続々続々―何故、欠陥住宅(建築)が生産されるのか・・・

続々続々―何故、欠陥住宅(建築)が生産されるのか・・・

前回までのブログで、取合えず・・・欠陥住宅(建築)が何故生産されるか・・・について一端まとめさせていただきました。今回は、又、別の角度からのお話をさせていただきます。

皆さんは、施工図というのをご存知でしょうか?建築関係の求人情報誌等をご覧になられた方なら、記憶に残っていらっしゃる方も多いと思います。ですが、多分このブログの読者の方で、施工図はおろか設計図(正確には、設計図書※といいます)さえすらも、おぼろげながらでもご存じでない方が殆どだと思います。

では、先ず設計図書とは、いかなるものであるのか!から、お話しをさせていただきます。

下記が、一般的な設計業務の流れです。良く見てください。
発注者の発意→企画(敷地、概算予算、建物用途、諸元※等々の整理)→設計監理業務契約→各行政庁調査→基本計画→基本設計→各行政庁との協議→実施設計→確認申請→見積もり→現場説明→見積もり徴収→確認済証の交付→契約→現場着工→生産設計(施工図)→工事監理+施工管理→中間検査(指定確認検査機関等々+消防署)→工事監理+施工管理→受電→工事監理+施工管理→竣工検査(自主検査+発注者)+完了検査(指定確認検査機関等々+消防署)→竣工引渡し(重要事項説明+鍵引渡し+パンフレット等引渡し+竣工図の引渡し+確認申請書類及びその他行政庁との協議書類の引渡し等々)→使用開始→維持管理

極々荒っぽく言って、こんな流れです。設計者の設計業務というのは、設計契約から施工会社との契約までの部分を言います。後、中間検査や竣工検査+完了検査の立会も含まれる場合が多くあります。現場着工以降は、同じ設計者が行っていても業務契約としては工事監理と言います。施工管理は現場監督の業務です。皿カンと竹カンの違いで業務内容が全く異なります。

ここで、元来設計図書とは何なのか?ということを考えたいと思います。いたってシンプルに解説しますと、設計図+特記仕様書+性能要求書+確認申請書類+各行政庁との協議書類+見積もり要綱書等々となります。

基本設計図
これが基本設計図です。Google画像より引用

実施
これが実施設計図です。チョット一般的な図面より、書き込みが少ない感じです。Google画像より引用

なかなか、ご覧頂いているだけでは分からないと思われますので、下記に施工図をお見せします。
実施設計図
これが施工図です。Google画像より引用

ご覧いただいて、お分かりになると思いますが、基本設計図→実施設計図→施工図となるに従って、文字や記号の書込み量が増えています。

施工図は施工会社の業務です。何故、こんなことをするのかと言えば、日本の設計事務所で書かれる実施設計図では、施工会社は工事が出来ないからです。

その原因は二つあります。
その一つが、所詮設計図というのは、記号の集まりでしかなく、実現しようとする建物の全てを、表現させることは不可能なことだからです。これについては、外国でも事情は同じです。

そしていま一つが、日本の設計事務所の場合の設計監理料が、異常に安く叩かれているため、それを実現させるための、マンパワーを掛けられないということがあります。
これについては、異論のある方もおいででしょうが、それはまた別の機会に詳しくお話しさせていただきます。

そして、この施工図というのは、35年ぐらい前までは、もともと現場の職員(現場監督)が自ら作図していたのですが、この施工図の作成だけを請負う会社が出現してきた結果、いま現在は、ほぼ何処の現場でも、この種の人間が最低でも一人ぐらいは常駐しているようになってしまいました。(ただし、着工から竣工までということではありません。その現場所長の考え方によりますが、大体このブログの想定規模では長くて1年程度だと、思われます。)こうなったのには、幾つかの理由があります。その一つが、ISO等により書類作成業務が増えたこと、いま一つが、社員をこのことのために雇うよりは、コストパフォーマンスとして優れていたこと等です。

ですが、この事を採用した結果として、私は多くの物を失ってしまっているように思います。このことは、何も建設会社だけに限りません。設計事務所も同様です。つまり、作図するという作業は、その建物を深く考えるということと密接な関係なのです。この作業をその建物を司る者が、するかしないかで大きくその建物に影響を与えるのです。考えに考え抜いた結果の答えとしての図面には、それこそ技術者としての魂が宿っています。なので、多少の条件の変更や段取り間違いがあっても、十分に頭に入っているが故に難なくクリアできるのです。

ですが、悲しいかないま現在の現場は、そのようなことを許されません。結果、多少の条件の変更や段取り間違いなどで、現場が右往左往することになり、工事監理者から叱責を受けることになるのです。つまり、このような結果として欠陥工事が発生するのです。

文責 釈迦牟尼仏(ニクルベ) 建太

次回に続く続5-何故、欠陥住宅(建築)が生産されるのか・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です