなかなかムツカシイものです。
床や壁はたいがい歪んでいるし、傾斜しています。
では、住宅の場合、歪みや傾斜はどれくらいまでならば許せるのか。。。という話し。
建築界には許される精度の常識範囲っていうものがあります。
それは感覚の問題なので、人によって違っています。また、場所によっても精度は異なると思います。

床の場合。
私の感覚では4/1000くらいまでが許される範囲かな?と考えています。
床なら、1,000㎜行って・・・4㎜下がっているのが4/1000精度。つまり、1メートルで4㎜傾斜している床は水平の限界ではないかと思います。(場所による。)
(ただし、床がそのまま下がり続けると、3メートル行って12㎜下がることになるので、そのままでは×です。)

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壁の場合。
上記の4/1000精度を高さにあてはめてみます。
普通の天井高さは2.4メートルなので、4/1000とは9.6㎜(約10㎜)壁が倒れていることになります。
10㎜とは1㎝ですから、意外に狂っているものです。
でも、単なる壁面だと、普通の人は壁の倒れに気がつかないでしょう。

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精度を要求される場所があります。
ドアとか、窓の付近です。
引き戸の場合、4/1000狂っていると、高さ2メートルのドアで8㎜もの隙間が出る勘定。
引き戸ならピシッと閉まらない、ことになります。
そこで、修正作業が行われます。(誤魔化すという言い方の方が適切かも。)
家の骨格は簡単に修正できないので、ドアの方を斜めに削ったり、レールで調整したり・・・。
しかし、ドア回りでの4/1000精度は8㎜もの狂いなので、普通は許容限界を超えていると私は思います。 
では、3/1000精度だとすると、どうでしょう。高さ2メートルのドアだと上下の狂いは、6㎜です。
2/1000精度だと、高さ2メートルで、4㎜。
1/1000で、2㎜。
ドアをぴったり合わせるのは、だんだんむつかしくなってきます。
和風建築はそういう意味で結構ムツカシイ。
骨格である柱の周辺には、障子やフスマがあり、建具がピタリと閉まるのには・・・職人の腕が必要です。
職人の腕とは・・・誤魔化すことも腕のうちだと思います。
3/1000㎜精度だと、上下6㎜の狂いに対し、大工も、建具職人も・・・、削り合わせなどを行い、誤魔化して(?)いきます。
ところが、最近は全体的に腕が落ちてきた。
つまり、誤魔化し方が下手になった。
建て主に見破られて、クレームが起きることがあります。
怒った建て主は家中の寸法を測り直す・・・。
すると、たわいもない(気を抜いた)カ所で5/1000精度や、それ以上の精度ズレが見つかり(例えば7/1000とか)・・・、
「壊して、やり直しをしてほしい」
と、大事件になります。

家の精度は4/1000ほどまでかなあ。。。(長さ3mくらいの場合。)
建具回りは3/1000以内だろうなあ。。。(  〃   )
(国の基準というものは無いと思います。裁判の判例で決まっているのかも。。。)
家の寸法精度・・・。
工業製品のように完璧にはでき上がらない・・・のが普通だと感じます。
現場の監理を行う設計者として、寸法精度の判断はムツカシイです。
現場に対して「やり直してほしい」と言う瞬間。
建て主に対して「ここまでは許容範囲です」と言う瞬間。。。。

http://ga.at.webry.info/201509/article_3.html

2015年11月03日
杭データ偽装問題-大半は大丈夫です。(言い切ります!)

■「何とかしろ!」
偽装が疑われる件数が300件。10人以上の現場管理者が関与していた・・・今日の新聞報道です。
この問題が表面化したとき、一番最初に『この会社のトップは、現場を知らないアホですね。』『パンドラの箱を開けてしまった』と書きましたが、その通りの展開になってきましたね。

■この社長。本当の困難を自力で乗り越えたことの無いエリート・サラリーマン社長の典型です。
そして、そのような社長は、極めてプライドが高いですから・・・
というか、高いからこそ「自社で不正などあろうはずが無い」と勝手に思い込み、勝手に大見得をきったのですから、あとは、「おまえ達が責任を取れ」と全ての責任を下に押しつけて、社長室で「何とかしろ」と叫んでいることでしょう。目に見えるようです。
下請けを下請けとも思わない(部下を部下とも思わない)上から目線のデペロッパー、ゼネコンと全く同じです。

■ほとんどの偽装は問題ないはず・・
ただ、300件の偽装が疑われると言っても・・
仮に300件の偽装があったとしても、そのほとんどはキチンと支持層に届いているはずです。
実際に作業をする日本の下請け、作業員達はそこまでの手抜きはしません。
なぜなら・・・・

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■データを見なくとも感覚でわかる
実は、実際に杭を打っている人間(作業員)はデータを見ながら杭を打っているのではありません。
地盤調査で支持層がわかると、そこまでの深さも途中の土の強さもだいたい把握できます。
杭の穴を開けるときは、回転式のドリル(アースオーガー)を使いますが、要はエンジンを使って穴を掘っていきます。そのとき、自動車と一緒で、平坦な道(抵抗のない弱い地盤)では、エンジンを吹かす必要は無く緩いエンジン回転数で掘り進めます。しかし、きつい坂道(抵抗のある強い地盤)では、エンジンの馬力が必要で、エンジンをふかす、要は回転数を上げなければ掘れません。

■1~2度現場に立てば誰でもわかる判定法
つまり、自分でエンジンのアクセルを操作しているのですから、そしてエンジンの操作などしなくてもエンジン音を聞けば、支持層に達したかどうかがすぐにわかるのです。
何度も何度もテレビに出てくる波形は、エンジン回転数にほぼ同じと考えればわかりますね。
言い換えれば、自動車の助手席でいくらウトウトしていようが、エンジン音が高くなり、うなりが聞こえたら坂道を走っているのだ~ということがわかるのと同じです。

■どんな杭も最後はエンジンを吹かして入れる
そして、どんな杭も最後は支持層に届かせる・・と言うことが大原則なので、最後にエンジンを吹かして1~2m程度掘り進める作業は、作業員自身が体に染みこんだ作業の手順です。その手順を忘れる作業員はいません。(注:摩擦杭という支持層に届かせない杭もありますが、極めて少ないです)
注:杭の種類によりますが、杭は単に支持層に届いただけではダメで、杭の直径の1.5倍程度は支持層に突き刺す必要があります。そのため。一定の深さは支持層の強い地盤を掘り進めなければ仕事は終わらないのです。つまり、その間はエンジンが唸りっぱなしなのです。

■書類仕事の見繕い
そして、彼ら実務者(作業員)は「書類仕事」など全く向いていませんから、それらの書類仕事は現場管理者の仕事になります。現場管理者とて、ずっとずっと現場にいるわけでは無いので、昼休みの後で工事を再開するときにうっかりデータ記録の電源を入れ忘れたり、現場を離れるときに職人に頼んでいたら忘れていたり、紙が汚れたりはあるでしょう。だから、つじつま合わせでコピペの偽装をするのです。

だから、データ偽装300件と言うだけで慌てる必要は全くありません。
10人の現場管理者が関与していた。当たり前です。

それは、ほとんどが「データを残す」という「書類仕事」を見繕ったに過ぎないはずだからです。
ただ、この問題がやっかいなことは、書類仕事の偽装があるからといって、杭はキチンと打っている・・という証明が簡単にはできないと言うことですね。
そのうちの少しは、今回の「傾くマンション」のように本当に支持層に届いていなかった杭もあると思いますが、それらは少数派のはずです。

だから、後先考えずに大見得だけを切った旭化成の社長は馬鹿なのです。
おそらく、このような現場の事情など聞く耳を持たずに、頭ごなしに3000件を精査して世間に報告しろ・・と言ったのでしょう。
(今後、危機管理のなさを新聞雑誌で叩かれて、本人のプライドはずたずたになるでしょう。身から出た錆ですが・・)

次回は、どうして支持層に届かなくても大丈夫なのか(沈下という現象を起こさないのか)です。
http://adsd.sblo.jp/article/167025949.html

2015年11月10日
杭データ偽装問題:肥える霞ヶ関官僚

前月末、建築士関係の講習があったので行ってきました。
終日拘束の講習会で、ただ聞いているだけ。そこではほとんど居眠りをしながら時間を過ごしていたのですが、最後の講習で目が覚めてしまいました。

■防火設備検査員・・来年6月施行
今年の5月、川崎市の木造3階建ての簡易宿舎が全焼した事件がありました。その事件に対応して作ったようなのですが、来年の6月から「防火設備検査員」という資格をもったものが、防火対象建築物の防火設備の検査をしなければならなくなったという法改正の説明があったのです。対象は病院とかホテルなどの公共性の高いものや、3階建て以上のマンション、下宿も対象です。マンションなどは、マンション管理士がその資格を取らされるのでしょう。

「えっ~。防火設備検査員。なんやそれ!!」
でもすぐに「またか~」と思ってしましました。

■資格、講習会ビジネス
今、建築士の資格を持っているものは3年ごとに定期講習を受けなければなりません。その費用たるや1回約12,000円(一級建築士の場合です。二級建築士は10,000円)
こういう制度が出来たのは姉歯事件(耐震偽装)を含めて建築士の不祥事の結果なのですが、全国で少なく見積もっても21万人の建築士がいます。そうすると、1年で実に7億円以上の商売が創造されているのです。

細かな話で言うと、1つの会場に200人入り、講習会費用は200人x10,000円/人=200万円/回(税別)。このときの必要経費は、会場代数万円と設営、準備費20万円、テキスト代一人2,000円と考えても、悪くても半分はおつりのでる算段です。(ブログでも書きましたが、以前行った講習会は朝から晩までビデオによる講習でした)

資格ビジネス、講習会ビジネスは金になります。
それはつまり、霞ヶ関官僚の天下り先を作ることにもつながります。/

目が覚めてしまった理由は、
「あいつら、不祥事にかこつけて。防火設備の管理が不徹底だ。」と、
「また、資格を作り出しやがった」
と思ったのです。

■所詮は人の金。所詮はおまえ達が招いたトラブル
実は、このような資格制度や講習会制度は、国費が一切不要です。
前述の建築士の3年に一回の定期講習も、建築士が費用を負担します。

ですから今回の杭データの偽装事件。
大きな騒ぎになればなるほど、規制を厳しくしたり、「杭施行検査員」なんて資格を作り出し、講習会をセットすれば、またまた、天下り先の確保が出来ちゃうのです。

「あ~ん。トラブルは楽しい!」とほくそ笑んでいる霞ヶ関官僚の話でした。
だってみんなが事務次官になれるはずも無く、万年課長もはしたない。
そうすりゃ、出世の見込みの無いヤツを送り出す先が必要なのですから。
銀行の出向人事と同じでしょうね。
http://adsd.sblo.jp/article/167493332.html

2015年11月14日
杭データ偽装問題:三者三態・たぬき・きつね・うさぎ

また杭データ偽装が増えています。関係者も50人になっているとか・・。
それにしても見ていると、不謹慎と思いつつ、各社の対応がおもしろいですね。

■うさぎ(旭化成)
世の中に擦れていない、マジメなエリートなのでしょう。
物事の落としどころも考えずに「調査する~」と叫んだものですから、一体どこでお開きにするのでしょうか。

■たぬき(三井不動産)
くせ者です。食わせ者だろうと思います。
「全棟建て替えをします」とわざとらしい大見得を切っていますが、天下のデペロッパーが後先の計算も無くこのような言葉を吐くわけがありません。建て替え決議は5/4の賛成がいるので、そうならないと踏んだからでしょうか。あるいは、いざとなれば旭化成に全ておっかぶせるつもりだからでしょうか。
腹の底がわかりません。
確実に隠された魂胆があります。

■狐(三井住友建設)
まさに狡猾です。
やっと謝罪の記者会見をしましたが、「偽装など見抜けなかった」と大きくシラを切りました。
今までじっとすくんで、世間の動向を見定めていたのです。
そして、「旭化成におっかぶせられる」「シラを切りとおせられる」と踏んで謝罪会見を開いたのでしょう。
永本芳生副社長の「一流の杭工事業者にお願いしたのに裏切られた」と言う言葉など、その典型です。
まぁ、このぐらいの図太さが無ければ、狸のデペロッパーの間をうろつけません。
旭化成のような無防備なうさぎなど、彼らにとっては、赤子の手をひねるよりもたやすい相手でしょう。
なかなかおもしろい、各社の対応、危機管理能力です。http://adsd.sblo.jp/article/167773576.html

杭打ち偽装問題をうけて
2015年11月19日 (木)
こんにちは,ぽっこです.

マンションの杭打ち偽装問題,世間を賑わしていますね.私も気になりすぎて,久しぶりに週刊新潮買ってしまいました.2015.11.12号の特集「今から自宅マンションを点検できる完全ガイド」が読みたかったのです.
なかなか読み応えありました.

中でも気になったのは首都圏主要地区の地盤の深さのマップ!(ここでは地盤の深さ:N値=50の地盤が厚さ5m以上ある場所の深度)
実は我が家も地盤のよい地域ではないので,10mの杭を30本前後打って地盤改良したうえで一戸建を建てているのですが,東京圏ておどろくほど地盤が深いのですね.

例えば深いところでは豊洲41m,舞浜44m,新浦安55m
比較的浅いところでも中野12m,二子玉川10m,立川2mなど…

東側のほうが地盤が弱くて,西側のほうが強いようです.
私もしばらく東京に住んでいましたが,正直賃貸で住む分には地盤とか気にしたことなかったですね.でもやはり購入となったらものすごく気にしたと思います.

みなさんお住まいの地域の地盤について知りたいときは,各自治体の公表している地盤マップか,民間の地盤調査業者さんなどが公開している無料サイトがおすすめです.
自治体の情報を得たい時は,そこの自治体のHPを開いて,検索キーワードに「地盤」か「液状化」と打つとだいたい出てくると思います.地盤の情報のみとして公開するよりも,「液状化」や「地盤沈下」などに関する情報として公開されていることが多いようです.

民間業者さんのサイトはその点すごくピンポイントで,そこの地域の地盤の強さについて教えてくれるとことが多いです.いろいろ見ましたが,
地盤サポートマップさんのサイトなど見やすくていいですね.

ただし,自分の近所のデータが安心だからといって,自分のところが安心かどうかは別問題です.結局のところ個々に調査をする以外確定する方法はありません.

私の家の周辺もチェックしてみましたが,やはり地盤弱い地域と書いてありました^^
それは納得ずくでここを選んでいるのでいいのですが,重要なのはその弱い地盤にふさわしい地盤工事をしてから建てているかどうかということですね.
となるともう地盤の問題というよりも,その建設業者が信頼できるかどうかというところになってきますよね….
なかなか難しいところです.

このくい打ち偽装問題,販売元の三井不動産の対応含めて非常に興味があるので,今度もじっくり観察して行きたいと思います.
http://myhomehiyou.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

2015-11-01
杭打ち不正と御徒町トンネル事故
旭化成建材の問題が大きく報道されております。

・http://anond.hatelabo.jp/20151101005637
・(魚拓)
今回の件があって、元同僚に電話してみたら、杭打ち業界は今騒然としてるらしい。
どこの会社も同じような事をやっていて逃れられないから。
http://anond.hatelabo.jp/20151101005637
まあそういうものでしょう。どこも他人事ではない。
そのうち各所に波及する。姉歯物件の頃をちょいと思い出していただきたいわけです。耐震偽装。へたすりゃ全件検査みたいな話になる。全件検査ともなれば「おいおい、さすがにこりゃないよ……」みたいなケースも多分出てくる。
まして今回の件は目に見える現象があったから発覚したわけで。もう既に異状が起きていれば当然疑われる。まあそれは自然のこと。目に見えるウワモノの話だから。
問題は目に見えないものに波及する場合。地盤が弱いところに何かを建設する場合、今回のようなコンクリートの杭打ちだけではなく、地盤改良工事が行われたりする。

・地盤改良工事 薬液注入工法
・薬液注入工法|地盤改良工事・推進工事における薬液注入工法のモリテクニカル
・地盤改良工 3つの事業「薬液注入工法」|地盤改良工事の株式会社人力|日本全国、工事依頼を承ります
地盤に穴をあけて、そこに薬液を注入して地盤を固めると。簡単に言えばそういう工事。

で、こういう工事がどういうところで行われているかというと、例えばトンネル。

・透水性 – Wikipedia
地下に何かをつくる場合に、土壌の透水性という問題があり、そのままだとつくった構造物に負荷がかかる。なので早い話が土を固めて水を通さないように地盤を改良する。
コンクリートと薬液という違いはあれど、施工自体は似ているのですよ。

・第1上野トンネル – Wikipedia
そしてこちらはトンネルの崩落事故によって不正がばれたという。25年前に。
こっちに波及するとトンネルとかダムとか、橋脚であるとかの巨大公共事業がアレになってしまうので、なんとかそれは避けたいところ。不正がなければいいですね。
あとどうでもいい話ですが、この部分は超同意。
むしろ今回データーを見て改ざんがわかるようなずさんな改ざんを行ったことが業界的には不思議。
http://anond.hatelabo.jp/20151101005637
本当だよなー。年々厳しくなっているのに。

・薬液注入用流量圧力管理測定装置
こういう機械がありまして、流量と圧力が記録される。心電図みたいな機械と考えればよろし。で、スイッチを入れたタイミングで時間が刻印され、もう一度スイッチを押すと、時間が刻印されるとともに、注入量が印字される。
チャート紙への記録に当たり、2倍の速度で記録紙を送ったり、流量計の電源を切り手動で記録紙を送り針を手で動かして記入したりするなどして、現場の注入施工に全く関係なく注入施工計画書に沿った記録を作成していた。このようにして、チャート紙のほとんどを偽造していた。
http://report.jbaudit.go.jp/org/h02/1990-h02-0453-0.htm
そのため、以前のこういった不正はやりづらくなりました。あくまで「やりづらい」ですけど。今でも不正しようとすればできます。例えば、施工現場を模したセットをつくるとか。現場と関係ないところに流量計と大量の水が入ったタンクをを置いて、現場で薬液注入を行ったかのように水を通すとか。
ま、このやりかたも現場の立ち会い・検印その他があるとダメなんですけどね。あと異様に圧力が一定になるので、見る人が見ればわかる。実際の現場であれば石を巻き込んで一時的に圧がかかったりとか(掃除機とかでも服とかをかんで一気にウイーンってなったりするでしょ)、そういう現場ならではの事象まで記録されるのが常なのですが、シミュレーション現場セットなのでそうしたことが起きない。元請けとか行政側の責任とか、マスコミは弱いところを叩いていくと思いますが、これでも改善はしているんですよ。相変わらずな部分が残っていて、それが顕在化したのは事実でありますが。
まあしかし四半世紀前の事故が先祖返りしているようで、あまり大ごとにならなければよいなあと願っております。新国立競技場とかが本格施工前に入る前に出てきた話なのが不幸中の幸いかもね。
http://lord.takerunba.com/entry/2015/11/01/123629

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151209

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