杭データ改ざん事件160102

杭データ改ざん事件160102

2015/12/25(金) 00:00
ルール守れば再発防げる 杭打ちデータ流用 国交省・対策委員会 
投稿者: 牧田司

160102
記者会見する深尾氏
業界自主ルールの徹底で再発は防げる-国土交通省・基礎ぐい工事問題に関する対策委員会(委員長・深尾精一首都大学東京名誉教授)は12月25日、横浜傾斜マンションに端を発した基礎杭データ流用問題に対する「中間とりまとめ報告書」をまとめ発表。横浜の事案を除き、データ流用施工不良につながっていないという検証結果を踏まえ、建設業界が自主的に定めたルールを徹底すれば再発は防止できるとした。国交省は近く「告示」としてガイドラインを示す。
報告書はA4判で40ページにのぼるもので、問題の概要・経緯について触れた後、発注者設計工事監理者元請、一次下請け、二次下請けのそれぞれの課題を指摘。それぞれ責任の所在が明確化されていなかったことに遠因があるとして、国交省が施工ルールを定め、業界が自主的に定める施工ルールを誠実に実行することを求めている。業界の構造的な課題については、施工技術の継承を含めて腰をすえて検討すべきとしている。
「基本的なルールを業界が定め、それを業界全体で共有し守ればデータ流用はなくなる」-深尾委員長は石井国交相に報告書を提出したあとの会見で何度も繰り返した。
その通りだろうと思う。報告書は過不足なく問題点が指摘されており、極めて明快な方向性が示されている。
問題発覚からわずか2カ月で問題が収束の方向に向かっているのは、日建連を中心とする業界団体の自主規制が強く働いたからできないか。深尾委員長も「早期に方向性が示せたのは業界団体の真摯な取り組みがあったから」と否定しなかった。
しかし、全て問題が解決したわけではない。データ流用と横浜の傾斜マンション問題の関連性は低いとはいえ、国民の建設業界に対する安心・安全の不安は今回の報告書でもっても払拭できないばかりか増大した。深尾委員長も「サラカンの監理に関しては改善の余地がある」と話し、横浜の問題が年明けの再調査待ちになったことに対しても「残念」と不快感を示した。記者団から元請責任を追及する質問がたくさん出たのは当然だろう。原因を徹底解明して欲しい。
以下、深尾委員長に対する記者の質問と答え。
-わずか2カ月で明確な方向性を示したが、その感想は業界団体が再発防止に真剣に取り組んだことが大きい 
-新国立競技場選定で、先生はA案、それともB案を支持されたのか
ノーコメント。いろいろ言いたいことはあるがノーコメント。マスコミの姿勢も問題だ。僕のところに夜中に電話してきた(バカな)記者がいたし、伊東さんにあんなことをしゃべらしちゃいけない。デザインだけじゃないんだよ。ゼネコンなどとの共同提案なんだよ(先生、申し訳ない。われわれはつい建築家のデザインに目が行くんです。木造ファンの記者はA案)
-今日はクリスマス。先生はこれからどうされるのか
これからだよ。今年は業界の三大ニュースに全部関わったんだよ。大変だよ(深尾氏は今回の対策委員会委員長とJSCの技術提案等審査委員会委員、東洋ゴム工業のデータ改ざん問題に関する国土交通省の有識者委員会委員長を務めた)

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杭打ちデータ流用問題 「信頼回復」のカギは監理機能の厳格運用(2015/12/13)
杭打ちデータ流用問題 結局は大山鳴動…早々に幕引きへ 国交省・対策委(2015/12/12)
http://www.dai3.co.jp/rbayakyu/rbay-etc/item/2348-2015-12-25-14-34-57

私見です。「業界団体が再発防止に真剣に取り組んだことが大きい」等と言っていることは即ち、事の本質である「設計施工分離」に目を瞑ったことになるのではないのか?そしてそれは、「設計施工一貫体制」を堅持したいと考えるデベロッパー官僚によるこの業界の支配を、一層強くさせる事になるのではないのか?

2015/12/13(日) 00:00
杭打ちデータ流用問題 「信頼回復」のカギは監理機能の厳格運用
投稿者: 牧田司
先日、三井不動産の「ららぽーと立川立飛」のプレス内覧会が行なわれた日、「いなげや」の旗艦店「blooming bloomy by Inageya」で「紅化粧」という名の皮が赤い128円の大根を買ったことは書いた。かみさんは、それをいちょう切りにして酢漬けにしてくれた。これがおいしい。カブより歯ごたえがあって、なにより白と赤のコントラストが美しい。
「紅化粧」はあきる野市の農家の産であることがラベルに記されていた。生鮮食品に産地や生産者の名前が表示されるのは常識になった。産地直送も消費者の間で定着した。
消費者は生産者の〝顔〟が見えることに「安心・安全」が担保されているから多少値段が高くても買う。
食の分野にとどまらずあらゆる企業にとって「CAT」、つまり「Compliance」(法令順守)「Accountability」(説明責任)「Traceability」(追跡可能性)がもっとも重要で、これと企業の理念「Vision」あるいは「Philosophy」を加えた「CATV」「CATP」がしっかりしていないと立ち行かなくなる。
さて、杭打ちデータ流用問題。昨日も書いたように、問題が発覚してから2カ月で収束する見込みだ。記者も大事に至らなくて安堵している。国交省、対策委員会、業界団体、施主の迅速な対応は評価されるべきだろうし、この点では「CAT」はきちんと機能したと思う。

しかし、消費者の信頼を回復する道のりは平坦ではない。深尾・対策委員長も語ったように、「安心・安全」に「信頼」を加えるのは正解だろう。
杭打ちデータ流用は業界の多重下請け構造とは直接的に関係ないとはいえ、建築物の「安全・安心」は大きく揺らぎ、危うい橋を渡るような覚悟がいることを消費者に印象付けた。先の「CAT」と照らし合わせても、この業界は極めてずさんであることを露呈した。「雨に濡れた」「噴出した」「ボタンを押し忘れた」-このような理由で大事なデータを集められないという事態がそんな頻発するものなのか。
農家は128円のダイコンにさえ1本1本自分の名前を書いたシールを貼る。建設業だって、設計図はミリ単位の精度が求められ、それをきちんと監理する制度があるにもかかわらず、形式が整っていればよしとする風潮があるというのはどういうことか。全く理解できない。「監理」がその程度のものならその程度のものであることを世間に公開するか、そうでないのなら厳格に運用すべきだし、監理者になれる要件や罰則を強化すべきだ。
考えてみれば、マンションの広告・宣伝は、建設に関わる施工監理・設備機器にかんする情報は実にそっけない。われわれはデベロッパー、施工会社、監理会社、使用されている機器のメーカーの名を聞けばその物件のレベルがある程度分かる。しかし、一般の消費者は物件概要やパンフレットに盛り込まれているこれらの情報を読んでその品質レベルまで理解することはできないだろう。
物件概要に監理会社を表示しなくても、広告表示に関する業界の自主規制違反にはならないのだが、記者はもっともこの「監理」が重要だと考えている。オーケストラで言えば指揮者、コンダクターだ。指揮者が音楽に命を吹き込むように、マンション監理者もまた消費者の「信頼」を得る生命線だ。
記者は今回の問題が起きたのは、この「監理機能」が働いていないことが根本原因ではないかと思っている。

私見。筆者のご指摘「農家は128円のダイコンにさえ1本1本自分の名前を書いたシールを貼る。それをきちんと監理する制度があるにもかかわらず、形式が整っていればよしとする風潮があるというのはどういうことか。」は正しいと思います。なら何故もう一歩進んで、工事監理の職務を全うさせるための絶対必要条件である「設計施工分離」に言及されいあのか?この国のマスコミは、何を恐れているのか?身を切らずして新しい世界は創造出来ない!このようなコメントを続けていても、事の本質を大衆に知らしめることにはならない!

2015/12/12(土) 00:00
杭打ちデータ流用問題 結局は大山鳴動…早々に幕引きへ 国交省・対策委
投稿者: 牧田司
既報の通り国土交通省は12月8日、「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」(第4回)を開催し、会合後、深尾精一・委員長(首都大学東京名誉教授)と小澤一雅・副委員長(東京大学大学院教授)が記者会見を行なった。
会見は、国交省記者クラブに所属する報道陣向けだったが、そろそろ何らかの方向性が出るだろうと、事前に記者クラブの幹事新聞社の了解を得て会見を取材した。了解していただいた幹事新聞社に感謝したい。
記者も質問したかったのだが、そこは遠慮することにし、席も最後方に座った。以下、委員長・副委員長と記者団の一問一答の要旨(質問内容は質問が要領を得ないのか、記者の耳が悪いのかよく聞き取れなかった)。

多重下請け構造が問題の背景にあるのでは
深尾委員長 専門でないわたしが意見をいうのは適切ではないかもしれないが、この問題は大きな根源的な問題。長期的にどうあるべきかしっかり腰をすえて(杭打ち問題と)分けて取り扱うべきではないか。
専門的な立場から言えば、杭打ちは元請でないところがしっかりと行うのは技術が進歩していくうえで必然、自然なこと。
小澤委員 杭の品質を管理することについては、(元請下請けが)どういう役割分担をしているのか、契約がどうなっているのか、最終的に誰が責任を取るのか、その体制が曖昧になりがちになっており、契約がどうなっているかを分析して再発防止、対策を考えていきたい。
もう一つの問題は、建設業法派遣法などで、そこに配置されている人がどういう立場で関わっているのかチェックする必要があるという意見があった。これについては法律的判断になるので、専門的な立場の方の判断を待って、どう対応するのかもう少し検討しなければならない。
-問題を起こした人は出向社員だったが
深尾委員長 出向だか派遣だか、いろいろな言葉が飛び交っているが、実態がどうだったのか、しっかり検証したい。
-杭打ちの実態について
深尾委員長 杭に関してはやはり慣れというか、管理されていない風潮があったと思う。データ確認が形式的になっていた。データはチェックするために出すものなのか、仕組みがあるから出すのか、データ確認を軽視する風潮があった。
-ヒューマンエラーについて
深尾委員長 機械も故障することがあるし、人もミスをすることがある。そうした場合、どういう措置をとるのかルール化されていない。これが一番問題。われわれ委員会もそう認識しているし、日建連さんも同様に考えていらっしゃる。データ管理の仕組みが不完全だった。ルール化がされていない。これは改善が簡単にできることかも知れないし、ぜひともやるべき。
地盤調査などについて
深尾委員長 掘ってみないと分からない部分があるし、追加の工事が必要になる。それをきちんと対応すべきなのに、(責任が)不明確なまま元請がかぶらざるを得ないというのであれば適切な工事が進められないだろう。そういうところも見直すべき。
-横浜のマンションの元請責任
深尾委員長 これは委員会が(責任の所在を明らかにする)責任を負っているわけではない。横浜から追加報告が出ていないのは、個人的には残念に思っている。横浜の契約関係がどうなっていたのか再発防止策に重要なので、報告を待って再発防止策を検討したい。
-横浜のマンション問題について
深尾委員長 われわれも(報告がでないので)困るところ。どういう状況で、どこに問題があるか。状況証拠的にはかなり複合的になっていると思うが、これを明らかにするのはわれわれの責任ではない。(報告が)出てきたら前に進みたい。(中間とのまとめは)年内にという要望ですので、分かった範囲内で取りまとめる。
-再発防止について
深尾委員長 現段階で公表できないが、日建連さんはかなりいろいろ検討されているという感触を得ている。具体的にどうするかは、業界全体でやるべきこと。われわれが言うより、工事を担う業界がやるほうが実効性があるし、十分に応えていただいていると思う。
小澤委員 事前にマニュアルを作成して人の配置とかチェックするシステムをつくっているところもある。これがヒントになるはず。日建連の指針もあわせいい方向性が出るのではないか。
-中間取りまとめについて
深尾委員長 中間取りまとめは、国民の不安を解消するということ、それと信頼を回復することが重要な目的。その部分に関しては、ある程度とりまとめができる。
繰り返しになるが、かなり業界団体も全体の改善策、再発防止策を検討していただいているので、今までと比べはるかに信頼が置ける工事が行われることにもなる。
もちろん、横浜の問題をどう解決するか、(事故が)起きないようにどうするかは少し別の次元かもしれないが、類型が起きない再発防止策は十分立てられると考えている。
今までの検討結果で、データ流用が直接施工不良に結びつくものでないことが判明して、われわれも嬉しいというかほっとしている結果となった。しかし、そういうことが分かったということは、逆にデータ確認を明らかに軽視している実態が明らかになったと委員全員がそう思っている。

一問一答を読んでいただければ方向性は明確だ。「データ流用が判明した物件のほとんどが施工不良には結び付いていないので、データ流用と(横浜のマンションの)施工不良との関係性は低い」(深尾委員長)ことから、杭打ち工事の指針(国交省から告示として発表されそうだ)ははっきりした形で示されるはずだ。
深尾委員長や小澤委員のコメント「ルール化は簡単にできることかも知れない」「日建連の指針もあわせいい方向性が出る」「今までと比べはるかに信頼が置ける工事が行われる」「類型が起きない再発防止策は十分立てられる」から判断すれば、言葉は悪いが「大山鳴動…」だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け繁忙期を迎える建設業界にとって、早々に幕引きし、問題の長期化を避けようという意向が働いたのだろう。
問題は、横浜のマンションを施工監理した三井住友建設が施工監理瑕疵はない」と会見で語ったことが事実そうであるならば、だれが責任を取るかだ。マスコミ報道では、この監理(「さらかん」という法的行為)と管理(「たけかん」と呼ぶ仕事の流れを管理する法的には罰則がない仕事)の区別がほとんどされていないのが極めて残念。
深尾委員長も話したが、罰則事項がないからデータ改ざんを行なった旭化成建材の技術者(どのような立場の人かは不明だが)に違法性を問うことはできない。被害者(横浜の例では入居者、三井不動産レジデンシャル、あるいは三井住友建設も入るのか)は誰にどのような理由で責任を追及すればいいのか。旭化成建材に損害賠償など責任を問えるならば、他の杭打ち業者もそうなる。/huto>
記者は杭打ち業者に責任を追及することはできないとしても、やはり施工監理責任は問われるべきだろうと考える。
データ流用施工不良に対する責任が施主や施工監理会社に及ばず、その下請けのみに「責任転嫁」される仕組みを温存するならば、やはり多重下請け構造不正を生む温床になるのではないか。対策委員会が魑魅魍魎のこの業界の宿痾にどのような処方箋を用意するか注目したい。
杭打ちデータ流用 再発防止にメド 多重下請け構造は継続課題 深尾・対策委員長が会見(2015/12/8)

ここでも「設計施工分離」は言及されていない!何故???

2015/12/25(金)
くい打ち問題 鈴鹿市が調査結果報告 4件の工事でデータ流用
【鈴鹿】鈴鹿市は二十四日、旭化成建材のくい打ち工事データ改ざん問題を受け、公共建築物を対象にした市独自調査の結果を報告。四件の工事で計四十七本のくいについて、データの流用が判明したと発表した。いずれも安全性を確認しており問題はない。
末松則子市長は「大変遺憾。国や県と連携を取り、見直しをしていかなければならない」と述べた。
四件の内訳は、同市東磯山二丁目の磯山市営住宅建築工事の三件と、市立椿小学校屋内運動場建て替え工事の一件。
平成十七―十九年にかけて完成した磯山市営住宅の三件の建築工事では、渡り廊下やF棟、G棟、H棟で計三十八本、平成十九年に完成した椿小学校屋内運動場建て替え工事では九本からデータの流用が発覚。同じ現場の他のくいのデータをコピーしたり、一部を切り貼りするなどの改ざんが見付かった。
請け負い業者への聞き取りによると、原因は計測装置のスイッチの入れ忘れなどでデータの欠損が発生したため、別のデータを流用して報告書の体裁を整えたと推測されるという。
対象の建築物については、市職員が杭が原因となるひび割れなどがないことを目視確認。定期点検でも不具合はなく、工事写真や施行記録からくいの支持層到達を確認した。
調査は市有施設の安全性を確認するため、十月末から実施。過去十年間に完成した市発注工事のうち、既製コンクリートくいや鋼くいを施行した工事を対象に、建築工事三十件、土木工事七件について調査した。
http://www.isenp.co.jp/news/20151225/news03.htm

これは調べれば、まだまだ出ますよ!!!もう既に結論は出ているが、この調査を何処まで遣るのかで、この問題の本質を抉りだす出す気があるのか?無いのかが分かる!!!どうも、全くなさそうです!!!

青田売りとは? 旭化成建材 杭打ち データ改ざんの何故を考える(3) [ニュース]
旭化成建材が施工した大型マンションの杭打ちデータが改ざんされていた件、ようやく様々な識者からの意見、コメントが一部報道にて、詳しく出てくるようになりました。
その中で、私が注目したいのが「青田売り」という言葉です。
青田売り」とは、いわゆる「青写真」でものを売る行為のことです。まだ出来ていない物件(マンション)に対して手付金を払う。そんなやり方。
この「青田売り」というのは何と、日本独特の文化だったのです。こんな違法スレスレの事を、販売業界で行っているのは「日本だけ」だったのです。びっくりです。
確かに不動産以外の物売りだったら、実物がまだ出来ていないのに買うなんてことは、あり得ないし、リスクも大きいからそんなこはしません。
でも、不動産に関して言えば、どんな小さなマンションでも、新築の物件の入居を希望すると、手付金が発生します。賃貸物件ですら、ありますよね。もう、この業界では当たり前すぎて、日本が特別だなんて誰も思いません。
今回、この「青田売り」が問題視されたのは、「工期」と「予算」の問題です。
前回、私は「低コスト短納期」が問題、と指摘したのですが、殊、建設業界に関して言えば、「約束した日にマンションが完成して入居出来なければ大問題」になるし、「もう売れてしまったマンションの建設費用は、後から増やすことは出来ない」のです。これはまさに「青田売り」によって生まれてしまった「マンション業界のゆがみ」なのである。
ということは、マンションの売り方・作り方そのものに、「納期絶対」の強い圧力があり、杭の長さが足りなかったり、データがうまく取れなかった時に、板挟みにあった担当が「改ざん」という最終手段に出る、「構造的な背景」があった、ということになる。
これはもう、調べれば調べるほど、困った問題になってきた。
http://fuji35.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02

私見です。「青田売り」が日本の独特の販売方法だとのコメントですが、カナダや米国の一部では「青田売り」は行われています。実際に私自身もデベロッパーの一員として、その開発事業に携わった事があります。ですが、日本のように完成引渡し日が絶対条件にはなっていません!完成引渡し予定日の前後3か月以上のアローアンスを設けての販売契約となっています。又、私自身のデベロッパー一担当役員及びゼネコン技術相談役の経験で言えば、この国の場合のデベロッパーゼネコンの力関係が異常な状態にあることが、問題なのだと考えます。建設コスト工期もデベロッパーの言いなり、この力関係が問題です。尚、米国の場合の建設時の検査は都合15回程度で、建設費の約8%のコスト負担となります。これらの費用を負担してでも良いという文化を根付かせる事こそが、必要なのだと考えます。

くい打ちデータ改竄問題 人材不足や多重下請け 偽装の遠因に
2015.11.14 06:38

横浜市都筑区のマンションに端を発したくい打ちデータ偽装問題の拡大は、建設業界を取り巻く課題解決の必要性を改めて突きつけた。高齢化に伴うとび職や型枠工といった技能労働者の不足や下請け構造の重層化など、すぐに処方箋を打ち出すのが難しいテーマも少なくなく、政府の対策が急がれている。
「データ流用が横浜以外にも広がっていることを重く受け止めている」。石井啓一国土交通相は13日の閣議後会見で、問題の背景が「個人の不手際」だけでは説明できなくなりつつある現状に懸念を示した。
国交省の調査では、年間建設投資額は2010年度の41.9兆円から上向き15年度は48.5兆円の見通し。建設大手や準大手が加盟する日本建設業連合会によると、アベノミクスによる高成長が維持されれば25年度に52.6兆円まで拡大すると推計。
ただ、働き手の高齢化で同時期までに約130万人の離職が見込まれ、建設事業者が投資に見合った供給を進めるには約90万人の新規技能労働者が必要とされるが、達成は不透明だ。人材不足を補うための生産効率化も進んでいるが、施工技術の高度化が、下請け構造重層化を引き起こす弊害も生んでいる。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/151114/bsc1511140500004-n1.htm
横浜のケースでも、旭化成建材の現場管理者が計測器の扱いに未習熟とみられるほか、元請けの三井住友建設の監理技術者が強固な地盤に未到達のくい打ちに立ち会わなかった。NPO法人・住宅地盤品質協会の橋本光則技術委員長は「担い手減少による人材不足に加え、多重下請け構造で管理の目が届かなくなっている」と指摘する。
国交省は今後、担い手確保に向けた技能労働者の処遇改善策を進めるほか、下請け構造重層化にメスを入れるための本格調査に乗り出す方針で、業界の持続可能性を高める考えだ。

私見です。今のままでの労働環境では、絶対に職人(労働者ではありません!職人です!)不足の解消は、ほぼ不可能です。「汚い」「危険」「きつい」&「低労賃」では、誰も好んでその職業を選択する者はおりません。この事を解決させるには、この国の経済構造にメスを入れ、身を裂くような変革を促すほどの決断が必要だと考えます。これを疎かにするば、永遠に建設産業から欠陥瑕疵問題は無くなることは無いと断言させていただきます。又、この事と並行して、一般消費者の権利意識の変化に伴う、建設産業への欠陥瑕疵不法行為に対する損害賠償請求訴訟も増大すると考えます。

マンションが傾いた!
作成日時 : 2015/10/29 16:27
横浜市のマンションが傾いた。土台をつくる杭の一部が地盤のしっかりしたところまでとどいていなかったらしい。調べてみたら杭打ち工事のデータに改竄があった。しかも、マンションの施工販売が三井不動産で、土台工事を請け負ったのが、旭化成の子会社だっていうので、大騒ぎとなっている。日本ではもっとも信用されていた会社であり一体何を信じれればいいのか?という感じだ。
正直言うとあたしは、何か違和感みたいのを感じていたが、少しずつわかってきたことがある。
ある程度大規模なマンションができる時って、ある日現場に塀ができ、早々とモデルルームが作られ、販売事務所がオープンする、大量の営業マンが投入され、売り出しがスタートする。早いもの勝ちで、人気物件は、完成と同時に完売済なのは当たり前なのである。購入者たちは、完成すなわち入居予定時期に合わせ、資金やローンの準備、子供の学校、保育園等を含め転入準備、エトセトラに忙しくなる。
高層の建物は、土台工事が一番大変そうなのは、素人でもわかる。地上に伸びてくれば出来上がるまで早いような気がする。だから、メディアが報じているように、マンション業界では、工事スケジュールのなかで土台工事の工期は絶対死守が原則らしい。すべての予定が狂ってしまい、万一完成入居がずれたりしたら大変なことになってしまうらしい。
まあ、空き地を掘り出す頃に、高額なものを売買するのだから、売る方もどうかと思うが、買う方もどうかと思う。
相手の会社を信じて決めたというならば、騙される方も反省したほうがいい。
ところで、今回なぜマンションが傾いたのか?杭打ち工事の不備に決まってる?ホントにそうか?
地盤に問題あるのではないか、と思っている。実に、14mの杭が基盤に届かない土地にマンションを建ててしまった。
このマンションが建っている横浜線の鴨居駅の北側、鶴見川の北側(都筑区)は、あたしの記憶では50年前には一面田圃だった。あたしは、ほぼその時代、鴨居駅前にあった自動車教習所で免許をとったが、周囲はホントのどかなものだった。駅の南側(緑区)はやや高台になっていて戸建て住宅の団地が早くから開発されていた。
横浜の中心地まで遠くなく、新幹線の開業で新横浜駅が横浜線で繋がったり、田圃はいつの間にかなくなり、まず工場ができ、そしてショッピングセンターとともにマンションも多くなった。
自分の住まいを選ぶとき、昔田圃だったり池だったりしたところは、やめたほうがいい、というのは常識だと思っていたが・・・。
傾いたマンションの住民の人たちは気の毒だと思うが、いつまでもぐずぐずせず早く正しい判断をしたほうがいいでしょう。
http://34229236.at.webry.info/201510/article_2.html

そうですね!やはり地盤の良いところを選択するのは賢明だと思います。

経済行動における人間心理の落とし穴
経済ニュースを人間心理から読み解く
工事担当者の3割がデータ改竄…旭化成の窮地 稼ぎ柱ヘーベルハウスに大打撃

2015年11月26日

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旭化成建材(株)による杭工事実績3,040件に関する調査報告(「旭化成 HP」より)
旭化成建材による杭打ちデータ偽装問題の拡大で、親会社である旭化成の業績への影響が深刻なものになりつつある。
旭化成は11月6日、2016年3月期連結純利益の見通しを下方修正した。
売上高は前期比0.7%増の2兆円、営業利益は3.8%増の1640億円と当初予想を据え置いたが、
純利益は13.9%減の910億円(当初1060億円)に引き下げた。
だが、純利益を下方修正した理由は、来春行う組織改正に合わせたシステム改修費が負担になるためだとしている。
偽装問題については「今後の調査の進捗状況等によっては、引当金を計上すること等により、当社の連結業績に影響が生じる可能性がありますが、現時点ではその影響額を合理的に見積もることは困難」(決算短信)として、業績予想に織り込んでいない。
今後、マンションの建て替えや住民への補償などが具体化すれば、その対策費用を計上する必要に迫られる。
旭化成は偽装問題の影響を受ける建材事業部門の業績見通しを見直した。
建材事業の下期(15年10月~16年3月)の売上高は244億円(当初予想280億円)、営業利益は19億円(同25億円)に減額した。
決算発表した小堀秀毅専務執行役員は、その理由について「杭打ち工事の問題で、営業活動がかなり制限されるとみている」と説明した。
しかし、新規受注の落ち込みが、この程度で収まるとの見方は少ない。
過去10年間で杭打ちした全国3040件のうち2864件の調査を終え、360件でデータの偽装があったことが明らかになった。
50人以上の現場責任者が、これに関与していた。
旭化成の平居正仁副社長は企業風土を問う質問に対し、「外部調査委員会が調査しているのでコメントは控えたい」と繰り返した。
●「先輩から教わって改竄
13日に公表した2376件のうち改竄があったのは266件で、調査した物件の1割以上に相当。
35都道府県にまたがっている。
旭化成建材の工事担当者は180人で、改竄に関与したのはそのうちの3割にあたる。
ほとんどが下請けからの出向だという。
2日に会見した経営陣は組織ぐるみの不正を重ねて否定したが、
13日の会見で従業員800人規模の企業で、出向者が多いとはいえ50人以上もが不正に手を染めていた実態が浮き彫りになった。
もはや「個人がやったこと」では通らない。
複数の現場担当者は同社の聞き取り調査に対し「データが取れなかったときに、先輩から教わって改竄を始めた」と説明したという。
国土交通省建設業法違反の疑いで旭化成建材本社を立ち入り検査した。
今後、「営業停止」などの行政処分を下すことになる。
営業停止は通常2週間程度だが、今回のケースでは一罰百戒の意味も込めて厳罰が予想される。
現在販売中の新築マンションは、「旭化成グループは使っていません」とうたうのが当たり前のようになっている。
旭化成建材は三井住友建設のほかにも、清水建設、竹中工務店、大林組、鹿島、大成建設の下請けとして入った工事がある。
発覚後、建材事業の営業活動を自粛しており、今後大手ゼネコンからの新規受注が全面ストップすることもあり得る。
建材事業の16年3月期(通期)の売上高は500億円、営業利益は50億円を見込んでいる。
来期は大半の売り上げと営業利益が消える可能性がある。
これに対策費用などの損失が重くのしかかる。
建材事業の解体が俎上に上ることも考えられる事態なのだ。
●旭化成の顔に泥
純粋持ち株会社である旭化成は傘下に
「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4事業領域を持つ。
旭化成ブランドのイメージダウンで最も深刻な影響が懸念されているのが、旭化成ホームズだ。
「住宅・建材」事業の中核となっている「へーベルハウス」のブランドで知られる住宅メーカーである。
住宅事業の16年3月期の売上高は5870億円、営業利益は620億円の見通し。
売上高は全社の3割弱、営業利益は4割弱を占める稼ぎ頭だ。
今や、実業団駅伝チームとともに「へーベルハウス」は旭化成の顔ともいっていい存在だ。
9月に茨城県を襲った洪水では決壊した鬼怒川周辺で大半の住宅が濁流に流されるなか、へーベルハウスの住宅だけが残ったことで強度・耐久性への評価が一段と高まっていた。
旭化成ホームズは、戸建て住宅では積水ハウス、大和ハウス工業に続く第3勢力に浮上していた。
不動産経済研究所と市場経済研究所がまとめた
14年度全国戸建て供給ランキングでは大東建託が6万6314戸で断トツの首位である。
旭化成ホームズの15年度の供給計画戸数は前年度比12.4%増の1万9650戸。
大手戸建て住宅メーカーの中で唯一、2ケタの伸びを計画していた。
小堀専務執行役員は住宅事業についても、「今後の受注いかんでは来期業績に影響する」と認めた。
住宅事業は旭化成のドル箱。販売が落ち込めば、旭化成本体の業績に大きな打撃となる。
●経営トップの進退
旭化成の小堀専務は経営責任について、
「これだけ世間を騒がせているので、原因究明の結果が出れば検討していく」と述べた。
旭化成建材は国交省から建設業法に基づく行政処分を受け、役員の処分が行われることになろう。
そうなれば、親会社である旭化成の浅野敏雄社長の引責辞任は免れない。
浅野社長は東京大学薬学部卒で、旭化成入社後は医薬品畑一筋。
ヘルスケア(医薬・医療)部門である旭化成ファーマ社長から昨年4月、本体の社長に抜擢されたばかり。
ヘルスケア部門出身者の社長の就任は初めてだった。
旭化成の中核事業は合成繊維から、住宅、エレクトロニクスへと広がりをみせている。
ヘルスケア事業を第3の柱にするのが浅野社長のミッションだった。
伊藤一郎会長は東大経済学部卒。
旭化成本流の繊維畑出身。
経団連の審議員会副議長を務めているが、これは辞任することになりそうだ。
もしそうなれば、東芝の佐々木則夫副会長が粉飾決算問題で経団連の副会長を辞任したのに続き、
母体企業の不祥事による辞任となる。
http://katharsis1914.seesaa.net/article/430308169.html

2015年12月号
分譲マンションが傾いた
横浜市都筑の分譲マンションにおいて、旭化成建材㈱が施工した一部の基礎杭について支持層に達しておらず、また、基礎杭の施工記録データの一部に不適切転用・加筆があったこと等が判明した。さらに、北海道の公営住宅、横浜市の公共施設においても施工データの流用等を行っていたとの事実が明らかになった。
国は、再発防止対策等について専門的見地から検討することを目的として「基礎杭工事問題に関する対策委員会」を設置し、基礎杭工事の管理体制や施工記録のチェックなどを含め、幅広く検討を行うとしているが、平成27年11月13日に発表するとされた旭化成建材㈱の全件検査結果は、同社の過去10年間に請け負った基礎杭施工工事3040件のうち2376件を調査。十数パーセントの割合(266件)で何らかのデータ改竄もしくはデータ流用が確認された模様だ。
一方、杭施工大手のジャパンパイルも時を同じくして杭施工データの改竄を独自に公表し、問題となっている既成コンクリート杭工法による直近5年間の全件調査を行うとした(11月16日)。同社は、「施工現場における電流計データの重要性に対する認識が十分でなかったためこのような事態を招いた」として謝罪した。
問題はこの2社に限らず、全国の基礎杭施工対象建築物に及ぶと見られ、日本の建築業界に対する信頼を根底から覆すことに繋がることから、国土交通省は危機感を募らせている。
【基礎杭とはどういうものか】
通常、建築物の安定を実現させるために基礎とよばれる構造物を地中に設置し、その上に構造物を乗せることで地盤面に伝わる力を分散支持する。基礎は下部構造物であり、建築物は上部構造物である。
上部構造物の規模が大きい場合、地中深部にまで基礎を構築する必要があり、杭基礎、ケーソン基礎、地中連続壁基礎や鋼管矢板基礎というような深基礎工法が用いられる。今回問題となっているのは、そのうちの杭基礎であり、浅い基礎では構造物を支えることができない地盤の場合に、地中深く杭を打ち込み、構造物を支えるもので、木杭、コンクリート杭、鋼管杭などがある。
そもそも上部構造物が大きくなれば、基礎底部は強固な地盤に達していなければならない。つまり、地表から軟弱地盤が厚く堆積し、この地盤では構造物を支えることが出来ない場合に杭基礎が採用される。その杭には支持機構による分類として以下のタイプが存在する。
1.支持杭
杭先端の地盤支持力によって支持する。
2.摩擦杭
支持地盤に到達させないで、杭周摩擦力で支持する。
3.支持摩擦併用杭
1.2.を併用した杭。
4.引き抜き抵抗杭
地盤アンカーを多数打設するなど、上部構造物が浮き上りを抑える。

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摩擦杭図解(資料:旭化成建材)
次に、基礎杭の材料による分類では、既成コンクリート杭、現場打設杭、鋼杭などがある。
既成コンクリート杭
・RC杭(遠心力成形の鉄筋コンクリート杭)
・PC杭(遠心力成形のプレストレストコンクリート杭)
・PHC杭(遠心力成形の高強度プレストレストコンクリート杭)
・PRC杭(遠心力成形の高強度プレストレスト鉄筋コンクリート杭)
・SC杭(遠心力成形の外殻鋼管付コンクリート杭)
現場打設コンクリート杭
・場所打ち鉄筋コンクリート杭
・場所打ち鋼管コンクリート杭
・地中壁杭
鋼杭
・鋼管杭
・H形鋼杭

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場所打ち鋼管コンクリート杭の断面図(資料:JFTスチール(株))
更に、工法による分類としては、打撃、埋め込み(既成杭)と機械掘削、人工掘削(現場打設杭)などの施工方法がある。
既成杭
打撃工法
・ディーゼルハンマー
・油圧ハンマー
・埋込み工法
・プレボーリング工法
・中堀り工法
・回転根固め工法
現場打設杭(場所打ち)
機械掘削
・オールケーシング工法
・アースドリル工法
・リバースサーキュレーション工法
・地中壁杭工法
人工掘削
・深礎工法

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油圧によってラムを所定の高さに持ち上げ,油圧を解放することによってラムを落下させ
杭頭を打撃して杭を打ち込む方法(資料:日本車両(株)・(株)ワイテック)
【データ流用が指摘された基礎杭とは】
旭化成建材の問題で採用された基礎杭は既成コンクリート杭を用いた支持杭で、地中の支持地盤に杭が到達していなかったと推測され、上部構造物の加重を支えられずに基礎が沈下したものとされている。
一般的に“既製杭”は小規模な現場に、“場所打ち杭”は大規模な現場に向いているので、横浜市都筑のマンション規模なら“場所打ち杭”が適当かと言えるが、それぞれの現場での工法については設計段階で条件を勘案して決めることであり、細い杭を数打つのか、太い杭で少なく済ますかの違いだと言える。そこには騒音規制や残土処理など、状況にも影響するので、一概に杭基礎の工法に問題があったとは言えないのである。
それでは何が問題であったのか。
当初(10月19日)は、施工した杭のうち8本が支持層に届いておらず、それが直接的な原因でマンションが傾き始めたとマンション施工業者の三井住友建設は説明。住民説明会で配られた資料によると、問題の8本の杭の周りの固い地盤(支持層)は、地中の深さ16mほどにあることが判明した。しかし、三井住友建設は、設計の段階で8本の杭の全長をすべて、14mとして設計したとしている。これについては、施工前のボーリング調査において何らかのミスがあり、支持層の深さを14mと想定してしまったとしていた。
しかし、その後の調査で、建物を支える70本の杭のデータが偽装され、一部は必要な深さまで達していなかったもので、敷地内にある4棟のうち、傾きが見つかった建物の南側にある8本が、支持層に届いていないか、届いていても不十分な状態であることが分かった。このマンションでは杭を打ち込むための掘削時に支持層に到達したかを判定するため、掘削ドリルの電流値を記録する方法が採用された。しかし、三井住友建設側が施工記録を点検すると、複数の杭の数値が不自然に似通っていることが判明し、問題の棟の10本を含め3棟で計38本の杭の施工記録が支持層に届いている別の杭のデータを流用して加筆されたものだったという。その理由は、電流計の故障や不具合から正規データの取得が出来なかった部分を補てんするためだった、と言っている。

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波長が一致した別々の地盤電流計データ(資料:北海道新聞社)
国土交通省では11月に入り報告データの改竄が施工計器類の不具合などから誘発された可能性があるとして、施工計器類の運用実態を見極め、施工業者のコンプライアンスの徹底と計器類の整備促進を検討するとしている。又、流用が確認された物件や特に横浜市都筑のマンションに関与した現場責任者の関わった物件(19件が報告)、地方公共団体が先行して調査し流用が明らかになった物件などについては、ボーリング調査などにより杭到達の有無に関し調査の実施を求めるとしている。
しかし、この問題に対する全国規模の波及を恐れてなのか、国の矛先が計器類の不具合という技術的なミスであったかのような結論付けが急がれているようにも見え、本質的な業界の体質の問題を闇から闇へ葬ろうとしているように思えてならない。

私見。筆者のご指摘の通り「この問題に対する全国規模の波及を恐れてなのか、国の矛先が計器類の不具合という技術的なミスであったかのような結論付けが急がれているようにも見え、本質的な業界の体質の問題を闇から闇へ葬ろうとしているように思えてならない。」だと考えます。であるな何故、もう一歩歩みを進めて頂けないのでしょうか?そのことこそが、本来の筆者自身の、この社会におけるレーゾンデトール(存在意義)なのではないでしょうか?

【見えない工事への信頼】
11月16日、石井啓一国土交通大臣は記者会見で、「工事をしっかりしてさえいれば、データはないがしろにしてもよい、という風潮があるなら是正する必要がある」と述べた。また、対策委員会の深尾精一委員長(首都大学東京名誉教授)は、「かなりなデータ流用があったとしても、安全と言えそうだと思っており、調査を急いでいる」とし、「杭一本のデータが得られなかったとしても先ず安全というなら、全てのデータを求めている仕組みに問題はなかったのか」「(杭施工業者の改竄を)全て調べると、(建築の)本来業務が止まらざるを得ない。バランスが大事」だと述べた。どこかで聞いたようなフレーズではないか?

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深尾委員長の記者会見(資料:共同通信)
そもそも地球上の建築物に絶対安全などというものは存在しない。とりわけ大規模な上部構造物を支える杭基礎においては、地中内部の構造と工法により安全の度合いや沈下の有無は大きく左右され、支持層の厚みの大小によっても施工基準に係わりなく沈下する可能性を秘めているものだ。
基礎杭の種類や工法の選択は、現場における設計に委ねられていると前述したとおり、実際の建設場所の地盤に応じて支持杭または摩擦杭のいずれを選択すべきかは、建築計画における様々な要因を勘案して決定される。勿論、いずれの杭基礎を採用したとしても、技術的基準に適合しなければならないことは当然であっても、例えば摩擦杭を採用し法令及び技術的基準に沿った工事を完了したとして、当該建築計画の周囲において別途掘削等が行われ、この地盤が沈下した場合、杭周面の地盤との摩擦力が低下し、支持力を失った建物は沈下することとなる。

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摩擦力低下による建物沈下の図解(資料:住宅紛争処理技術関連資料集)
他方、支持杭による工法によっても、同様に周辺地盤の沈下に影響されて建物が沈下するネガティブフリクションを起こす場合がある。ネガティブフリクションとは「負の摩擦力」を意味し、厚く堆積した軟弱地盤に沈下が生じたとき、この沈下により杭に引き下げ力が働き、杭先端の地盤や杭そのものを破壊して建物を沈下させることが確認されている。杭を引き下げる作用は摩擦杭の支持機構と逆の力であることから「負の摩擦力」と呼ばれる。過去の事例から、摩擦杭の支持力を上回る程大きな負の摩擦力が生じるのは、10cmを超える沈下が広範囲に生じた場合であることから、ネガティブフリクションの危険性が懸念されるのは沖積粘土層の厚堆積地域で上部構造物の加重過多等によって地下水位が低下し、軟弱地盤全体が圧密沈下注するようなケースである。
年間に2cm以上の沈下が確認されている地域では、設計時にネガティブフリクションの想定による安全性を検証しなければならず、沈下が生じても上部構造物に影響は出ない理屈であるが、実際には建物の沈下事例が報告されている。
注:圧密沈下
水で飽和した粘土やシルトが水を失って体積を減少させる現象を圧密といい、圧密によって地盤が沈下する現象を圧密沈下という。粘土層やシルト層は、砂や礫層と較べて間隙が多いという特徴が圧密沈下という現象を引き起こす。

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軟弱地盤によるネガティブフリクション図解(資料:鹿島建設(株))
地中深く施工される基礎杭に万能はあり得ない。たとえその先端が支持層に深く到達(根入れ)していたとしても、支持層自体の沈下やせん断は地震や地殻変動によっても当然に起こり得るのである。
この星は生きている。だからこそ、人の英知を絞ったと言え、それが大自然には儚い基準であっても、人々がすがる先はそれしか無いのであるから、最高の技術を提供することに邪念の余地はあってはならない。
建築基準法施行令第38条(基礎)
建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。
2 建築物には、異なる構造方法による基礎を併用してはならない。ただし、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮した構造計算又は実験によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
3 高さ13メートル又は延べ面積3,000平方メートルをこえる建築物で、当該建築物に作用する荷重が最下階の床面積1平方メートルにつき10トンをこえるものの基礎の底部(基礎杭を使用するにあっては、当該基礎杭の先端)は、良好な地盤に達していなければならない。ただし、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮した構造計算又は実験によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
4 打撃、圧力又は振動により設けられる基礎杭は、それを設ける際に作用する打撃力その他の外力に対して構造耐力上安全なものでなければならない。
5 建築物の基礎に木杭を使用する場合においては、その木杭は、平屋建の木造の建築物に使用する場合を除き、常水面下にあるようにしなければならない。
<執筆日:2015.11/23>
http://www.rabbitpress-plus.net/backnumber/201512/column/monthly.php

私見。ここまで、技術的に理解されているのなら、何故その先のこれを実現させるための産業構造の在り方までを言及して頂けないのでしょうか?物足りない!!!喰い足りない!!!

文責 釈迦牟尼仏(ミクルベ) 建太

次回に続く(杭データ改ざん事件160103

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