特定住宅瑕疵担保履行法の制度瑕疵-1

特定住宅瑕疵担保履行法の制度瑕疵-1

前回のブログでは、建築関係法令制定や改正の大きな流れと、建築法令を改変させるような、事件や地震の発生時期等を見ていただきました。且つ、これらの事件が発生した社会状況や時代背景についても、多少記載させていただきました。

前回の年表で私が示したかったのは、表題の「特定住宅瑕疵担保履行法」の考え方は、姉歯事件による一連の流れの中で、自然発生的に生まれた産物では無いのだと言うことです。

先の年表を見ていただきますとお分かりただけるように、1982年に財団法人性能保証住宅登録機構という組織を作ってありました。その業務内容が下記です。

住宅性能保証制度の概要

1-沿革
・昭和55年度 性能保証住宅登録機構(任意団体)の設立―新築1戸建て住宅を対象に住宅性能保証制度を創設
・昭和57年度 財団法人性能保証住宅登録機構の発足
・平成4年度 新築共同住宅等(分譲)の保証対象への追加
・平成9年度 新築共同住宅等(賃貸)の保証対象への追加
・平成11年度 財団法人住宅保証機構に改称(以下 「機構」という )―瑕疵保証円滑化基金の造成
・平成14年度 一定規模以上の増改築工事を保証対象に追加

2-概要
①―登録業者:住宅建設事業者、住宅販売事業者
②―住宅の登録:すべての新築住宅を対象。登録業者の申請を受け、機構が現場審査を 実施し、合格した住宅を登録。
③―保証:構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分について、保証開始日から10年間の瑕疵保証を行う。
性能機構フロー

3-業者登録
性能機構登録料

4-住宅登録料
住宅登録料は、新築/増改築、一戸建住宅/共同住宅等、登録業者の実績により異なる。
性能機構登録料

5-保証内容
保証開始日から10年間の保証を行う。事故については、住宅瑕疵保証責任保険により、修補費用に対し保険金が支払われる。
性能機構補填割合

6-保険金の支払限度額
<10年間の保険金支払総額>
性能機構支払い限度額

7―瑕疵発見時の手続きと仕組み
不具合発生等により、構造部等の瑕疵が見つかった場合、登録業者が現地を確認し、機構等に報告のうえ、修補工事を行い、保険金等を請求する。機構と損保会社は、修補完了の報告を受けて、保険金を支払う (ただし、業者が倒産している場合は、保険金は、直接被保証者に支払われる )
性能機構フロー2

(参考1)普及状況
性能機構契約割合

私は、基本的に他のサイトには直接リンクは貼らないようにしているのですが、余りの醜さに腹が立ったので、下記にサイトアドレスを貼らせて頂きます。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpo/dai1/kashitanpo1-4.pdf

上記の内容をご覧になっていただければ、お解り頂けますように、そう1982年には今回の「特定住宅瑕疵担保履行法」は、数字や手続き上のほんの少しの違いはあるにせよ、その骨格はほぼ完成していたのです。ですが、官僚の思惑とは異なり、その契約件数が民間法人を含めて、年間の完成引渡し物件数の12.8%にしか満たなかったことから、この財団の迷走が始まるのです。

その迷走の結果としての、矢継ぎ早の官僚、行政マン総出の制度設計や補助金・助成金等々の施策と、外殻団体(住宅金曜公庫等)等による援護策等々です。

そうしている間の30年後に、この制度に係わった官僚や行政マンが待ち望んでいた、社会状況が到来したのです。そう姉歯耐震偽装事件によるデベロッパーの倒産によって引き起こされた、被害者の救済問題です。

この機を逃がしてなるものかと動いたのが、国土交通省の官僚組織です。元々、この制度の保険には、損害保険会社への再保険が前提であることから、財務省も金融庁も異論を唱えることがありません。この制度が法律によって、義務化されることで財務省も金融庁の天下り先である、損害保険会社への恩恵が少なからずあるからです。

国土交通省の高級官僚や、地方の行政マン&財務省や金融庁の官僚も、この制度の立法化によって利権の増大に資することはあっても、障害になることは一つもありません。

確かに、今回の姉歯耐震偽装事件のような例に遭遇してしまうと、一見この制度がまともな制度のように感じてしまいますが、チョット冷静に考えてみれば誰でもが気が付くのではないかと思われるのが幾つかありますので、それを下記に箇条書きにしてみます。

一、何故、保険制度でなければならないのか?
二、他の制度、例えば共済金制度等ではだめなのか?
三、デベロッパーの倒産により、損害賠償の補填が出来なかったということであれば、倒産保険なり共済では、駄目だったのか?
四、というよりもこの制度以前に、何故、このような偽装が見破ることが出来なかったのか?行政庁の役割である、建築確認申請とはどのようなもので、どこに問題があってこのような、事態を招来させてしまったのか?どうすれば、このような事態を引き起こさせないことが、可能なのか?

ということでは無いかと思われます。

次回は、瑕疵欠陥を根絶する為に、この問題を更に踏み込んでお話ししたいと思います。

ここで、問題です。下記の資料を参照ください。よくある、コーナーガラスの写真です。このコーナーガラスの納まりには、致命的欠陥瑕疵が発生する可能性があります。それは、何故でしょうか?
コーナーガラス2

文責 釈迦牟尼仏(ニクルベ) 建太

次回に続く住宅瑕疵担保履行法の制度瑕疵-2

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