杭データ改ざん事件151213

杭データ改ざん事件151213

くい打ち データ流用とは 意味を簡単にまとめ ジャパンパイル [ニュース]

くい打ちデータ流用について意味など調べたことを簡単に分かりやすくまとめて見ました。
あとや旭化成建材が発端となって浮き彫りになった杭打ち大手ジャパンバイルのデータ流用についても調べてみました。
くい打ち データ流用とは、意味を簡単に言うと定まっている手順を踏まずに以前の工事で使った杭打ちデータを別の工事でそのデータを使うことが問題。
建物などは場所によって地盤などが違うので、しっかりと杭が硬い層に届いていないと建物に不具合が起きてしまう可能性がある。
くい打ちデータ流用ジャパンパイルの件
ジャパンパイルの杭打ちデータ流用の問題では、過去5年間に作業をした杭工事をジャパンパイルが調査した結果、18件中16件が、施工時にプリンターの不具合などがあり、杭データを取得出来なかった為に故意にデータを流用したとの事です。
また、16件の中には、マンションは含まれていないとの事です。
日本テレビの話によると、18件中1件の施工報告書で、異なるはずの2つの電流の波形が完全に一致していることから他の工事の杭打ちのデータを流用したと言う事が分かります。
ジャパンパイルは、「資料作成時誤って他のデータを入力してしまったミス。」とコメントをし、同じ様なミスが18件中2件あったことを述べ、「再発防止に向けた対策を検討していきます。」と話した。
くい打ち データ流用について ネット上の意見
「当然旭化成の問題が一段落すれば次の疑惑探しになるから早い方がダメージ少ないと思ったのかんぁ?」
「絶対、他の会社でもやっている。 今こそ、国の権限で一斉調査をするべき」
「ジャパンパイルって日本でも有数の建築物の杭工事やってるからこの問題は長引きそうだ。」
「現場で工事やってる人っぽいコメ読んだんだけど、杭工事はボーリング調査とオペレーターの「支持層に届いた!」ていう判断こそが重要で、その際にデータとって報告書に上げるんだけど、少し前まで機械の精度が低かったこともあって、データをうまく読み取れない事も普通にあったらしく、測定作業自体は、おまけの作業っぽい。
だからデータ流用自体が大問題なのではないらしい(間違ってたら御免)問題にすべきは、支持層が深すぎて未達の時、これをやりなおしていると日程が大幅にずれこむので、到達したことにする事。
実際そういう時こそ上手にデータをごまかすらしい(怖!)
だから国も報道も、問題にすべきポイントを間違ってるように思う。(ヤフーニュースより)」などの意見がありました。
確かに現場の人にしかわからない事もあると思いますし、作業の遅れは人件費なども嵩むでしょうし、切羽詰ってデータなんて素人が見ても分からないから経験上、しっかり支持層にくいが達していれば大丈夫だろう!と言う考えなのかもしれませんね!
そう言う緩みから旭化成建材の様な支持層に達していない問題も起きてしまうのかもしれませんね。
http://hi-mylife.blog.so-net.ne.jp/2015-11-14

杭データ改ざん2.5倍の56件に 業界団体調査、新たに2社関与
2015/12/12 1:19
日本経済新聞 電子版

杭(くい)打ち工事会社の業界団体であるコンクリートパイル建設技術協会は11日、旭化成建材を除く正会員40社のうち、新たに2社が杭打ちデータを改ざんしていたと発表した。2週間前に結果を公表した前回調査に比べ、件数は約2.5倍の56件になるなど問題は拡大している。調査はまだ途上で、全容解明はなお遠い。協会は年内をメドに再発防止策をまとめることも明らかにした。

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今回改ざんが判明した企業はマナック(愛知県清須市)と日本高圧コンクリート(札幌市)。件数は両社で計7件だった。これで、改ざんに関与した企業は旭化成建材を除いて8社になった。
すでに改ざんが判明していた大手企業のうち、ジャパンパイルは13件から22件に増えた。
協会は傾きやひび割れなど安全性に問題がある物件があるかどうかも各社に尋ねたが、不具合の報告はなかったという。同日、調査結果を国土交通省に報告した。
360件の改ざんを公表した旭化成建材はすでに別途国交省に報告しているため、今回の調査対象に含んでいない。
地域別では前回調査で13都府県に及んだが、新たに北海道などが加わり19都道府県に増えた。用途別では公共施設20件、学校11件、医療・福祉施設と集合住宅がそれぞれ5件など。事務所・店舗や工場、倉庫などでも改ざんがあった。
協会は原則として、建物の発注主や元請け建設会社から各社に要請のあった物件の調査結果だけを各社に尋ねて集計している。施工件数の多い大手のジャパンパイルと三谷セキサンは、そうした要請がない物件も含めて、それぞれ1万件、8千件を点検する方針を明らかにしている。ジャパンパイルの場合、調査を終えるまでにあと半年かかるという。
今後、データ改ざんの件数や関わった企業はさらに増える可能性がある。協会の羽原伸・専務理事は都内で記者会見し「あってはならないことで反省している」と陳謝した。
施工管理の強化に向けて、同協会のほかに、建設会社の業界団体の日本建設業連合会も月内に指針を公表する。国交省の有識者委員会は月内に、工事のあり方や再発防止策について中間報告を出す予定だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ11HSZ_R11C15A2EA1000/

くい打ち不正
業界最大手も 横行に業界関係者は肩落とす

毎日新聞2015年11月26日 22時25分(最終更新 11月26日 23時21分)

旭化成建材、ジャパンパイルに続き、業界最大手の「三谷セキサン」でもくい打ち施工データの流用が確認された。不正の横行に、業界関係者は肩を落とし、公共施設の安全確認に追われる自治体職員はあきれ返った。
2014年度のコンクリートくいの出荷量のシェアは、三谷セキサンが24.5%で首位。ジャパンパイルが23.4%で2位。業界団体「コンクリートパイル建設技術協会」の担当者は「データ不正が広がったのはとても残念だ。加盟企業で知恵を出し合って再発防止の方策を考えていくしかない」と話した。
加盟社は過去の工事で不正がなかったか、独自に点検しており、国土交通省の指示を受けて協会はその結果を集約し、27日に国交省に報告する予定。
ただ、その点検にも限界がありそうだ。西日本のある業者は「従業員が数十人の中小企業は元請けゼネコンの問い合わせに応じて調べるのが精いっぱい。それ以外の工事について点検する時間も人手もない」と明かした。
旭化成建材がくいを打った東京都有施設の安全確認を進めている東京都財務局の担当者は、データ不正の広がりに「残念ながら、という感じだ」と語ったうえで「それなりに名の通った会社でなぜこのようなことが起きたのかをはっきりさせてほしい」と注文した。
不正が広がる中、建物の安全性確認は最優先の課題になっている。公共施設のデータに不正があった自治体の対応もさまざまだ。
北海道、埼玉県はいずれも発注工事の地盤調査時に職員が立ち会い、強固な地盤(支持層)までの深さを確認している。くい打ち工事の状況は一本一本、業者に写真を撮影させ、報告書と一緒に提出させる。工事記録でくいの長さと支持層の深さを照合すれば、支持層に届いているかどうかがわかる。国交省は25日に指針を示し、こうした客観的な施工記録や資料でくいの支持層への到達が裏付けられれば、地盤調査は不要とした。
北海道はこのうえで更に構造計算し、結果を学識者に確認してもらう「ダブルチェック」態勢を取っている。
愛知県は旭化成建材がくいを打った県発注工事物件の安全確認を終え、今月上旬から他社施工の建築114件、橋などの土木構造物233件の調査を始めた。数百人の技術職員が現地でひび割れの有無や傾きを確認。地盤の強さを示す電流計のデータや工事写真、くいの納入伝票などの書類も調べ、年内に安全性を確認する。【山田奈緒、酒井祥宏、山口朋辰】
http://mainichi.jp/articles/20151127/k00/00m/040/140000c

名古屋市や愛知県の杭打ち工事でもデータ流用
全国の建物で、杭打ち工事のデータ流用が相次いで明らかになっている問題で、名古屋市や愛知県が所有する施設でもデータの流用があったことが新たに分かりました。
杭打ち工事のデータの流用が見つかったのは、名古屋市の汚泥処理施設、「空見スラッジリサイクルセンター」など、市が所有する8つの施設です。工事を請け負った業者は、三谷セキサン、日本コンクリート工業、マナックの3社です。業者側は市に対して「機械のスイッチの入れ忘れなどにより、元のデータを紛失したため流用した」と説明しています。3社のうち、マナックは、市の施設のほかにも愛知県の県立「安城農林高校」の校舎の杭打ち工事でデータを流用していたことが分かりました。市や県によりますと、これらの施設に傾きや沈下などの不具合は見つかっていないということです。
更新時間:2015年12月12日 07:48
http://www.nagoyatv.com/news/?id=123021&p=1

パークシティLaLa横浜の杭打ちデータ流用問題のまとめ。問題となっている7つのこと。

杭打ちデータ流用問題もどこが問題なのかはっきりとしてきました。下記に7つの問題点を整理しました。
1.杭を打つ理由
⇒①近代以降、人口増や経済発展を背景に、軟弱な地盤にも建物を建てる必要が生じた。
②杭が建物と固い地盤をつなぎ、建物をしっかりと支えることができる。
2.杭の種類
⇒①支持杭:支持層まで杭を打ち込んで建物を支える
②摩擦杭:支持層までは打ち込まずに杭と地盤の摩擦力で建物を支える
3.杭打工法
⇒①既製杭工法:あらかじめ工場で製造した杭を埋め、杭の先端部と支持層をセメントで根固めする
②場所打ち杭工法:現場で組んだ鉄筋を穴に埋め、コンクリートを流し込んで杭を作る
4.なぜ流用したのか
⇒①建築当時は、杭打ちデータを紙で印刷するのが一般的であった。データ紙が雨で濡れたり紛失したりすると、取り直せなかった。
②データの取得や報告が軽視されていた(チェック体制の不備)
③元請け・下請けの力関係
5.法的責任
⇒①建設業法:データ流用が意図的と判断された場合、業務改善命令営業停止となる
建築基準法施工例:杭の先端が良好な地盤に達しなければならない(達していなくても構造上安全と確認できる)。補修などの是正措置命令
住宅品質確保促進法:新築住宅の引渡しから最大10年間は売主が瑕疵担保責任を負う。
6.建物の安全性
⇒①データが流用されていても、杭が支持層に届いている場合もある。
②杭の強度を実際の3分の1で計算している(安全率を3倍にしている)ため、杭の1本が支持層に届いていなかったとして、安全性が損なわれていない場合もある。
7.今後の対応
⇒①買取:マンションの価値が一番高かった時期を基準として、売主が各戸を買い取る
②建て替え:所有者の5分の4以上の賛成が得られれば、建て替える
③慰謝料:各戸に300万円の慰謝料を支払う。
http://real-estate1.com/2015/11/

杭打ちデータ流用疑いの現場代理人 ほぼ派遣社員→ 派遣法第4条に違反か
2015/11/15
ソース:杭打ちデータ流用疑いの現場代理人 ほぼ派遣社員 他社の杭打ちデータも焦点へ?
派遣業法は1986年に成立。以来29年が経過し、多くの企業で利用が浸透した。デフレ経済の下で、正社員の雇用をやめ、派遣社員に切り替わった。
派遣社員とは?
労働者派遣事業(ろうどうしゃはけんじぎょう)、人材派遣(じんざいはけん)、労働者派遣(ろうどうしゃはけん)、口入れ(くちいれ)は、雇用事業の一つ。
派遣元となる人材派遣会社に登録している者を、派遣先(取引先)となる事業所へ派遣して、かつ派遣先担当者の指揮命令のもとで労働サービスを提供する雇用形態のことである[1]。
但し、労働者派遣が禁止されている業務(適用除外業務)があって、労働者派遣のできない業務が、労働者派遣法及びその施行令等によって決められています。
その中に、建設業務が含まれる。

建設業務
土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの準備の作業に係る業務
ソース:なぜ労働者派遣が禁止されている業務があるのか
②建設業務については, 「現実に重層的な下請関係の下に業務処理が行われている中で, 建設労働者の雇用の改善等に関する法律により, 労働者を雇用する者
と指揮命令する者が一致する請負という形態となるよう雇用関係の明確化, 雇用管理の近代化等の雇用改善を図るための措置が講じられており, 労働者派遣事業
という新たな労働力需給調整システムを導入することは, 建設労働者の雇用改善を図る上で, かえって悪影響を及ぼすこととなり適当」 ではないことが適用除外
の理由とされる (梨 1985)。

杭打ち不正工事問題の背景は派遣社員をコストダウンのために違法なのに安易に使っている建設会社にある。
ウィキペディアの建設業から一部を抜粋すると
huto>建設の事業においては、事業開始をもって労災保険関係が成立する。建設の事業においては労働保険の保険料を、元請負人において一括して申告納付することが
義務付けられており(一定の要件を満たせば、手続きにより下請負人に保険関係を分割することが出来る)、事業所には労災保健関係成立票を見やすい場所に
掲げることも法律により定められているので、上記の問題は「労災隠し」として厳正に処罰されることに留意されたい。
法人個人を問わず、工事を請け負う実態であっても、請負契約でなければ建設業ではないので、工事内容にあわせて人数を計算し、単価×日数で労働力を提供する
ものであるなら、一般的な雇用契約(従業員としての労働)、あるいは労働者派遣に該当し、建設業の範囲からは外れ、建設業許可の対象外となる。この場合、
雇用保険や厚生年金、健康保険は元の業者の従業員としての加入が必要である。
ただし、工事中における事故等で対象となる労働災害に代表される労働保険などでは、偽装的な労働者派遣にあっては万一の場合に保険が適用できないなどの
問題が多く、山谷・あいりん地区・寿町地区等に代表される、いわゆる「ヤマ」や「寄せ場」に集まる日雇い労働者の雇用では社会問題に発展する場合がある。
仮に雇用契約が存在するとしても、日雇い労働者は「日々雇用されるもの」という区分があり、労働条件の明示もなく雇用されている実態がある。
保険が適用されるような重大事故となると問題が起きることがある。以上
つまり、派遣会社は杭打ち工事会社とは請負ではなく、労働者派遣の契約と見られる。派遣される現場の社員は派遣会社との雇用関係なので、建設業法の制約
は受けない。したがって労災加入を逃れることができる。派遣社員を利用すると、「労災隠し」ができる。建設業法はそこまで想定していないので改正が必要だ。
日本の重要なインフラに関係するから急遽対応を望みたい。

http://www.nygs-office.com/

2015年11月14日
[読売新聞] 杭データ流用 建設業界の体質改善が急務だ (2015年11月14日)
多くの不正が見過ごされてきた実態を重く受け止め、再発防止策を整備せねばならない。
旭化成建材が杭(くい)打ち工事を担当した全国の建物2376件のうち、1割強の266件で施工データの改ざんが確認された。別の杭のデータを流用するといった手口だ。関与した社員は50人以上に及ぶ。
旭化成側は当初、流用に関わった社員は、傾きが生じた横浜市内のマンションの現場責任者に限られるとの見通しを示していた。
実際には、社員の間に不正が蔓延(まんえん)していたことになる。組織内の管理体制の検証や、社員教育の見直しが急務と言えよう。
横浜のマンションでは杭の打ち込み不足が発覚したが、新たに流用が確認された建物で施工不良は見つかっていないという。そうだとしても、安全性を判断する拠(よ)り所となるデータのごまかし自体、あってはならないことである。
複数の元請けが流用を見逃してきた実態も明らかになっている。建設業界の緩んだ体質を早急に改善しなければ、さらに大きな問題が生じかねない。業界全体で危機感を共有すべきだ。
同様の不正は他社の杭打ち工事でも浮上してきた。一部の自治体では既に、旭化成建材の関与の有無にかかわらず、全ての公共施設を調査する動きが出ている。
もっとも、民間の建物も含めた全物件の調査は困難だ。当面は、大勢の人たちが出入りする施設などに対象を絞り、実態把握を進めるのが現実的だろう。
国土交通省の有識者委員会は、年内に再発防止策などの中間報告をまとめる予定だ。
建築基準法に基づき、自治体や民間検査機関が実施する建築確認検査では、地中の杭のデータ偽装を発見しにくい。下請けに対する元請けのチェック機能を強化し、不正を許さない仕組みを構築する必要がある。
一連の問題の背景として、元請けに複数の下請けが連なる建設業界特有の「重層下請け構造」を指摘する声は多い。有識者委でも、下請けから元請けへの報告を緊密にする指針の策定などが議論される見通しだという。
品質よりも納期を優先しがちな業界の体質も問題視されている。実態に即した議論で、効果的な対策を打ち出してもらいたい。
建築基準法には、今回のように下請け業者がデータを偽装した場合に適用する明確な罰則規定はない。こうした問題点を補う法改正も検討課題だろう。
http://shasetsu.seesaa.net/article/429575419.html

3つめの偽装
2015/10/20

横浜のマンションで、杭工事の偽装が発覚しメディアをにぎわしています。最近では、東洋ゴム社による免震ゴム装置の試験データ改ざん、そしてフォルクスワーゲン社によるディーゼル車の排ガス測定時プログラムの不正問題に続き、特に今回の杭施工データの偽装は、建築の監理業務に携わるものにとって、大変ショッキングな事件です。
仮に私たちがこの工事の監理に携わっていたとして、この不正を見抜けたのかと問われれば、恥ずかしながら甚だ心もとない返答となるでしょう。基本的にモノ造りは、それに関わる技術者の責任においてなされるものであり、それを第3者が検査・確認するにしても、その工事を担う専門業者への信頼感を前提に進めないことには、現場は廻って行きません。目に見えないところでも、きちんと責任感を持ち、決して手を抜かずに自分がやるべき仕事をするのが、技術者としての矜持であるはずで、私が建築の世界に飛び込んだ時も、当然そのように教えられました。
しかしながら、東洋ゴムや、フォルクスワーゲン社、そして今回の旭化成建材といったその業界ではトップクラスの実績を誇る一流企業の担当者が、何故にこのような「悪意ある」と言うべき偽装に手を染めることになってしまったのか、充分に検証されなければなりません。
例の姉歯建築士による耐震偽装問題を端緒として、確認申請の制度が大きく変革され、以後何回かの建築基準法の改正を経て今日に至っています。これは、いわば構造設計者の良心に任せておくだけでは駄目であって、専門の審査機関で耐震偽装等が無いように、細かく設計内容のチェックをするべきである・・という考え方の制度ですが、個人的には、必要以上に審査機関との協議が長引いたり、審査担当者と私たちとの間で構造的な見解が一致しない、などの問題を度々経験した結果、この制度に疑問を持っている一人です。私としては性善説を支持したい、もし仮にそうでなければ、モノ造りなどというものは、現実的に立ち行かないと思うが故なのです。
ところが、今回の杭工事の偽装問題は、そのような甘い?考え方に再び大きな警笛を鳴らすものです。今後は、工事着工してからの検査に関しても、より制度的に厳格化される方向に進むであろうと思われます。原因は種々あれど、人は過ちを犯す生き物であり、建築現場におけるその過ちが、ともすれば人の生命の安全を脅かす場合もあるという前提で、いかにそのような過ちが起きないようにするか・・・。もちろん制度だけで全てが解決できるものではないでしょうから、まさに、建築に関わるもの全てに重い課題が突きつけられた事件であると言えるでしょう。
http://tk-souken.co.jp/blog/%E6%99%82%E4%BA%8B/2560/

旭化成建材の杭工事データ偽装問題は施工業者の信頼を奪った建築業界は②
2015年11月19日 ホーム,マンションリフォーム,リフォーム全般,中古マンション,鉄筋コンクリート・鉄骨構造の建物
旭化成建材の杭工事データ偽装が起った原因は支持地盤の深さの変化に対応できない工法にも問題があります。詳しく説明します。
私は一級建築士で建築の専門家ですが、高校卒業後初めて働いた会社が杭打工事会社です。
杭打工法にも様々な種類があり、施工前のボーリング地層調査の段階の支持地盤深さより実際に杭打工事をする際には深くなることも多々あります。
現場で成型杭であれば、ある程度の予長を見込んで長さを想定しておくことで深さの変化に対応できます。
しかし、今回問題になっている旭化成建材のPC杭は、工場で事前に長さまで決めて造られた杭の為、実際に杭工事の際に予定より深くなった場合、工場に長さを変更して作り直さなければ工事を進めることが出来ません。
つまり、現場では良く発生する支持地盤の深さの変動には、コストと対応に時間がかかる工法です。
限られた工期内での工事においては不向きな工法だったのかもしれません。

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性能に問題はないが、現場での変更やアクシデントには人のオペレーションの問題があります。
30年も昔であれば、そもそもデータによる支持地盤の管理をすることはなく、実際に現場で1本ずつの杭が、支持層地盤まで掘られているのかを視で確認していました。
実際には、穴の中に入って見ることはありませんが、掘削機の先端に支持層が入っていることで掘削機械の性能上、堅い地盤を掘り進めることが出来ない負荷がかかっていることを確認したりなどします。
つまり、杭が出来上がる時に判断をしますので、支持層の地盤強度はデータ確認が無いのです。
ですが昨今は、掘削機械に搭載してあるコンピューターでデータによる強度確認で管理をしているので、その管理をする人の、モラルの低下による事件に他なりません。
そしてその偽装は、実際に建物が傾かなければ、地中の杭の深さが足りていなくても何ら誰にも知られないということです。
ですが問題点には、必ず原因があるので不正偽装をした工事においては必ず何等かの形で、建物構造に不具合が発生するでしょう。
私は一級建築士としての責任において建物を造るという意識を、とても大切で社会的な責任の重い仕事だと思います。
ですが今回の、旭化成建材の杭工事データ偽装事件はかかわったすべての方々に建物を造っているという認識と責任感の欠落が生み出した事件と言えるでしょう。
http://reform-trouble.com/?p=3329

2015年10月30日
杭問題・・いや~。ドツボですね!!
偽装杭があと数十カ所あるようだ。
国交省は、全ての工事の洗い直しを検討!?
いや~ぁ。旭化成の見えっ張りな社長のおかげで、パンドラの蓋が開いてしまいました。
旭化成の「3000件精査する」という大見得に絶句したゼネコン関係者は多いと思いますよ。
そして、それが現実になりそうな気配です。
ところで、じゃあ、それだけ至るところで偽装して、一体日本のゼネコンは何をしているの・・と同時に、どうしてこのマンション以外に被害が顕在化していないのか・・・
と思った方もいるかも・・。
そして、もう一つ、このトラブルで『焼け太る霞ヶ関官僚』
彼らはきっと、「わ~い。また、天下り先が増やせる」と大喜びのはずですよ。

http://adsd.sblo.jp/category/4293285-1.html

2015年10月16日
傾いたマンション??
ここ2.3日、マスコミにとっては格好のネタで大騒ぎのようです。
せっかくなので、このネタに便乗します。
1.建築基準法違反
まぉ、杭が支持層に届いていないので、そうでしょう。
2.建て替え要求は通るか
売り主としては、建て替えをベースに交渉する・・という話も聞こえてきますね。
これは当事者同士の話し合いで決めれば良いのですが、売り主が争うつもりなら十分に争えます。
建て替えろ・・と訴えた側は、今後の沈下が進むという立証をしなければならないし、建て替え以外に代替え措置が無いかも検討されます。つまり、極めて技術性の高い、極めて長期の裁判になります。どちらが勝つかわかりません。裁判的な意味での形勢は五分五分です。
売り主が、悪評覚悟なら、建て替えない、裁判で訴えろ・・もありです。
3.なぜ、建て替え?
まぁ、売り主も大手。杭を施工したのも大手なので、風評よりも建て替えた方が「安い」と踏んだのでしょう。大手だから出来る決断であって、中小レベルの売り主、ゼネコン以下では、到底こんな決断できないでしょうね。
本当に建て替えなら、業界的には非常にいやな先例を残しやがって・・と言うことになるでしょう。金と力を持っている大手だからこそ出来ることで、中小のデペロッパーやゼネコンでは不可能です。(力:協力しなければ、次は仕事を廻さない、と言えばゼネコン、下請けなどいちころですから)
4.計測を忘れだ・・
これはウソです。『プリンターのスイッチを入れ忘れた、記録紙が泥で汚れた』と返答しているようですが、現場を知っている建築士から見ると、アホな言い訳です。
杭を打つときは、必ず電流計を見ながら、かつ、エンジンの動きでも軟弱地盤を進行中なのか、支持地盤に突き当たったのかはわかるので、この杭が支持地盤まで届いたかどうかは、記録紙など関係なくわかります。
5.旭化成の決断
この会社のトップは、現場を知らないアホですね。
完全無欠の工事などあるわけが無く、2000件も探せば、至る所にボロが見つかるのではありませんか。
その報告を現場から聞いて、「良い格好するのではなかった」と後悔するかもしれませんし、そんな方針など無かったことにするかもしれません。
6.なぜなら、
要は、杭というのは、最初から計画した長さで『加工して』現場に搬入されます。
いつまでに杭工事を終わらせろ、と言う工期も決められています。
だから、2m足らなかったから、継ぎ足す・・なんで現実に出来ないのです。
「支持層に届かない。仕方ないな・。行ってしまえ」の世界なのです。。
(場合によっては、ね!!)
そういう実態を全く知らないから、2000件精査するという、大見得を切った、格好良すぎる、アホな決断が出来るのです。
以上、怖~い、お話を含めて私の感想でした。

2015年10月20日
傾きマンション・沈下量2.5cmとは・・。
今回の傾きマンションの報道を聞いていていつも奇異に感じていました。
それは、報道で「2.5cmの段差だけを説明していること」です。
■沈下量2.5cmとは、どんなものなのか。
結論から言うと生活に支障を感じることはなく、建具の開閉もあまり不便を感じず、ほとんどの人が傾斜を感じません。
下の図はマンションの模式図です。

仮に右側の1列の住戸だけが傾いたと仮定しましょう。
注:注鉄筋コンクリートのマンションで一住戸の列だけが傾くことはありませんが、極端な例として説明しています。
■最悪でも傾斜は3/1000程度
仮に、ひとつの住戸の間口が8mあり、住戸としての沈下量が2.5cmとしたとき、傾斜は3/1000程度(25/8000)でしかないのです。
そして、この傾斜は下の表でも書いているように、ほとんど感じません。
しかも、実際には左隣の住戸も引きずられて沈下しているので、実際の傾斜はも3/1000よりももっと緩いはずです。
■この傾斜は、ほとんどきがつかないし、生活に支障は出ない
私も不同沈下を起こした戸建て住宅の調査を何度かしていますし、中古住宅の購入診断時には、不同沈下をしていないかどうかのレベル調査をしていましたが、3/1000の勾配で気がつく人は非常に少ないです。
気づかないので、当然生活に支障はありません。
注:気づく人も「何となくおかしい」と言う程度の感じ方です。「おかしい」と明確に感じる方は、まずいません。
■法的に瑕疵と言える傾斜では無く、保険金もでない傾斜
また、瑕疵の基準を法律(品確法・評価方法基準(告示第354号))で示していますが、3/1000は、瑕疵とは認定されません。裁判を行っても、この傾斜そのものは瑕疵には認定されません。
注:ここで言う瑕疵とは、是正の必要な欠陥という意味です。
そして、戸建て住宅などでは、ほとんどの住宅で地盤保証をしていますが、保険会社も5/1000を超える傾斜で初めて保険金が下りるのです。

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だから、廊下の手摺の段差の説明と報道ばかりで、住戸の実態被害の報道が全く無いだろうと思っています。
確かに、支持地盤に杭が届いていないこと事態は大きな問題なのですが、デペロッパーをまるでつるし上げのような糾弾をしているような報道を見ていると、私はそこに何かの底意を感じてしまうのです。
(これ以上書くと、彼らはどんな報復を加えてくるとも限らないので、私の感想はこれ以上は書きませんが・・要はそれほど不気味な底意を感じる)
つまり、
1.杭のデータを改ざんしたり、支持層に達していないのは問題であるし、建築基準法違反となるかもしれない。
2.しかし、実態被害は現実に出ようのない傾斜であり、傾斜そのものは、『法的に』瑕疵とは言えない。裁判に訴えても、傾斜そのものは3/1000の傾斜では瑕疵と認定されない。
3.そうすると、沈下がこれ以上進むのかどうかが問題である。だからこの部分については補強が必要かもしれない。そして、その中のその中のひとつの選択肢に建て替えがあります。

としかならないのです。
最近、私のサポートサービスを受けられた方でも、傾き、傾きと大きく報じられるので不安を感じている人は多いようなのですが、実態の傾斜としては上の説明のようなもので、敏感な人で無い限り、廊下の手摺の段差以外に障害や危険を感じる人はいないでしょう。
■補足:一部報道で、売り主(三井不動産)も宅建業法違反に問われるのでは無いか、等いう馬鹿げた報道がされていますが、施工した会社が法律違反に問われても、それを知らなかった売り主が宅建業法違反に問われることは法理論としてあり得ない話です。
最近の報道は、何かセンセーショナルな物が無いかと、自らの検証も無く、センセーショナルなものに飛びついている感じもしています。

2015年10月23日
傾きマンション・地盤調査と設計
現場担当者は「地盤調査のミスがわかるのを恐れて行った」というような説明をしていると言う報道がありました。
どうして???
■下請けに責任をかぶせる建設業界の発注構造
今回、元請けの三井住友建設よりも杭を施工した旭化成の方が全面にでてきています。なぜでしょうか。
これは、建設業界の下請け構造が原因です。
今回のマンションは、三井住友建設の設計施工だったようです。
そうすると、地盤調査から、杭の設計まで、その全てを旭化成に発注し、何かあったら、全ての責任が旭化成に行くような発注構造になっているのです。
要は、「発注してあげるが、何かあったおまえが責任を取れよ」という形で下請けが逃げられないような発注形態を取っています。だから、旭化成が全面にでているのでしょう。

「元請け様。御社にはご迷惑はおかけしません。弊社が矢面に立ちます」てなもんでしょうね。
■地盤調査に問題があったのか?
普通、地盤調査は20m程度の深さになると、1カ所約30~40万円程度かかり、下図のようにひとつのマンションであればせいぜい2~3点程度しか地盤調査はしません。そして、大きな意味で支持層の深さや傾きを知るだけです。右図のように支持層の細かな高低差など調べようがありません。
もちろん、「ではもっと地盤調査のカ所数を多くすればいいではないか」と言うことになるのですが、そこは費用対効果という点もありますし、そうそういびつに凸凹している地層は少ないですから、従来やってきた程度の本数で地盤の傾向をつかみがちです。
もう一つは、元請けに対して、「もっと調査をしたいのでお金を出してください」とはなかなか言えません。元請けから、「じゃぁ、いいよ。よその会社でしてもらうよ」と言われてしまえばそれで終わりです。

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■工期厳守の問題-工期遅延など言い出せない構造
では、杭工事をしていて、支持層が地盤調査の位置より深いことがわかった。杭を足せばいいじゃないか・・と考えがちですが、追加の杭が現場に到着するのに1ヶ月程度はかかり、かつ、途中で杭をおいていくわけにはいきませんし、掘った穴が崩壊するかもしれません。つまり、一旦杭を打ち始めれば打ち終わらせなければ仕方ないのです。
注:杭工事は杭を打つ、と表現しますが、実際には杭を入れる穴を先に掘り、その穴に杭を差し込むような工法です。打撃で打ち込む方法は、騒音がすごいので、現在ほとんどは取られていません。そのため、杭のために穴を開けたところはさっさと杭を入れないと崩壊します。また、杭を途中で止めておくことも出来ません。そんな機械は無いからです。つまり、杭を入れる穴を掘ったら、とにかく杭を入れるしか無い。しかし、支持層に達しているかどうかはとにかく穴を掘らないとわからない。
(もっとも1m程度なら基礎を大きくするなどして対応可能ですが、これも工期が延びます)
着工していまさら、「支持層が調査よりもっと下でした。杭を追加発注するために工期が1ヶ月延びます」
まぁ、ゼネコンにそんなことを言っただけで下請けのクビは飛んでいってしまうでしょうね。次の仕事はありませんね。
別に旭化成の、あるいは現場担当者の肩を持つわけではありませんが、悲しい悲しい下請け泣かせの重層構造と責任転嫁の構造が、このような悲劇を生んでいるのです。

■旭化成の偉いさん
記者会見で泣いたそうですね。山一証券の社長も「社員は悪くない」といって泣きました。
たぶん旭化成の社長の涙は、そういう涙ではありませんね。大見得を切った3000件。どうなることやら・・。
「現場を知らないものがいらんことをするな!」と思っているゼネコンさんや設計事務所さんは多いのではありませんか。
■補足
住宅とマンションのような一般建築とでは、地盤調査の方法も地盤補強の方法は全て異なります。
今回のマンションは杭が不足しているという事件ですが、最近の戸建て住宅で多いのは、地盤補強もいらない地盤なのに、地盤補強が必要だという脚色した報告をして、不必要な地盤補強工事を発注させるケースです。
だから、戸建て住宅を考えている人か、最近家を建てた人は、今回のマンションのような杭が足らない・・と言うケースは無いと思います。全く逆ですね。

2015年10月27日
傾きマンション-3 杭の高止まり、低止まり
前回の説明で疑問を感じた方もいると思います。
「地盤調査が地盤の大きな傾向しかつかめず、実際の地盤は凸凹しているのに、所定の高さで打ってしまったら、地盤に届いている杭と届いていない杭がでるでは無いか」
その疑問はまっとうな疑問です。
■杭の高止まり対策、低止まり対策
そのため、普通は地盤の高低に合わせて、杭も支持層まで届くように打っています。
そして、予定の深さよりも高い位置に支持層があり、それで杭を完了したときは「杭の高止まり」として余った杭をカットします。
反対に予定の深さになっても支持層に届かなければ、さらに掘り進み、杭を支持層まで達したことを見届けて杭を入れます。これを「杭の低止まり」といいます。そして、基礎を伸ばして杭に固定します。
問題は「杭の高止まり」の時は、杭を切るだけで済むのですが、杭が「低止まり」になりそうなときは困ってしまいます。
なぜなら、杭を継ぐ場合は、杭同士を溶接で止める必要があるため、埋めた杭を途中で止めておく必要があります。あるいは杭そのものを入れないか、です。いずれの場合も追加する杭を待つ間に、一度開けた穴は崩壊する恐れもあります。つまり、杭を入れる穴を掘った段階で、どうするかを決断しなければなりません。
もう一つは低止まりの深さが1m程度までなら基礎の追加も比較的簡単ですが、それを超えると工事も大変です。もちろん、工期も確実に伸びます。

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■「何とかしろよ!」
こういうときに日本語は便利です。
元請けのゼネコンが売り主に「支持地盤が想定より深くて、工期が延びます」といいました。
売り主は一言。「それは困ったな。何とかしろよ」
そもそも、「それは大変だ。工期が遅れる前提で対策を考えなくては」なんて口が裂けても言ってくれません。

「何とかしろよ!!」
元請けが下請けに言います。「何とかしろよ!!」
だいたい、この手のやりとりを常に聞いていると「何とかしなければ・・・」となってしまいますね。
「何とかするって」????
次に控える基礎屋さんに「あなたの工事の中で工期を縮めてください。」なんて言えません!!
国交省の大臣が「全員に責任がある」至極まっとうなことを言いましたね。
責任を下に押しつける嫌らしい構造が、今回の問題を生んだのです。
それも知らないで3000件のチェックをする、という大見得を切った旭化成の社長も現場知らずのボンボンなのです。
そして今回の悲劇は、杭工事の最後に起こったようなのです。これだけの大工事ですから杭工事の序盤でわかっていれば、追加の杭を頼むことも出来たでしょう。しかし、終盤にさしかかり、「杭工事を早く終わらせろ・・」とか、「次の業者が待っている・」・とプレッシャーをかけられれば、常に下請けの立場にいる人間は、ついつい「何とかします」と答えてしまいます。(まぁ、後々のために余裕を持ちたい元請けとしては、常にプレッシャーをかけ続けます)

■悲劇
私は入居者の方にとっても、もちろん悲劇なのですが、このような構造のしたで工事をしなければならない下請けも悲劇だと思っています。
バブル崩壊直後、坪単価15万円でマンションの工事を受注をしたという話が話題になったことがあります。呆れるほどの重層構造です。その根っこは何も変わっていません

2015年11月06日
杭データ偽装問題-簡単には傾かない?3つの安全弁
3040件のうちの約1割の300件で改ざんが見つかった。現場管理者が30人も関与していた(らしい)。しかし、前回のブログで、ほとんどが「書類不備を補うための偽装で、実際に杭が支持層に届いていなかったわけでは無い(だろう)」と説明しました。
それでも届いていないケースがあったのですが、建物が傾いた~と言うケースはそうそう多くなりません。
仮に一部の杭が支持層に届いていなくても建物はそう簡単には傾かない。
それには理由があります。
3つの安全弁が働いています。
■建物には剛性「堅さ」がある
建物の剛性とは建物の{堅さ}のことです。チーズとこんにゃくでは、チーズの方が「硬く」、爪楊枝の3本足でも形を崩さないでしょう。でもこんにゃくは3本足では立てません。形が崩れます。これを「剛性」と言いますが、建物には一定の剛性が必然的に作られています。
ただし、その限度を超えると、いわゆるひび割れとなって最初の兆候が現れます。
■強度を1/3に低減している
杭を計算するときは、その強度を1/3に低減して本数を割り出しています。
つまり、本来は10本で良いのに、30本必要という風に計算されています。
それは、地盤そのものの強度を本当の意味で測定するのは、あるいは期待するのは難しいので、低減した計算式でわざわざ計算しているのです。
■杭の摩擦も考慮している
1/3に低減することとは別に、杭は支持地盤だけで支えているのでは無く、杭の周囲の摩擦力も合わせて杭を支えています。摩擦力とは坂道でも自動車が下がらないのはタイヤと路面の摩擦力があるからですね。
同様の力は杭にも働くので、摩擦力も含めて計算しています。
ただ、摩擦力は地盤の質によって違うので、どの程度摩擦力に支えられているかは、地盤ごとにそれぞれ異なります。
ただし、液状化が起こる地域では、液状化が起こった時点でこの摩擦力は完全に無くなり、杭の支持地盤の支えのみなります。液状化とは、雨に濡れた路面と同じですね。いわゆる全くブレーキの聞かなくなるハイドロプレーニング現象になるのと同じです。
だから、液状化の恐れのある地域では、杭の摩擦は計算に含めません。
地盤というのはまだまだ未知の領域なので、このように、多少の施工不良が起こったとしても、ある程度カバーできる仕掛けになっているのです。
さて次回は、「あ~ん。トラブルは楽しい!」とほくそ笑んでいる霞ヶ関官僚の話です。

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2015年11月10日
杭データ偽装問題:肥える霞ヶ関官僚
前月末、建築士関係の講習があったので行ってきました。
終日拘束の講習会で、ただ聞いているだけ。そこではほとんど居眠りをしながら時間を過ごしていたのですが、最後の講習で目が覚めてしまいました。
■防火設備検査員・・来年6月施行
今年の5月、川崎市の木造3階建ての簡易宿舎が全焼した事件がありました。その事件に対応して作ったようなのですが、来年の6月から「防火設備検査員」という資格をもったものが、防火対象建築物防火設備の検査をしなければならなくなったという法改正の説明があったのです。対象は病院とかホテルなどの公共性の高いものや、3階建て以上のマンション、下宿も対象です。マンションなどは、マンション管理士がその資格を取らされるのでしょう。
「えっ~。防火設備検査員。なんやそれ!!」
でもすぐに「またか~」と思ってしましました。
■資格、講習会ビジネス
今、建築士の資格を持っているものは3年ごとに定期講習を受けなければなりません。その費用たるや1回約12,000円(一級建築士の場合です。二級建築士は10,000円)
こういう制度が出来たのは姉歯事件(耐震偽装)を含めて建築士の不祥事の結果なのですが、全国で少なく見積もっても21万人の建築士がいます。そうすると、1年で実に7億円以上の商売が創造されているのです。
細かな話で言うと、1つの会場に200人入り、講習会費用は200人x10,000円/人=200万円/回(税別)。このときの必要経費は、会場代数万円と設営、準備費20万円、テキスト代一人2,000円と考えても、悪くても半分はおつりのでる算段です。(ブログでも書きましたが、以前行った講習会は朝から晩までビデオによる講習でした)
資格ビジネス、講習会ビジネスは金になります。
それはつまり、霞ヶ関官僚の天下り先を作ることにもつながります。
目が覚めてしまった理由は、
「あいつら、不祥事にかこつけて。防火設備の管理が不徹底だ。」と、
「また、資格を作り出しやがった」
と思ったのです。
■所詮は人の金。所詮はおまえ達が招いたトラブル
実は、このような資格制度や講習会制度は、国費が一切不要です。
前述の建築士の3年に一回の定期講習も、建築士が費用を負担します。
ですから今回の杭データの偽装事件。
大きな騒ぎになればなるほど、規制を厳しくしたり、「杭施行検査員」なんて資格を作り出し、講習会をセットすれば、またまた、天下り先の確保が出来ちゃうのです。
「あ~ん。トラブルは楽しい!」とほくそ笑んでいる霞ヶ関官僚の話でした。
だってみんなが事務次官になれるはずも無く、万年課長もはしたない。
そうすりゃ、出世の見込みの無いヤツを送り出す先が必要なのですから。
銀行の出向人事と同じでしょうね。

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件151214

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