杭データ改ざん事件151209-3

杭データ改ざん事件151209-3

旭化成建材 杭打ちデータ偽装266件
旭化成、過去10年の2376件分を調査  関与50人超

――――旭化成建材の杭工事データ偽装問題で、同社は13日、過去10年の杭工事3040件のうち2376件で調査を終え、266件にデータ偽装があり、現場責任者50人以上が関与したと発表した。国土交通省は物件の安全確認を同社に指示。建設業法違反の疑いで同社を調べている。
 
同社は国交省に報告した後に都内で記者会見し、親会社の旭化成の平居正仁副社長は「これだけ多くの人が関わり、見逃してきて申し訳ない」と謝罪した。
 
偽装は35都道府県にあり、東京が最多の51件、神奈川が30件、北海道と埼玉が26件だった。建物の用途別では、工場・倉庫が66件で、マンションなど集合住宅が61件、医療・福祉施設35件、学校28件、事務所20件、公共施設15件、商業施設9件、土木3件などだった。
(朝日新聞)
調査対象3,040件における調査結果
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2015/pdf/ze151113.pdf

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以下引用

旭化成建材(株)による杭工事実績3,040件に関する調査報告
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2015/ze151113.html
2015年11月13日
旭化成株式会社
この度は、当社子会社の旭化成建材株式会社(本社:東京都千代田区、社長:前田 富弘、以下「旭化成建材」)による杭工事において、施工データの流用等が確認されておりますことについて、施主様、居住者の皆様、施設をご利用の皆様、各自治体様、元請建設会社様、関係各位の皆様方に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心よりお詫び申し上げます。
本日時点での調査状況を以下のとおり国土交通省へ報告しましたので、お知らせいたします。
1.調査の進捗
国土交通省の指示に基づき、元請建設会社様および情報提供の要請をいただいた自治体様へ物件情報をご提供し、元請建設会社様および自治体様の協力の下、施工報告書の内容確認を実施してまいりました。
また、住所不明等の理由により元請建設会社様と連絡がつかない物件については、物件所在地に直接赴き、施主様を通じて元請建設会社様の連絡先を確認するなどしており、本日時点で元請建設会社様への調査依頼が完了した物件数は2,922件となっております。
2.3,040件に対する調査結果
本日時点で2,376件の調査結果の確認が終了しており、そのうち266件においてデータの流用等が確認されました。元請建設会社様が不明であったり、施工データが存在しないなどの不明物件については118件となりました。
また、国土交通省の要請に基づき、優先的に調査した学校、医療・福祉施設の602件については、調査の結果、63件でデータの流用等が確認されました。
3.データ流用等があった物件の安全性確認について
データ流用等があった物件に関しては、国土交通省からの指示に基づいて行われる、元請建設会社様および施主様による建物の安全性確認に協力してまいります。特定行政庁※において安全性が確認できた物件に関しては、特定行政庁から国土交通省にご報告されることとなっております。
• ※特定行政庁:建築基準法第2条第三六号の定めで、建築主事を置く地方公共団体。市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。
4.今後の取組み
(1)本日時点で元請建設会社様とデータ流用等の有無を確認中の物件に関しては、確認作業を早急に進め、11月24日までに国土交通省へご報告いたします。
(2)旭化成建材より元請建設会社様への情報提供および施工報告書の確認に関する依頼が完了していない不明物件118件につきましては、今後も調査を継続してまいります。
(3)データ流用等の背景と動機については、社内の調査委員会が外部調査委員会の指導および助言を得ながら徹底究明し、適切な是正策を講じてまいります。
本件について、関係各位の皆様方にご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、改めてお詫び申し上げます。

調査対象3,040件における調査結果
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2015/pdf/ze151113.pdf
以上

施工データの流用等の調査結果に関する旭化成建材(株)からの報告を受けた国土交通大臣コメントについて
平成27年11月13日
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000371.html
本日、旭化成建材(株)より、施工データの流用等の調査結果について報告を受けました。本件について、国土交通大臣のコメントは別添のとおりですので、お知らせいたします。
添付資料
【別添】旭化成建材からの報告を受けた国土交通大臣コメント(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001109750.pdf

国土交通省土地・建設産業局建設業課建設業政策調整官 西山
TEL:03-5253-8111 (内線24753) 直通 03-5253-8111
国土交通省土地・建設産業局建設業課企画専門官 菅原
TEL:03-5253-8111 (内線24723) 直通 03-5253-8111

中国新聞 2015/11/13
大手のジャパンパイルもデータ流用 くい打ち、旭化成建材以外で初

くい打ち工事大手ジャパンパイルが、民間マンションなどの物件18件でほかの工事のデータを流用していたことが13日、同社への取材で分かった。旭化成建材以外の業者でデータ改ざんが明らかになったのは初めて。
ジャパンパイルの黒瀬晃(くろせ・あきら)社長は、くい打ち工事の業界団体「コンクリートパイル建設技術協会」の会長を務めており、旭化成建材で明るみに出たデータ流用は業界トップクラスに飛び火した。
同社は「元請けや施工主に事情を説明し、18件とも安全性は確認されている」と説明している。
ジャパンパイルは国土交通省に届け済みで、国交省は「13日午後に報告があったばかりで、あらためて詳細な報告を求めている」としている。
同社によると、年間約3千件のくい打ち工事を実施している。旭化成建材のデータ改ざんの発覚後、過去5年間で行った工事に関し、安全性を尋ねる約千件の問い合わせがあり、同社が確認したところ、18件で改ざんが見つかったという。
同社によると、電流計の操作ミスでデータの記録が取れず、同じ現場で近くにあるくいのデータを貼り付けたケースが多かった。いずれもくいが固い支持層に届いているとしている。
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-3947.html

くい打ち工事偽装 建設業界全体の問題だ
業界の体質改善が急務 根底に構造的な問題が あきれる不正の常態化 

[京都新聞 2015年11月14日掲載]
社説:くい打ち改ざん  根底に構造的な問題が

問題の根は思いのほか深く、広がっていることが浮き彫りになったと言えよう。
旭化成の子会社、旭化成建材によるくい打ち工事のデータ改ざん問題である。過去約10年間に手がけた計3040件を調査した結果、確認できた2376件のうち改ざんは266件、1割強に上ると発表した。
50人以上が改ざんに関与していたことも明らかにした。ほとんどが別業者からの出向だった。
もはや現場担当者の不正では済まない。旭化成建材の態勢が問われよう。ただ、一企業に限った問題なのか。他のくい打ち業者によるデータ改ざんも発覚している。建設業界が構造的に抱える問題が露呈したとみるべきではないか。
きのうが国土交通省への報告期限だったが、倒産などで元請け建設会社と連絡が取れず、118件が照合できていない。関心の高い、改ざんのあった建物の安全性については検証が済んでおらず、報告が先送りされたのは残念だ。
石井啓一国交相は、安全性を早急に確認するよう指示したのは当然だ。ただ、不信を払うには安全性の十分な根拠が必要だろう。
報告は、改ざんの原因や背景などについて言及していない。来月中の報告を求められたが、重要な点であり急ぐべきだ。
国交省が設けた有識者委員会で、原因、背景を検証した上で再発防止策を検討している。特に建設業界や現場の実態をくみ上げた議論が求められよう。
データ改ざんが発覚して、別のくい打ち業者が苦境を漏らしている。印刷の失敗、紙の水ぬれなどでデータを記録できない時、やり直せば時間やコストがかさむ。工期厳守を求める元請けのプレッシャーも感じると証言している。
発注、設計、施工、下請けの組織が重層的にあり、責任があいまいになりかねない。建設コスト競争による人員削減や工期短縮で、現場作業に余裕がないともいう。 問題の発端となった横浜市のマンションでは、元請けの現場責任者が立ち会ったのは、1本目のくい打ちの時だけ。建設業法では元請けに対して下請けに法令順守などの指導を求めているが、業界の中で有名無実化していないか。
行政の検査や業者の報告のあり方など、制度の見直しを議論すべき時だ。不正を調査する第三者機関を設け、問題を共有する仕組みがあっていい。
建設業界は進んで問題をあぶり出して、改善に努めてほしい。

高知新聞 2015年11月14日08時16分
社説:【くい打ち改ざん】あきれる不正の常態化

旭化成の子会社、旭化成建材によるくい打ち工事のデータ改ざん問題はどこまで広がるのか。
旭化成は旭化成建材が過去約10年間に請け負った工事3040件に関する調査結果を公表した。調査を終えた2376件のうち、1割強に不正が判明したが、多くの物件で調査が残っているため、改ざんの疑いのある件数はさらに増える可能性がある。
また、現場担当者50人以上が不正に関わったことも明らかにした。
現段階で、問題の発端となった横浜市のマンション以外の建物で異常は確認されていないという。だが、今後何らかの不具合が生じる恐れも否定できない。住民や関係者の不安は高まる一方だ。旭化成側は早急に調査を進め、安全性を確認する必要がある。
旭化成側は当初、データの改ざんは横浜市のマンションを担当した人物が単独で行ったとの見方を示していた。だが、実際には別の複数の担当者による改ざんが次々に発覚した。
現場で不正が常態化していたのは明らかで、管理体制の不備を問われるのは当然だ。改ざんの実態把握と原因究明を徹底するとともに、再発防止策を講じなければならない。
不正が横行する背景には、元請けからの工期厳守やコスト管理の圧力も指摘されている。
大規模な建物の建設には、元請けや孫請け、ひ孫請けと多くの業者が関わる複雑な下請け構造がある。立場の弱い末端の業者ほど元請けから強いプレッシャーを受けるという。
いかなる理由があっても、不正は許されない。工事上の問題に目をつぶるような体質こそ改善しなければならない。
一連のデータ改ざん問題は業界全体に広がる恐れも出てきている。旭化成建材以外のくい打ち業者でもデータの流用が明らかになった。
データ改ざんが業界全体の問題となれば、日常生活を守るはずの建物に対する国民の不安や不信はいっそう高まるだろう。
今回の問題を機に、業界は不正の有無を調べ、安全性をあらためてチェックするべきだ。そうでなければ信頼を回復することはできない。
併せて国も対策を強化する必要がある。旭化成建材に限らず、業界の構造にもメスを入れ、抜本的な再発防止策を検討してほしい。

=2015/11/14付 西日本新聞朝刊=
社説:旭化成建材 改ざんはここだけなのか

データを改ざんしていたのは1人ではなかった。あしき慣習が広がっていた。これは旭化成建材にとどまらないのではないか。そう強く思わせる数字である。
旭化成は子会社の旭化成建材による過去10年間のくい打ち工事に関する調査結果を公表した。
3040件のうち、13日現在で約8割の2376件の調査を終えた。結果、約11%の266件でデータの流用などが認められた。
最も多いのが工場・倉庫で425件のうち66件、次いで集合住宅で509件のうち61件だった。
旭化成は現場担当者50人以上が改ざんに関与したとみている。ただ、改ざん問題の端緒となった横浜市都筑区の分譲マンション以外は安全性に問題はないとした。
そう言われても利用者は安心できまい。くい打ちデータの改ざんは学校や公共施設、医療・福祉施設もある。分譲マンションの購入者は裏切られた思いではないか。
きちんと基礎工事が行われていないとしたら、15年後や20年後、30年後に深刻な問題が起きるのではないか。そんな心配も生じる。
というのも住宅の建設業者や販売業者が、建物の主要部分に隠れた欠陥(瑕(か)疵(し))があった場合、補修の責任を負うのは当初の10年間である。16年前にできた住宅品質確保促進法(品確法)で定めた。
さらに、10年前の建築士による耐震構造計算書の偽造問題を受け、補修が確実に行われるように新たな保険制度などを設けた。ただ、10年の責任期間は変わらない。今回の調査が10年間なのも、その前のデータがないためという。
業者が補修責任を負う対象や期間は現行制度で十分なのか。あらためて考えてみる必要がある。
そのためにも政府はまず、旭化成建材以外に問題はないか、業界に積極的に点検を求めるべきだ。
あしき慣習に人は染まりやすい。旭化成建材とは別のくい打ち工事大手業者が一部工事のデータ流用を認めたという。業界全体できちんと調べて不安を解消すべきである。うやむやにすれば再発防止の掛け声も説得力を持たない。

熊本日日新聞 2015年11月15日
社説:くいデータ改ざん 業界挙げた徹底的調査を

くい打ちデータの改ざん問題で旭化成建材は対象3040件のうち2376件で調査を終え、その1割強に当たる266件で改ざんがあったと発表した。加えて業界大手の別の会社も18件の改ざんがあったことを初めて公表。不正は底無しの様相を呈してきた。官民とも日本の建築物への信頼を損なう事態だと認識し、徹底的に調査すべきだ。
旭化成建材は当初、1人の担当者の問題であるかのように説明していたが、調査で50人以上が関与していたことも明らかになった。改ざんを確認した施設は工場・倉庫66件、集合住宅61件、医療・福祉施設35件、学校28件など。熊本県内の工場・倉庫1件とその他1件も含まれていた。
同社は24日までに国土交通省に残る物件の調査結果を報告するとしているが、元請け会社の倒産などでデータを確認できない建物が118件あり、施工内容が分からない施設が出る恐れもある。
新たに改ざんを公表したのはくい製造・施工トップクラスのジャパンパイルで、社長は業界団体の会長を務めている。データ改ざんが、より広く行われていたことを示唆しているともいえよう。業界を挙げた調査が不可欠だ。
元請け、下請け、孫請けという重層的な構造が責任を不明確にして不正を招き、迅速な調査を妨げているとの指摘もある。今回関与が判明した旭化成建材の担当者らにも、工期中だけ下請けの建設会社から出向していたケースが多数含まれるという。それでも建物の所有者、利用者の不安払拭[ふっしょく]のためには調査を尽くすしかない。
データ改ざんと安全性の関係が不透明なのも気掛かりだ。旭化成建材は端緒となった横浜市のマンション以外は現時点で不具合はないとし、ジャパンパイルも「施工には自信がある」としている。
だが建築基準法が要求する耐震性を備えているのか、国交省はきちんと点検すべきだ。地震の多い日本では建物を強固な地盤に固定しているかどうかが、安全性の根幹にかかわるからだ。
一方、全国の自治体が自主的にデータ改ざんを発表した公共施設は50件を超える。県内の自治体も住民の不安解消に積極的な役割を果たしてほしい。
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-3948.html

くい打ち工事偽装  データ改ざん 国交省 業界全体を調査 
ジャパンパイル 約1万件調査  不正疑い18件のうち6件でデータ流用

—-国土交通省は16日、くい打ちデータ改ざん問題に関する有識者委員会で、くい打ち業界全体の実態を調査する方針を明らかにした。
早急に調査方法を詰めるが、過去約10年分を調べている旭化成建材(東京)とは異なり、対象を絞った調査となる見込み。
新たにデータ改ざんが判明した業界大手のジャパンパイル(東京)は同日、過去5年間の約1万件について調査し、改ざんの有無が全て判明するまで半年程度を要すると発表した。
ジャパンパイルはこの日、判明したデータ改ざんに関し国交省に詳細を報告した。不正の疑いがあった18件のうち、福島県や茨城県の病院など6件でデータ流用があったと発表。
これに対し国交省は、不正があった建物の安全性確認を指示した。
(中国新聞)

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以下引用

News Release
平成27年11月16日
各 位
会 社 名 アジアパイルホールディングス株式会社
代表者名 代表取締役社長 黒 瀬 晃
(コード番号 5288 東証第一部)
問合せ先 広 報 担 当 道券 宏之
(TEL 03-5843-4166)
http://www.asiapile-hd.com/ir/uploads/i8doi8hp47RTx1447677092.pdf
施工報告書のデータ流用問題に関する国土交通省への報告について
本日、弊社グループのジャパンパイル株式会社は、国土交通省に対して、既成コンクリート杭工事に係るデータ流用との報道のありました 18 件に関し、その内容をご報告しました。
平成 27 年 10 月に既成コンクリート杭工事のデータ流用の報道のあった後、ジャパンパイル株式会社が、平成 19 年 4 月の設立以降に施工しました既成コンクリート杭工事のうち、平成 27 年 11 月 6 日迄に照会が寄せられたものが約 1,000 件となりました。
同日までに調査が完了したものは約 500 件でありますが、その内データの流用や不備が疑われた事例が 18 件です。ジャパンパイル株式会社によりこの 18 件の詳細を調査し、データの流用を確認しました事例が以下の通り 6 件あり、その内容につき国土交通省へご報告いたしました。
尚、何れの事例も設計通りに施工しており、設計通りの杭の支持力性能に問題のないことを確認しております。
また、その他の事例 12 件は電流値データの流用や不備が疑われたものの、調査の結果事務ミス等(例えば、原データはすべての杭について保存されていたにもかかわらず、誤って同じデータを二度使用してしまった事例等)によるもので、データの流用が行われていないことを確認できております。
物件所在地 建物用途
1 茨城県  病 院
2 愛媛県  警 察
3 福島県  公共施設
4 福島県  病 院
5 東京都  擁 壁
6 熊本県  事務所倉庫
また、弊社グループでは既に開示した通り、直近 5 年間の既成コンクリート杭工法のうち、電流値データを使用した埋め込み工法の施工案件に係るデータ流用の有無について調査する予定にしております。
そして、電流値データを使用しない施工件数の特定に時間を要しており、現状では確定しておりませんが、約 1 万件程度になると見込んでおり、すべての施工案件に係るデータ流用の有無に関しての調査が終了するまで約半年程度要するのではないかと考えております。
尚、弊社グループの今年度の業績見通しにつきましては、本件調査に係る人件費等によるコスト増が予想されることから、弊社グループの業績に影響を与えるものと考えておりますが、業績については見通せる見込みがつき次第ご報告申し上げる予定で
す。
以 上

平成27年11月16日
各 位
会 社 名 アジアパイルホールディングス株式会社
代表者名 代表取締役社長 黒 瀬 晃
(コード番号 5288 東証第一部)
問合せ先 広 報 担 当 道券 宏之
(TEL 03-5843-4166)
http://www.asiapile-hd.com/ir/uploads/R6wXf8xtDjjHQ1447635707.pdf
施工報告書のデータ流用問題に対するお詫びと今後の対応について
この度、弊社グループのジャパンパイル株式会社の既製コンクリート杭の施工に関しまして、一部の施工報告書において、電流計データを流用するという事態が判明いたしました。これは同社施工現場において、電流計のデータの重要性に対する認識が十分に徹底できていなかったため、このような事態を招きました。これにより、各方面の皆様方にご心配とご迷惑をおかけしましたことを、深く反省し、衷心よりお詫び申し上げます。
弊社グループとしましてはこの問題に以下の通り対処致し、今後の施工に万全を期し、再発防止に努めてまいります。
1.今後の施工現場での対応について
既製コンクリート杭施工現場において、全ての杭毎に施工完了直後に電流計のデータを写真に収め、その記録と報告書の内容をチェックいたします。電流計に故障等の不具合が生じ、データの記録が正常に取れない状況となった場合は、施工を中止し、元請管理者に報告の上、対処する事といたします。またさらに今後、電流計の機能向上を図ってまいります。
2.施工報告書の電流計データの検証について
直近5年間の既製コンクリート杭埋め込み工法現場の全件を再調査し、電流計データの確認を行い、データの流用が判明しました場合は、すみやかに当該杭の安全性の検証を行い、その結果をご関係者にご報告いたします。
以 上

平成27年11月13日
各 位
会 社 名 アジアパイルホールディングス株式会社
代表者名 代表取締役社長 黒 瀬 晃
(コード番号 5288 東証第一部)
問合せ先 広 報 担 当 道券 宏之
(TEL 03-5843-4166)
http://www.asiapile-hd.com/ir/uploads/9Uz4PvDPj4Vbd1447470735.pdf
本日の一部報道について
本日、一部報道機関において、弊社グループのジャパンパイル株式会社において既成コンクリート杭の施工に関し、電流値データの流用があったとの報道がございました。多くのご関係の皆さまにご心配、ご迷惑をおかけしたことを、衷心よりお詫び申し上げます。
今回報道のありました18件の電流値データの流用の事例に関しましては、何れの杭も設計通り施工しており、設計通りの杭の支持力性能に問題はないことを確認しております。
当社といたしましては、今回の事態を真摯に受け止め、施工現場の管理強化、施工管理装置等の更なる精度向上など、施工管理体制改善に早急に取組み、今後の再発防止に全力を尽くす所存でございます。
関係者の皆さまに多大なご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
以 上

中国新聞 2015/11/17
国交省、業界全体調査へ くい打ちデータ改ざん
国土交通省は16日、くい打ちデータ改ざん問題に関する有識者委員会で、くい打ち業界全体の実態を調査する方針を明らかにした。早急に調査方法を詰めるが、過去約10年分を調べている旭化成建材(東京)とは異なり、対象を絞った調査となる見込み。新たにデータ改ざんが判明した業界大手のジャパンパイル(東京)は同日、過去5年間の約1万件について調査し、改ざんの有無が全て判明するまで半年程度を要すると発表した。
ジャパンパイルはこの日、判明したデータ改ざんに関し国交省に詳細を報告した。不正の疑いがあった18件のうち、福島県や茨城県の病院など6件でデータ流用があったと発表。これに対し国交省は、不正があった建物の安全性確認を指示した。
親会社のアジアパイルホールディングスは16日、「データの重要性への認識が十分に徹底できていなかった。深く反省し、衷心よりおわび申し上げる」とのコメントを発表。今後はデータを写真で残すなどし、チェックを強化する。
横浜市のマンション工事担当者以外によるデータ改ざんが各地で明らかになり、大手業者でも不正が発覚し、業界全体の問題との懸念が広がっている。国交省は再発防止策の検討に向けて、何らかの実態調査は不可欠と判断した。
有識者委の深尾精一委員長は会合後、記者団に実態調査について「他の業者の状況を把握しないと、今後の再発防止の計画は立てられない。委員は、範囲や程度は別として(実態調査は)必要だと考えている」と述べた。一方で「安全性に関する問題が生じている旭化成建材と同様に進めるべきとは思えない」とも指摘した。
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-3951.html

くい打ち工事偽装 建設業界の構造改革を
無責任な仕事生む建設業の構造を変えよ  根っこからたださねば

(日経新聞社説等より)
杭打ち工事偽装・データ改ざんは、旭化成建材の工事で広がるだけでなく、業界大手のジャパンパイルの工事でも見つかった。
無責任な仕事を生む構造や管理体制は、特定の企業、分野の問題ではなく、建設業界に蔓延している。
建設業全体の不信につながる問題だ。
国土交通省には、そんな危機的な認識があるのだろうか。最優先して全容解明と実態把握に努めるべきだ。
くい打ち工事偽装の背景には、建設業の重層下請け構造が改善されずにきたことがある。
元請け企業(ゼネコン等)を頂点に、専門工事分野ごとに2次、3次、4次と多数の下請け企業がぶらさがる構造だ。
下請けの重層構造は、業界団体の日本建設業連合会がめざす「2次下請けまで」の簡素化を実現してほしい。
下請けの数が減れば中間コストを削減でき、現場で働く建設技能者の待遇改善にもつながる。
厳しい労働環境は人手不足だけでなく、モラルの低下やミス、深刻な事故を招く。
工期や予算を理由に安全性の確保をおろそかにすることは許されない。
マンション工事が終わる前に販売する「青田売り」の慣行を含め工事の発注、設計段階から問題点を洗い出して見直すべきだ。
三井住友建設と2次下請けの旭化成建材が、互いに責任を押しつけ合う醜態をさらしているが、施工の管理責任は、曖昧なものではなく、工事全体の管理監督責任を負う元請け企業だ。
横浜市のマンション工事で、責任者が杭打ち工事に立ち会っていなかった元請けの三井住友建設の責任は重大だ。
1次下請けだった日立ハイテクノロジーズにも、中間利益だけを得た「丸投げ」の疑いがある。
もちろん、データを改ざんした旭化成建材の行為は許されない。
体制もずさんで、50人以上の現場責任者の多くが、下請けの建設会社などから工期中だけ出向したという。
工事の管理については、設計者である建築士にも責任がある。
三井住友建設一級建築士事務所らしいが、いわば、三井住友建設の部内、身内の建築士に他ならない。
建築士法上は、施工会社から独立した施工監理を責務としているが、実態は従属・一体化している。この問題も放置できない。

横浜のマンションの工事だけの問題ではない。建設業界全体の問題だ。
建設業界としてやるべきは、まず、工事の最終責任は元請けにあることを再確認すること。
そして、元請けと下請けが建設業法の定める責任者を適切に配置、機能させて隙間のない管理体制を徹底すること。
具体的に、くい打ち工事の実施時に、管理責任者の現場での立ち会い義務をどう実施させるのか。
さらに、工事後の検査体制においても、見えない部分の不正やミスをどうやって発見できるようにするかだ。
第三者によるチェック体制も必要だ。
行政等による確認検査、中間検査、完了検査も十分とは言えない。
くい打ち工事も中間検査の対象だった。が、データ改ざんを見抜けなかった。
中間検査は現場での立ち合いはない。書類で見るだけ。それも性善説で。
やはり、第三者が工事の現場で立ち会って監視するぐらいのチェックは必要だろう。
弁護士会が提唱する公的インスペクター制度も必要だろう。

徳島新聞 2015年11月20日付
社説:中央病院くい工事 信頼裏切るデータ流用

建築の信頼を裏切る不正が、徳島県内の重要施設で行われていたことが分かった。
くい打ち工事でデータの改ざんが判明した業界大手のジャパンパイルが、徳島市内の県立中央病院の改築工事に携わり、くい22本でデータを流用していた。
県は建物の安全性に問題はないと説明している。だが、計254本のくいのうち、1割近くで流用があったというから、そのずさんさに怒りを禁じ得ない。
入院患者らから、不安の声が上がったのは当然だろう。
県内の建物で他にデータの流用はないのか。関係各社は徹底した調査を行い、安全の確保と不安の払拭(ふっしょく)に努めなければならない。
中央病院は2012年9月、旧病院の敷地内に完成し、同年10月に開院した。
県内の中核病院として、救命救急などの医療体制を充実させたほか、南海トラフ巨大地震に備えて免震構造としたのが特徴だ。屋上にヘリポートと運航管理室を備え、ドクターヘリの基地病院ともなっている。
日常的に多くの患者が訪れ、災害時には被災者の命の綱となる施設である。
それだけに、工事には万全の注意が求められたはずだ。データ流用などあってはならない。なのに、なぜ行われたのか。
県によると、くい打ち工事は10年3月から5月にかけて実施された。くい打ち機械3台で掘削した際、それぞれの責任者3人が、電流値を記録する装置のスイッチを入れ忘れるなどし、データが適正に取れなかったという。このため、正しい記録が取れた分のデータを使ったようだ。
強固な地盤「支持層」までの深さがどの場所もほぼ同じで、使ったくいの長さなどから、県は全てが支持層に到達していると判断した。
しかし、スイッチの入れ忘れといった単純ミスが、なぜこれほど多くあったのか。専門業者であり、にわかに信じがたいことだ。
今まで流用が分からなかったことも問題である。
先月、横浜市のマンション傾斜で旭化成建材のデータ改ざんが発覚した際、施工主側の工事監理者が常に現場でチェックするケースは少ないことが明らかになった。
自治体や民間検査機関が行う検査も、施工時の写真などでの事後確認にとどまっていることも分かった。工期を優先するあまり、データが取れなかった場合に流用が行われていた実態も浮かんでいる。
チェック体制の強化を急がなければならない。
何より改める必要があるのは業界の体質である。社員教育の在り方を見直すとともに、企業倫理を自ら厳しく問い直すよう求めたい。
業界団体はきのう、全国での点検状況を発表したが、不正の有無は明らかにしなかった。全容が解明されない限り、信頼を取り戻せないことを肝に銘じるべきである。

南日本新聞 ( 2015/11/19 付 )
社説: [くい打ち不正] 根っこからたださねば

くい打ち工事のデータ改ざん問題は底なしの様相を呈してきた。実態調査を急ぎ、不正の根っこからたださねばならない。
発端は1カ月ほど前になる。横浜市の大型マンションの傾きで、旭化成が子会社の旭化成建材の施工不良を公表した。
その後、現場担当者50人以上が不正に手を染めていたと明かし、くい打ち業界大手のジャパンパイルもごまかしを認める事態になっている。
電流計の不調や操作ミスでデータを得られず、別のくいのデータを流用する。不正の手口は共通しているようだ。
ものづくりの現場で、あしき慣行がはびこっていた。業界ぐるみを疑われても仕方あるまい。
石井啓一国土交通相は記者会見で、業界団体に自主点検の状況をきょうまでに報告するよう求めると述べた。ようやく危機感を持ったように映る。
旭化成は先週末、過去約10年間で鹿児島県内の1件を含め、少なくとも266件にデータ改ざんがあったと発表した。横浜のマンション以外に傾きなどの報告はないとした。
今は問題ないかもしれないが、そのうち建物が傾いたりひび割れたりしないか。住民や利用者の間に不安は広がっている。国土交通省は一日も早く実態調査に乗り出すべきだ。
改ざんの背景として複雑な下請け関係や、各社の現場を転々とする担当者、工期厳守にコスト削減といった元請けからの圧力などが挙げられている。
不正はどこまで根を下ろしていたのか。見極めて再発防止に生かすためには、全面的な調査が必要になるはずだ。
国交省は施工不良を確認できたのが横浜のマンションだけとあって、「不安をあおりかねない」などと調査拡大に慎重な意見が多かった。
原因究明と再発防止策を検討する国交省の有識者委員会が動きだして早速、調査対象を広げる意見が出たのは当然である。
有識者委は年内に中間報告をまとめる。地震国に暮らす住民の不安を拭える内容にしなければ、あまり意味がないだろう。
横浜の傾斜マンションを施工した三井住友建設は先週の記者会見で、管理責任を認めて謝罪した。一方、「落ち度は必ずしもあったわけではない」と述べた。
元請け責任の明確化は、有識者委が検証する焦点の一つとなる。現場を信頼して任せきりにする。それが許されなくなったことは、すでにはっきりしている。

用語集
インスペクター制度

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/words/20061020/500304/
工事の工程ごとに第三者による検査を行い、不備不良個所がないことを確認したうえで次の工程に進むことを義務付ける制度。設計者でも施工者でもない第三者が、建築主に直接、雇われて検査するのが特徴である。
米国カリフォルニア州では、1933年のロングビーチ地震を機に、37年に制度ができ、UBC(Uniform Building Code)に規定されている。インスペクターには、州あるいは市の職員である公的インスペクターと、民間で州あるいは市に登録されたスペシャルインスペクターの2種類がある。公的インスペクターによる検査は、工事を6~8段階に分けて、各段階が終了するたびに、施工者がインスペクターに検査を求める。公共工事や一定規模以上の民間工事では、これに加えて、スペシャルインスペクターによる特別検査が必要になる。これは建築主がスペシャルインスペクターを直接雇用し、特別検査が必要な工事の施工中には常駐して、検査結果の報告書を建築主や市(州)、設計者に交付しなければならない。
日本ではインスペクター制度に代わる制度として、行政による中間検査と完了検査の制度がある。以前は制度そのものの実効性が低く、あまり効果が上がっていなかったが、99年4月に国が「建築物安全安心推進計画」をまとめ、国が中間検査と完了検査の実効性を高める運動を展開。98年度には38%だった完了検査率を2002年度には68%にまで引き上げるなど、建築物の品質の確保に努めている。ただし、米国のインスペクター制度に比較すると、検査の頻度が少なく、欠陥建築物を防止する効果に乏しい。行政に比べて頻繁に検査を実施する民間ベースのインスペクターも登場しているが、業務を依頼する建て主は、欠陥住宅対策に強い関心をもつ一部の層に限られており、制度の普及にまでは至っていない。

[日経アーキテクチュア]
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-3958.html

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151209-4

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