杭データ改ざん事件151209

杭データ改ざん事件151209

傾斜マンションで講演会を開催、窮状を実感し「国交省の能天気」に呆れ
建築&住宅ジャーナリスト 細野透
2015年 12月7日

傾斜マンションの管理組合で講演
傾斜したマンション、「パークシティLaLa横浜」の管理組合から依頼されて、12月6日の日曜日に705戸の住民の皆さんを対象に、「管理組合として今後、どうすればいいのか」という趣旨の講演をしてきました。講演のために用意した資料には、「数年後に、多くの住民が、笑顔で再会する日のために」というタイトルをつけました。
私は『耐震偽装』の著者として、マンションの欠陥問題の流れ、すなわち「問題がどういう風に発覚し、どういう風に展開し、最終的にはどう決着するのか」が分かるつもりです。
マンション管理組合が流れをきちんと読み取り、その方向に向けて努力を重ねれば、何とか問題の解決が可能です。その代表例として、杭が支持層に到達していないことが判明した、「Aマンション」(匿名)のケースがあります。
「Aマンション」では、管理組合が流れを的確に把握し、遅すぎない段階で「杭の補強工事を選択する」という方針を出したため、住民がまとまることができました。そのため問題発覚から約3年半で、ゼネコンB社が必要な費用を全面的に負担する形で、補強工事を実施。工事中に一時退去した住民は、マンションに戻ってきて、笑顔で再会することができました。
その一方では、福岡県久留米市に立つ15階建て92戸の「新生マンション花畑西」のように、1996年に完成した直後に欠陥が発覚したにもかかわらず、今なお問題が決着していないケースもあります。このため区分所有者51世帯は、2014年6月になって元請けの鹿島建設を提訴しました。すなわち20年近く、苦労し続けているマンションも存在するのです。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/sj/15/150245/120700031/?top_matome&rt=nocnt
さて「LaLa横浜」の杭施工不良問題には3つの特徴があります。
まず売主が比較的早い時期に責任を認めたこと。通常は、売主の三井不動産レジデンシャルや元請けの三井住友建設などに責任を認めさせるために、住民は長く苦しい時期を過ごさなければなりません。
次に売主が「全棟&全住戸の建替」を基本的な枠組みとする提案をしたこと。これは売主として、問題に対応するために、金額的には誠意を示したことを意味しています。こういうケースは欠陥事例の1~2パーセント程度しかありません。すなわち100件のうち、1件か2件程度しかないのです。
さらにメディアを通じて社会全体が住民を見守っていること。私を含めて多くの国民が、管理組合の皆さんに困難を乗り越えてほしい、と応援しています。
このような状況にあるのですから、管理組合が一体となって流れに乗ることができれば、問題を何とか解決することができるはずです。それを応援するために、「Aマンション」のケースを教訓に、「数年後に、多くの住民が、笑顔で再会する日のために」というキャッチフレーズをつけました。

151209
「706タイプの心配」と「4タイプの選択肢」
「LaLa横浜」の住民は色々なことを心配しています。子供がいる世帯では、通園や通学先の確保が最大の悩みです。高齢者が住む世帯では、建替工事あるいは補強工事に数年かかるとして、それに耐える体力があるかどうかが不安の種です。また住民同士のコミュニティを築いた世帯では、親しい友達と離れてしまうのが苦痛です。
マンションは705戸(プラス1保育園)で構成されているので、実際には706タイプの心配があるのですが、建物の構造的な安全性を考えると、実際問題としては、次の4タイプの中から選択するしかありません。 

(1)構造的に安全なら、そのまま住み続ける
(2)補強工事が可能なら、それを選択する
(3)構造的に建替が必要な場合には、それを受け入れる
(4)退去して売主に買い取ってもらう

このうち建物の安全性について、三井住友建設は11月24日に、建物が傾いたウェストコートに関して、「杭が支持層に届いていない6本と、杭の根固め部のセメント量が偽装されていた4本が、建物を支持していないと想定して構造計算した結果、震度7の揺れでも倒壊の恐れはないことを確認した」とする報告を行いました。また横浜市もその報告を受け入れました。
ただし、この構造計算は、ウェストコートの安全性を証明した、というものではありません。東洋ゴム工業による「免震装置偽装事件」でも、東洋ゴムは「震度7の揺れでも倒壊の恐れはないことを確認した」とする報告を行いましたが、実際にはすべての免震装置の交換を義務づけられました。
「震度7の揺れでも倒壊の恐れはない」という表現は、「建物からすぐに退去する必要はない」けれども、なるべく早い段階で安全性を回復させなければならないときに使われる、一種の決まり文句なのです。

三井住友建設が隠していた都合の悪いデータ
12月6日の説明会ではウェストコートの住民が、傾いた住棟で暮らすことの不安を切々と訴えました。「壁と天井・窓・床などの接合部に隙間ができて、風がスーッ、スーッと入ってくる。また夜寝ているとピシッ、ピシッときしむ音が聞こえるため、心配で目が覚めてしまう」。
私もウェストコートを歩いてみましたが、1階から2階、2階から3階と上がるにつれて、住棟の傾きが少しずつ増えていく様子を目の当たりにして、住民の不安を実感することができました。
それに対して、三井住友建設の報告は住民のこのような不安に、まったく応えていません。そもそも、震度7でも倒壊しないような「健全」な建物は、東日本大震災で「LaLa横浜」を揺らした震度5弱の地震動によって、傾くはずがないのです。
三井住友建設は、ウェストコートの地上部をきちんと測量したのでしょうか。また建物内外のひび割れを調査したのでしょうか。
加えて、「震度7の揺れでも倒壊の恐れはない」といっても、その中身が曖昧なことも指摘しなくてはなりません。いつか来るとされている、関東大震災タイプの震度7に本当に耐えるのでしょうか。東海・東南海・南海地震という3連動の震度7に確実に耐えるのでしょうか。
これ以外にも、三井住友建設にとって都合の悪い事実が、いろいろあります。まず安全性を検討するために必要なデータを公表していない点です。設計・施工当時のボーリング調査のデータ、支持層の深度データ、杭長のデータなど、設計および施工計画が適切だったどうかを判断するために必要なデータが、どういうわけか公表されていません。
それどころか、12月3日には、この敷地に以前立っていた建物を支える杭の深さが18mだったにもかかわらず、マンションの杭が14mだったことを示すデータが出てきました。三井住友建設は都合の悪いデータを隠していたのです。

ダイナウィング工法ミスマッチ説
加えて建築専門誌『日経アーキテクチュア』が指摘した、「ダイナウィング工法ミスマッチ説」は極めて重要です。マンション敷地の支持層は土丹層(硬質粘土層)なのですが、ダイナウィング工法は土丹層では使ってはいけない工法とされています。そのような非常識な選択をした結果、杭の根固め部の施工が不十分になって、すべての住棟で建物を十分に支持できていない危険性を否定できないのです。
特に不可解なのが、旭化成建材が杭の調査を希望しているにもかかわらず、三井住友建設がそれを拒み続けている点です。「ダイナウィング工法ミスマッチ説」の真偽を確かめるためには、杭の根固め部の精密な調査が必要です。それを拒むのは、三井住友建設にとって具合の悪い事実が、判明してしまうことを恐れているからではないでしょうか。
建物が傾いた原因を調べるためには、すでに傾いたウェストコートだけではなく、残りの3棟についても、杭の根固め部の状態を詳しく調査する必要があります。ただし、それには少なくても2年くらいの時間がかかると思われます。また杭は地中に埋まっています。実際問題として、杭の最下部にある根固め部の調査が、技術的に可能かどうかも疑問です。
以上のように、建物の構造的な安全性は、いつまで経っても明確にならないと思われます。つまり、管理組合にとって可能な選択肢は、以下の3点に絞られてしまいます。

(2)補強工事が可能なら、それを選択する
(3)構造的に建替が必要な場合には、それを受け入れる
(4)退去して売主に買い取ってもらう

このうち(2)補強工事についても、実際問題として可能かどうかは疑問です。杭を補強するためには、まず1階の床板を解体して穴を開け、すべての杭の状態を詳しく調べる必要があります。次に杭を施工する重機を設置するため、1階から数階程度まで床・壁・天井を解体して(柱と梁だけを残す)、作業スペースを確保しなければなりません。その上で、地中を深く掘り下げて、杭の補強をしていくわけです。
これが果たして補強工事といえるのでしょうか。実際には住棟の下部数階の破壊工事と呼ぶべきなのです。しかも杭先端の根固め部を、本当に補強できるのかどうかは定かではありません。
これとは別に建物全体をジャッキアップする方法も、ないわけではありません。しかし、住棟が極めて不安定になって、場合によっては転倒してしまうかもしれません。
私が知り合いの構造設計者やゼネコンの現場技術者6人に聞いた限りでは、5人が補強工事はできるわけがないと断言。残りの1人は「できるかもしれないし、できないかもしれない」という曖昧な返事でした。
そうすると残る選択肢は次の2点に絞られてしまいます。
(3)構造的に建替が必要な場合には、それを受け入れる
(4)退去して売主に買い取ってもらう

管理組合による第1次アンケートの結果
私が「LaLa横浜」の皆さんに講演をする約1週間前に、管理組合が第1次アンケートの結果を公表しました。
「全棟の建替」を選択──476戸、73.9%
「一部棟の建替」を選択──59戸、9.2%
「傾いた棟の杭補強」を選択──19戸、3%
「販売元に売却し転出」を選択──63戸、同9.8%

この結果を見て、私は「管理組合の皆さんは建築構造の問題をきちんと理解している」と感じました。そのため講演では次のようにアドバイスしました……。
管理組合としては正式に建替を選択するだろうと予想していますし、それを評価しています。その上で、何点か配慮してもらいたいことがあります。
まず転出を選択した住民を丁寧に見送ってください。そして「建替が完成したとき、ぜひ、見に来てください」とお願いしてはどうでしょうか。
また通園・通学者がいる家庭、高齢者がいる家庭などへの配慮も、忘れないようにしてください。そのために、管理組合理事会の下に何か分科会のようなものを作って、多くの皆さんで対処してはどうでしょうか。
さらに建替期間中は、一時的に離れ離れになった住民の心をつなぐために、「コミュニティ活動」にもっと力を入れてください。
講演の最後に、「数年後に、なるべく多くの皆さんが、笑顔で再会できますように」と、エールを送らせてもらいました。
「LaLa横浜」の管理組合としては、来年1月に2回目のアンケートを行い、全棟建替の意見が5分の4以上になった場合には、臨時総会を開いて決議をする意向とのことです。

国交省の「能天気」
しかしながら、「LaLa横浜」の管理組合には、別に大きな心配事があります。国交省マンション政策室による「コミュニティ殺し策」の行方です。これはマンション標準管理規約から、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用」という2項目を削除しようとする政策です(「国交省の悪い検討会が傾斜マンションの管理組合いじめ」を参照)。
仮に「LaLa横浜」で全棟が建替となると、705戸の住民は一時的に退去するため、少なくとも3年間はバラバラになります。各地に散った住民の心をつなぐために、管理組合としてコミュニティを維持するための活動を続けなければなりません。
例えば「管理組合便り」みたいなものを作って全戸に届けたり、子供の通園・通学先に悩む家庭が集まって研究会を組織したり、高齢者がいる家庭を訪ねて様子を聞いたり……。しかし、「コミュニティ殺し策」が実施されると、こういった活動はできなくなります。
「LaLa横浜」管理組合はそういった事態を深く心配。国交省マンション政策室が行った「パブリックコメント」募集に対して、次のような意見を提出しました。
「現在、当管理組合は、杭の施工不良問題に直面し、極めて厳しい局面を迎えています。仮に標準管理規約が変更された場合、管理組合運営に致命的な問題を被る恐れがあり、必然的に多くの区分所有者が、大変な苦しみを背負うことにもなりかねない状況となります。さらに、杭施工実績のある各社の施工記録改ざんの全容が解明されておらず、当管理組合と同じ立場や苦境に陥る可能性が他の管理組合にもあると考えられます」。
しかし、信じられないことに、国交省マンション政策室からは、この意見に対して何の連絡もなかったそうです。要するに無視されてしまったのです。
その一方では、11月28日付け日本経済新聞の夕刊に、驚くような記事が掲載されました。タイトルは、「マンション管理費で忘年会ダメ──国交省、年内にも規約改正」となっています。
「国土交通省は多くのマンションで管理組合が規約のひな型に使っている『標準管理規約』を年内にも改正する。夏祭りや新年会など親睦を深めるための飲食会や自由参加の行事に管理費を使わないよう促す。強制的に集める管理費の使い道にふさわしくないとの住民の批判に対応する。来年以降は忘年会やクリスマス会など年末のイベントにも影響が及びそうだ」。
国交省マンション政策室のスタッフは、おそらく「LaLa横浜」管理組合の窮状などは忘れて、自分たちの忘年会やクリスマス会のことを考えていたのでしょう。国家公務員は能天気でいいですね。ちなみに能天気とは「軽薄でむこうみずであること。のんきでばかげていること。また、そのさまや、そのような人」という意味です。

中古マンション購入 売り出し価格から10%の値引き余地あり
NEWSポストセブン12月3日(木)7時0分

151209a
中古マンションは値引き次第でトクな買い物に
夢のマイホームを購入しようと思えば、真っ先に竣工前の新築マンションを物色しがちだが、先日、ある興味深い調査結果が出た。
内閣府が11月28日に発表した「住生活に関する世論調査」によると、〈住宅を購入するとしたら新築か中古か〉とのアンケートに、一戸建て・マンションを合わせ〈中古がよい〉と答えた人の割合が9.9%いた。
同じ設問で〈新築がよい〉と答えた人が73.0%いたことを見ると、やはり新築人気は根強いと捉えることもできるが、2004年の調査と比較すると、「新築派」は9.2ポイント減り、逆に「中古派」は3.4%から大幅に増えている。
中古でよいとする理由は、〈住みたい場所に住宅を購入するためには、中古住宅の価格の方が手が届きやすいから〉(61.0%)と、価格面を挙げる人が圧倒的だった。
調査した10月は、旭化成建材によるマンションの杭打ち偽装が発覚し、資産価値の目減りを懸念する報道も相次いだため、「中古のほうが価格が安いうえ、あらかじめ建物の耐久性や部屋の騒音・水漏れなど欠陥の有無を確認してから購入できる」(都内不動産業者)メリットを感じる人も多かったのかもしれない。
もちろん、築年数の経過した中古マンションのほうが割安なのは当然だ。そのうえ、住宅ジャーナリストの山下和之氏によれば、「中古の8、9割で何がしかの値引きが行われ、売り主は値引き前提で売り出し価格を設定する人が多い。ダメもとで値引き交渉をしないと損」と話す。
だが、時には百万円単位の値引きをするような安い中古物件には、“それなりの理由”があるのも事実だ。そこで山下氏に、中古マンション市場の動向と失敗しない値引き交渉テクニックを挙げてもらった。

【今は特に売り出し価格と成約価格の乖離が大きくなっている】
今年の春先までは完全な売り手市場で、物件が不足し、人気物件は市場に出る前に売れてしまう“瞬間蒸発”が相次いだ。先高感から売り惜しみも強く、市場になかなか物件が出てこなかった。それが、次第に様相が変化。「そろそろ売り時だ」と売却に出る人が増加しているため、新規登録が増え、在庫が積み増し状態になってきた。
昨年10月の売り出し価格の平均平方メートル単価は45.49万円で、成約価格が43.53万円。その差は4.3%で、ほぼ売り出し価格に近い価格で契約が成立していた。それに対し、今年10月は売り出し価格が52.75万円で、成約価格が45.80万円。その差は13.2%に拡大している。売り主はこれまでの流れから強気の値付けで売りに出しているが、実際の市場価格はそれよりかなり低い(東日本不動産流通機構のデータ)。
売り出し価格で買うのは愚の骨頂。少なくとも5%、10%の値引きの余地はある。

【値引きできる物件とできない物件がある】
しかし、すべての物件で値引きが可能であるわけではない。人気エリアの人気物件は依然として売値のままで取り引きされるケースが多い。指し値を入れようものなら、それだけで相手にされない。従って、値引きが可能なのは物件面で何がしかののマイナスがある物件ということになる。

・立地・環境/ゴミゴミした場所、防犯・治安面などで問題のある場所、騒音などの気になる場所など
・交通アクセス/駅からの徒歩10分以上、都心駅まで1時間以上
・物件の状態/内部に汚れが目立ち、設備も老朽化が著しいなど、リフォームが欠かせない場合には、そのリフォーム費用分の値引きの可能性は十分。リフォーム費用の見積りをとってみて、交渉する手もある

【売り出しからの時間が経過している物件】
広告チラシやポータルサイトへの掲載直後には問い合わせも多い。問い合わせが一巡するのは2週間程度。その段階でまだ買い主のメドがたっていないようならチャンスがある。
さらに、3か月程度経過すると、売り主も焦り始める、仲介業者も値引きが必要と判断する時期なので交渉しやすくなる。
売り主のなかには、多少時間がかかっても高く売りたいと、強気の価格設定で売りに出すことがある。しかし、そんな人でも3か月が経過すると、やはり相場よりは高く売れないことに気づき、値引き交渉が可能になる。

【売り急いでいる物件】
買い換え、転勤、離婚、ローン破綻などで売り急いでいる物件なら交渉しやすい。仲介業者に、さりげなく「なぜ売りに出しているのか」を聞いてみる。とにかく早く現金化したいという人であれば、交渉の余地は大きい。

【仲介業者を選ぶ】
仲介業者のなかには、「仲介手数料半額」などをうたい文句にしている業者がいる。業者からすれば、多少手数料が安くなっても、大量に取り扱うことができれば、むしろ売上は多くなる。それを狙って仲介手数料を半額している。
3000万円の物件だと、仲介手数料は、[3000万円×0.03(3%)+6万円]×1.08(消費税)=103万6800円。それが半額になれば実質的には50万円以上の値引きになる。
仲介業者は売り主、買い主双方から手数料を得ることができる。元付け業者で、売り主から手数料が入る(両手)立場であれば、こうした仲介手数料の値引き余地は大きい。あらかじめ「仲介手数料半額」とうたっていない業者であっても、交渉の余地があるかも。

【自分の条件をシッカリと提示する】
強引に、かつ一方的に値引きを迫るのではなく、自分たちの事情を説明して、「2800万円までなら何とか手が届くのだが……」など、真摯な態度で交渉したい。こちらの熱意が伝われば仲介業者も味方になって売り主と交渉してくるはず。
そのためには、あらかじめ自分たちの条件を明確にしておくことが必要だ。できれば、ローンの仮審査を受けて、いくらまで借りられるのかを確定して、自己資金を加えた購入可能額の目安をつけておくといい。それがハッキリしていれば、「2800万円ならすぐにも契約できる」などと仲介会社も交渉しやすくなる。
http://news.biglobe.ne.jp/economy/1203/sgk_151203_2166503104.html

2015年10月20日 15時配信
データ偽装マンションだけじゃない!資産価値が下がる物件の特徴

151209b
『東京で家を買うなら』(自由国民社/刊)
横浜市都築区の大型マンション「パークシティLaLa横浜」に、建築時の杭打ちの欠陥が見つかった問題が、デベロッパーや建築業者、杭打ち工事をした業者などを巻き込んだ大騒動になっています。
そして、これからマンションを買うことを考えている人にとっても、今回の件は「物件はどれだけ吟味しても十分ということはない」ということを認識するきっかけになったはずです。
ところで、今回の件で憤っている住人の声を聞くと、居住者として安全面を心配する声のほかに「資産価値が下がる」といった声があり、マンション購入の投資的な意味合いについても考えさせられます。ここで気になるのは「資産価値が下がりやすい物件」あるいは「下がりにくい物件」とはどんな物件なのか?ということです。
もちろんデベロッパーや施工業者の不始末によって資産価値が下がってしまうのは不運としか言いようがありませんが、できるだけ価値が維持されやすい物件を手に入れたいものです。

不動産コンサルタントの後藤一仁さんは、著書『東京で家を買うなら』(自由国民社/刊)で、買い手の盲点になりがちな、資産価値が下がるマンションの特徴を紹介しています。

■大規模すぎるマンションはNG!?
大手デベロッパーが街ごと開発したような大型マンションや、人気エリアの駅近タワーマンションは、一般的に資産価値は下がりにくいとされています。
だからといって「大規模なマンション=資産価値が下がりにくい」と理解するべきではありません。郊外にいくとその規模感があだになることがあるのです。
たとえば、価格が手ごろな一次取得者層(初めて持ち家を取得する層)向けの大規模ファミリーマンションなどは、どうしても住民の年代が同じくらいになりますから、その家族の子どもが進学したり独立したりといったタイミングが一度に訪れます。親の高齢化も同時に進行しますから、あるタイミングで若い住民が一気に減り、その影響で近くの商業施設の業績が落ちて撤退したり、学校が統廃合されるということも。そうなると、物件の資産価値にも影響が出てしまうのです。

■その地域に需要の多い間取りと合わないマンション住戸
60㎡以上であれば2LDK以上の需要がほとんどのエリアなのに1LDKであるとか、80㎡以上であれば3LDK以上の需要がほとんどのエリアなのに2LDKであるなど、その地域に需要の多い面積や間取りと違っている物件の場合、いざ売りたい時に買い手が決まりにくいことがあります。自分に合わせて設計したり、リフォームしたりした物件で多いパターンなので注意が必要です。

■駐車場、空き地などに隣接している物件
メインとなるバルコニーの前もチェックが必要です。 
この部分に「月極駐車場」や「コインパーキング」、「空き地」、「古家」、「社員寮」などがちらほらとある場合、デベロッパーなどによって一つの大きな土地にまとめられて高層建物が建つ可能性があります。
そうなると眺望や日当たりが損なわれますし、当然資産価値にも響きます。近いうちにまとめて買い上げられそうな土地が物件の周りにあるかどうか、というのも確認した方がいいでしょう。

誰にとっても物件は高額な買い物ですから、できる限りその価値は下がらないようにしたいもの。
欠陥工事の場合はどうしようもないですが、せめて自分で確認できるところは自分の目でチェックできるように、物件購入を考えている人は眼力を磨いておくべきかもしれませんね。
(新刊JP編集部)
http://www.sinkan.jp/news/index_6218.html

2015.10.29 14:23
2つのメモ筆跡酷似で発覚 北海道営住宅データ偽装

151209c
くい打ち工事を請け負った旭化成建材のデータ流用が発覚した釧路市の道営住宅に説明に訪れ、報道陣の取材に応じる北海道の職員(左)=29日午後
北海道釧路市の道営住宅のくい打ちデータが偽装された問題で、異なる日付の2つのデータのメモ書きがまったく同じ筆跡だったことが29日、道への取材で分かった。道が偽装を発見した理由の1つだという。道は同日、くい打ち施工を行った旭化成建材などを通じ、施工状況について本格的な調査を始めた。
道によると、問題の物件は、釧路市の道営住宅改善工事で、くい31本のうち1本で隣接工事のデータが流用された。道職員が独自に調査し、地盤の強度を測る「電流計」のデータで別のデータを切り張りしたように見えたことから、旭化成建材に問い合わせたところ、転用を認めた。
異なる日付の2つのデータは強度を示す波形の一部がまったく同じであるだけでなく、深度を示すとみられる数字の筆跡もまったく同じだったため、不正に気づいたという。
道によると、施工では地表から約2メートル掘り下げた地点から7メートルのくいを打った。データ上は強固な地盤である「支持層」に到達したことになっているが、道は「本当に支持層に到達しているかは分からない。安全性は不明」としている。
旭化成建材の前田富弘社長は29日、「大変申し訳なく思っている」と謝罪した。東京都内で記者団に語った。
http://www.sankei.com/affairs/news/151029/afr1510290012-n1.html

2015.11.4 13:22
元請けは清水建設 くい打ちデータ流用の神鋼工場 大手ゼネコンも不正見抜けず
 
旭化成建材のくい打ち工事でデータ流用があった神戸製鋼所大安工場(三重県いなべ市)の建物の建設で、大手ゼネコンの清水建設が元請けだったことが4日、分かった。施工管理能力が高いとされる大手ゼネコンでも不正が見抜けなかったことで影響が広がりそうだ。
関係者によると、工事には横浜市の傾いたマンションと同じ男性担当者が施工に関わっていた。建物は工場の倉庫で、ひび割れや傾きは確認されていないという。
石川県小松市の特別養護老人ホーム「松寿園」でも旭化成建材によるくい打ち工事でデータ流用があり、元請けは清水建設だった。
http://www.sankei.com/economy/news/151104/ecn1511040035-n1.html

「姉歯」から10年、杭偽装を生み出す構図をなくせ
2015/10/26

10年前の2005年11月に発覚した構造計算書偽造事件で「姉歯」を生み出した建築界の構図は、あれだけ法制度をいじっても、いまだに何も変わっていない。建築界は発注者と受注者がいくつも連なる重層下請負が当たり前。その“建築生態系”では頂点に君臨する強者だけが力を持ち、末端は立場が弱いままだ。
横浜市内のマンション「パークシティLaLa横浜」が傾斜した問題で、事業主の三井不動産レジデンシャル、元請け会社の三井住友建設、杭工事の一次下請け会社の日立ハイテクノロジーズをすっ飛ばして、二次下請け会社の旭化成建材が非難の矢面に立っている。杭工事の施工データを改ざんした報いと言えばその通りなのだが、なんだかおかしい。元請けや一次下請け、事業主の責任の所在が見えてこない。

151209d
パークシティLaLa横浜の杭工事の施工体制図。
事業主は三井不動産レジデンシャル、元請け会社は三井住友建設、一次下請け会社は日立ハイテクノロジーズ。二次下請け会社は旭化成建材だったが、杭工事に関わったメンバーのほとんどは三次下請け会社だった(資料:旭化成、旭化成建材)
国土交通省や自治体は、旭化成建材が過去10年間に施工した3040件の杭工事の調査を進めている。そのうち、データを改ざんした旭化成建材の担当者が関わった41件と、病院や学校などの公共施設の調査を優先的に調べるという。国民の不安解消に向けた第一歩だ。
しかし、それで何がわかるのだろう。調べた結果に問題がなければ、安全宣言を出せるのか。
決してあってはならないことだが、旭化成建材以外の工事会社が手がけた杭工事はすべて安全だと言い切れるだろうか。躯体工事は大丈夫なのか。防水工事は?設備工事は?内装工事は?……疑惑は際限なく広がっていく。
今回の問題を「一担当者が意図的にデータを改ざんした想定外の不正行為」で終わらせてはいけない。なぜ不正を起こしたのか、なぜ一次下請けも元請け監理者も不正を見抜けなかったのか、事業主(発注者)は善意の被害者でいいのか――。
これらを解き明かして再発防止策を講じないと、建築界が失った信頼は回復できない。担当者1人に罪をかぶせてうやむやにしてしまっては、同様の不正が何度も起こり得る。不正の根っこに、建築界が抱える重層下請負の構造問題があるからだ。

個人の犯罪で済ませてよいのか
10年前の構造計算書偽造事件は「姉歯」個人の犯罪と結論づけられたが、今回の問題も根っこは同じだ。工期やコストをめぐるプレッシャーが下請けを押しつぶし、プロとしての意識を欠如させ、不誠実な態度を誘発する。その一線を超えてしまった不正行為がひとたび明らかになると、社会を揺るがす大事件になる。
今のままでは、プロの誰もが傍観者や被害者の立場から、いつ加害者になってしまうかわからない危険をはらんでいる。施工者だけでなく、設計者も、監理者も、事業主も、取引に関わる不動産会社も。発注者や受注者に関係なく。まるでロシアンルーレットのようだ。
プロジェクトが複雑になって設計施工分業体制となり、細分化された各工程で実際に汗をかくプロの顔が見えにくくなっている。現場では管理しなければならない項目が増大し、本来最優先すべき品質がおろそかになっている。「責任施工」の名の下に、強者が弱者にリスクを押し付ける状態が日常化している。こうした構造を正さない限り、これからも「姉歯」は生み出される。
なぜ不正が起こるのか。笑われるかもしれないが、「愛」がないのだと思う。自分たちがつくる建築への愛、一緒に仕事をする仲間たちへの愛、そして引き渡した後に住む人や利用する人への愛。嫌々やらされ仕事をこなすばかりでは、愛のない建築だらけになってしまう。
性悪説に立って法制度をがんじがらめに厳格化するよりも、プロがやりがいや誇りを持って仕事に愛を注ぎ込める環境をつくることが先決だ。まずは、適正な工期と適正なコスト。誠実なプロが馬鹿を見ない建築界にしたい。
ただ、弱者の受注者だけで建築界の悪しき構図は変えられない。発注者と受注者が一丸となり、建築界の足元をしっかり固めないと。東京五輪に浮かれている場合ではない。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/atcl/knpcolumn/14/505663/102300003/?rt=nocnt

知恵蔵2015の解説
欠陥マンション問題

三井不動産レジデンシャルが2006年に販売を開始した、神奈川県横浜市都筑区のマンション「パークシティLaLa横浜」の建物に傾きが生じ、15年になって杭打ち工事の偽装があったことが指摘された事件。旭化成建材は深く反省すると謝罪する一方、会社ぐるみの意図的な偽装については否定したが、膨大な件数のデータの改ざんが次々と発覚した。このため、企業ぐるみの関与が疑われ、マンション建て替えなどの対応を迫られている。これをきっかけに、同業大手のジャパンパイルでも偽装が発覚し、元請けゼネコンまで含めた建設業界の構造自体に根本的な原因があるとの声も出ている。
問題となった建物は、大規模ショッピングセンターに隣接する4棟705戸の大型分譲マンションのうちの1棟で、設計・施工は三井住友建設。1次下請けの日立ハイテクノロジーズを介して、杭打ち工事を行ったのは2次下請けとなる旭化成建材。データの偽装を行ったのも同社の担当者である。同マンションは、杭を地盤の強固な支持層に達するまで多数打ち込み、これによって建物を支える構造である。傾きの発生した11階建ての西棟を支える52本の杭のうち6本が支持層に達しておらず、別の2本は支持層に達しているものの打ち込む深さが不足していた。更に、これらを含む10本の杭の施工データに偽装・改ざんが見つかった。
このマンションは、砂や泥の堆積した軟弱な地盤と、比較的固い地盤との境目に位置している。このため、設計段階のボーリング調査よりも支持層が深い部分が生じていた。以前同地に立っていた工場の建物では、一部に長い杭が使われていたが、元請けの三井住友建設は短い杭を使うよう指示していた。ただし、杭打ちに際しては、1本ごとに電流計の波形を記録して、その変化によって支持層に達したかどうかを確認することになっている。旭化成建材の説明によれば、記録用紙が足りなかったり、水にぬれたりして使用できなった、あるいはスイッチを入れ忘れてデータを取得できなかったなどで、他の杭のデータを転用し記録を捏造(ねつぞう)したという。このマンションでは、05年12月から06年3月という短期間に居住棟4棟で約500本、全体では約800本の杭打ち工事が実施された。このうち、3棟38本で支持層についてのデータ偽装が発覚、更に45本で杭の先端部分を支持層に固定するセメントの量についてもデータの改変があった。国土交通省は事態を重く見て、他の物件の調査を指示すると共に、旭化成建材への立ち入り検査を行った。その後の調べで、旭化成建材が過去10年間に行った杭打ち工事約3000件の1割でデータの改ざんが見つかり、同業他社でも偽装改ざんがあることが分かった。
建造物の設計施工上のミスや手抜きなどによって、後になって欠陥が明らかとなるケースは、これまでにも度々問題となってきている。その都度、建築需要の急増で施工が杜撰(ずさん)になったとか、逆に需要の低迷で無理な価格で受注したためなどと言われてきたが、結局は業界の構造そのものに起因するとの見方が多い。このマンションを例に挙げれば、実際に杭打ちを行ったのは2社の3次下請けの施工業者であり、旭化成建材の現場責任者も他社からの出向社員だった。設計通りで杭の長さが不足なら、長くすればよいだけだが、末端の下請け業者からそのような意見を元請けに述べられるような関係ではないという。建設業界では孫請け曽孫(ひまご)請けなど何段階もの重層的な下請けが横行し、たとえ品質確保や安全のためであっても、末端業者から工期を延ばすよう求めることなど認められない構造がまかり通っている。識者からはこうした禍根を断つことが肝要であるとの意見が以前から繰り返されているが、現状に改善は見られていないという。
(金谷俊秀 ライター/2015年)
https://kotobank.jp/word/

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151209-2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です